この章では、コマンド構文、引数、コマンド例などのロギングのカスタムWLSTコマンドについて詳細に説明します。ロギング・コマンドを使用して、ログ・ファイルの設定を構成し、ログ・ファイルを表示および検索します。
ログ・ファイルの構成および検索の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のログ・ファイルと診断データの管理に関する項を参照してください。
表7-1では、ロギング・コマンドの各種カテゴリを説明します。
表7-1 ロギング・コマンド・カテゴリ
コマンド・カテゴリ | 説明 |
---|---|
|
ファイルに書き込む情報のレベルや最大ファイル・サイズなどのログ・ファイルの設定を構成します。 |
|
Oracle Fusion Middlewareログ・ファイルを表示し、特定のメッセージのログ・ファイルを検索します。 |
|
選択的トレース(メッセージが特定のサーバー、ログ出力またはユーザーについてトレースされることを指定)を構成および使用します。 |
表7-2のコマンドを使用して、ファイルに書き込む情報のレベルや最大ファイル・サイズなどのログ・ファイルの設定を構成します。WLST使用列で、オンラインとは、実行中のサーバーに接続している場合にのみ、そのコマンドが使用できることを意味します。オフラインとは、実行中のサーバーに接続していない場合にのみ、そのコマンドが使用できることを意味します。オンラインまたはオフラインとは、どちらの場合にもそのコマンドを使用できることを意味します。
表7-2 ロギングの構成コマンド
使用するコマンド | 目的 | WLST使用 |
---|---|---|
|
既存のログ・ハンドラを構成、新しいハンドラを追加または既存のハンドラを削除します。 |
オンライン |
|
指定されたログ出力のレベルを取得します。 |
オンライン |
|
ログ出力のリストおよび各ログ出力のレベルを取得します。 |
オンライン |
|
1つ以上のログ・ハンドラの構成をリストします。 |
オンライン |
|
指定されたログ出力のレベルを設定します。 |
オンライン |
コマンド・カテゴリ: ログ構成
WLST使用: オンライン
説明
既存のJavaロギング・ハンドラを構成、新しいハンドラを追加または既存のハンドラを削除します。ハンドラごとに1つのエントリを持つjava.util.Listを返します。各エントリは、ハンドラを説明するjavax.management.openmbean.CompositeDataオブジェクトです。
このコマンドを使用すると、ログ・ファイルの場所、ログ・ファイルのローテーションの頻度およびその他のログ・ファイルのプロパティを変更できます。
構文
configureLogHandler([target,] name [, maxFileSize] [,maxLogSize] [, rotationFrequency] [, baseRotationTime] [, retentionPeriod] [, format] [, encoding] [, path] [, handlerType] [, propertyName] [, propertyValue] [, addProperty] [, removeProperty] [, addHandler] [, removeHandler] [, level] [, addToLogger] [, removeFromLogger] [, useParentHandlers] )
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、またはシステム・コンポーネントを記述する文字列。システム・コンポーネントの詳細は、コンポーネントのドキュメントを参照してください。
デフォルト値は、WLSTの接続先となるサーバーです。 |
name |
必須。ログ・ハンドラの名前。 |
maxFileSize |
オプション。ODLハンドラの最大ファイル・サイズの値。この値は数値を表す文字列で、オプションとしてサイズ単位を示す接尾辞(キロバイトはk 、メガバイトはm 、ギガバイトはg )が続きます。
接尾辞を指定しない場合、値はバイト単位で返されます。 このオプションはQuickTraceハンドラには適用されないことに注意してください。 |
maxLogSize |
オプション。ODLハンドラの最大ログ・ファイルのサイズの値。この値は数値を表す文字列で、オプションとしてサイズ単位を示す接尾辞(キロバイトはk 、メガバイトはm 、ギガバイトはg )が続きます。
このオプションはQuickTraceハンドラには適用されないことに注意してください。 |
rotationFrequency |
オプション。ODLハンドラのローテーション頻度の値。この値は数値を表す文字列で、オプションとして時間単位を示す接尾辞(分はm 、時間はh 、日はd )が続きます。デフォルトの時間単位は分(m)です。特殊な値(HOUR、HOURLY、DAY、DAILY、WEEK、WEEKLY、MONTH、MONTHLY)も使用でき、分単位の数値に変換されます。
このオプションはQuickTraceハンドラには適用されないことに注意してください。 |
baseRotationTime |
オプション。rotationFrequencyオプションとともに使用されるベース・ローテーション時間。この値は、日付/時間値を表す文字列である必要があります。ISO 8601の日時書式で表す完全な書式の場合と、時と分のみで表す短い書式の場合があります。デフォルトのbaseRotationTimeは00:00です。
