この章では、ELS インストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
次に進む前に、ELS ソフトウェアのインストールで説明したインストールタスクが終了していることを確認してください
VTCS には、インストール後のタスクはありません。必要な VTCS 構成タスクについては、ELS のドキュメント『HSC および VTCS の構成』を参照してください。
SMC、HSC、および VTCS は、MSP で許可プログラムとして実行する必要があります。したがって、次の手順を実行して、ELS ロードライブラリを APF 許可する必要があります。
SYS1.PARMLIB
の KAAAPFzz
メンバーに ELS ロードライブラリを追加します。
ELS ロードライブラリの許可に説明されているコマンドを発行してロードライブラリを許可します。
ELS ロードライブラリを許可するには、KAAAPFzz
メンバーに次のエントリを追加します。
your.SEALINK volser
,
このエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
KAAAPFzz
メンバーに複数のエントリがある場合は、各エントリ (最後のエントリを除く) の末尾にコンマを付けて続きがあることを示します。最後のエントリにはコンマは付けません。
注記:
ELS ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。この場合、ライブラリが SMS 管理対象であることを示すために、ライブラリ名のあとには何も指定しないでください。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。IPL の実行時にライブラリが許可されるよう、KAAAPFzz
メンバーにエントリを追加する必要があります。
また、稼働中のシステム上にあるライブラリを動的に許可するには、次の MSP システムコマンドを発行します。
ライブラリが SMS 管理対象の場合は、次のコマンドを発行します。
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.SEALINK,SMS
ライブラリが SMS 管理対象でない場合は、次のコマンドを発行します。
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.SEALINK,
volser
高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
このセクションでは、必要な SMC インストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
SMC は動的に定義される MSP サブシステムとして実行されます。マスター MSP サブシステムのもとで実行することも、プライマリジョブ入力サブシステムのもとでセカンダリサブシステムとして実行することもできます。
多くの場合、SMC はインストール時に動的に定義されるため、MSP サブシステム名テーブルに追加する必要はありません。
ただし、次の条件に該当する場合、必要に応じて MSP サブシステム名テーブル (SYS1.PARMLIB
メンバー SUBSYSzz
) に SMC を追加する必要があります。
同じホストで SMC および Unicenter CA-MIA 製品を実行する場合、EDL 処理が必ず正しい順番で行われるようにするために、Unicenter CA-MIA および SMC の両方をサブシステム名テーブルに追加してください。「Unicenter CA-MIA との相互作用およびサブシステム名テーブル」を参照してください。
同じホストで SMC、テープ管理システム、および Unicenter CA-MIA 製品を実行する場合、これらの 3 つをサブシステム名テーブルに追加してください。「SMC、TMS、Unicenter CA-MIA 間の相互作用およびサブシステム名テーブル」を参照してください。
マスター MSP サブシステム (プライマリジョブ入力サブシステムではなく) のもとで SMC を実行するには、SMC をサブシステム名テーブルに追加してください。「MSTR およびサブシステム名テーブルのもとでの SMC の実行」を参照してください。
また、SMC START
手順を含む PROCLIB
は、マスターアドレス空間の PROCLIB
連結に存在しなければなりません。この連結は、DD IEFPDSI
の下の SYS1.PARMLIB(MSTJCLzz)
で定義されます。
テープ管理システム (TMS) を実行する場合、必ず SMC の前に MSP マウントメッセージが処理されるようにする必要があります。(TMS) エントリが SMC エントリの前に来るように、テープ管理システムおよび SMC をサブシステム名テーブルに追加します。次の例では、CA-1 リリース 5.1 以降および SMC のエントリを示しています。
SUBSYS SUBNAME(JES) PRIMARY(YES) START(NO) SUBSYS SUBNAME(TMS) SUBSYS SUBNAME(SMC0) INITRTN (SMCBPREI)
