外部検索/マッチングについて
外部検索/マッチング機能は、外観と操作感とも、PeopleSoft HCM に存在する標準の検索/マッチングによく似ています。ただし、外部検索/マッチングは外部システムと統合し、ユーザーはその外部システム内の検索を実行したり、レコードを個人レコードにインポートすることができます。目的は、HCM データベースの外部に存在する ID も含めて、環境全体で重複の可能性がある ID について完全かつ有効なリストを作成することです。
外部検索/マッチングは、用意されている 2 つの Web サービス オペレーションを利用して、これらの検索を実行します。その後、Web サービスを使用して、HCM データベース内に存在しない個人で一致する人物をインポートすることができます。Web サービスは、記録システムから外部システムにアウトバウンド検索リクエストを送信し、さらに外部システムから直接インバウンド レスポンスを受信します。エンタープライズ アーキテクチャの複雑化が進み、HCM が個人データの入力と管理の唯一のソースでなくなる可能性があるため、外部システムに対して検索を行うことで環境内に重複が存在しないことを保証します。
外部検索/マッチングでは、統合された別インスタンスのシステム内の個人のみが検索されます。外部検索/マッチングを使用して、HCM と Campus Solutions に対する検索を同時に行って重複の可能性がある個人レコードを特定し、そして HCM システムには一意の従業員 ID と個人レコードのみが追加されて、その従業員 ID がビジネス プロセス全体で引き継がれるようにします。このプロセスでは、HCM の検索結果ページ内に結合された結果が表示されます。
内部の検索/マッチングと同様に、外部システム内の検索を実行するには、次の 2 つの方法があります。
オンライン検索: 統合検索/マッチング コンポーネントに手動でナビゲートして、検索オプションを入力します。
自動検索: ID の作成が可能な Campus Solutions コンポーネントから、ユーザーが [保存] をクリックすると、外部検索/マッチングがバックグラウンドで起動されます。
オンライン検索および自動検索は、いずれも外部検索/マッチングを使用して実行できます。
オンライン検索
オンライン検索を実行するには、次の手順に従います。
統合検索/マッチング コンポーネントにアクセスします。
[検索タイプ]、[検索パラメータ]、[検索結果コード] および他の適切な検索フィールドを選択します (この手順は既存の検索/マッチングと同じです)。
これらのフィールドの一部または全てに検索データを入力してから、[検索] または [検索] ボタンをクリックします。
システムによって外部システムのデータ設定が検証され、組織でサポートされているのが検索/マッチングと外部検索/マッチングのいずれか、またはその両方であるのかが判別されます。この判別によって、その後、HCM データベース内と外部システムのいずれか、またはその両方に対して検索が実行されます。
外部検索を実行するようにシステムで決定された場合は、アウトバウンド検索リクエスト (マッチング リクエスト) が生成されます。その検索リクエストには、該当の検索に関する既知の全ての情報が含まれます。その XML メッセージには、使用された検索パラメータや、検索フィールドとその値などが含まれます。
画像: オンライン検索のビジネス プロセス
次の図に、このオンライン検索のプロセスを示します。

自動検索
自動検索を実行するには、前述の全ての情報を適用します。HCM のページでデータを入力して従業員 ID を作成し、[保存] ボタンをクリックすると、追加ロジックが呼び出されて、外部データ インテグレーション設定が検証され、マッチング リクエストが生成されます。
注: この発行日の時点では、HCM 内から自動検索を使用することはできません。オラクル社の予定では、今後の更新で使用可能になる予定です。
画像: 自動検索のビジネス プロセス フロー
次の図に、自動検索のビジネス プロセス フローを示します。

外部検索/マッチング機能によって起動されて使用される Web サービスが用意されています。具体的に、このような Web サービスには次のものがあります。
マッチング サービス (SCC_SM_SERVICE)。
フェッチ リクエストおよびフェッチ レスポンス (SCC_SM_FETCH)。
『PeopleSoft Campus Solutions Constituent Web Services Developer's Guide』で、これらの Web サービスの技術的な詳細 (たとえば、XML メッセージ コードの例など) について説明しています。
マッチング サービス
統合検索条件 ページで [検索] または [検索] ボタンをクリックすると、内部検索/マッチングと外部検索/マッチングのいずれか、またはその両方が実行されます。外部検索/マッチングでは、外部システムにマッチング リクエストが送信されます。これは、検索リクエストに含まれていた全てのフィールドが含まれる XML メッセージです。外部システムは、マッチング レスポンスを (同様に XML メッセージで) 返します。
