この章では、Oracle Business Intelligence製品およびドキュメントの既知の問題について説明します。これらの問題は、インストール、移行、分析およびダッシュボード、メタデータ・リポジトリ開発、システム開発などOracle Business Intelligenceのすべての分野に関係します。
この章には次の項が含まれます:
Oracle Business Intelligenceのパッチは定期的に公開されます。必須のパッチとオプションのパッチがあります。
使用可能なパッチを確認するには、My Oracle Supportに移動します。
パッチを入手するには、『Oracle Fusion Middleware Opatchによるパッチ適用』のOPatchで適用できるパッチの入手に関する項を参照してください。
この項では、Oracle Business Intelligenceに関する一般的な問題および回避策について説明します。
高可用性環境で、Oracle BIの検索結果からレポートにアクセスするユーザーに「ページが見つからない」というエラーが表示されることがあります。
この問題を回避するには、レポートのURLに移動し、別名のホスト名(bihost1など)を物理ホスト名に置き換えます。
Internet Protocolバージョン6 (IPv6)を使用するようシステムを構成する場合、構成ファイルにIPv6アドレスを指定しないでください。IPv6アドレスを指定するかわりに、IPv6アドレスにマップされるホスト名またはDNSエントリを指定します。
Essbaseキューブ・デプロイメント・サービス・ウィザードを使用してOracle BIリポジトリに新規Essbase接続プールを作成する場合、共有ログオン・ユーザー名およびパスワードを入力する機会はありません。しかし、現在のバージョンのOracle BIでは、すべてのEssbase接続プールについて共有ログオンが必要です。
Essbase接続プールが共有ログオンなしで構成されているため、Oracle BIサーバーはCSS共有トークン認証を使用しますが、この方法はOracle BIからのEssbase接続でサポートされなくなっています。このため、Visual Analyzerなどの特定のOracle BIコンポーネントからのEssbase接続が次のエラーで失敗します。
[nQSError: 96002] Essbase Error: Login failed with error 1051293. Verify the URL and the login credentials.
この問題を回避するには2つの方法があります。
Essbaseキューブ・デプロイメント・サービス・ウィザードを使用する場合、既存のEssbaseデータ・ソースおよび共有ログオン情報がすでに指定された接続プールをリポジトリから選択します。
Essbaseキューブ・デプロイメント・サービス・ウィザードの終了後、管理ツールでリポジトリを開き、ウィザードによって作成された接続プールを手動で更新して必要な共有ログオン情報を指定します。必要ない場合はSSOオプションを選択解除することもできます。
Oracle BI EEクライアント・インストールを対象とし、data-model-cmd.cmdランチャ・スクリプトを使用して新規コマンドライン・ツール(リポジトリのアップロード・コマンドなど)を実行すると、ClassNotFoundExceptionメッセージが表示されます。
この問題を回避するには、次の手順を実行してクライアント・インストールのbi-commandline-tools.jarを置き換えます。
(オプション)Oracle BI EEクライアント・インストールでbi-commandline-tools.jarに移動し、バックアップします。このファイルは、次のディレクトリにあります。
Oracle_Home/bi/lib
Oracle BI EEの完全サーバー・インストールにアクセスし、bi-commandline-tools.jarに移動してコピーします。このファイルは次のディレクトリにあります。
Oracle_Home/bi/lib
Oracle BI EEクライアント・インストールに移動し、次のディレクトリに移動します。
Oracle_Home/bi/lib
bi-commandline-tools.jarをディレクトリに貼り付けます。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の使用状況トラッキングに関する項に、サンプルの使用状況トラッキング・リポジトリ・モデルのBARファイル(usage_tracking.BAR)に関する注意があります。このBARファイルはユーザーによる使用を意図していないため、この注意は無視してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』のOracle Business IntelligenceのセッションベースWebサービスに関する項で、最後の段落に、現在のクライアント・バージョンに応じて、次のいずれかのOracle BI EE WebサービスのURLを使用してWSDLドキュメントにアクセスするように記載されています。
http://host:port/analytics-ws/saw.dll/wsdl/v6
http://host:port/analytics-ws/saw.dll/wsdl/v7
この段落では、v6やv7について記載するのではなく、Oracle BI EE 12cで、新しいコードを開発するか、既存のコードを再コンパイルする場合に、バージョン11以上のOracle BI EE WebサービスのURLを使用するように記載する必要がありました。次に例を示します。
http://host:port/analytics-ws/saw.dll/wsdl/v11
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の新しいコンピュータの追加に関する項の手順5で、unpackコマンドには-template
パラメータを含める必要があり、含めないと失敗します。また、ヘルプを表示する構文も記載されている必要があります。
間違った記載は次のとおりです。
次の例を参照してください。
ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
./unpack.sh -domain=DOMAIN_HOME -nodemanager_type=PerDomainNodeManager
正しい記載は次のとおりです。
次の例を参照してください。
ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
