プロファイル管理の概要

プロファイルは、職務または個人の属性を記述するために組織で広く使用されます。プロファイルには、職務または個人のコンピテンシー、資格および技能がまとめられるのが一般的です。プロファイルの使用は、従業員の技能、コンピテンシー、および資格の管理に役立ちます。また、キャリア プランでは必要な研修の特定やパフォーマンスの管理、採用プロセスでは職務要件と適格応募者の検索にも役立ちます。プロファイル管理ビジネス プロセスは、業種や組織の要件を満たすプロファイルの作成と管理に必要なフレームワークを提供します。プロファイルの検索/比較機能を使用すると、ユーザー定義の条件に一致するプロファイルを検索し、プロファイルを簡単に比較できます。

コンテンツ カタログ

コンテンツ カタログには、コンピテンシーや資格およびその他のデータが登録されています。プロファイル管理責任者、管理者および従業員は、それらのデータをプロファイルに追加します。

画像: コンピテンシー、学位および語学力を含むコンテンツ カタログの例

次の図は、コンピテンシー (柔軟性、分析思考、リーダーシップなど)、学位 (文学士、理学士、修士号など)、および語学力 (英語、スペイン語、ドイツ語など) のリストが含まれているコンテンツ カタログを示しています。

コンピテンシー、学位および語学力を含むコンテンツ カタログの例

コンテンツ カタログに含まれる情報は、コンテンツ タイプ別に編成されています。コンピテンシー、語学力、学位、免許および資格などの一般的なコンテンツ タイプには、標準のコンテンツ タイプ セットが提供されています。プロファイル管理責任者は、標準のコンテンツ タイプにアイテムを追加します。

もちろん、標準のコンテンツ タイプしか使用できないわけではありません。追加のコンテンツ タイプを定義し、新しいコンテンツ タイプにアイテムをロードすることで、コンテンツ カタログを拡張できます。これにより、組織独自の要件に応じてコンテンツ カタログを設定し、その情報をプロファイルで活用することが可能です。

個人プロファイルと非個人プロファイル

追跡したい属性を追加するためにコンテンツ カタログを設定するのと同様に、組織の要件に適したプロファイルを定義します。

画像: 職務コード、職務系列および個人のプロファイルの例

次の図は、プロファイル管理でプロファイル コンテンツを設定し、プロファイルをシステムの任意のオブジェクトにリンクする方法を示しています。職務コードは、マーケティング管理者のコンピテンシー、責務、資格および語学力を記述するプロファイルにリンクされます。職務系列は、一般事務職のコンピテンシー、資格および国家職業検定資格 (NVQ) を記述するプロファイルにリンクされます。個人レコードは、個人のコンピテンシー、責務、学歴およびプロジェクトを記述するプロファイルにリンクされます。

職務コード、職務系列および個人のプロファイルの例

コンテンツ カタログ内のコンテンツ タイプを利用して、プロファイルの構造を定義するプロファイル タイプを作成します。プロファイル タイプでは、プロファイルに使用されるコンテンツ タイプとプロパティ、およびそのコンテンツに関連付けられた承認処理を定義します。また、そのプロファイルを個人 ID にリンクして個人プロファイルを作成するか、職務コードやポジションなどのビジネス エンティティにリンクして非個人プロファイルを作成するかも、プロファイル タイプで定義します。

業務上の必要に応じて、必要な数のプロファイル タイプを定義できます。システム データとして 4 つのプロファイル タイプが提供されています。CLUSTER、ROLE および JOB の各プロファイル タイプは、非個人プロファイルを作成する際に使用し、PERSON プロファイル タイプは従業員を記述するプロファイルを作成する際に使用します。

プロファイル管理には、プロファイル コンテンツの管理負荷を軽減するシンジケートとインポートの機能があります。プロファイル管理責任者は、共通のプロファイル コンテンツを一度設定しておくと、関連するプロファイルでそのコンテンツを再利用できます。シンジケートには、ソース プロファイルを変更すればシンジケートされたコンテンツを含むターゲット プロファイルも自動的に更新されるという追加の利点もあります。

プロファイル管理ではオプションとして承認処理を行うことができます。必要な場合は、HCM 標準の承認フレームワークを使用して承認処理を設定し、それを利用して個人プロファイルおよび非個人プロファイルの特定のセクションに対する変更を管理します。このような場面を処理する承認処理が標準で提供されていますが、必要に応じて定義を修正、あるいは新しく作成することもできます。

  • 従業員による個人プロファイルの変更 (eDevelopment-人材開発を使用) は、承認を行う管理者に送信されます。

  • 管理者による非個人プロファイルの変更 (eDevelopment-人材開発を使用) は、承認を行うプロファイル管理責任者に送信されます。

プロファイルの検索/比較

プロファイル管理のプロファイルの検索/比較機能を使用すると、コンテンツ カタログおよびプロファイルを対象とした検索を行えます。検索タイプの例を次に示します。

  • 従業員のプロファイルに一致する任務プロファイルを検索する。

  • 人材募集のプロファイルに一致する従業員を検索する。

  • 任務プロファイルを選択し、類似の任務プロファイルを検索する。

検索はロールにリンクされているため、従業員、管理者、プロファイル管理責任者のそれぞれのロールに応じた検索のセットを作成できます。

プロファイルの検索/比較では、Oracle の Secure Enterprise Search (SES) 検索エンジンを使用し、検索条件に基づいてプロファイル データの検索を実行します。一致するプロファイルのリストが、条件との一致精度に応じてランク付けされて返されます。

比較機能を使用すると、ある 1 つのソース プロファイルと 1 つ以上のターゲット プロファイルとをオンラインで比較できます。ソース プロファイルとターゲット プロファイルのコンテンツが、隣接する列に表示されるので、プロファイル管理責任者はプロファイル間の相違を確認することができます。

注: SES 用語の詳細と、アプリケーション固有アイテムを作成および導入する方法を学習するには、製品ドキュメントの『PeopleTools: Search Technology』を参照してください