この章では、DIVAdirector 5.3 のインストールと配備について説明します。
DIVAdirector は、同じホストにインストールされて相互に作用する 3 つの主要なコンポーネントで構成されています。
DIVAdirector Web Server (IIS)
DIVAdirector データベース
PostgreSQL DB エンジンがサービスとして実行されます。
DIVAdirector Server
サービスまたはデスクトップアプリケーションとして実行されます。
オラクルでは、DIVAdirector を DIVArchive システムとは異なるホストにインストールして、両システムのパフォーマンスを向上させることを強くお勧めします。スタンドアロンシステムの場合は、それらを同じコンピュータにまとめてインストールしてもかまいません。
DIVAdirector を配備するための最小のシステム仕様は次のとおりです。
2 GHz 以上
4G バイト以上
(1) Gb Ethernet 接続
SATA、SAS、または同等のドライブを使用する 100G バイト以上のハードウェアミラー化 (RAID 1)。
SATA、SAS、または同等のドライブを使用するハードウェア RAID 5 (4 台のドライブ - 3 台 + 1 台の冗長ドライブ)。ドライブの容量は、システムのサイズによって異なります。
VPN 接続を使用できない場合は、ダイアルインのサポートが必要です。
8 倍速以上の DVD-ROM。CD ドライブも使用できますが、DVD が推奨されます。
冗長なホットスワップ電源装置が推奨されます。
DIVAdirector サーバーには最初に単一のプロキシドロップフォルダが構成され、これは C:\Program Files (x86)\DIVAdirector\pdf
フォルダ (デフォルト) に置かれます。このプロキシドロップフォルダは、<ORPHAN>
設定が C:\Program Files\DIVAdirector\proxies
フォルダを指すように自動的に構成されます。
DIVAdirector 5.3 を新しいシステムにインストールするには、次の手順を使用します。
インストーラを実行する前に、コンピュータ名が設定されていることを確認します。
これは重要なことです。インストールにより IIS ユーザーアカウントの権利と権限が無効になるため、DIVAdirector のインストール後はコンピュータ名を変更できないからです。
インストールの前に Windows Update サービスと Remote Registry サービスが有効になっていることを確認します。それらはインストールの完了後に無効にできます。これらのサービスは、Windows デスクトップエクスペリエンスと呼ばれる、インストーラ内のコンポーネントをインストールできるようにするために必要です。
インストールを開始するには、DIVAdirector インストーラをダブルクリックします。
「Installation Prerequisites Warning」ダイアログボックスが表示されます。
「OK」をクリックして続行します。
以前のバージョンの DIVAdirector 5 がインストールされている場合は、通知ダイアログボックスが表示されます。
以前のバージョンをアンインストールするには、「Yes」をクリックします。以前のバージョンを残すには「No」をクリックします。
「Install」をクリックして続行します。
インストーラでは最初に、Windows デスクトップエクスペリエンスまたは Windows Media Player がインストールされているかどうかをチェックします。インストールされていない場合は、そのプログラムがインストールされます。インストールを続行するには、コンピュータの再起動が必要になります。
コンピュータのチェック (場合により、さらに再起動) が終わると、インストーラプログラムは処理を続行します。
新規インストールを実行する場合は、「Type of Install」として「Install DIVAdirector 5.3.0.x」を選択し (これがデフォルトの選択です)、「Next」をクリックします。ドロップダウンリストには、使用できる各種インストールタイプオプションが含まれています。DIVAdirector 5.0 または DIVAdirector 4.1 からアップグレードする場合は、実行するインストールの種類のリストから適切なオプションを選択します。
これを選択すると、以前のバージョンがインストールされていない場合に新しい DIVAdirector のインストールが実行されます。
これを選択すると、DIVAdirector がバージョン 4.0 または 4.1 から DIVAdirector 5.3 にアップグレードされます。
これを選択すると、DIVAdirector がバージョン 5.x から DIVAdirector 5.3 にアップグレードされます。
警告:
次の手順では、ネットワーク共有を使用する予定がある場合は、ネットワークにマップされたドライブを指すパスを指定しないでください。プロキシフォルダには UNC パスのみを指定できます。なぜなら、ドライブマッピングは対話型ユーザーセッションでのみ行われるものだからです。DIVAdirector Web Server サービスセッションにはこうしたドライブマッピングは存在しません。このダイアログではネットワークプロキシパスを受け入れますが、それに対応する変更を DIVAdirector Web Server サービスのユーザーアカウントに対して手動で行う必要があります。
プロキシフォルダのパス名を指定します。DIVAdirector 5.0 からアップグレードする場合は、このページを使用できません。
プロキシフォルダがネットワーク共有として構成される場合、ユーザーは Administrators グループに属している必要があり、さらに NAS ベースのプロキシストレージへの読み取りと書き込みの権限が付与されている必要があります。
システムが非常に大きなプロキシセットで動作することが予想される場合、オラクルでは、プロキシストレージとして専用のドライブ、ローカルストレージ (RAID など)、または NAS を備えることを強くお勧めします。
