この章では、Oracle GoldenGateを初めてインストールする際の手順について説明し、内容は次のとおりです。
Oracle GoldenGateをインストールすると、処理の実行および管理に必要なすべてのコンポーネントが(ドライバやライブラリなどの他のベンダー製の必要なコンポーネントを除いて)インストールされ、また、Oracle GoldenGateユーティリティがインストールされます。
Oracle GoldenGateをあるバージョンから別のバージョンにアップグレードするには、『Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateのアップグレードfor Windows and UNIX』のアップグレード手順に従ってください。
Oracle GoldenGateをインストールするには、次の手順が必要です。
この項では、Oracle GoldenGateをクラスタ環境にインストールする場合のインストール要件について説明します。Oracle GoldenGateは、Oracleで動作保証されているクラスタ管理ソリューションと組み合せて使用できます。
ベスト・プラクティスは、Oracle GoldenGate全体を共有記憶域にインストールすることです。これによって、パラメータ・ファイルを変更せずにどのノードからもOracle GoldenGateプロセスを起動できます。アクティブ・ノードに障害が発生した場合、インストール・ディレクトリに保持されている処理のチェックポイントを使用して、別のノードでプロセスをただちに起動できます。
共有記憶域ではなく、各ノードにOracle GoldenGateバイナリとファイルをインストールする場合、次の条件を満たす必要があります。
Oracle GoldenGateインストールの場所が、すべてのノードで同じパスである必要があります。
最低でも次のディレクトリを共有記憶域にインストールし、Oracle GoldenGateのリカバリ要件をサポートします。UNIXまたはLinuxでは、各ノードのインストール・ディレクトリからのシンボリック・リンクを作成できます。
br
dirchk
dirdat
dirtmp
これらのディレクトリは、インストール時にCREATE SUBDIRSを発行して作成されるディレクトリの一部です。
dirprmディレクトリのパラメータ・ファイルは、共有ドライブに配置されていない場合、すべてのノードで同一である必要があります。ノードごとに異なる環境設定を解決するために、ローカルManagerプロセスから継承するか、ノード固有のOracle GoldenGateマクロ・ファイルを参照するよう環境設定を設定できます。このシナリオを実現するのは難しいため、パラメータ・ファイルを共有ドライブに格納することで内在する問題を回避できます。
詳細は、Oracle GoldenGateのインストール後、「クラスタへのOracle GoldenGateの統合」も参照してください。
次の手順に従って、LinuxまたはUNIXシステムまたはクラスタ内の適切な場所にOracle用のOracle GoldenGateをインストールします。詳細は、「クラスタ内でのOracle GoldenGateのインストールの準備」を参照してください。
Oracle GoldenGateのmediapack.zipファイルを、Oracle GoldenGateをインストールするシステムおよびディレクトリに解凍します。
コマンド・シェルを実行します。
ディレクトリを新しいOracle GoldenGateディレクトリに変更します。
Oracle GoldenGateディレクトリからGGSCIプログラムを実行します。
GGSCI
GGSCIで次のコマンドを発行して、Oracle GoldenGate作業ディレクトリを作成します。
CREATE SUBDIRS
次のコマンドを発行してGGSCIを終了します。
EXIT
次の手順に従って、Windowsシステムまたはクラスタ内の適切な場所にOracle用のOracle GoldenGateをインストールします。詳細は、「クラスタ内でのOracle GoldenGateのインストールの準備」を参照してください。
クラスタの1つのノードにログインします。
Oracle GoldenGateのインストール場所のドライブを選択します。
このドライブは、データベース・インスタンスが含まれる同じクラスタ・グループ内のリソースである必要があります。
このクラスタ・グループが、ログインしているクラスタ・ノードによって所有されていることを確認します。
次の手順に従って、Oracle GoldenGateをインストールします。
WinZipまたは同等の圧縮製品を使用して、ダウンロードしたファイルを解凍します。
Oracle GoldenGateをインストールするドライブ内のフォルダに、バイナリ・モードでファイルを移動します。パスが引用符で囲まれている場合でも、名前に空白が含まれているフォルダにはOracle GoldenGateをインストールしないでください。例:
C:\"Oracle GoldenGate" is not valid. C:\Oracle_GoldenGate is valid.