./unpack.sh -template=[location of copied jar file from master node
] -domain=DOMAIN_HOME -nodemanager_type=PerDomainNodeManager
注意: ヘルプを表示する構文は次のとおりです。
./unpack.sh|cmd -help
この項では、Oracle Data Visualizationの問題および回避策について説明します。
Oracle Data Visualizationでは双方向言語(BIDI)はサポートされません。Oracle Data Visualizationで、BIDI言語を使用する場合、「データ・ソース」または「可視化」ペインにアクセスできません。
アジア言語のデータ・ソース(日本語、中国語など)を使用し、すでにデータ要素を含むキャンバスでデータ要素をキャンバスの空いた領域にドラッグしようとすると、エラーが発生します。このエラーを回避するには、要素を行、列、値、色、サイズ、形状などの特定のドロップ・ターゲットに直接ドラッグします。
アジア言語のデータ・ソース(日本語、中国語など)を使用する場合、マップ視覚的要素で国、州、県、省などを正しく識別できない場合があります。たとえば、中国および日本に関するデータを含むMicrosoft Excelファイルをアップロードしてチャートをマップに変更すると、中国がマップ上で正しく強調表示されないことがあります。
Oracle Data VisualizationをGoogle Chromeブラウザで使用する場合、データ・ソース・リストをソートするためにクリックする「サブジェクト領域」および「データ・ソース」ボタンが適切に表示されません。表示に問題はありますが、ボタンは適切に機能します。
この項では、Oracle Business Intelligenceの分析とダッシュボードに関する問題および回避策について説明します。
分析にツリーマップ・ビューが含まれる場合、Oracle BI EEを正しいバージョンのJava Development Kit (JDK)とともにインストールしていないと、Adobe Acrobat、Microsoft ExcelまたはMicrosoft Powerpointに結果を適切にエクスポートできません。
この問題を回避するには、Oracle BIサーバー・マシンにJDK 1.8.0.60をインストールします。JDKのバージョンは8u60ビルドb10以上である必要があります。Oracle BI EEをインストールする前に、JDKをインストールする必要があります。
リポジトリを使用してメタデータ・ディクショナリを生成する場合、Microsoft Internet Explorer 9以上を使用して生成したXMLファイルを開く必要があります。生成したXMLファイルを別のブラウザ(Firefox、Chromeなど)で開くと、ブラウザに次のようなエラー・メッセージが表示されます。
Error: XML Parsing Error: not well-formed. Location: <File location>\NameIndex.xml Line Number 86, Column 276.
この問題は、メタデータ・ディクショナリのOracle BI EEの分析での表示方法にも影響を及ぼすことがあります。
表1-1にリストされている権限は、プレゼンテーション・サービスの「権限の管理」ページに表示されます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』の付録D「ダッシュボードと分析のセキュリティの管理」の表D-1「Oracle Business Intelligenceインフラストラクチャの権限およびデフォルト設定」に、これらの権限の説明も含まれる必要があります。
表1-1 必要とされるプレゼンテーション・サービスの権限の説明
コンポーネント | 権限 | 説明 | デフォルトでこの権限が付与されているロール |
---|---|---|---|
ホームおよびヘッダー |
管理メニューにアクセス |
将来のリリースのために予約済。 |
該当なし |
ホームおよびヘッダー |
ユーザーとロールの管理にアクセス |
将来のリリースのために予約済。 |
該当なし |
ホームおよびヘッダー |
モデラーにアクセス |
将来のリリースのために予約済。 |
該当なし |
ホームおよびヘッダー |
データ・ローダーにアクセス |
将来のリリースのために予約済。 |
該当なし |
アナライザの表示 |
アナライザ・ビューの追加と編集 |
将来のリリースのために予約済。 |
該当なし |
アンサー |
イメージのアップロード |
この権限では、どの場所でイメージを選択しても、UIを使用してカスタム・イメージをアップロードできます。 |
BIコンテンツ作成者 |
管理: カタログ |
ログ構成の変更 |
この権限では、UIを使用してログ・レベルを変更できます。 |
BIサービス管理者 |
SOAP |
UserPersonalizationServiceサービスにアクセス |
Oracle BIのユーザー・パーソナライズWebサービスは、ユーザー固有のお気に入りや最近の項目を管理するための様々なAPIを実装するApplication Program Interface (API)です。 |
BIサービス管理者 |
この項では、Oracle BI Publisherに関する問題および回避策について説明します。
BI Publisherテンプレート(.xpt)を使用したOracle BI Publisherレポートに棒グラフが含まれ、時間がx軸に表される場合、x軸のラベルが適切に表示されません。1つ目のラベル・エントリがスキップされ、1つ目の棒データがy軸に接着して表示されます。この問題は、Oracle BI Publisherがチャートの生成に使用するデータ視覚化ライブラリの制限によるものです。
次の手順を実行してこの問題を回避します。
レポートのデータ・モデルSQL問合せで、日付/時間フィールドにTO_CHARメソッドを使用してフィールドのデータ型を"Date"から"String"に変更します。
レイアウト・エディタでレポートを開きます。
チャートを選択し、「プロパティ」ペインを展開します。
「時系列」設定を無効にし、日、月、年および時間の形式の設定をクリアします。
レイアウトの変更を保存します。
データ・モデルを作成し、保存せずにデータ・モデル・エディタから移動すると、ドラフトまたは一時データ・モデル・エントリがホーム・ページの「最近」セクションに表示される場合があります。これらのエントリは手動では削除できませんが、24時間後に自動的に削除されます。