「Next」をクリックします。
データベースフォルダのパス名 (このフォルダは空にする必要があります) を指定し、「Next」をクリックします。DIVAdirector 5.3 の旧バージョンからアップグレードする場合は、このページを使用できません。
データベースのバックアップおよび復元用のデータベースバックアップフォルダを指定し、「Next」をクリックします。DIVAdirector 5.3 の旧バージョンからアップグレードする場合は、このページを使用できません。
ユーザーによるバイナリファイルのアップロード用のバイナリメタデータフォルダを指定し、「Next」をクリックします。DIVAdirector 5.3 の旧バージョンからアップグレードする場合は、このページを使用できません。
「Local Archive」フィールドにソースの場所を指定し、「Next」をクリックします。
「Local Restore」フィールドに宛先の場所を指定し、「Next」をクリックします。
「Local Metadata Drop Folder」フィールドにローカルメタデータドロップフォルダの場所を指定し、「Next」をクリックします。
「SAMMA Metadata Folder」フィールドに SAMMA メタデータフォルダの場所を指定し、「Next」をクリックします。
「QC Reports Folder」フィールドに QC レポートフォルダの場所を指定し、「Next」をクリックします。
「DIVArchive Manager Port」フィールド、「IP Address」フィールド、「Server TCP Port」フィールド、および「DIVAdirector Server Proxy Drop Folder Location」フィールドに DIVArchive Manager 接続設定を指定して、「Next」をクリックします。
DIVAdirector Web アプリケーションが実行されるときのローカルユーザーアカウントのユーザー名およびパスワードを指定します。複雑なパスワードが必要です。続行するには、「Install」ボタンをクリックします。
DIVAdirector Server サービスに使用するユーザーアカウントとして「Local System」または「This user (DOMAIN\User)」のどちらかを選択します。
ローカルシステムアカウントのネイティブ Windows の制限のために、DIVAdirector はローカルプロキシストレージのみの使用に制限されます。
DOMAIN\User
の形式で指定されるユーザーアカウントは、ネットワーク共有として構成されたプロキシストレージにアクセスできます。ユーザーは Administrators グループに属している必要があり、NAS ベースのプロキシストレージへの読み取りと書き込みの権限が付与されている必要があります。ドメインが指定されていないか、「.」ドメインが指定されている場合、ローカルシステムがアカウントドメインと見なされます。
インストーラの実行が続き、最終的に「QuickTime Player Options」の入力を求めるプロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、「YES」をクリックします。
QuickTime プレーヤーが自動的に開始されます。インストールを続行するには、QuickTime プレーヤーのウィンドウを閉じます。
インストールが完了すると、再起動するよう要求されます。「OK」をクリックして続行します。
「Reboot Now」を選択して、「Finish」をクリックします。
コンピュータが再起動したら、管理者としてログインし、Windows の「スタート」メニューを使用してインターネットインフォメーションサービス (IIS) マネージャーを見つけます。
IIS マネージャーがロードされたら、DIVAdirector をインストールするコンピュータのコンピュータ名をクリックし、次に「サイト」、「DIVAdirector 5」の順にクリックします。
DIVAdirector 5 の Web サイトが動作していることを確認します。そのためには、画面の右側にある「開始」ボタンが無効になり (グレイ表示され)、サイトが動作中であることを示していることを確認します。
このセクションでは、ディスクの空き容量が不足してきた場合にシステムを調整するための手順について説明します。
データベースファイルは、インストール後に必要に応じて別のストレージシステムに移行できます。DIVAdirector データベースを別の場所に移行するには、次の手順を使用します。
DIVAdirector Server サービスを停止します。Windows タスクマネージャーを使用して、実行中の DIVAdirector プロセスがないことを確認します。
Windows サービスの管理ウィンドウで PostgreSQL サービスを見つけます。PostgreSQL サービス名のフォーマットは postgres-[
platform
]-[
version
] - PostgreSQL Server [
version
]
です。たとえば、postgres-x64-9.2 - PostgreSQL Server 9.2
です。
Postgres サービスを停止します。Windows タスクマネージャーを使用して、実行中の Postgres プロセスがないことを確認します。
PostgreSQL サービスのレジストリ設定を次のように変更します。
Windows のレジストリエディタを開き、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services
に移動します。
このキーの下に Postgres サービスのキーがあります。そのキーには手順 2 で見つけたサービスと同じ名前が付いています。そのキーに移動します。
「ImagePath」値をダブルクリックし、「-D
path
」設定を見つけます。このパスを新しい場所に変更します。パスに空白が含まれている場合は、そのパスエントリを引用符で囲みます。
変更した設定を保存します。
DIVAdirector データベースの場所のレジストリ設定を次のように変更します。
