Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド 12c (12.2.1) E70044-01 |
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この章では、Oracle Business Intelligenceのタイムゾーンを構成する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
タイムゾーンはOracle Business Intelligence全体で様々な目的に使用されます。タイムスタンプはオブジェクトが変更されたタイミングを示し、ユーザーはエージェントを実行する時間を指定できます。ほとんどの場合、ユーザーは、それぞれのローカル・タイムゾーンで操作することを望みます。管理者は、様々なコンポーネントに対してユーザーの優先タイムゾーンを構成できます。
優先タイムゾーンの設定を開始する前に、表13-1を参照して、タイムゾーンが使用される場所について確認してください。
表13-1 タイムゾーンの使用
タイプ | 説明 |
---|---|
Oracle BIプレゼンテーション・サービス |
プレゼンテーション・サービスのゾーンとは異なるタイムゾーンのユーザーがいる場合、管理者は、それらのユーザーがOracle Business Intelligenceで表示するタイムスタンプを指定できます。たとえば、サーバーのタイムゾーンが米国の太平洋標準時であるとします。その場合、米国東海岸のユーザーには東部標準時でタイムスタンプが表示されるように指定できます。 タイムゾーン設定を行わず、ユーザーが「マイ・アカウント」ダイアログで優先タイムゾーンを指定していない場合、ユーザーには、プレゼンテーション・サービスのローカル・タイムゾーンに従った時間が表示されます。 優先タイムゾーンの指定方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
データベースのデータ |
Oracle BI管理者が、データベースから取得されるデータのタイムゾーンを指定します。 タイムゾーン設定を行わない場合、ユーザーには、Oracle BI管理者が設定した元のデータのタイムゾーンでタイムスタンプ・データが表示されます。 |
Oracle Business Intelligenceで表示されるコンテンツ |
分析を作成するユーザーは、分析プロンプトおよびダッシュボード・プロンプトに表示されるタイムゾーンを指定できます。この指定は、管理者による指定や、以前の問合せで対象列を使用してタイムゾーンを設定したエンド・ユーザーの指定よりも優先されます。 指定した表示タイムゾーンが夏時間をサポートする場合、表示されるタイムゾーン値は、夏時間に合せて自動的に調整されます。 |
イベントの発生時刻を示す一般的なタイムスタンプ |
エンド・ユーザーは、次を含む多くの一般的なスタンプのタイムゾーンを指定できます。
|
ログ・ファイル |
ログ・ファイルには各種アクティビティのタイムスタンプが含まれます。 |
ユーザーのタイムゾーンを設定するには、次の手順を使用します。
ユーザーの優先タイムゾーンを設定するには:
プレゼンテーション・サービスを実行するサーバーに設定されているタイムゾーンを確認します。
プレゼンテーション・サービスの構成ファイル(instanceconfig.xml)の要素またはセッション変数を使用します。instanceconfig.xmlファイルは次の場所にあります。
BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS
詳細は、次を参照してください。
タイムゾーンの優先順位の詳細は、表13-2を参照してください。
セッション変数および要素の詳細は、表13-3を参照してください。
第13.6項 「例: タイムゾーンを指定する構成ファイルの設定」を参照してください。
セッション変数の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』を参照してください。
エンド・ユーザーに「マイ・アカウント」ダイアログを使用して優先タイムゾーンを指定するように指示します。
分析を作成するユーザーに、次の手順を実行して分析のタイム・スタンプを設定するように指示します。
「列のプロパティ」ダイアログの「データ書式」タブを使用して、分析の列に表示されるタイムゾーンを指定します。
「タイム・ゾーン」ダイアログを使用して、ダッシュボード・プロンプトに表示されるタイムゾーンを設定します。
各種コンテンツの表示で使用される実際のタイムゾーンは、表13-2に示す優先順位に従います。この表では、番号の小さい項目が大きい項目よりも優先されます。たとえば、項目1は項目2よりも優先されます。
表13-2 タイムゾーンの優先順位
タイムゾーンの対象 | 優先順位 |
---|---|
データ |
|
データ表示 |
|
一般的なタイム・スタンプ(列データおよびログ・ファイルは含まれません) |
|
ログ・ファイルの情報 |
|
ユーザー優先タイムゾーンは、次により決定されます。
「マイ・アカウント」ダイアログでのユーザーの指定ユーザーは、コンテンツを参照するタイムゾーンを選択します。
「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブでの優先タイムゾーンの設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』を参照してください。
TIMEZONEセッション変数の設定
instanceconfig.xmlファイルのDefaultUserPreferred要素の設定