このオプションはQuickTraceハンドラには適用されないことに注意してください。 |
retentionPeriod |
オプション。ログ・ファイルが保持される時間。この値は数値を表す文字列である必要があり、オプションとして時間単位を示す接尾辞(分はm 、時間はh 、日はd )が続きます。デフォルトの時間単位は分(m)です。特殊な値(HOUR、HOURLY、DAY、DAILY、WEEK、WEEKLY、MONTH、MONTHLY)も使用でき、分単位の数値に変換されます。
このオプションはQuickTraceハンドラには適用されないことに注意してください。 |
format |
オプション。ODLハンドラのフォーマット。有効な値は、ODL-TextまたはODL-XMLのいずれかです。デフォルトの書式はODL-Textです。 |
encoding |
オプション。ログ・ファイルのキャラクタ・エンコーディング。 |
path |
オプション。ログ・ファイルのパス。
このオプションはQuickTraceハンドラには適用されないことに注意してください。 |
handlerType |
オプション。ハンドラの実装を用意しているJavaクラスの名前。java.util.logging.Handlerまたはoracle.core.ojdl.logging.HandlerFactoryのインスタンスにする必要があります。 |
propertyName |
オプション。追加または更新される拡張ハンドラ・プロパティの名前。プロパティ値はpropertyValueオプションで指定します。有効なプロパティについては、ハンドラのドキュメントを参照してください。 |
propertyValue |
オプション。propertyNameオプションで定義されたハンドラ・プロパティの新規の値。 |
addProperty |
オプション。Jythonブール値。新規プロパティをハンドラに追加するように定義するには、propertyNameオプションとpropertyValueオプションを組み合せて使用します。 |
removeProperty |
オプション。1つ以上の削除対象ハンドラ・プロパティのリスト。 |
addHandler |
オプション。ブール値。値がtrueの場合、指定されたハンドラが追加されます。 |
removeHandler |
オプション。ブール値。値がtrueの場合、指定されたハンドラが削除されます。 |
level |
オプション。JavaまたはODLレベル値。ハンドラ・レベルは指定されたレベルに設定されます。 |
addToLogger |
オプション。ログ出力名のリスト。ハンドラは特定のログ出力名に追加されます。 |
removeFromLogger |
オプション。ログ出力名のリスト。ハンドラは特定のログ出力から削除されます。 |
useParentHandlers |
オプション。ブール値。addToLoggerまたはremoveFromLoggerオプションによって定義されたログ出力上のuseParentHandlersフラグを設定します。 |
次の表に、quicktrace-handlerのプロパティをリストします。このハンドラを使用すると、特定のログ出力のメッセージをトレースして、そのメッセージをメモリーに格納できます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のQuickTraceの構成に関する項を参照してください。
QuickTraceのプロパティ | 説明 |
---|---|
bufferSize | 循環QuickTraceバッファのおおよそのサイズで、ログ・レコードはメモリー内のこのバッファに格納されます。実際のメモリー使用量は、この値より少ない可能性もありますが、この値を超えることはありません。 |
enableDMSMetrics | trueが指定された場合、quicktrace-handlerのDMSメトリックが有効になります。デフォルトは、trueです。 |
enableUserBuffer | trueが指定された場合、reserveBufferUserIDプロパティで指定されている各ユーザーの個々のバッファがハンドラによって維持されます。reserveBufferUserIDプロパティでユーザーが定義されていない場合は、メッセージはCOMMONバッファにキャッシュされます。
falseが指定された場合、ハンドラはCOMMONという1つのハンドラのみを維持します。 デフォルトは、falseです。 |
flushOnDump | trueが指定された場合、executeDumpコマンドを実行すると、バッファがフラッシュされます。デフォルトは、trueです。 |
includeMessageArguments | trueが指定された場合、メッセージIDを持つフォーマット済ログ・メッセージとともにメッセージ引数が含まれます。デフォルトは、falseです。 |
maxFieldLength | メッセージ内の各フィールドの最大長(バイト単位)。フィールドには、メッセージ・テキスト、サプリメンタル属性、スレッド名、ソース・クラス名、ソース・メソッド名およびメッセージ引数を含むことができます。
デフォルトは240バイトです。 小さい数値を指定すると、メッセージに戻される情報の量を制限できます。大きい数値を指定すると、各メッセージがより多くのバイトを使用できるため、バッファ内のログ・レコードの量を減らすことができます。 |
reserveBufferUserID | カンマで区切られた、ユーザーIDのリスト。enableUserBufferにtrueが指定された場合、ユーザーに関連するすべてのログ・メッセージは別のバッファに書き込まれます。 |