外部システムへのマッチング リクエストの XML メッセージ (SCC_SM_SERVICE_REQ) では、次のようなシステム内の全ての情報が公開されます。
一致する候補が返される可能性がある全ての検索順序番号。
検索フィールド。
検索データ。
検索/マッチングの設定情報。
外部システムからのマッチング レスポンスの XML メッセージ (SCC_SM_SERVICE_RESP) には、次の情報が含まれます。
結果が見つかった検索順序番号およびルール。
一致する候補。
外部システム ID およびクロス リファレンス。
個人データ。
フェッチ リクエストおよびフェッチ レスポンス
統合検索結果ページで、従業員 ID がない個人の [詳細] または [インポート] ボタンをクリックすると、外部システムに対してフェッチ リクエストが送信されます。これは、外部システムの完全な個人レコードをリクエストする XML メッセージです。外部システムは、フェッチ レスポンスを (同様に XML メッセージで) 返します。
外部システムへのフェッチ リクエストの XML メッセージ (SCC_SM_FETCH_REQ) には、[インポート] または [詳細] ボタンが選択された対象の外部システム ID が含まれます。
外部システムからのフェッチ レスポンスの XML メッセージ (SCC_SM_FETCH_RESP) には、完全な個人レコードが含まれます。
外部システムからフェッチされた新しい個人レコードをインポートすると、
HCM システムで 従業員 ID が作成されます。
HCM システムで PERSON_BASIC_SYNC メッセージがパブリッシュされます (インテグレーション ブローカー内でこのメッセージがアクティブ化されている場合)。
My Oracle Support の『PeopleSoft Campus Solutions Constituent Web Services Developer's Guide』を参照してください。
外部システムの検索プロセスで重複の可能性がある一致の検索が完了すると、レスポンス メッセージ (マッチング レスポンス) を介して結果データが HCM に送信されます。検索を実行して内部検索/マッチングと外部検索/マッチングの両方のプロセスが起動された場合に、同じ検索順序番号で結果が見つからないことがあります。外部検索/マッチング機能のルールでは、全ての検索結果は、取得された最も小さい検索順序番号 (一致する従業員 ID が見つかった最も制限の多い検索ルール) から表示されます。検索順序は結果エンジンによって決まります。
検索結果が表示される前に、結果エンジンは内部検索/マッチングと外部検索/マッチングの両方のプロセスから結果を受信します。エンジンは、各システムの一致候補の検索順序番号を評価します。
内部検索/マッチングで見つかった一致候補の検索順序番号が外部システムの番号より小さい場合、結果エンジンは内部検索/マッチングの結果を表示します (最も小さい検索順序は、制限が多い検索であったことを示します)。
その反対に該当する場合、結果エンジンは外部検索で見つかった結果を表示します。
両方の検索で同じ検索順序番号で結果が取得された場合、結果エンジンは、それらの検索結果をユーザーのために一つにまとめて表示します。
呼び出されるのが内部検索/マッチングと外部検索/マッチングのいずれか、またはその両方であるのかにかかわらず、検索結果は統合検索結果ページに表示されます。このページには、検索結果ページと同じフィールドが多数含まれます。また、[結果] タブには、外部システム ID や従業員 ID などのオプションの列も含まれます。[結果] タブでは、検索/マッチング用に設定されたものと同じマスク設定が使用されます。
外部検索/マッチングで内部システムに存在しない一致候補が見つかった場合、ユーザーは [詳細] リンクを使用してその個人の情報を表示することができます。[詳細] リンクをクリックすると、詳細のためのアウトバウンド Web サービス リクエスト (フェッチ リクエスト) が生成されます。外部システムはリクエストを受け取り、そのレスポンス Web サービス (フェッチ レスポンス) に詳細な個人情報を含めて返します。次に、詳細ページ内に詳細な情報が表示され (ただし保存はされません)、ユーザーはデータを確認することができます。
その一致候補が自分が探している人物であると判断できた場合は、統合検索結果ページから個人レコードをインポートすることができます。[インポート] ボタンをクリックすると、フェッチ リクエスト (個人に関する詳細を取得するために使用されるものと同じ Web サービス) が生成され、そのフェッチ レスポンスに含まれる情報を使用して HCM データベース内に新しい個人レコードが作成されます。個人の従業員 ID を生成した後は、その ID を使用して以降のトランザクションを実行できます。