プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware DB2 for iのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.2.0.1)
E79717-01
  目次へ移動
目次

前
 
次
 

6 リモート・ジャーナルの使用

この章では、リモート・ジャーナルの準備およびリモート・ジャーナルの追加について説明します。IBM DB2 for iオペレーティング・システムでのリモート・ジャーナルのサポートにより、DB2 for iシステム間で一連のジャーナル・エントリを全部そのままレプリケートすることができます。設定してしまえば、このレプリケーションは、オペレーティング・システムによってユーザーが意識することなく自動的に処理されます。レプリケートされるエントリは、ターゲット・システムのジャーナルに格納され、ソース・システム上と同様の方法でアプリケーションで読み取ることができます。

この機能をOracle GoldenGateとともに使用するには、DB2 for iシステムでのリモート・ジャーナル処理の設定および使用方法について理解しておく必要があります。Oracle GoldenGateについてもDB2 for iシステムについても、リモート・ジャーナル処理を使用するための特別なソフトウェア要件はありません。

この章は次の項で構成されています:

6.1 リモート・ジャーナルを使用するための準備

リモート・ジャーナル環境を確立する前に、次の手順を実行します。

  1. リモート・ジャーナルのネットワーク(環境)の範囲を確認します。

  2. ライブラリ・リダイレクションは、リモート・ジャーナルおよび関連するジャーナル・レシーバが、対応するソースのジャーナルおよび関連するジャーナル・レシーバとは異なるターゲット・システム上のライブラリに存在できるようにする機能です。

    どのライブラリ・リダイレクション(ある場合)をリモート・ジャーナルおよび関連するジャーナル・レシーバに使用するかを決定します。

  3. 選択したライブラリがすべて、ターゲット・システム上に存在することを確認します。リモート・ジャーナルの追加時にライブラリ・リダイレクションを使用するかどうかを検討する必要があります。

  4. 存在しない場合は、該当するローカル・ジャーナルを作成します。

  5. 使用する通信プロトコルを構成して、アクティブにします。

  6. 構成した通信プロトコルは、リモート・ジャーナル機能を使用している間、アクティブである必要があります。

    たとえば、OptiConnect for IBM iバス・トランスポート方式を使用している場合、OptiConnect for IBM iサブシステムのQSOCはアクティブである必要があります。QSOCはソース・システムとターゲット・システムの両方についてアクティブである必要があり、適切な制御装置およびデバイスをオンに変更する必要があります。SNA通信トランスポートを使用している場合は、該当する回線、制御装置、デバイスをオンに変更し、必ずサブシステムQCMNを両方のシステムでアクティブにします。変更開始。TCP/IPまたはソケットIPv6を使用している場合は、TCP/IPの開始(STRTCP)コマンドを使用して、分散データ管理(DDM)サーバーを含め、TCP/IPを開始する必要があります。変更終了。データ・ポートを使用している場合は、クラスタを構成してクラスタがアクティブであることを確認し、TCP/IPサーバーの起動(STRTCPSVR)コマンドを使用してインターネット・デーモン(inetd)サーバーを起動する必要があります。

  7. 存在しない場合は、リモート・ジャーナル環境の通信プロトコルの定義に使用される適切なリレーショナル・データベース(RDB)ディレクトリ・エントリを作成します。TCP通信を使用して独立ディスク・プールに接続する場合、独立ディスク・プールに対するRDBエントリでは、リレーショナル・データベースの値がターゲット・システムのローカルRDBエントリに、またリレーショナル・データベース別名の値が独立ディスク・プールの名前に設定されている必要があります。

  8. ここで、WRKRDBDIREコマンドを発行して、リモート・データベース接続を確認できます。

     Work with Relational Database Directory Entries
     
     Position to . . . . . .
     
     Type options, press Enter.
       1=Add 2=Change 4=Remove 5=Display details 6=Print details
     
                                 Remote
     Option Entry Location Text
     
             SYS1 system1
             SYS2 system2
             MYSYSTEM *LOCAL Entry added by system
             
             
              
              
     
     
     
     
                                                                             Bottom
     F3=Exit F5=Refresh F6=Print list F12=Cancel F22=Display entire field
     (C) COPYRIGHT IBM CORP. 1980, 2007.
    