supplementalAttributes | サプリメンタル属性名のリスト。属性はlogging.xml fileにリストされます。
サプリメンタル属性の設定には、追加のメモリーまたはCPU時間が必要です。 |
useDefaultAttributes | trueが指定された場合、デフォルトの属性値が各ログ・メッセージに追加されます。デフォルト属性は、HOST_ID、HOST_NWADDRおよびUSER_IDです。 |
useLoggingContext | trueが指定された場合、ログ・メッセージにDMSロギング・コンテキスト属性が含まれます。デフォルトは、falseです。
このオプションを有効にした場合、トレースには追加のCPU時間が必要です。 |
useRealThreadID | trueが指定された場合、ハンドラは、jave.util.logging.logRecordによって提供されるスレッドIDではなく、実際のスレッドIDの使用を試みます。デフォルトは、falseです。
このオプションを有効にした場合、トレースには追加のCPU時間が必要です。 |
useThreadName | trueが指定された場合、ログ・メッセージには、スレッドIDではなくスレッド名が含まれます。デフォルトは、falseです。 |
例
次の例では、odl-handlerの最大ファイル・サイズを指定します。
configureLogHandler(name="odl-handler", maxFileSize="5M")
次の例では、odl-handlerのローテーション頻度を指定します。
configureLogHandler(name="odl-handler", rotationFrequency="daily")
次の例では、odl-handlerのローテーション頻度および保存期間を指定します。さらに、maxFileSizeプロパティを削除します。
configureLogHandler(name="odl-handler", rotationFrequency="daily", retentionPeriod="week", removeProperty='maxFileSize'])
次の例では、ログ出力oracle.adf.facesを追加し、user1およびuser2に対するユーザー・バッファを有効にしたquicktrace-handlerを構成します。
configureLogHandler(name="quicktrace-handler", addToLogger="oracle.adf.faces", propertyName="enableUserBuffer", propertyValue="true", propertyName="reserveBufferUserID", propertyValue="user1, user2")
oracle.adfログ出力は、odl-handler、wls-domainおよびconsole-handlerの各ハンドラに関連付けられています。ログ出力のレベルを設定すると、これらのハンドラはログ出力oracle.adfに対して同一のレベル(TRACE:1)を使用します。そのため、ログ・ファイルに大量の情報が書き込まれ、リソースが消費されます。リソースの消費を回避するには、ハンドラのレベルを低いレベル(WARNINGやINFORMATIONなど)に設定します。次に例を示します。
configureLogHandler(name="odl-handler", level="WARNING:1") configureLogHandler(name="wls-domain", level="WARNING:1") configureLogHandler(name="console-handler", level="WARNING:1")
コマンド・カテゴリ: ログ構成
WLST使用: オンライン
説明
指定されたJavaログ出力のレベルを返します。
返される値は、ログ出力レベルを含む文字列であるか、ログ出力が存在しない場合は「なし」となります。空の文字列は、ログ出力レベルがnullであることを示します。
構文
getLogLevel( [target,] logger [, runtime] )
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、またはシステム・コンポーネントを記述する文字列。システム・コンポーネントの詳細は、コンポーネントのドキュメントを参照してください。
デフォルト値は、WLSTの接続先となるサーバーです。 |
logger |
ログ出力名。空の文字列は、ルート・ログ出力を示します。
このオプションは必須であり、デフォルトはありません。 |
runtime |
オプション。操作によりランタイム・ロガーと構成ロガーのどちらがリストされるかを決定するJythonブール値(0または1)。デフォルト値は1 (ランタイム)です。 |
例
次の例では、ログ出力oracleのレベルを返します。
getLogLevel(logger='oracle')
NOTIFICATION:1
次の例では、ラインタイム・ログ出力ではなく、構成ログ出力のみを指定して、ログ出力Oracleのレベルを返します。
getLogLevel(logger='oracle', runtime=0)
NOTIFICATION:1
次の例では、Oracle WebLogic Serverのserver2上のログ出力Oracleのレベルを返します。
