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Oracle® Fusion Middlewareインフラストラクチャ・セキュリティWLSTコマンド・リファレンス
12c (12.2.1)
E72549-01
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3 SSL設定WLSTコマンド

この章では、SSL設定WLSTコマンドについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 SSL設定コマンドの概要

WLSTコマンドは、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに対するSSLの設定および管理に使用できます。

このタスクには、表3-1に示すコマンドを使用します。


関連項目:

WLSTシェルを起動してSSL関連コマンドを実行する方法に関する重要な説明は、Oracle Fusion Middlewareの管理を参照してください。WLSTインタフェースは、他のどの場所からも起動しないでください。


注意:

SSL設定に関するWLSTコマンドはすべて、オンライン・モードで実行する必要があります。

次のコマンドを発行すると、各コマンドのヘルプを取得できます。

help('command_name')

特定のコマンドには、インスタンス名、iasコンポーネントおよびプロセス・タイプなどのパラメータが必要です。この情報は、次のコマンドを使用すると取得できます。

state('serverName') [in WebLogic domain]

nmServerStatus(serverName='name', serverType='type') [in Standalone domain]

表3-1 SSL設定のWLSTコマンド

使用するコマンド... 目的... 使用するWLST...

configureSSL


コンポーネント・リスナーのSSL属性を設定します。

オンライン

getSSL


コンポーネント・リスナーのSSL属性を表示します。

オンライン


3.2 SSLのプロパティ・ファイル

SSL構成では、WLSTのconfigureSSLコマンドで使用する特定のプロパティ・ファイルを使用します。

このファイルには、認証タイプ、暗号値、SSLバージョンなどの目的のSSL構成を指定するためのパラメータが含まれます。

各種コンポーネントのプロパティ・ファイルを複数管理する必要がある場合は、説明的な名前を使用できます。たとえば、ohs-ssl-properties.propovd-ssl-properties.propという名前のプロパティ・ファイルを保持できます。

3.2.1 プロパティ・ファイルの構造

SSLプロパティ・ファイルはすべて同じ構造です。

表3-2に、キー/値構造およびこれらのファイルの使用方法について詳細を示します。

表3-2 プロパティ・ファイルのパラメータ

キー 必須 Oracle HTTP Serverに使用できる値 使用方法

SSLEnabled

任意

true

false

いずれかの値

Ciphers

任意

SSL_RSA_WITH_RC4_128_MD5

SSL_RSA_WITH_RC4_128_SHA

SSL_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA

SSL_RSA_WITH_DES_CBC_SHA

SSL_DH_anon_WITH_RC4_128_MD5

SSL_DH_anon_WITH_DES_CBC_SHA

SSL_DH_anon_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA

TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA

TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA

カンマで区切られた1つ以上の値

SSLVersions

任意

nzos_Version_3_0

nzos_Version_3_0_With_2_0_Hello

nzos_Version_1_0

カンマで区切られた1つ以上の値

CertValidation

任意

none

crl

いずれかの値

CertValidation
Path

任意

file://crl_file_path

dir://crl_dir_path

CRLファイルのパス、またはCRLファイルがあるディレクトリのパス

KeyStore

任意

有効なウォレット名


TrustStore

任意

N/A


AuthenticationType

任意

None

Server

Optional

Mutual

いずれかの値


表3-3に、デフォルト値を示します。

表3-3 パラメータのデフォルト値

キー Oracle HTTP Serverに対するデフォルト値

SSLEnabled

true

Ciphers

null

SSLVersions

null

CertValidation

none

CertValidation
Path

null

KeyStore

default

TrustStore

-

Authentication
Type

Server



注意:

  • SSL認証なしモードでは、DH_anon暗号を少なくとも1つ使用する必要があります。その他すべてのモードでは、RSA暗号を少なくとも1つ使用する必要があります。

  • KeyStoreパラメータの値は、サーバー認証、相互認証またはオプションのクライアント認証でSSLを設定している場合、指定する必要があります。

  • AES暗号のみを指定した場合、SSLVersionsパラメータにはTLSv1またはnzos_Version_1_0を指定する必要があります。

  • CRLベースの検証を実行している場合、CertValidationパラメータの値はcrlにする必要があり、CertValidationPathパラメータの値はCRLファイル/ディレクトリを指す必要があります。


