その他の PeopleSoft HCM アプリケーション用定型文書の作成
次の各トピックでは、その他の PeopleSoft HCM アプリケーション用の定型文書の概要および以下の作業方法について説明します。
PeopleSoft プロセス スケジューラを使った定型文書の作成
定型文書ファイルでの名称指定規則の使用
定型文書を印刷するための準備
定型文書の応用
注: これらの説明は、テンプレートを使用して他の PeopleSoft HCM アプリケーション用の定型文書を作成するためのものです。PeopleSoft ヒューマン リソース管理用の定型文書を作成するには、別の方法で行います。該当する説明に従って、定型文書を作成してください。
定型文書の作成または PeopleSoft HCM に付属するサンプル定型文書の変更を行う前に、PeopleSoft ヒューマン リソース管理以外の PeopleSoft HCM アプリケーションでのプロセスの処理のしくみを理解する必要があります。
その他の PeopleSoft HCM アプリケーション用定型文書を作成するには、次の手順に従います。
レポート ライターを使用して SQR を実行します。
SQR によって PeopleSoft HCM データベースが検索され、データが抽出されて、1 文書につき 1 行のデータを含んだデータ抽出ファイルが作成されます。
Microsoft Word のマクロを実行して、各タイプの定型文書テンプレートにそれぞれのデータ抽出ファイルを差し込みます。
PeopleSoft プロセス スケジューラを使って定型文書を作成するために、Word マクロが含まれている 2 つのファイル (アプリケーション CD の \PS\WINWORD ディレクトリにある stdltr.dot および stdltr.95) が同梱されています。必ず、使用しているシステムに適したマクロ ファイルを使ってください。
stdltr.dot のマクロは Microsoft Office 97 の Word 97 用で、Visual Basic で書かれています。
stdltr.95 のマクロは Microsoft Windows 95 で使用される Word 7.0 用で、Word Basic で書かれています。
stdltr.95 を使う場合は、システムにコピーしてからファイル名を stdltr.dot に変更します。
Microsoft Word を使用して文書を印刷します。
定型文書はアプリケーション サーバー上の一時ディレクトリに作成され、同じタイプの文書は全て 1 つのファイルにまとめられます。
PeopleSoft HCM システムが提供するアーキテクチャによって、アプリケーション サーバーはユーザーのマシンから離れた場所に設置できるため、文書はデフォルト プリンタには自動的に出力されません。その代わり、Microsoft Word の標準印刷オプションを使用して文書の印刷先を選択できます。
PeopleSoft プロセス スケジューラでは、Microsoft Word を使用してマクロを実行し、データ抽出ファイルから定型文書テンプレートへの差し込みと、文書の印刷を行います。各ステップを順に実行するためのジョブを実行することも、手動で各ステップを順に実行することもできます。各プロセスを手動で実行する場合、最初に SQR、次に対応するマクロ、という順でステップを実行する必要があります。これは、PeopleSoft プロセス スケジューラからレポート ライターとワープロを同時に呼び出すことはできないためです。また、Word マクロを実行する前に、SQR でデータ抽出ファイルを作成しておく必要もあります。
画像: PeopleSoft プロセス スケジューラを使ったその他の PeopleSoft HCM アプリケーション用定型文書の作成
次の図と手順は、PeopleSoft プロセス スケジューラを使用したその他の PeopleSoft HCM アプリケーション用定型文書の作成方法を示しています。

PeopleSoft プロセス スケジューラで、その他の PeopleSoft HCM アプリケーション用定型文書を作成するには、次の手順に従います。
SQR PAWRL01:
各従業員の個人データ レコードをスキャンします。
レコードの情報を取得します。
データ抽出ファイル pastdext.dat をマクロに定義された TEMP ディレクトリに作成します。
マクロ PAWRL01:
データ抽出ファイルに対応する定型文書テンプレートを開きます。
該当の抽出ファイル データをテンプレート rollover.doc に差し込みます。