テープ管理システムを同じホストにインストールする場合、テープ管理システムおよび SMC の両方をサブシステム名テーブルに追加することをお勧めしています。
次は、両方が動的サブシステムである場合のテープ管理システムと SMC のサブシステム名定義シナリオです。
シナリオ 1
このシナリオでは、SMC と TMS の両方がサブシステム名テーブルで定義されます。このシナリオはサポートされており、推奨されます。テーブル中、TMS は SMC の前になければなりません。
シナリオ 2
このシナリオでは、SMC がサブシステム名テーブルに定義されていますが、TMS は定義されていません。このシナリオはサポートされていません。TMS は SMC の前に MSP マウントメッセージの処理を実行できません。
シナリオ 3
このシナリオでは、TMS がサブシステム名テーブルに定義されていますが、SMC は定義されていません。このシナリオはサポートされていますが、推奨されません。SMC は必ず TMS のあとに起動しなければなりません。
同じホストで Unicenter CA-MIA 製品を実行する場合、Computer Associates では、Unicenter CA-MIA の定義の前に、SMC を定義し、Unicenter CA-MIA および SMC の両方をサブシステム名テーブルに追加することをお勧めしています。
次の例では、SMC および Unicenter CA-MIA のエントリを示しています。
SUBSYS SUBNAME(JES) PRIMARY(YES) START(NO) SUBSYS SUBNAME(SMC0) INITRTN(SMCBPREI) SUBSYS SUBNAME(MIA)
Unicenter CA-MIA の互換性を実現するには、SMC での ALLOCDEF
MIACOMPAT(ON)
オプションの指定も必要です。ALLOCDEF
コマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
同じホストで SMC、テープ管理システム (TMS)、および Unicenter CA-MIA 製品すべてを実行する場合、これらの 3 つの製品すべてを、次の例に示した順番でサブシステム名テーブルに追加してください。
SUBSYS SUBNAME(JES) PRIMARY(YES) START(NO) SUBSYS SUBNAME(TMS) SUBSYS SUBNAME(SMC0) INITRTN(SMCBPREI) SUBSYS SUBNAME(MIA)
Unicenter CA-MIA の互換性を実現するには、SMC での ALLOCDEF
MIACOMPAT(ON)
オプションの指定も必要です。ALLOCDEF
コマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
プライマリジョブ入力サブシステムではなく、MSTR
サブシステムのもとで SMC を実行するには、次のエントリをサブシステム名テーブルに追加して、SMC サブシステム名を識別する必要があります。
SUBSYS SUBNAME(SMC0)
使用しているプライマリジョブ入力サブシステムが JES である場合、SMC を MSTR
のもとで実行することはできず、JES のもとで実行する必要があります。
SMC サブシステムが MSTR
のもとで実行される場合、SMC START
手順で PARM
パラメータの MSTR
オプションも含める必要があります。SMC START
手順の作成については、ELS のドキュメント『SMC の構成と管理』を参照してください。
MSTR
のもとで実行できるように SMC をサブシステム名テーブルに追加するもう 1 つの方法は、MVS Start
コマンドの SUB=MSTR
パラメータを使用して SMC サブシステムを起動する方法です。SMC START 手順の実行については、ESL のドキュメント『SMC の構成と管理』を参照してください。
SMC に関するサブシステム名テーブルを変更する場合は、次のガイドラインに従ってください。
SUBNAME(
name
)
パラメータは SMC START
手順名と一致する 1 - 4 文字の名前を指定します。SUBNAME(
name
)
パラメータを使用して定義した SMC サブシステム名が SMC START
手順の名前に合っていない場合は、START
手順の PARM
パラメータに SYSS
オプションを追加する必要があります。SMC START
手順の作成については、ELS のドキュメント『SMC の構成と管理』を参照してください。
定位置指定形式ではなく、SUBSYS
コマンドのキーワード形式を使用する必要があります。サブシステム名の定義についての詳細は、富士通 MSP/EX のドキュメントを参照してください。
サブシステム名を動的に定義していない場合、SMC サブシステム名のエントリを有効にするには、MSP ホストシステムの IPL を実行する必要があります。