Oracle GoldenGateフォルダからGGSCIプログラムを実行します。
GGSCIで次のコマンドを発行して、Oracle GoldenGate作業ディレクトリを作成します。
CREATE SUBDIRS
次のコマンドを発行してGGSCIを終了します。
EXIT
次のいずれかに該当する場合は、Managerプロセスにカスタム名を指定する必要があります。
デフォルトのGGSMGR以外の名前をManagerに使用します。
複数のManagerプロセスがWindowsサービスとしてこのシステムで実行されています。システム上の各Managerの名前を一意にする必要があります。先に進む前に、すべてのローカルManagerサービスの名前を確認します。
カスタムManager名を指定する手順
ManagerプログラムがあるディレクトリからGGSCIを実行します。
次のコマンドを発行します。
EDIT PARAMS ./GLOBALS
|
注意: GLOBALSファイルはOracle GoldenGateインストール・ファイルのルートにあるため、このコマンドの./の部分を使用する必要があります。 |
ファイルに次の行を追加します。<name>は、Managerサービスの1語で構成される名前です。
MGRSERVNAME <name>
ファイルを保存します。ファイルはGLOBALSという名前で自動的に保存されますが、ファイル拡張子は付きません。このファイルは移動しないでください。Windowsサービスのインストール時とデータ処理時に使用されます。
デフォルトでは、Managerはサービスとしてインストールされず、ローカルまたはドメイン・アカウントで実行できます。ただし、この方法で実行した場合は、ユーザーがログアウトするとManagerは停止します。Managerをサービスとしてインストールする場合は、ユーザー接続とは無関係に操作でき、手動またはシステム起動時に起動するように構成できます。
WindowsクラスタではManagerをサービスとしてインストールする必要がありますが、それ以外ではオプションです。
WindowsサービスとしてManagerをインストールする手順
(推奨)システム管理者としてログオンします。
「スタート」、「ファイル名を指定して実行」の順にクリックし、「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスにcmdと入力します。
サービスとしてインストールするManagerプログラムを含むディレクトリから、次の構文でinstallプログラムを実行します。
install <option> [...]
<option>は、次のいずれかです。
表3-1 INSTALLのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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Windowsイベント・マネージャにOracle GoldenGateイベントを追加します。デフォルトで、Oracle GoldenGateエラーは汎用的です。より具体的なエラー・コンテンツを生成するには、次のファイルをOracle GoldenGateインストール・ディレクトリから category.dll ggsmsg.dll |
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サービスはシステム・ブート時に起動するようにインストールされます(「 |
ADDDRIVERS |
ODBC管理者でDSNを作成できるように、WindowsレジストリにPostgreSQL ODBCドライバをインストールします。 |
DELETEDRIVERS |
PostgreSQL ODBCドライバに関連するWindowsレジストリ情報を削除します。 |
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Managerを実行するドメイン・ユーザー・アカウントを指定します。 デフォルトでは、Managerサービスはローカル・システム・アカウントを使用するようにインストールされます。 |
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脚注 1 ユーザー・アカウントは、Windowsコントロール パネルのサービス・アプレットからプロパティ・アクションを選択することで変更できます。
(Windows Server 2008) Windowsのユーザーアカウント制御(UAC)が有効な場合、プログラムによるコンピュータへのアクセスを許可するか拒否するかを尋ねられます。「許可」を選択すると、installプログラムを実行できます。これにより、管理者権限で実行されているローカル・システム・アカウントでManagerサービスがインストールされます。サービスとしてインストールされたManagerを実行している場合、これ以降UACプロンプトが表示されることはありません。
|
注意: Managerがサービスとしてインストールされていない場合、ManagerをGGSCIコマンド・プロンプトから起動する際、Managerの権限の強化を確認するUACプロンプトがOracle GoldenGateユーザーに表示されます。他のOracle GoldenGateプログラムの実行でもプロンプトが表示されます。 |
Oracle GoldenGateをクラスタにインストールした場合、次の手順を実行してOracle GoldenGateをクラスタ・ソリューション内に統合します。
Oracle GoldenGate Managerプロセス(Managerのみ)を、他のアプリケーションと同様にクラスタ管理対象リソースとして登録します。Managerは、他のすべてのプロセスを管理する親プロセスであるため、Managerのみがクラスタ管理ソフトウェアを起動および停止するOracle GoldenGateプロセスです。
クラスタで仮想IPアドレスを使用する場合、Managerプロセス用に使用可能な固定IPアドレスを取得する必要があります。VIPは、パブリック・サブネット上の使用可能なIPアドレスである必要があり、DHCPを介して決定されません。Extractデータ・ポンプのパラメータ・ファイルで、リモートManagerのVIPをRMTHOSTパラメータの入力値として指定します。Managerにアクセスする他のOracle GoldenGate製品もVIPを使用する必要があります。
Managerを構成する際、AUTOSTARTおよびAUTORESTARTパラメータを追加して、Managerでレプリケーション・プロセスを自動的に起動するようにします。必要な場合は、Oracle GoldenGateのユーザー・インタフェースから、Extract、Replicatおよびその他のOracle GoldenGateプロセスを制御できます。
1つのノードのみで共有ドライブをマウントします。これによって、他のノードでプロセスが起動されなくなります。すべてのノードで同じマウント・ポイントを使用します。
このドキュメントに記載のとおり、Oracle GoldenGateを構成します。
Oracle GoldenGateをWindowsクラスタにインストールした場合は、次の手順に従ってOracle GoldenGateをクラスタ・リソースとして設定し、すべてのノード上にManagerサービスを正しく設定します。
クラスタ・アドミニストレータで、Oracle GoldenGateの接続先のデータベース・インスタンスを含むグループにManagerプロセスを追加します。
Oracle GoldenGateが稼働するすべてのノードが、resource.Oracle GoldenGateの実行可能な所有者として選択されていることを確認します。
Manager Windowsサービスに次の依存関係(「サービス」コントロール・パネルから構成可能)があることを確認します。
データベース・リソース
Oracle GoldenGateディレクトリが含まれているディスク・リソース
データベース・トランザクション・ログ・ファイルを含むディスク・リソース
データベースのトランザクション・ログ・バックアップ・ファイルを含むディスク・リソース