Windows のレジストリエディタを開き、次のように適切なレジストリキーに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Front Porch Digital Inc.\DIVAdirector\DB
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Front Porch Digital Inc.\DIVAdirector\DB
レジストリ値 PostgresDB
を新しいデータベースディレクトリの場所に変更します。
Windows サービスの管理ウィンドウがまだ開いている場合は、それをいったん閉じてからまた開きます。
PostgreSQL サービスを再起動します。
DIVAdirector Server サービスを再起動します。
プロキシファイルストレージフォルダは非常に大きくなる場合があるため、内部のサーバーストレージに格納したり、外部の (大容量) ネットワーク接続ストレージ (NAS) アレイに配置したりできます。共有ネットワークフォルダを指すプロキシストレージの場所を新しく追加する必要があります。プロキシストレージの場所を新しく追加する手順については、『Oracle DIVAdirector 管理者ガイド』を参照してください。ネットワークパスは、次の UNC フォーマットで指定する必要があります。
\\hostname\sharename\subfolder\...\subfolder
Microsoft Windows のローカルシステムアカウントは、ネットワークリソースへのアクセスが制限されるため、代わりに専用のユーザーアカウントを使用する必要があります。そのアカウントには、NAS 上の Proxy フォルダを読み取るための権限も付与する必要があります。Proxy フォルダは、DIVAdirector Server を実行しているユーザーアカウントが Proxy フォルダへの書き込みを行えるように構成する必要があります。
こうしたアカウント設定を簡略化するために、DIVAdirector Web Server サービスの実行と、DIVAdirector サーバーとの対話型セッションの実行に同じアカウントを使用できます。このアカウントには、NAS 上の Proxy フォルダにアクセスするための読み取りおよび書き込み権限を付与する必要があります。また、DIVAdirector Web Server サービスを実行するユーザーアカウントは Administrators グループのメンバーになっている必要があります。このサービスは通常、Program Files
フォルダにアクセスできる必要があるからです。
マップされたドライブ文字 (K:\Proxies
など) を含むパスの使用がサポートされていないことを理解することが重要です。このパスは、ユーザーの要求に応じて DIVAdirector Web Server がプロキシファイルを開くために使用するからです。サービスとして動作する Web サーバーは、マップされたネットワークドライブを認識していません。これらは対話型ユーザーセッションに関連付けられているからです。
注記:
アカウントの構成手順については、『Oracle DIVAdirector 管理者ガイド』を参照してください。バイナリストレージは非常に大きくなる場合があるため、必要に応じて NAS アレイ上に配置することもできます。共有ネットワークフォルダを指すように DIVAdirector のバイナリストレージ仮想ディレクトリを再構成する必要があります。DIVAdirector バイナリストレージ仮想ディレクトリの構成手順については、『Oracle DIVAdirector 管理者ガイド』を参照してください。
ネットワークパスは、UNC フォーマットで指定する必要があります。例:
\\hostname\sharename\subfolder\...\subfolder
このサービスの実行に使用される DIVAdirector Web Server ユーザーアカウントには、NAS 上の Binary Storage フォルダの読み取りおよび書き込み権限を付与する必要があります。DIVAdirector Web Server サービスを実行するユーザーアカウントは Administrators グループのメンバーになっている必要があります。このサービスは通常、Program Files フォルダにアクセスできる必要があるからです。
注記:
アカウントの構成手順については、『Oracle DIVAdirector 管理者ガイド』を参照してください。既存の DIVAdirector 4 システムをアップグレードする場合は、DIVAdirector の前提条件で示したいずれかのオペレーティングシステムが動作している必要があります。
DIVAdirector 4 から DIVAdirector 5.3 にアップグレードするには、次の手順を使用します。
アップグレードプロセスを開始する前に、データベースの完全バックアップを既知の場所に作成します。これは DIVAdirector 4 Web インタフェースを介して実行でき、.LHB
ファイルが作成されます。あるいは、DIVAdirector CMS Database Server サービスを手動で停止してから、データベースフォルダのコンテンツ全体を外部のドライブまたはフォルダにコピーします。
インストーラを実行し、「Install」をクリックして続行します。
インストーラでは最初に、Windows デスクトップエクスペリエンスまたは Windows Media Player がインストールされているかどうかをチェックします。これらのいずれかが見つからない場合は、そのアプリケーションがインストールされます。インストールを続行するには、コンピュータの再起動が必要になります。
コンピュータが再起動されたら、ドロップダウンリストを使用して「Type of Install」として「Upgrade DD4 to DD5 Server」オプションを選択し、「Next」をクリックします。
これ以降は、DIVAdirector を新しいシステムにインストールする場合と同じ手順に従います (新しいシステムへのインストールを参照)。