タイムゾーン指定がリストに表示される場合、またはセッション変数の値やinstanceconfig.xmlファイルの要素として表示される場合、その指定は常に次のTimeZones.xmlファイルに基づいています。
orahome/bi/bifoundation/timezone
TimeZones.xmlファイルには、世界中のほとんどすべてのタイムゾーンが含まれています。このファイルにゾーンを追加する必要はありませんが、必要に応じて編集できます。組織内のユーザーが使用しないタイムゾーンは削除できます。
各種エディタでは、タイムゾーン値に含まれるアンパサンドは、アンパサンド文字自体を使用するか、そのエスケープ・シーケンスを使用することで表示されます。タイムゾーン値を入力する場合は、次の指示に従って注意して入力してください。
セッション変数の値でアンパサンドを使用する場合は、「Pacific Time (US & Canada); Tijuana」のように、アンパサンド文字(&)を値に含めます。
Oracle BIプレゼンテーション・サービスの構成ファイル(instanceconfig.xml)の要素の値でアンパサンドを使用する場合、「Pacific Time (US & Canada); Tijuana」のように、アンパサンドのエスケープ・シーケンスを値に含めます。
表13-3は、タイムゾーンの設定に使用するセッション変数およびinstanceconfig.xmlファイルの要素について説明しています。instanceconfig.xmlファイルに要素を含める場合は、すべてのユーザーに表示するタイムゾーンを指定します。セッション変数を使用する場合は、ユーザーごとに異なるタイムゾーンを指定できます。セッション変数を使用し、かつinstanceconfig.xmlファイルの要素に値を指定すると、セッション変数の値がinstanceconfig.xmlファイルの設定よりも優先されます。
注意: 特定のシステム・セッション変数(USER、ROLESなど)をリクエスト変数でオーバーライドすることはできません。DATA_TZ、DATA_DISPLAY_TZ (タイムゾーン)などのその他のシステム・セッション変数は、Oracle BI管理ツールで構成されている場合、オーバーライドできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』のリポジトリ変数での作業に関する項を参照してください。 |
表13-3 タイムゾーンの設定
要素 | セッション変数 | 説明 | 値 |
---|---|---|---|
DefaultDataOffset |
DATA_TZ |
元のデータのタイムゾーン・オフセット。適切なゾーンを表示するためにタイムゾーンを変換できるようにするには、この要素または変数に値を設定する必要があります。 このオプションを設定しない場合は、値が不明であるため、タイムゾーンの変換は実行されません。 たとえば、東部標準時(EST)に変換する必要があるとします。これは「グリニッジ標準時(GMT) - 5」になります。ESTへの変換を有効にするには、この値を指定する必要があります。 |
GMT時から減算する時間数を示すオフセット。例: GMT-05:00または-300。これは5時間減算することを示します。 |
DefaultDataDisplay |
DATA_DISPLAY_TZ |
データの表示に使用するタイムゾーンを指定します。 このオプションを設定しない場合、値はユーザー優先タイムゾーンになります。 |
TimeZones.xmlファイルで指定されているタイムゾーンのいずれか。 第13.4.1項「タイムゾーン値の指定」を参照してください。 |
DefaultUserPreferred |
TIMEZONE |
ユーザーが「マイ・アカウント」ダイアログで独自のタイムゾーンを選択する前の、ユーザーのデフォルト優先タイムゾーンを指定します。 このオプションを設定しない場合、値はOracle BIプレゼンテーション・サービスのローカル・タイムゾーンになります。 |
TimeZones.xmlファイルで指定されているタイムゾーンのいずれか。 第13.4.1項「タイムゾーン値の指定」を参照してください。 |
Logging |
該当なし |
プレゼンテーション・サービスで生成されるログ・ファイルに表示されるタイム・スタンプのタイムゾーン。 このオプションを設定しない場合、値はプレゼンテーション・サービスのタイムゾーンになります。 |
TimeZones.xmlファイルで指定されているタイムゾーンのいずれか。 第13.4.1項「タイムゾーン値の指定」を参照してください。 |
TimeZone |
該当なし |
優先タイムゾーンを変更する要素の親要素。ServerInstance要素の子になります。 |
該当なし |
次の例は、TimeZone要素が追加された、instanceconfig.xmlファイルのサンプル・セクションを示しています。
<TimeZone>
<DefaultDataOffset>0</DefaultDataOffset>
<Logging>(GMT-08:00) Pacific Time (US & Canada); Tijuana</Logging>
<DefaultUserPreferred>(GMT-08:00) Pacific Time (US & Canada); Tijuana</DefaultUserPreferred>
<DefaultDataDisplay>(GMT-06:00) Central Time (US & Canada); Tijuana</DefaultDataDisplay>
</TimeZone>