退職金の処理について
退職に際し、受給者は、勤続年数、基本給、離職理由およびその他の条件などの組織の方針に基づいて、退職金を受け取ります。グローバル ペイロール (日本) では、従業員の退職金を入力して、退職時の支給に関連する所得税および住民税 (都道府県民税や市町村民税) を自動的に計算し、控除できます。また、退職所得の源泉徴収票や明細書を作成することもできます。
この項では、次について説明します。
退職金用の配布エレメント。
配布エレメントの表示。
控除処理ルール。
退職金の設定および処理。
グローバル ペイロール (日本) では、退職金を処理するために次のエレメントが配布されています。
支給エレメント ER RET ALW。
ポジティブ入力を通して従業員の退職金支給額を入力する際に、このエレメントを使用します。
累計 ER AC RET ALW EARN。
このエレメントには、退職金の支給額が格納されます。これには 2 つのメンバーがあります。1 つは支給エレメント ER RET ALW で、ポジティブ入力によって値がロードされます。もう 1 つは累計 ER AC RET CUST ERN で、配布されている累計メンバーはありません。累計 ER AC RET ALW EARN のメンバーとして支給エレメントを追加すると、この累計で追加の支給を累計できます。
控除エレメント IN TAX RET、IH MUNIC RET および IH PREFT RET。
退職金に対する所得税、市町村民税および都道府県民税を計算するために、これらのエレメントを使用します。
プロセス リスト JPRRET。
配布された実行タイプ エレメントに関連付けられているプロセス リストです。
PeopleSoft では、日本用に設計されたすべての配布エレメントを参照するために実行するクエリーが提供されています。このクエリーの実行方法については、PeopleSoft グローバル ペイロールで説明されています
グローバル ペイロール (日本) では、退職金の支給額に対する税控除処理を次のように行います。
重複勤続年数や障害による退職かどうかなどを考慮したうえで、退職金の控除額を計算します。
退職所得控除額控除後の退職手当等の金額を計算します。この値は、ポジティブ入力で入力した退職金の支給額と、「退職金データ管理 JPN」ページで入力した同一年内の退職手当等の金額を合計し、退職所得控除額を差し引いて算出されます。
退職金の課税対象額を計算します。
退職金の課税対象額に対する所得税額を、従業員が退職所得の受給に関する申告書を提出したかどうかを考慮したうえで決定します。
注: 死亡による退職金が支給される場合は、所得税はゼロになります。
退職所得控除額控除後の退職手当等の金額に基づいて、住民税を決定します。
退職金は、不定期支給としてオフサイクル実行で処理されます。
退職金の設定と処理の大まかな手順は次のとおりです。
「退職金データ管理 JPN」ページで、従業員の勤続年数や退職所得の受給に関する申告書のデータを含む、退職金データを入力します。
この情報に基づいて、退職金の控除額や現在の退職金に対する税額を計算します。受給者が退職所得の受給に関する申告書を提出しているかどうかにかかわらず、この手順は行う必要があります。
オフサイクルのコンポーネントを使用して、受給者の現在の退職金支給額を不定期支給として入力します。
必要であれば、PeopleSoft HR の人事・労務管理 JPN ビジネス プロセスの「個人情報詳細」ページで、受給者の死亡日を入力します。
退職金に対するオフサイクル処理を実行します。
給与明細書を印刷します。
退職金源泉徴収票を作成します。