pastdext.dat からテンプレートのフィールド コードにデータを挿入します。
Microsoft Word によって、全ての文書に拡張子 .doc が付けられます。このタイプの文書には、他の名称指定規則は必要ありません。
定型文書を印刷できるようにするには、PeopleSoft 提供の付属のマクロを環境に合わせて変更し、プロセス スケジューラの設定ファイルを設定する必要があります。
設定によっては、付属の Microsoft Word の標準マクロに以下の変更を加える必要があります。
全てのマクロを含む empty.doc ファイルへのデフォルトのパス
文書の作成される場所
マクロにより、文書はアプリケーション サーバーの C:\TEMP ディレクトリに作成されます。マクロを編集して文書の場所を変更し、Microsoft Word から文書を印刷する際にローカル プリンタに出力できるようにしてください。
定型文書を印刷するためにシステムを設定するには、次の手順に従います。
ローカル マシン上に文書用の共有ディレクトリを設定します。
この設定によって、アプリケーション サーバーによってこのディレクトリに文書を追加できるようにします。たとえば、ユーザーが教育・研修管理者である場合、ローカル マシン上の C:\TEMP ディレクトリを TRNTEMP として共有できます。
マルチリンガル文書の場合、文書を実行する言語ごとにサブディレクトリを設定します。たとえば、[言語] フィールドが [英語] に設定された文書を実行する場合は、C:\TEMP\ENG ディレクトリを作成します。共有ディレクトリの設定方法がわからない場合は、システム管理者に問い合わせてください。
empty.doc ファイルの場所および共有ディレクトリの場所を使ってマクロを更新します。
置換前のマクロの行は次のとおりです。
WordBasic.Call "FuncLib.MergeReport", "C:\TEMP", "PASTDEXT.DAT", "C:\HR800\WINWORD", "ROLLOVER.DOC", ""
置換後は次のとおりです。
WordBasic.Call "FuncLib.MergeReport", "C:\TEMP", "PASTDEXT.DAT", "C:\<path>\WINWORD", "ROLLOVER.DOC", "\\<machine_name>\TRNTEMP"
説明
<path> は empty.doc があるディレクトリへのパスです。
<machine_name> は、ユーザーのマシンに割り当てられたマシン名です。
WINWORD 変数をプロセス スケジューラの設定ファイルに定義します。
WINWORD は、定型文書を作成するためにプロセス スケジューラによって実行される Microsoft Word の実行ファイルの場所を定義します。たとえば、Microsoft Word がアプリケーション サーバーで稼動している場合、プロセス スケジューラの設定ファイルのこの行は次のようになります。
WINWORD=C:\APPS\OFFICE97\OFFICE
『PeopleTools: PeopleSoft Process Scheduler』を参照してください。
次の各トピックでは、以下の作業方法について説明します。
サンプル文書の Word マクロの変更
サンプル文書テンプレートのテキストの変更
サンプル文書へのフィールドの追加
新規定型文書の作成
サンプル文書の Word マクロの変更
Microsoft Word の各マクロにいくつかの環境変数を指定し、定型文書プロセスで Word のテンプレートとデータ抽出ファイルが参照されるようにします。たとえば、ネットワークまたはワークステーションの構成によって、マクロに指定されている場所とは異なる場所にファイルがある場合があります。その場合、パスを修正して正しい場所を反映させる必要があります。
既存のマクロを編集したり、マクロを新規作成する前に、Microsoft Word の文書、マクロ、およびレポート ライター SQR のコピーを印刷して、慎重に検討してください。
注: マクロを変更するには、Microsoft Word のテンプレート、マクロ、およびレポート ライターに精通している必要があります。
マクロは全て \PS\WINWORD ディレクトリのファイルに添付されています。(インストールの方法によってパスが異なる場合がありますが、ファイルは常に WINWORD サブディレクトリにあります。)マクロは、empty.doc という空の Microsoft Word ファイルに添付されます。
マクロを変更するには、次の手順に従います。