Unicenter CA-MIA サブシステム名をサブシステム名テーブルに追加した場合は、次のいずれかの状態でなくてはなりません。
このサブシステムを使用するスターテッドタスクは、マスターアドレス空間の PROCLIB
連結に存在することが必要です。この連結は、DD IEFPDSI
の下の SYS1.PARMLIB(MSTJCLzz)
で定義されます。
Unicenter CA-MIA の Start
コマンドでは SUB=JES
パラメータが指定される必要があります。
たとえば、S CAMIA,SUB=JES
と指定します。
MSP プログラム属性テーブル (PPT) を修正して、SMC サブシステムに関するエントリを追加する必要があります。
SYS1.PARMLIB
のメンバー PPTPRMzz
に次のエントリを追加します。
PPT PGMNAME(SMCBINT),PRIV,SYST,KEY(3)
注記:
SMC の実行には、(1-7 の) ローキーを使用します。このセクションの例では、キー 3 を使用しています。キー 8-15 を使用すると、予測できない結果が生じます。
PPTPRMzz
メンバーの修正後、IPL または動的な変更を実行しなければなりません。
SMC は、SCOPE=COMMON
のデータスペースを使用して相互アドレス空間通信を実行します。
このセクションでは、必要な HSC インストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
HSC はマスター MSP サブシステムのもとで実行することも、プライマリジョブ入力サブシステムのもとでセカンダリサブシステムとして実行することもできます。
HSC をマスター MSP サブシステムのもとで実行する場合、サブシステム名を特定するために、サブシステム名テーブル (SYS1.PARMLIB
のメンバー SUBSYSzz
) に 1 行追加する必要があります。これは、HSC スターテッドタスク手順の手順名に対応する、1-4 文字の名前です。
HSC をセカンダリ MSP サブシステムとして実行する場合は、サブシステム名テーブル (SYS1.PARMLIB
のメンバー SUBSYSzz
) に 1 行追加して、次を特定する必要があります。
サブシステム名。これは、HSC START
手順名に対応する 1-4 文字の名前です。
HSC サブシステム初期設定ルーチン名。これは SLSBPREI
でなければなりません。
HSC サブシステム名を SLS0 とすると、HSC をマスター MSP サブシステムのもとであるいはセカンダリ MSP サブシステムとして実行する場合、HSC をサブシステム名テーブルに正しく追加するには、次の行を追加します。
SUBSYS SUBNAME(SLS0) /* keyword format */
注記:
サブシステム名テーブルで指定した HSC サブシステム名が HSC START
タスク手順の名前に合っていない場合は、START
手順の PARM
パラメータに SYSS
オプションを追加する必要があります。HSC 起動手順の作成については、ELS のドキュメント『HSC および VTCS の構成』を参照してください。
MSP メッセージ処理の実行中は、HSC にはテープ管理システムとの相互作用はありません。このため、HSC サブシステムおよびテープ管理サブシステムの定義の順番は意味がありません。ただし指定された場合は、SMC サブシステムの定義はテープ管理システムのエントリのあとでなくてはなりません。
サブシステム名の定義についての詳細は、富士通 MSP/EX のドキュメントを参照してください。
HSC ユーザー出口ライブラリは、HSC ロードライブラリと同じライブラリでも、異なるライブラリでも許容されます。HSC ユーザー出口ライブラリが別のライブラリの場合は、次の手順を実行して、ユーザー出口ロードライブラリを APF 許可する必要があります。
SYS1.PARMLIB
の KAAAPFzz
メンバーに HSC ユーザー出口ロードライブラリを追加します。
HSC ユーザー出口ロードライブラリの許可に説明されているコマンドを発行してロードライブラリを許可します。
HSC ユーザー出口ロードライブラリを許可するには、KAAAPFzz
メンバーに次のエントリを追加します。
your.SEALINK volser your.HSC_USEREXIT.LOAD volser
これらのエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
KAAAPFzz
メンバーに複数のエントリがある場合は、各エントリ (最後のエントリを除く) の末尾にコンマを付けて続きがあることを示します。最後のエントリにはコンマは付けません。
注記:
HSC ユーザー出口ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。この場合、ライブラリが SMS 管理対象であることを示すために、ライブラリ名のあとには何も指定しないでください。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。IPL の実行時にライブラリが許可されるよう、KAAAPFzz