6.2 リモート・ジャーナルの追加

リモート・ジャーナルを追加すると、ターゲット・システムまたは独立ディスク・プールにリモート・ジャーナルが作成され、そのリモート・ジャーナルとソース・システムのジャーナルが関連付けられます。これは、ジャーナルに対してリモート・ジャーナルが初めて設定される場合に行われます。ソース・システムのジャーナルは、ローカル・ジャーナルでもリモート・ジャーナルでもかまいません。

リモート・ジャーナル環境がすでに確立されている場合、リモート・ジャーナルを追加すると、ターゲット・システムのリモート・ジャーナルとソース・システムのジャーナルが再度関連付けられます。

次のいずれかの方法で、ターゲット・システムのリモート・ジャーナルを設定し、ソース・システムのジャーナルと関連付けることができます。

  • System iナビゲータ。

  • ソース・システムでのリモート・ジャーナルの追加(QjoAddRemoteJournal) API。

  • ソース・システムでのリモート・ジャーナルの追加(ADDRMTJRN)コマンド。

6.2.1 リモート・ジャーナルの追加処理の内容

リモート・ジャーナルの追加の一環として発生する処理は、次のとおりです。

  • ターゲット・システムで、リモート・ジャーナルを追加しているユーザー・プロファイルが存在することを検証するチェックが実行されます。リモート・ジャーナルを追加しているユーザー・プロファイルと同じ名前のユーザー・プロファイルがターゲット・システムに存在する必要があります。プロファイルがターゲット・システムに存在しない場合は例外が送信され、処理は終了します。

  • ソース・システムのジャーナルのライブラリと同じ名前のライブラリがターゲット・システムにあることを検証するチェックが実行されます。ライブラリがターゲット・システムに存在しない場合は例外が送信され、処理は終了します。

  • ターゲット・システムで、ソース・システムのジャーナルと同じ修飾名のジャーナルがすでに存在しているかどうかを判別するチェックが実行されます。ジャーナルがすでに存在する場合、次の基準を満たしていると、リモート・ジャーナルの追加処理の残りの部分に使用できます。

    1. リモート・ジャーナルであること。

    2. この同じソース・ジャーナルまたは同じリモート・ジャーナル・ネットワークの一部とすでに関連付けられていること。

    3. リモート・ジャーナルのタイプが指定のリモート・ジャーナル・タイプと一致すること。

  • ジャーナルが見つかっても、前述の基準を満たしていない場合は例外が送信され、処理は終了します。それ以外の場合は、そのリモート・ジャーナルが、リモート・ジャーナルの追加処理の残りの部分に使用されます。

  • 指定のターゲット・システムでジャーナルが見つからなかった場合は、リモート・ジャーナルがターゲット・システムで作成されます。新しいリモート・ジャーナルは、ソース・ジャーナルと構成、権限および監査特性が同じです。作成されるジャーナルのジャーナル・タイプは*REMOTEです。

リモート・ジャーナルを追加する際には、追加するリモート・ジャーナルのタイプを指定する必要があります。リモート・ジャーナル・タイプは、ライブラリ・リダイレクション・ルールなどのジャーナルの操作特性に影響します。

6.2.2 リモート・ジャーナルの追加に関するガイドライン

リモート・ジャーナルの追加に関する次のガイドラインに従ってください。

  • 1つのリモート・ジャーナルに関連付けることができるソース・ジャーナルは1つのみです。

    注意: その後で同じリモート・ジャーナルに、他のターゲット・システムにあるジャーナルと関連付けられているリモート・ジャーナルを追加できます。これは、リモート・ジャーナルのネットワーク構成で示されているカスケード構成です。

  • リモート・ジャーナルには、ソース・システムの対応するジャーナル・レシーバからレプリケートされるジャーナル・エントリが移入されたレシーバのみがアタッチされます。ジャーナル・エントリは、リモート・ジャーナルに直接挿入できません。

  • 最大255のリモート・ジャーナルを、ソース・システムの単一のジャーナルに関連付けることができます。これは、非同期で保持されるリモート・ジャーナルの組合せであっても、または同期で保持されるリモート・ジャーナルの組合せであってもかまいません。

リモート・ジャーナルの追加手順

次の例では、物理ファイルQGPL/TESTPF設定を使用して、2つ目のシステムに対してリモート・ジャーナル処理を有効にしています。

  1. 物理ファイルを作成します。

    > CRTPF FILE(QGPL/TESTPF) RCDLEN(10) 
      File TESTPF created in library QGPL.
      Member TESTPF added to file TESTPF in QGPL.
    
  2. ローカル・ジャーナル・レシーバおよびジャーナルを作成し、作成した物理ファイルのジャーナル処理を有効にします。

    > crtjrnrcv jrnrcv(qgpl/jrcvrmt)
      Journal receiver JRCVRMT created in library QGPL
    
    > crtjrn jrn(qgpl/jrnrmt) jrnrcv(qgpl/jrcvrmt) fixlendta(*job *usr *pgm *sysseq)
      Journal JRNRMT created in library QGPL
    
    strjrnpf file(qgpl/testpf) jrn(qgpl/testpf)
      1 of 1 files have started journaling
    
  3. リモート・ジャーナルを追加します。

    > addrmtjrn rdb(sys2) srcjrn(qgpl/JRNRMT) rmtjrntype(*TYPE2)
      Remote journal JRNRMT in QGPL was added
    
  4. リモート・ジャーナル処理をアクティブにします。

    > chgrmtjrn rbd(sys2) srcjrn(qgpl/jrnrmt) jrnstate(*active)
      Remote journal JRNRMT in library QGPL was activated