1 概要

このセクションでは、製品の概要を示し、アプリケーションセキュリティーの一般原則について説明します。

製品の概要

Oracle の StorageTek Virtual Storage Manager System 6 仮想テープストレージサブシステム (VSM 6 VTSS) は、既存の Oracle サーバーおよびストレージプラットフォーム上に構築されるエンジニアドシステムとしてパッケージ化されています。サーバー、ディスクストレージ、および標準ラックマウントエンクロージャーは、パッケージ化されたシステムまたはアプライアンスとして提供されます。VTSS アプライアンスには、製品を顧客の管理対象テープ環境に統合するために限定的なサイトレベル構成が必要な場合のための VTSS 機能用のインストール済みかつ構成済みのソフトウェアが含まれます。このアプライアンスは、顧客によるシステム管理の必要性を除外するように設計されています。

注:

システムの保守および構成変更の管理は、認定を受けた Oracle 担当者のみに許可されています。

VTSS は、VSM ソリューションの 1 コンポーネントです。

主要サブシステムには次が含まれます。

VTSS ハードウェアおよびソフトウェア

VSM 6 VTSS は、FICON インタフェース経由での IBM MVS、VM、および zLinux ホストへのエミュレートされたテープ接続、実テープドライブ (RTD) への FICON 接続、およびほかの VTSS および VLE への TCP/IP 接続をサポートします。FICON は、IBM が推進する CPU (zOS) とデバイス間のチャネルプロトコル標準です。

エンタープライズライブラリソフトウェア (ELS) および仮想テープ制御ソフトウェア (VTCS)

ELS は、VTSS の有効化および管理を行う StorageTek メインフレームソフトウェアの統合スイートです。ELS 基本ソフトウェアは、ホストソフトウェアコンポーネント (Host Software Component、HSC)、ストレージ管理コンポーネント (Storage Management Component、SMC)、HTTP サーバー、および仮想テープ制御ソフトウェア (Virtual Tape Control Software、VTCS) で構成されます。

VTCS は、VTSS サブシステムでの仮想テープイメージの作成、削除、レプリケーション、移行、およびリコールを制御し、VTSS サブシステムからレポート情報を取得する ELS コンポーネントです。

仮想ライブラリ拡張 (VLE) ハードウェアおよびソフトウェア

仮想ライブラリ拡張 (VLE) サブシステムは、VTSS 仮想テープボリューム (VTV) の移行およびリコールのターゲットとして機能します。VLE は、VTSS に IP で接続されます。

vsm_001.pngについては周囲の文で説明しています。

クリティカルなセキュリティー原則

すべての製品をセキュアに使うために、次の原則が重要になります。

ソフトウェアを最新に維持する

パッチおよびシステム更新は、認定を受けた Oracle 担当者がインストールします。

クリティカルなサービスへのネットワークアクセスを制限する

アプライアンスは、承認された顧客従業員または代理人および Oracle サービス担当者にアクセスが制限されている、物理的にセキュアな場所に設置してください。システムは、ファイアウォールの背後でネットワークに接続します。システムの管理を許可されるのは、Oracle サービス担当者だけです。

認証

承認された担当者だけがシステムにアクセスできるようにします。パスワードは、顧客サイトへの配備時に変更してください。

最小特権の原則に従う

VTSS 以外のユーザーアカウントは許可されていません。システムの保守および管理には、既存のアカウントだけが使用されます。

システムアクティビティーをモニタリングする

システムのセキュリティーには、優れたセキュリティープロトコル、適切なシステム構成、およびシステムのモニタリングという 3 本の柱があります。監査を行い、監査レコードを確認することで、この 3 番目の要件に対応します。

最新のセキュリティー情報を確認する

Oracle では、ソフトウェアおよびドキュメントを絶えず改善しています。リリースごとにこのドキュメントのリビジョンを確認してください。