getLogLevel(logger='oracle', target='server2')
NOTIFICATION:1
コマンド・カテゴリ: ログ構成
WLST使用: オンライン
説明
Javaログ出力およびそのレベルをリストします。このコマンドは、キーがログ出力名で、関連付けられた値がログ出力レベルであるPyDictionaryオブジェクトを返します。空のレベルは、ログ出力にレベル・セットがないことを示すために使用します。
構文
listLoggers([target] [, pattern] [,runtime])
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、またはシステム・コンポーネントを記述する文字列。システム・コンポーネントの詳細は、コンポーネントのドキュメントを参照してください。
デフォルト値は、WLSTの接続先となるサーバーです。 |
pattern |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、またはシステム・コンポーネントを記述する文字列。システム・コンポーネントの詳細は、コンポーネントのドキュメントを参照してください。 |
runtime |
オプション。操作によりランタイム・ロガーと構成ロガーのどちらがリストされるかを決定するJythonブール値(0または1)。デフォルト値は1 (ランタイム)です。 |
コマンド・カテゴリ: ログ構成
WLST使用: オンライン
説明
Javaログ・ハンドラの構成をリストします。このコマンドは、ハンドラごとに1つのエントリを持つjava.util.Listを返します。各エントリは、ハンドラを説明するjavax.management.openmbean.CompositeDataオブジェクトです。
コマンド・カテゴリ: ログ構成
WLST使用: オンライン
構文
setLogLevel([target,] logger [, addlogger] , level [, runtime] [, persist] )
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、またはシステム・コンポーネントを記述する文字列。システム・コンポーネントの詳細は、コンポーネントのドキュメントを参照してください。
デフォルト値は、WLSTの接続先となるサーバーです。 |
logger |
ログ出力名。空の文字列は、ルート・ログ出力を示します。
このオプションは必須であり、デフォルトはありません。このコマンドは、addLoggerオプションも使用されている場合を除き、ログ出力が存在しない場合に例外をスローします。 |
addLogger |
オプション。ログ出力が存在しない場合に作成する必要があるかどうかを決定するJythonブール値(0または1)。このオプションは、ランタイム・モードに対しては非推奨です。ランタイム・ログ出力の追加は、ログ出力がガベージ・コレクションの可能性があるため効果がない場合があります。まだ作成されていないログ出力のレベルを設定する必要がある場合は、永続モードを使用します。 |
level |
レベル名。JavaレベルまたはODLレベルのいずれかを指定できます。有効なJavaレベル(一部)は、SEVERE、WARNING、INFO、CONFIG、FINE、FINERまたはFINESTです。有効なODLレベルには、コロンおよびメッセージ・レベルが付加されたメッセージ・タイプが含まれます。有効なODLメッセージ・タイプは、INCIDENT_ERROR、ERROR、WARNING、NOTIFICATION、TRACEおよびUNKNOWNです。メッセージ・レベルは、メッセージ・タイプを限定する整数値で表現されます。可能な値は1(最高重大度)から32(最低重大度)です。
空の文字列を使用して、レベルをnullに設定できます(親から継承)。 このオプションは必須で、デフォルト値はありません。 |
runtime |
オプション。操作によりランタイム・ロガーと構成ロガーのどちらがリストされるかを決定するJythonブール値(0または1)。デフォルト値は1 (ランタイム)です。ターゲットが、ランタイム・ログ出力の変更をサポートしないシステム・コンポーネントである場合、このオプションは無視されます。
注意: ランタイム・ログ出力がガベージ・コレクションの場合もあるため、ログ出力が存在し、ログ出力に強参照があると判明している場合にのみ、ランタイム・ログ出力のレベルを変更します。ログ出力がガベージ・コレクションの場合は、ランタイム・モードでログ出力レベルに加えた、保持されていないすべての変更は失われる可能性があります。 |
persist |
オプション。レベルを構成ファイルに保存するかどうかを決定するJythonブール値(0または1)。値0はレベルが保存されることを示し、値1は保存されないことを示します。デフォルト値は1です。 |
例
次の例では、ログ出力oracle.my.loggerのログ・レベルをNOTIFICATION:1に設定します。
setLogLevel(logger="oracle.my.logger", level="NOTIFICATION:1")
次の例では、ログ出力oracle.my.loggerのログ・レベルをTRACE:1に設定し、レベルは構成ファイルに保存する必要があることを指定します。
setLogLevel(logger="oracle.my.logger", level="TRACE:1", persist=0)
次の例では、WebLogic Serverのserver1上の構成ログ出力oracle.my.loggerのログ・レベルをWARNINGに設定します。