Microsoft Word で empty.doc ファイルを開きます。
の順に選択します。
[マクロ名] フィールドで、[Stdltr] (テンプレート) を選択します。
変更するマクロを選択して、[編集] をクリックします。
サンプル文書テンプレートのテキストの変更
PeopleSoft HCM に付属する定型文書テンプレートには、各種のタスク用のサンプル テキストが含まれており、ユーザーのニーズに合わせて変更できます。たとえば、文書の送信者名を、組織でのタスク管理の責任者である従業員名に変更する場合などです。使用するフィールドや、PeopleSoft ヒューマン リソース管理で参照されるページやテーブルを変更せずに、テキストだけを変更する必要がある場合は、以下に示す手順に従います。
定型文書のテキストを変更するには、次の手順に従います。
更新する Word の文書テンプレートを探します。
テンプレートは \PS\WINWORD ディレクトリにあります。
Microsoft Word で、変更する文書を開きます。
文書に " " がある場合は、[フィールド コード] チェック ボックスをオンに設定します。
を選択し、一般にドキュメントのテキストを変更するのと同じ方法で、テキストに変更を加えてファイルを保存します。
警告 中かっこで囲まれているフィールド コードは上書きしないでください。これらは、PeopleSoft ヒューマン リソース管理から抽出される値のプレースホルダです。
サンプル文書へのフィールドの追加
サンプル文書は、テキストを更新できるだけでなく、PeopleSoft HCM の他のタイプのデータを含めることができます。
注: この変更を行うには、Microsoft Word のフィールド、および PeopleSoft ヒューマン リソース管理データベースからデータ値を抽出するために使用されるレポート ライターに精通している必要があります。
定型文書で追加フィールドを使用するには、次の手順に従います。
新しいタイプのデータを含める場合は、そのデータ用のフィールド コードを定型文書テンプレートに追加します。
PeopleSoft ヒューマン リソース管理からデータを抽出する SQR を変更し、使用する全てのフィールドから値が取得され、その値が適切なデータ抽出ファイルに書き込まれるようにします。
たとえば、通知文書 rollover.doc に通貨を含めるには、定型文書テンプレートに通貨のフィールド コードを追加します。また、pastdext.sqr に通貨の変数を追加し、SQR によって通貨の値が取得され、それがデータ抽出ファイルに書き込まれるようにします。
変更前のデータ抽出ファイルは次のとおりです。
LANG,NAME,PLAN,ADDR1,ADDR2,ADDR3,NATIONAL_ID,CURDATE
USA", "Mr. John Matson","BEN01", . . . , "May 15, 1993"
変更後のデータ抽出ファイルは次のとおりです。
LANG,NAME,PLAN,ADDR1,ADDR2,ADDR3,NATIONAL_ID,CURDATE,Currency
USA", "Mr. John Matson","BEN01", . . . , "May 15, 1993","US Dollars"
新規定型文書の作成
他の目的に使用する新規の定型文書を作成することができます。たとえば、従業員が署名する必要がある福利厚生プランに関する定型文書を送信することなどが可能です。
新規定型文書を作成するには、次の手順に従います。
適切なテキスト、フィールド コード、およびデータ ステートメントの参照が含まれている Word 文書テンプレートを作成します。
定型文書を新規に作成するよりも、既存の定型文書テンプレートを応用する方が簡単です。定型文書テンプレートを調べて、若干の変更を加えるだけで新規定型文書テンプレートとして使用できるものがないかどうか確認してください。
PeopleSoft ヒューマン リソース管理の他のテーブルからデータを選択、抽出し、それを別のデータ抽出ファイルに保存する SQR を作成します。
抽出したデータを読み取り、それを Word の文書テンプレートに差し込むマクロを新規作成します。
既存のマクロをコピーして応用する方が簡単です。
注: 新規文書を PeopleSoft プロセス スケジューラにリンクするには、ヒューマン リソース管理プロジェクトの責任者に相談するか、以下の参考文書を参照してください。
『PeopleTools: PeopleSoft Process Scheduler』を参照してください。