通勤手当について
PeopleSoft から配布されている通勤手当を処理するルールは、日本の法定要件およびビジネス プロセスの要件を満たしています。この項では、いくつかの要件について確認し、ルールがこれらの要件をどのように満たすのかを一般的な用語で説明します。後の項で、それらのルールの個別のエレメントについて説明します。
この項では、次について説明します。
通勤手当の周期。
現金通勤手当および現物通勤手当。
通勤手当の入力方法。
課税通勤手当および非課税通勤手当。
複数雇用レコードに対する通勤手当。
配布された通勤手当支給エレメント。
グローバル ペイロール (日本) では、1 日、1 か月、3 か月および 6 か月の支給サイクルの通勤手当の支給に対応しています。
支給サイクルが 1 日の場合、通勤手当の 1 か月の支給額として、日額に出勤日数を掛け合わせた金額が支給されます。
支給サイクルが 1 か月の場合、通勤手当の 1 か月の支給額として、入力された月額が支給されます。
支給サイクルが 3 か月または 6 か月の場合、実際の支給が行われるのは 3 か月または 6 か月に 1 回のみです。ただし、報酬月額を計算するために、現金通勤手当および現物通勤手当は、月額に比例配分して管理されます。
支給の周期は、データ入力方法によって変わります。総額登録方法の場合、従業員の通勤手当の構成要素はすべて、同じ周期で支給する必要があります。区間単位登録方法の場合、通勤区間ごとに周期を指定して支給できます。
PeopleSoft では、従業員の通勤手当の構成要素に対する値を入力するページが用意されています。構成要素には次のものがあります。
現金支給運賃。
現金支給通行料等。
現物支給運賃。
現物支給通行料等。
アレイ CM AR COMM ALLOW によって、これらの値が適切な変数に割り当てられます。
入力された現物支給の値は、所得税および報酬月額の計算のためのみに使用されます。現物支給の金額は、支給として支払われる金額には加算されません。
グローバル ペイロール (日本) では、総額または通勤区間ごとに通勤手当を保存できます。支給サイクルに基づいて通勤手当を 1 つに合計したり (総額登録方法)、通勤区間に基づいて通勤手当の金額を分けて (区間単位登録方法)、従業員の通勤手当を入力できます。
入力方法は、支給サイクルおよび税額の計算に影響します。総額登録方法を選択した従業員の場合、支給サイクルを 1 つのみ指定します。通勤手当はすべて、この支給サイクルで支給されます。
区間単位登録方法を選択した従業員の場合、通勤区間ごとに支給サイクルを 1 つずつ指定します。
所得税の計算のために、課税通勤手当および非課税通勤手当の金額を管理する必要があります。通勤手当総額 (運賃および通行料等) の法定非課税金額 (非課税限度額) は、すべての従業員で同額です。この金額は、変数 CM VR NTAX ALW MX に格納されています。
支給サイクルが 3 か月または 6 か月の場合、全期間に対する非課税限度額が計算され、その全期間に対する通勤手当金額にこの限度額が適用されます。
総額登録入力方法
通行料等非課税限度は、従業員ごとに異なります。「通勤手当 JPN」ページで、この値を入力します。
グローバル ペイロール (日本) では、運賃と通行料等の金額は分けて管理されます。まず、個別の限度額を適用して通行料等非課税額が計算されます。次に、この値を使用して、通勤手当の課税額および非課税額の合計金額が算出されます。
区間単位登録入力方法
区間単位登録入力方法を使用する場合、通勤手当はすべて非課税とみなされます。1 か月の合計額が非課税かどうかの判断は、ユーザーの側に委ねられています。従業員の通勤手当が非課税限度月額を超えそうな場合や、グリーン運賃などの課税通勤手当が含まれる場合は、総額登録入力方法を使用します。
グローバル ペイロール (日本) では、複数雇用レコード機能をサポートしています。複数の雇用レコード、つまり複数の職務を持つ従業員の場合、通勤手当は、従業員ごとではなく雇用レコードごとに計算されます。同様に非課税限度月額も、次の例で説明されているように、従業員ごとではなく職務ごとに適用されます。
通常の例
従業員 Yuko Yoneda に対し、140,000 円の通勤手当を支給します。この従業員の雇用レコード番号は 1 つのみです。非課税限度月額はこの雇用レコード番号に対して適用され、100,000 円が非課税となり、40,000 円が課税となります。
複数雇用レコードの例
Kimi Kubota には、雇用レコード番号 1 と 2 の、2 つの雇用レコードがあります。雇用レコード番号 1 に対し、60,000 円の通勤手当が支給されます。雇用レコード番号 2 に対し、80,000 円の通勤手当が支給されます。非課税限度月額は雇用レコード番号ごとに適用されるので、通勤手当はすべて非課税となります。Kimi Kubota は、前の例の Yuko Yoneda と同額の通勤手当を受け取っていることに注意してください。それぞれの支給額が非課税限度月額を超えていないため、Kimi Kubota の通勤手当はすべて非課税になります。
支給エレメント |
説明 |
---|---|
CM TAX ALW |
課税通勤手当。 |
CM NTAX ALW |
非課税通勤手当。 |
CM TAX ADJ |
課税調整通勤手当。 |
CM NTAX ADJ |
非課税調整通勤手当。 |
PeopleSoft では、日本用に設計されたすべての配布エレメントを参照するために実行するクエリーが提供されています。このクエリーの実行方法については、PeopleSoft グローバル ペイロールで説明されています。