setLogLevel(target="server1", logger="oracle.my.logger", level="WARNING", runtime=0)
表7-3のコマンドを使用して、Oracle Fusion Middlewareログ・ファイルを表示し、特定のメッセージのログ・ファイルを検索します。
表7-3 検索および表示コマンド
使用するコマンド | 目的 | WLST使用 |
---|---|---|
|
1つ以上のコンポーネントのログをリストします。 |
オンラインまたはオフライン |
|
ログ・ファイルの内容を検索および表示します。 |
オンラインまたはオフライン |
コマンド・カテゴリ: 検索および表示
WLST使用: オンラインまたはオフライン
説明
診断ログ・ファイルの内容を検索および表示します。このコマンドは、returnData optionがtrueに設定されている場合にのみ値を返します。デフォルトでは、データを返しません。使用するオプションによって戻り値は異なります。
構文
displayLogs([searchString,][target] [, oracleInstance] [, log] [, last] [, tail] [, pattern] [, ecid] [, component] [, module] [, type] [, app] [, query] [, groupBy] [, orderBy [, returnData] [, format] [, exportFile] [, follow])
引数 | 定義 |
---|---|
searchString |
オプションの検索文字列。指定された文字列(大/小文字は区別しない)を含むメッセージのみが返されます。
displayLogsコマンドは、ログを複数の形式で読み取ることができ、メッセージをODL形式に変換します。検索は、可能な場合はネイティブ書式で実行されます。そうでない場合は、メッセージ・コンテンツ内で実行され、マークアップは除外される場合があります。したがって、検索文字列ではマークアップ文字の使用を避ける必要があります。 |
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンス、またはシステム・コンポーネントの名前。
システム・コンポーネントの場合、ターゲットの構文は次のとおりです。
sc:component-name
接続モードでは、デフォルトのターゲットは、WebLogicドメインです。切断モードではデフォルトがなく、ターゲット・オプションは必須です。 |
oracleInstance |
オプション。ORACLE_INSTANCEまたはWebLogicドメイン・ホームへのパスを定義します。このパラメータを使用する場合、コマンドは切断モードで実行されます。 |
log |
オプション。ログ・ファイルのパス。コマンドは、指定されたログ・ファイルからメッセージを読み取ります。ログのファイル・パスが指定されない場合、コマンドは指定されたターゲットに関連付けられているすべてのログを読み取ります。 |
last |
オプション。整数値。検索範囲を最後の指定分数以内に記録されたメッセージに制限します。この値に接尾辞s (秒)、m (分)、h (時間)またはd (日)を使用して、別の時間単位を指定できます。(例: last='2h'は最後の2時間と解釈されます)。 |
tail |
オプション。整数値。検索範囲を各ログ・ファイルに含まれる最後のn個のメッセージに制限し、表示されるメッセージ数をn個に制限します。 |
pattern |
オプション。正規表現パターン。指定されたパターンを含むメッセージのみが返されます。パターン・オプションの使用はsearchString引数の使用と似ていますが、正規表現を使用できる点が異なります。
正規表現パターンの検索では大/小文字が区別されます(パターンで大/小文字を区別しないフラグが明示的に有効にされている場合を除きます)。パターンは、java.util.regex構文に従う必要があります。 |
ecid |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上の実行コンテキストID (ECID)値を含む文字列または連続した文字列。 |
component |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のコンポーネントID値を含む文字列または連続した文字列。 |
module |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のモジュールID値を含む文字列または連続した文字列。 |
type |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のメッセージ・タイプ値を含む文字列または連続した文字列。 |
app |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のアプリケーション値を含む文字列または連続した文字列。 |
query |
オプション。ログ・メッセージのコンテンツの絞込みに使用される式を指定する文字列。
