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マス アップデート処理について

次の各トピックでは、以下の項目について説明します。

注: HCM 特有のマス チェンジ テンプレートのサポートはなくなりました。便宜上、データベースにテンプレートは残っていますが、マス アップデート機能を使用することをお勧めします。

『PeopleTools: Security Administration』を参照してください。

マス アップデート機能では、多数の従業員のデータを変更できます。たとえば、マス アップデート機能を使用すると、会社全体での昇給、部門の異動、職務コードの変更、労働協約の変更、および組織再編を実行できます。

マス アップデート機能は、以下のモジュールで構成されます。

  • マス アップデート マネージャ: マス アップデート機能のユーザー インターフェイスになるフロントエンドのモジュールです。マス アップデート マネージャは、以下から構成されています。

    • マス アップデートの定義を設定するためのマス アップデート定義コンポーネント (MU_SETUP)

    • マス アップデート トランザクションを生成するためのマス アップデート作成コンポーネント (RUNCTL_MU_CREATE) および関連するアプリケーション エンジン (AE) プロセス

    • マス アップデート トランザクションのリストを確認および印刷するためのマス アップデート レポート コンポーネント (RUNCTL_MU_PRINT) および関連する SQR (Structured Query Report)

    • マス アップデート トランザクションの確認とプレビュー、オンラインでの個別処理、およびステータスの管理を行うためのマス アップデート管理コンポーネント (MU_MANAGE)

    • マス アップデートをバッチで実行するためのマス アップデート実行コンポーネント (RUNCTL_MU_EXECUTE) および関連する AE プロセス

    • 未処理のマス アップデート トランザクションを削除するためのマス アップデート削除コンポーネント (RUNCTL_MU_DELETE) および関連する AE プロセス

  • トランザクション プロセッサ: プロセッサの設定コンポーネントで構成されるバックエンドのモジュールです。トランザクション プロセッサでは、マス アップデートに使用されるシステム データの設定と管理、およびトランザクション処理機能にアクセスするアプリケーション クラスの設定と管理を行います。トランザクション プロセッサ アプリケーション クラスの役割は、サービス指向アーキテクチャ (SOA) 内のサービスにアクセスして、情報の読み込み、選択、書き込み、更新を行うことです。各トランザクションは、エレメントのリストから成る XML メッセージになっており、各エレメントは従業員と雇用レコードの組み合わせに対する更新に関連付けられています。トランザクション プロセッサ アプリケーション クラスは、この XML メッセージを解釈して適切なサービスにアクセスし、そのサービスを呼び出すオンラインまたはバッチ プロセスに承認と例外を返します。

  • 実行マネージャ: スポーニングによる並列処理を管理および監視するマス アップデートのバッチ処理機能であるバックエンドのモジュールです。スポーニングとは、子プロセスの複数のインスタンスを親プロセスによって同時に実行する方法です。実行マネージャでは、マス アップデートのバッチ処理の複数のインスタンスを同時に実行できるため、パフォーマンスが向上します。

注: マス アップデートのフレームワークは、SOA フレームワークを利用します。

マス アップデートを処理するには、次の手順に従います。

  1. マス アップデート定義コンポーネントで、マス アップデートの定義を設定します。

  2. マス アップデート作成ページ (マス アップデート マネージャ モジュールの一部) で、マス アップデートの選択フェーズを実行して、マス アップデートのトランザクションを作成します。

  3. トランザクションを確認して更新します。

    マス アップデート管理コンポーネントを使用すると、トランザクションをオンラインで確認および更新できます。

    マス アップデート レポート ページでは、レポートを生成してトランザクションを確認することもできます。

    どちらのコンポーネントもマス アップデート マネージャ モジュールの一部です。

  4. トランザクション プロセッサを使用してトランザクションを処理します。

    トランザクションの処理は、マス アップデート マネージャ モジュールの一部であるマス アップデート管理コンポーネントで 1 つずつ行うことができます。

    また、実行マネージャ モジュールの一部であるマス アップデート実行ページでトランザクションをバッチ処理することもできます。

  5. (省略可) 必要に応じて、マス アップデート マネージャ モジュールの一部であるマス アップデート管理コンポーネントで、トランザクションをキャンセルします。

  6. (省略可) 必要に応じて、マス アップデート管理コンポーネントでトランザクションを 1 つずつ削除するか、またはマス トランザクション削除ページでトランザクションをバッチ処理で削除します。

    どちらのコンポーネントもマス アップデート マネージャ モジュールの一部です。

画像: マス アップデートのプロセス フロー

次の図は、マス アップデート処理のプロセス フローを示しています。

マス アップデートのプロセス フロー

マス アップデートを正しく行うために、以下の点に注意してください。

  • 最初は小さなグループで更新をテストします。

  • データの上書きが確実に必要な場合だけ修正オプションを使います。

    できるだけ修正オプションを使用せずに、新しい有効日付きの行を追加します。

  • マス アップデート プロセスを使ってオンライン処理を自動化する前に、コンポーネントを制御するルールを理解するために処理に慣れておく必要があります。マス アップデートを使ってコンポーネントを更新する場合、そのコンポーネントはオンラインでアクセスするときと同じルール (デフォルト設定フィールドや必須フィールドなど) で制御されています。

  • 全てを変更する複雑なマス アップデート ID を作成する代わりに、組み合わせて使用できる単純なマス アップデート ID をいくつか作成します。

    これにより、柔軟性が高まるだけでなく、エラーの原因を簡単に特定できます。

重要 マス アップデート機能では、サービスを使用してデータを更新します。サービスでは、コンポーネントに関連付けられたビジネス ロジックが全て実行されます。このため、コンポーネントが正しく機能し、データの整合性を保つことができます。ただし、この方法によるデータの更新処理は、より完全な方法である反面、SQL 更新など他の方法に比べて処理が遅くなります。マス アップデートを実行する場合は、処理セットのサイズを制限したり、サーバーのトラフィックの少ない夜間に更新処理を行うなど、効率を上げる手順を行ってください。