メンバーにエントリを追加する必要があります。また、稼働中のシステム上にあるライブラリを動的に許可するには、次の MSP システムコマンドを発行します。
ライブラリが SMS 管理対象の場合:
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.HSC_USEREXIT.LOAD,SMS
ライブラリが SMS 管理対象ではない場合:
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.HSC_USEREXIT.LOAD,
volser
どちらのコマンドでも、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
HSC をセカンダリ MVS サブシステムとして実行する場合、SEALINK
ライブラリに常駐する HSC サブシステムの事前初期設定ルーチンモジュール (SLSBPREI
) は、MSP LINKLIST
ライブラリにも入っていなければなりません。SLSBPREI
モジュールを SEALINK
ライブラリから LINKLIST
ライブラリにコピーまたは移動できます。
SLSBPREI
事前初期設定ルーチンモジュールは、HSC の各リリース間で、機能の互換性があります。ただし、それ以上の互換性については、SLSBPREI
事前初期設定モジュールの最新のリリースを使用してください。
MSP プログラム属性テーブル (PPT) を修正して、HSC サブシステムに関するエントリを追加する必要があります。
SYS1.PARMLIB
のメンバー PPTPRMzz
に次のエントリを追加します。
PPT PGMNAME(SLSBINIT),PRIV,SYST,KEY(3)
注記:
HSC の実行には、(1-7 の) ローキーを使用します。このセクションの例では、キー 3 を使用しています。キー 8-15 を使用すると、SOC1
や SOC4
の異常終了などの予測不可能な結果が生じます。HSC は、HSC および VTCS イベントの SMF レコードサブタイプを生成できます。これらのレコードのサブタイプを生成するには、SYS1.PARMLIB
のメンバー SMFPRMzz
内のシステム管理機能 (SMF) パラメータに 2 行を追加し、次の項目を指定する必要があります。
HSC サブシステム名
HSC 記録間隔、INTERVAL(
hhmmss
)
として指定。
値が小さいほどデータの記録頻度は多くなります。
ライブラリパフォーマンスへの影響を避けるため、指定時間は最低 15 分 (001500) とするよう強くお勧めしています。VSM をサポートしない HSC システムについては、1 時間間隔 (010000) の指定をお勧めしています。
HSC SMF レコードタイプ
記録対象の HSC/VTCS SMF レコードサブタイプ。
HSC および VTCS が生成できるサブタイプの詳細は、『ELS プログラミングリファレンス』を参照してください。
HSC サブシステム名が SLS0
の場合、HSC および VTCS レコードサブタイプを追加する行の例を次に示します。
SUBSYS(SLS0,INTERVAL(001500),TYPE(255))SUBPARM(SLS0(SUBTYPE,(1-8,10,11,13,14,15,16,17,18,19,20,21,25,26,27,28,29,30,31)))
注記:
SMF オプションでSUBTYPE
パラメータを指定しない場合、HSC は 1 から 6 のサブタイプを生成します。カートリッジの移動および表示レコードを生成するには、SUBPARM
パラメータをコーディングし、サブタイプ 7 と 8 を組み込む必要があります。使用しているテープ管理システムと関連リリースレベルによっては、HSC SLUCONDB
ユーティリティーおよび SMC SMCUDBX
ユーティリティーによって呼び出される TMS (テープ管理システム) インタフェース (SLUDR*
) ルーチンを再アセンブルしなければならない場合があります。これらのルーチンにローカルで修正を加えている場合も、再アセンブルが必要です。これらのルーチンは、ELS のインストール中に生成された SEALINK
ライブラリに含まれています。
注記:
TMS インタフェースルーチンのソースは ELS 7.0 で変更されました。SLUDR*
に一致する名前を持つモジュールにローカルで修正を加えた場合は、ELS 7.0/7.1/7.2/7.3 ソースをローカルの変更内容で修正して再アセンブルする必要があります。旧バージョンの SLUDR*
モジュールは、SLUCONDB
の ELS 7.0/7.1/7.2/7.3 バージョンに対応していません。
SLUCONDB
および SMCUDBX
ユーティリティー、および TMS インタフェースルーチンの詳細については、ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
スクラッチ変換 (SLUCONDB
) ユーティリティーの詳しい再アセンブル要件については、ELS のドキュメント『HSC および VTCS の管理』を参照してください。