単純式の書式は次のとおりです。 field-name operator value ここで、field-nameはログ・レコードのフィールド名で、operatorはフィールド・タイプに適した演算子です(たとえば、文字列フィールドに対してequals、startsWith、containsまたはmatchesを指定できます)。 フィールド名は、標準ODL属性名(COMPONENT_ID、MSG_TYPE、MSG_TEXT、SUPPL_DETAILなど)、またはサプリメンタル属性(アプリケーション固有)の名前のいずれかとなり、先頭にSUPPL_ATTRが付きます。(たとえば、SUPPL_ATTR.myAttribute)。 一部の共通サプリメンタル属性は接頭辞なしで使用できます。たとえば、アプリケーション名で絞り込むには ブール演算子 問合せ構文の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』を参照してください。 |
groupBy |
オプション。文字列リスト。groupByオプションを使用する場合、出力は、文字列リストで定義された属性によってグループ化されたログ・メッセージの数です。 |
orderBy |
オプション。結果のソート順序を定義する文字列リスト。値はログ・メッセージの属性名です。この名前は、オプションの接尾辞:asc または:desc で拡張し、昇順または降順ソートを指定できます。デフォルトのソート順序は昇順です。
デフォルトでは、結果は時間でソートされます。 |
returnData |
オプション。Jythonブール値(0または1)。この値がtrueの場合、このコマンドは(たとえば、スクリプトで使用される)データを返します。デフォルト値はfalseで、これは、コマンドではデータが表示されるのみで、データは返されないことを意味します。 |
format |
オプション。出力形式を定義する文字列。有効な値は、ODL-Text、ODL-XML、ODL-completeおよびsimpleです。デフォルトの書式はODL-Textです。 |
exportFile |
オプション。コマンド出力が書き込まれるファイルの名前。デフォルトでは、出力は標準出力に書き込まれます。 |
follow (f) |
オプション。コマンドで引き続きログを読み取り、新規メッセージがログに追加された際にメッセージを表示するために、コマンドをフォロー・モードに設定します(Unixのtail -f コマンドと同様)。f オプションが使用されている場合、このコマンドは値を返しません。このオプションは、現在システム・コンポーネントではサポートされていません。 |
例
次の例では、ドメインのすべてのログ・ファイルから最後の100メッセージを表示します。
displayLogs(tail=100)
次の例では、最後の15分間に記録されたすべてのメッセージを表示します。
displayLogs(last='15m')
次の例では、指定した文字列を含むログ・メッセージを表示します。
displayLogs('Exception')
次の例では、指定したECIDを含むログ・メッセージを表示します。
displayLogs(ecid='0000Hl9TwKUCslT6uBi8UH18lkWX000002')
次の例では、タイプERRORまたはINCIDENT_ERRORのログ・メッセージを表示します。
displayLogs(type=['ERROR','INCIDENT_ERROR'])
次の例では、指定したJava EEアプリケーションのログ・メッセージを表示します。
displayLogs(app="myApplication")
次の例では、システム・コンポーネントohs1に対するメッセージを表示します。
displayLogs(target="sc:ohs1")
次の例では、コンポーネントおよびタイプでメッセージ・サマリーを表示します。
displayLogs(groupBy=['COMPONENT_ID', 'MSG_TYPE'])
次の例では、特定の時間間隔のメッセージを表示します。
displayLogs(query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20")
次の例では、拡張問合せを示します。
displayLogs(query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20 and ( MSG_TEXT contains exception or SUPPL_DETAIL contains exception )")
同様の問合せを次のように記述できます。
displayLogs("exception", query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20")
コマンド・カテゴリ: 検索および表示
WLST使用: オンラインまたはオフライン
説明
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのログ・ファイルをリストします。このコマンドは、ログごとに1つの要素を持つPyArrayを返します。配列の要素は各ログを説明するjavax.management.openmbean.CompositeDataオブジェクトです。
構文
listLogs([target] [, oracleInstance] [, unit] [, fullTime]
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic ServerインスタンスまたはOracle Fusion Middlewareシステム・コンポーネントの名前。
システム・コンポーネントの場合、ターゲットの構文は次のとおりです。
sc:component-name