3.2.2 プロパティ・ファイルの例

次に、プロパティ・ファイルの使用を示す例をいくつか示します。

例1: 基本的なプロパティ・ファイル

SSLEnabled=true
AuthenticationType=None
CertValidation=none

このプロパティ・ファイルでは認証モードを指定しておらず、SSL設定時に暗号およびSSLバージョンに対してデフォルト値が使用されます。認証タイプがNoneであるため、KeystoreプロパティとTruststoreプロパティは指定されていません。他の認証タイプでは、Keystoreを指定する必要があります。

例2: 基本的なプロパティ・ファイル

SSLEnabled=
AuthenticationType=None
CertValidation=none

このプロパティ・ファイルは、何も値を指定せずにSSLEnabledを明示的に指定していることを除いて、前のファイルとまったく同じです。これは、キーをまったく指定しないのと同じです。どちらの場合も、デフォルト値が使用されます。

したがって、次の3つの設定はすべて同じ意味になります。

  • 設定:

    SSLEnabled=true
    

    ここでは値trueを明示的に指定しています。

  • 設定:

    SSLEnabled=
    

    ここでは値を記述していないため、SSLEnabledのデフォルト値(true)が使用されます。

  • キーSSLEnabledがプロパティ・ファイルに存在しません。

    キーが存在しないため、デフォルト値(true)が使用されます。

例3: バージョンを指定したOracle HTTP Server用のプロパティ・ファイル

SSLEnabled=true
AuthenticationType=Mutual
SSLVersion=nzos_Version_3_0
CertValidation=crl
CertValidationPath=file:///tmp/file.crl
KeyStore=ohs1

このプロパティ・ファイルの内容は次のとおりです。

  • 暗号に対してはデフォルト値

  • キーストア

  • SSLバージョン3

  • CRL検証を設定

  • 相互認証モード

configureSSL

SSLの属性を設定するオンライン・コマンドを示します。

説明

このコマンドは、コンポーネント・リスナーのSSL属性を設定します。属性は、プロパティ・ファイル・フォーマット(name=value)で指定されています。プロパティ・ファイルを指定しない場合またはプロパティ・ファイルにSSLの属性が含まれていない場合、デフォルトの属性値が使用されます。

プロパティ・ファイルの形式の詳細は、3.2項「SSLのプロパティ・ファイル」を参照してください。

構文

configureSSL('instName', 'compName', 'compType', 'listener', 'filePath')
引数 定義
instName アプリケーション・サーバー・インスタンスの名前を指定します。
compName コンポーネント・インスタンスの名前を指定します。
compType コンポーネントのタイプを指定します。有効な値はohsです。
listener SSLに対して設定するコンポーネント・リスナーの名前を示します。
filePath 設定するSSL属性を含むプロパティ・ファイルの絶対パスを指定します。

configureSSLコマンドの使用例を示します。

次のコマンドは、リスナーlistener1に対してアプリケーション・サーバー・インスタンスinst1内のOracle仮想ディレクトリ・インスタンスovd1のプロパティ・ファイル/tmp/ssl.propertiesに指定したSSLの属性を設定します。

wls:/mydomain/serverConfig> configureSSL('inst1', 'ovd1', 'ovd', 'listener1','/tmp/ssl.properties')

次のコマンドは、プロパティ・ファイルを指定せずにSSLの属性を設定します。ファイルは何も指定していないので、SSL属性のデフォルト値が使用されます。

wls:/mydomain/serverConfig> configureSSL('inst1', 'ovd1', 'ovd', 'listener2')

getSSL

設定済SSL属性を表示するオンライン・コマンドを示します。

説明

このコマンドは、指定したコンポーネント・リスナーの設定済のSSL属性を表示します。

構文

getSSL('instName', 'compName', 'compType', 'listener')
引数 定義
instName アプリケーション・サーバー・インスタンスの名前を指定します。
compName コンポーネント・インスタンスの名前を指定します。
compType コンポーネントのタイプを指定します。有効な値はohsです。
listener コンポーネント・リスナーの名前を指定します。

次のコマンドは、リスナーsslport1について、アプリケーション・サーバー・インスタンスinst1内のOracle HTTP Serverインスタンスohs1に対して設定されているSSL属性を表示します。

wls:/mydomain/serverConfig> getSSL('inst1', 'ohs1', 'ohs', 'sslport1')