年末調整について

グローバル ペイロール (日本) にあらかじめ用意されたルールを使用することで、年末調整の計算レポートで必要とされる、日本独自の法定要件や業務要件に対応できます。また、年末調整後に受給者の年税額に影響するイベントが発生したときに行う、単独年調の計算やレポートのルールも用意されています。

暦年の最後の給与あるいは賞与の支給時に年末調整処理を行うと、徴収された所得税と実際の支給額に対する所得税の差額が受給者ごとに計算され、その年の最後の支給でこの過不足税額が精算されます。単独年調処理では、過不足税額は未払いの所得税となり、次の対象年度の最初の支給で差し引かれる控除として繰り越されます。過不足税額により、所得税の源泉徴収額が実際の所得税額を超えていることが判明した場合、年末にその超過額が受給者に払い戻されます。この金額は翌年へ繰り越すこともできます。

この項では、次について説明します。

  • 配布された年末調整エレメント。

  • 配布エレメントの表示。

  • 単独年調の過不足税額の繰越し。

  • 年末調整レポート。

  • セルフサービスによる年末調整データ収集。

  • 印刷されたレポートからの年末調整データ収集。

グローバル ペイロール (日本) では、年末調整を処理するために次のエレメントが配布されています。

  • 控除エレメント YE TAX DIF および YE TXDIF CY。

    YE TAX DIF は、年末調整処理中に計算された過不足税額を表します。YE TX DIF CY は、単独年調処理の対象となった従業員の、翌年に繰り越される過不足税額を表します。

  • プロセス リスト JPRADJSAL、JPRADJBON および JPRADJIND。

    適切な給与計算プロセス リストを使用して、給与年調、賞与年調または単独年調の処理を行います。

提供されているクエリーを実行して、日本用に設計されたすべての配布エレメントを参照できます。このクエリーの実行方法については、PeopleSoft グローバル ペイロールで説明されています

単独年調で計算された過不足税額によって所得税の控除不足が判明すると、控除エレメント YE TXDIF CY を使用して次の対象年度にこの不足税額が繰り越されます。プロセス リスト JPRSAL を使用した 1 月の通常の給与計算処理時に、受給者の支給額からこの金額が控除されます。不足税額が 1 月の受給者の支給額を超えている場合、または 1 月の給与から控除を行うことができない場合は、この不足税額は控除が行われるまでその翌月に繰り越され続けます。

デフォルトでは、還付額は繰り越されません。その年の最後の支給で従業員に支払われます。還付額を繰り越すには、変数 YE VR CYOVR FLG の値を 1 に設定します。

繰り越された過不足税額は、年末調整の給与明細書、所得税源泉徴収簿および繰越し過不足税額レポートに出力されます。

年末調整が完了し、データ テーブルの準備が整ったら、次のレポートを実行して年末調整のビジネス プロセスを完了します。

  • 源泉徴収票 (GPJPYE01)。

  • 源泉徴収票/給与支払い報告書 (GPJPYE01)。

  • 法定調書合計表 (GPJPYE02)。

  • 給与支払い報告書 (総括表) (GPJPYE03)。

  • 繰越し過不足税額レポート (GPJPYE06)。

グローバル ペイロール (日本) では、従業員の年末調整データ収集において、書類を利用する方法とセルフサービスによる方法の両方をサポートしています。

ePay-給与と eProfile-人材プロファイルのライセンスを所有している場合、セルフサービスの各ページを使用して従業員の年末調整データを収集できます。セルフサービスの年末調整データの収集および確認を行うには、次の手順に従います。

  1. 給与計算管理者は、従業員がセルフサービス トランザクションによってデータの確認と更新を行うことができる期間を指定します。

  2. 従業員は、ePay-給与のメインの「年末調整情報」ページにアクセスします。

    そのページから、次の年末調整データの確認と更新を行うページにアクセスします。

    • 所得税従業員情報 (世帯主や障害に関する情報など)。

    • 従業員個人情報 (氏名、住所、生年月日など)。(eProfile-人材プロファイルのライセンスも所有している場合にのみアクセス可能。)

    • 所得税扶養家族情報 (本人との続柄、障害のタイプなど)。

    • 生命保険 (個人年金の情報も含む)。

    • その他の保険 (損害保険、社会保険、小規模企業共済等掛金)。

    • 配偶者特別控除。

    • 住宅借入金等特別控除。

  3. 給与計算管理者は、データを確認し、問題がなければ承認します。問題がある場合は、従業員に対して修正を要求します。

  4. (オプション) 給与計算管理者は記録の管理のために、扶養控除等申告書、保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書を出力します。

給与計算管理者は、次の手順を実行して、印刷されたレポートから年末調整データを収集します。

  1. 従業員が各自で年末調整データを記入するために、次の 2 つのフォームを出力および配布します。

    • 扶養控除等申告書。

    • 保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書。

  2. 記入済のフォームを従業員から回収します。

    回収したフォームを使用して、グローバル ペイロール (日本) の所得税データ テーブルと年末調整控除データ テーブルにデータを入力します。

    記入済のフォームは記録保持のために保管しておきます。