接続モードでは、デフォルトのターゲットは、WebLogicドメインです。 切断モードではデフォルトがなく、ターゲット・オプションは必須です。 |
oracleInstance |
オプション。ORACLE_INSTANCEまたはWebLogicドメイン・ホームへのパスを定義します。このパラメータを使用する場合、コマンドは切断モードで実行されます。 |
unit |
オプション。ファイル・サイズをレポートするために使用する単位を定義します。有効な値は、B (バイト)、K (キロバイト)、M (メガバイト)、G (ギガバイト)、またはH (判読可能な形式の表示サイズで、Unixのls -h オプションと同様)です。デフォルト値はH です。 |
fullTime |
オプション。Jythonブール値。trueの場合、ログ・ファイルの最終変更時間の完全な時間をレポートします。それ以外の場合は、短縮した形で時間を表示します。デフォルト値は、falseです。 |
例
次の例では、WebLogicドメインのすべてのログ・ファイルをリストします。
listLogs()
次の例では、WebLogic Serverのserver1のログ・ファイルをリストします。
listLogs(target="server1")
次の例では、Oracle HTTP Serverのohs1のログ・ファイルをリストします。
listLogs(target="sc:ohs1")
次の例(切断モードで使用)では、WebLogic Serverのserver1のログ・ファイルをリストします。
listLogs(oracleInstance="/scratch/Oracle/domains/base_domain", target="server1")
表7-4のコマンドを使用して、選択的トレースを構成および使用します。選択的トレースでは、リクエスト内の指定したユーザーまたは他のプロパティについて、きめ細かいロギングが提供されます。WLST使用列で、オンラインとは、実行中のサーバーに接続している場合にのみ、そのコマンドが使用できることを意味します。
表7-4 トレース・コマンド
使用するコマンド | 目的 | WLST使用 |
---|---|---|
|
トレース・プロバイダを構成します。 |
オンライン |
|
選択的トレースについて1つ以上のログ出力を構成します。 |
オンライン |
|
アクティブなトレースをリストします。 |
オンライン |
|
トレース・プロバイダをリストします。 |
|
|
選択的トレースをサポートするログ出力をリストします。 |
オンライン |
|
選択的トレース・セッションを開始します。 |
オンライン |
|
1つ以上の選択的トレース・セッションを停止します。 |
オンライン |
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンライン
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンライン
構文
configureTracingLoggers([target] [, pattern,] action)
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバー・インスタンス上のログ出力がトレースに対して構成されます。 |
pattern |
オプション。ロガー名のフィルタ処理に使用される正規表現パターン。デフォルト値は、すべてのトレース・ログ出力名に一致します。 |
action |
必須。すべてのログ出力のトレースを有効または無効にします。有効な値はenable およびdisable です。デフォルト値はありません。 |
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンライン
構文
listActiveTraces([target])
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバー・インスタンス上のログ出力がリストされます。 |
例
次の例では、アクティブなトレースをリストします。
listActiveTraces()
-------------------------------------+----------+-----------+------+-------------------+---
Trace ID |Attr. Name|Attr. Value| Level| Start Time |Exp. Time
-------------------------------------+----------+-----------+------+-------------------+---
bf13025b-b8f8-480d-8d92-14200a669b3e |USER_ID |user1 | FINE | 5/28/13 12:28 PM |
a04b47f7-2830-4d80-92ee-ba160cdacf6b |USER_ID |user2 | FINE | 5/28/13 12:30 PM |
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンライン
説明
使用可能なトレース・プロバイダの名前、ステータス、説明およびサポートされるパラメータをリストします。プロバイダのステータスは、プロバイダがすべてのターゲット上で有効化されるenabled
、プロバイダがすべてのターゲット上で無効化されるdisabled
またはプロバイダが一部のターゲット上で有効化されるmixed
のいずれかになります。
