兼務管理用セキュリティの設定
兼務管理用セキュリティを設定するには、セキュリティ インストール設定 (SCRTY_INSTALL)、セキュリティ タイプ テーブル (SCRTY_TYPE2_TBL) および兼務レポート セキュリティ JPN (ADDAPPT_SEC_JPN) の各コンポーネントを使用します。
次の各トピックでは、兼務管理用セキュリティの概要および設定方法について説明します。
ページ名 |
定義名 |
用途 |
---|---|---|
『Application Fundamentals』「Security Installation Settings Page」[英語版] |
SCRTY_INSTALL |
インストールする HCM セキュリティ設定を選択します。 |
『Application Fundamentals』「Security Type Table Page」[英語版] |
SCRTY_TYPE2_TBL |
既存のセキュリティ アクセス タイプを有効にするか、新しいセキュリティ アクセス タイプを作成します。 |
AA_SECURITY_JPN |
兼務セキュリティを使用するレポートを選択します。 |
PeopleSoft システムでは、兼務データへのアクセスに使用できる、部門セキュリティと兼務用セキュリティの 2 つのセキュリティ オプションを用意しています。デフォルト オプションである部門セキュリティを選択した場合、兼務によって追加のセキュリティ アクセスが提供されることはありません。従業員のデータにアクセスするには、主務のある部門へのアクセス権が必要となります。兼務用セキュリティを設定した場合、兼務によって追加のセキュリティ アクセスが提供されます。アクセス権を持つ部門に主務または兼務が 1 つでもあれば、主務を参照することができます。
セキュリティ アクセスの例
画像: 部門セキュリティ ツリーの例
セキュリティ オプションがどのように機能するかを示すために、部門 100 が部門 200 と部門 300 の上位階層にある部門セキュリティ ツリーについて検討します。従業員 1000 は両方の部門に存在し、雇用レコード番号 0 (主務) が部門 200 に、雇用レコード番号 1 (兼務) が部門 300 にあります。
次の図は、この部門の構造を示しています。

それぞれのセキュリティ オプションで、セキュリティは以下のように機能します。
デフォルトの部門セキュリティを使用した場合:
部門 200 へのアクセス権を持つユーザーは、従業員 ID 1000 のデータにアクセスできます。
部門 300 へのアクセス権しか持たないユーザーは、従業員 ID 1000 のデータにアクセスできません。
兼務用セキュリティを設定した場合:
部門 200 へのアクセス権を持つユーザーは、従業員 ID 1000 のデータにアクセスできます。
従業員 ID 1000 が部門 300 に兼務を持つため、部門 300 へのアクセス権しか持たないユーザーでも従業員 ID 1000 のデータにアクセスできます。
注: セキュリティ アクセスは、システム日が兼務解任の有効日よりも前であることを条件とします。データ行へのセキュリティ アクセスは、兼務解任の有効日に無効となります。
兼務用セキュリティを設定するには、次の手順に従います。
セキュリティ インストール設定ページで [兼務セキュリティ JPN] チェック ボックスをオンにします。
セキュリティ セット PPLJOB のセキュリティ タイプ テーブル ページで [兼務セキュリティ JPN] チェック ボックスをオンにします。
SJT_CLASS_ALL のリフレッシュ コンポーネント (SCRTY_OPR_RC) を使ってセキュリティの結合テーブルをリフレッシュします。
兼務レポート セキュリティ JPN ページ (AA_SECURITY_JPN) を使用して、兼務セキュリティを使用するレポートを選択します。
ナビゲーション
画像: 兼務レポート セキュリティ JPN ページ
次の例では、兼務レポート セキュリティ JPN ページのフィールドおよびコントロールを説明します。このページのフィールドおよびコントロールの定義は後で説明します。

次の表は、兼務セキュリティの対象となるレポートと、レポート ページで選択するコンポーネント名の一覧です。
レポート ID |
レポート名 |
コンポーネント名 |
---|---|---|
PER062JP |
昇格候補者リスト |
RUNCTL_PER062_JPN |
PER063JP |
辞令 JPN |
RUNCTL_NTF_JPN |
PER064JP |
通達 JPN |
RUNCTL_NTF2_JPN |
PER065JP |
出向満了予定者一覧 JPN |
RUNCTL_PER065_JPN |
PER066JP |
人員配置 JPN |
EMP_ASN_LST_JPN |
PER072JP |
従業員配置予定表 |
RC_IDO_FUT_ASN_JPN |
PER074JP |
異動候補者リスト |
RC_IDO_EE_LIST_JPN |
その他のレポートについては、主務に関する情報にアクセスするには、主務がある部門へのアクセス権を持っている必要があります。兼務セキュリティが有効な場合でも、兼務の部門は上記の 7 つ以外のレポートに対しては、追加のアクセス権を付与しません。
これらの 7 つのレポートに対して兼務セキュリティを有効にする目的は、兼務へのセキュリティ アクセスがある場合に主務を表示させることです。兼務セキュリティを有効にしても、PER062JP、PER063JP、PER064JP、PER065JP には兼務は表示されません。兼務が表示されるのは PER066JP、PER072JP、および PER074JP です。
これらの 7 つのレポートに対して兼務セキュリティが適用されると、現在の職務情報のみが評価されます。将来の日付の採用や雇用終了など、将来の日付の職務データ行は無視されます。どちらのセキュリティ オプションを選択した場合でも、セキュリティ アクセスの決定に使用されるのは現在行だけです。