1 概要

このセクションでは、LTFS-LE の概要を説明し、そのセキュリティーの一般原則について説明します。

製品の概要

現在、認識されている操作性とパフォーマンスの問題のために、ニアラインストレージに使用できるコスト効果の高いストレージプラットフォームをお客様が求めているにもかかわらず、テープストレージは、バックアップおよびアーカイブ市場に完全に追いやられる脅威に直面しています。このアタックラインをディスクベンダーから撲滅するための StorageTek および Sun エンジニアによる先駆的な基盤作りは、 2010 年に、単一のテープドライブ用の Linear Tape File System (LTFS) のデビューによって、ついに姿を現しました。最初に、IBM と LTO コンソーシアムによってオープンソース仕様としてリリースされた LTFS では、単一のドライブをサムドライブやメモリースティックのように扱うことができます。この新しい発表によって、テープストレージの欠点が取り除かれ、操作性が向上しました。さらに、ストレージをポータブルにする必要がある業界がコスト効果の高いストレージプラットフォームを手に入れたことで、テープの価値を高める新しい可能性を開きました。

Oracle では、その T10000C テープドライブで仕様を採用しました。ただし、単一のドライブの LTFS は、お客様にとっても Oracle にとっても価値が限られます。LTFS をライブラリ全体に拡張することによって、お客様は本質的に数千台のサムドライブを手に入れることができます。さらに、基本的なデスクトップエクスプローラーインタフェースだけで、ライブラリの数ペタバイトのデータを管理できます。これにより、テープが使いやすくなるだけでなく、すべてのコンテンツがオープンフォーマットで書かれているため、ユーザーに安心感を与えます。お客様は使用しているバックアップアプリケーションやその他のプロプライエタリ形式に束縛されなくなります。また、ポータブル性の利点も大幅に拡大します。最終的に、LTFS – Library Edition (LTFS-LE) により、将来の Oracle アプリケーションとミドルウェアは、単一の簡単なアクセスポイントを指定することによって、テープをストレージ形式として使用できるようになります。

セキュリティー

LTFS-LE のセキュリティーには、物理、ネットワーク、ユーザーアクセスの 3 つの側面があります。

物理

LTFS-LE は組織のデータセンター内のスタンドアロンサーバーにインストールする必要があります。サーバーへの物理アクセスは、お客様の会社のポリシーによって決定する場合があります。

ネットワーク

LTFS-LE は、お客様の内部ファイアウォールで保護されたネットワークに追加または構成する必要があります。このネットワークには、データにアクセスするために、ライブラリへの SSH および SNMP アクセスが必要です。

ユーザーアクセス

LTFS-LE アプリケーションのアクセスは、ユーザー名とパスワードの認証によって制御します。これらは、お客様によって最初のインストール時に設定します。パスワードは Oracle の標準の要件を満たしている必要があります。

一般的なセキュリティー原則

すべての製品をセキュアに使うために、次の原則が重要になります。

ソフトウェアを最新に維持する

優れたセキュリティー実践の原則の 1 つは、すべてのソフトウェアバージョンとパッチを最新に維持することです。このドキュメントは次のソフトウェアレベル用です。

LTFS-LE リリース 1.0 以降

ノート:

ライブラリ、ライブラリソフトウェア、およびドライブも LTFS-LE アプリケーションに接続されている最小ファームウェアバージョンレベルを満たしていることが期待されます。これらのファームウェアレベルは、LTFS-LE のリリースノートに示されています。

ネットワークアクセスを制限する

LTFS-LE ホストサーバーは、データセンターのファイアウォールの背後に置いてください。ファイアウォールにより、これらのシステムへのアクセスが、既知のネットワークルートに確実に制限され、必要に応じて監視および制限することができます。代わりとして、ファイアウォールルーターは複数の独立したファイアウォールに置き換わるものです。可能な場合、ライブラリに接続を許可されているホストを識別し、ほかのすべてのホストをブロックすることをお勧めします。

最新のセキュリティー情報を確認する

Oracle では、ソフトウェアおよびドキュメントを絶えず改善しています。リリースごとにこのドキュメントのリビジョンを確認してください。