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンラインまたはオフライン
説明
選択的トレースをサポートするログ出力をリストします。このコマンドでは、ログ出力名およびそのトレース・ステータスの表が表示されます。ステータスenabled
は、すべてのサーバー上のトレースでログ出力が有効であることを意味します。ステータスdisabled
は、すべてのサーバー上のトレースでログ出力が無効であることを意味します。ステータスmixed
は、一部のサーバー上のトレースでログ出力が有効であり、他のサーバー上では無効であることを意味します。
構文
listTracingLoggers([target] [, pattern])
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバー・インスタンス上のログ出力がリストされます。 |
pattern |
オプション。ロガー名のフィルタ処理に使用される正規表現パターン。デフォルト値は、すべてのトレース・ログ出力名に一致します。 |
例
次の例では、oracle.security
で始まるすべてのトレース・ログ出力をリストします。
listTracingLoggers(pattern="oracle.security.*")
------------------------------------------------------------------+--------
Logger | Status
------------------------------------------------------------------+--------
oracle.security | enabled
oracle.security.audit.logger | enabled
oracle.security.audit.config | enabled
.
.
.
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンライン
構文
startTracing([target,] [ traceId,] [attrName, attrValue,] [user,] level [, desc])
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバー・インスタンス上のログ出力がトレースに含まれます。 |
traceId |
オプション。トレース・セッションの識別子。traceIdを指定しない場合、コマンドによって一意のtraceIdが生成されます。 |
attrName |
user引数が指定されない場合を除いて、オプション。有効な値は、USER _ID、APP、CLIENT_HOST、CLIENT_ADDR、composite_name、WEBSERVICE.name、WEBSERVICE_PORT.nameです。 |
attrValue |
attrNameが指定されている場合は必須。属性の値 |
user |
ユーザー名。ユーザーに関連付けられているメッセージが返されます。これは、attrNameおよびAttrValueオプションを指定してUSER_IDを渡すことと同じです。 |
level |
必須。トレース・レベル。レベルは有効なJavaまたはODLレベルである必要があります。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の表「ODL、Oracle WebLogic ServerおよびJava間のログ・レベルのマッピング」を参照してください。 |
desc |
オプション。トレース・セッションの説明。 |
コマンド・カテゴリ: トレース
WLST使用: オンライン
構文
stopTracing([target,] {stopAll] | traceId | attrName, attrValue | user} [, createIncident)
引数 | 定義 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバー・インスタンス上のログ出力が操作に含まれます。 |
stopAll |
アクティブなトレースをすべて停止するかどうかを決定するJythonブール値(0または1)。traceId、userまたはattrNameおよびattrValue引数が指定されない場合は必須です。デフォルト値は0 (false)です。 |
traceId |
停止するトレース・セッションの識別子。stopAll、userまたはattrNameおよびattrValue引数が指定されない場合は必須です。 |
attrName |
有効な値は、USER _ID、APP、CLIENT_HOST、CLIENT_ADDR、composite_name、WEBSERVICE.name、WEBSERVICE_PORT.nameです。traceId、user、stopAll引数が指定されない場合は必須です。 |
attrValue |
attrNameが指定されている場合は必須。属性の値 |
user |
ユーザー名。このユーザーに関連付けられているすべてのトレース・セッションが停止されます。stopAll、traceIdまたはattrNameおよびattrValue引数が指定されていない場合は必須です。 |
createIncident |
オプション。Jythonブール値(0または1)。trueの場合、停止するトレースごとにインシデントが作成されます。デフォルト値は0 (false)です。 |