Oracle® Fusion Middleware Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX 12c (12.2.0.1) E70112-04 |
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適用対象
Passive Extract
説明
RMTHOSTOPTIONS
パラメータでは、信頼性の低いソース上でPASSIVE
モードで実行されているExtractグループと、より安全性の高いネットワーク・ゾーン内のターゲット・システム間のTCP/IP接続属性を制御します。このパラメータでは、圧縮、データ暗号化、バッファ属性、ストリーミングおよび接続リクエストの待機時間を制御します。Collectorパラメータの設定にも使用できます。
このパラメータは、リモート接続の確立に必要なホスト情報を提供しないため、RMTHOST
パラメータとは異なります。ExtractがPASSIVE
モードで実行されている場合、ソースとターゲット間のすべての接続はターゲット上の別名Extractグループによって確立されます。
すべてのパラメータ・オプションは、1つのRMTHOSTOPTIONS
文内に指定する必要があります。複数のRMTHOSTOPTIONS
文が使用されている場合は、パラメータ・ファイルで最後に指定されている文が使用され、他の文は無視されます。RMTHOSTOPTIONS
は、ファイル内のすべてのRMTHOST
文よりも優先されます。
サポートされているIPプロトコルの詳細は、「RMTHOST
」を参照してください。
RMTHOST
およびRMTHOSTOPTIONS
パラメータを一緒に指定できます。動的IP割当てが適切に構成されている場合、RMTHOST
パラメータはRMTHOSTOPTIONS
に必要ではありません。RMTHOSTOPTIONS
が使用されている場合、MGRPORT
オプションは無視されます。
ゾーン化されたネットワークでのOracle GoldenGateの使用の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
デフォルト
なし
構文
RMTHOSTOPTIONS [, COMPRESS] [, COMPRESSTHRESHOLD] [, ENCRYPT algorithm [KEYNAME key_name]] [, PARAMS collector_parameters] [, STREAMING | NOSTREAMING] [, TCPBUFSIZE bytes] [, TCPFLUSHBYTES bytes] [, TIMEOUT seconds]
COMPRESS
送信レコードのブロックを圧縮して、必要な帯域幅を低減します。Oracle GoldenGateは、トレイルに書き込む前にデータを解凍します。COMPRESS
での通常の圧縮率は少なくとも4:1で、それより高くなる場合もあります。ただし、データを圧縮するとCPUリソースを消費します。
COMPRESSTHRESHOLD
圧縮を行うための最小ブロック・サイズを設定します。有効な値は、0から28000までです。デフォルトは1,000バイトです。
ENCRYPT
algorithm
[KEYNAME
key_name
]ターゲット・システムにTCP/IPを介して送信されるデータ・ストリームを暗号化します。このオプションは、次の暗号化オプションをサポートしています。
マスター・キーとウォレット方式: TCP/IPネットワークを介してデータを暗号化するワンタイムAES鍵を生成します。生成されたワンタイム鍵は、マスター・キーによって暗号化され、トレイル・ファイル・ヘッダーに保管されます。
ENCKEYS方式: AES暗号化鍵を生成してENCKEYS
ファイルの指定名の下に保管し、その鍵を使用してTCP/IPネットワークを介してデータを直接暗号化するようにOracle GoldenGateを構成します。
algorithm
使用する暗号化アルゴリズムを指定します。
AES128
の場合、AES-128暗号が使用されます(鍵サイズは128ビットです)。アルゴリズムを指定しない場合、デフォルトはAES128です。
AES192
の場合、AES-192暗号が使用されます(鍵サイズは192ビットです)。
AES256
の場合、AES-256暗号が使用されます(鍵サイズは256ビットです)。
BLOWFISH
の場合、Blowfish暗号化が使用されます(ブロック・サイズは64ビット、鍵サイズは32から128ビットの可変長です)。 BLOWFISH
は、以前のOracle GoldenGateバージョンとの下位互換性を維持するため、またz/OS上のDB2、DB2 for iおよびNonStop上のSQL/MX用のOracle GoldenGateのインストールに使用します。これらのプラットフォームでは、BLOWFISH
は唯一サポートされている暗号化方式です。AESはこれらのプラットフォームのBLOWFISH
より安全であるため、サポートされている場合はAESを使用します。
KEYNAME
key_name
ENCKEYS
暗号化方式を使用することを指定します。マスター・キーとウォレット方式には無効です。key_name
には、ユーザー定義の暗号化鍵の論理名を指定します。Oracle GoldenGateは、この鍵名を使用してENCKEYS
参照ファイルで実際の鍵を検索します。ENCKEYS
方式を使用するには、次を行う必要があります。
暗号化鍵を生成します。
それをENCKEYS
参照ファイルに保管します。
暗号化または復号化(またはその両方)を実行するすべてのシステムに、ENCKEYS
をコピーします。
32ビット・プラットフォーム上のOracle以外のデータベースにAES暗号化を使用するには、プロセスを開始する前に、環境変数として、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリのlib
サブディレクトリのパスを指定する必要があります。これは64ビット・プラットフォームでは必要ありません。次のようにパスを設定します。
UNIX: LD_LIBRARY_PATH
またはSHLIB_PATH
変数への入力として、パスを指定します。例:
setenv LD_LIBRARY_PATH ./lib:$LD_LIBRARY_PATH
Windows: PATH
変数にパスを追加します。
SETENV
パラメータを使用して、プロセスのセッション変数としてライブラリを設定できます。
暗号化の使用の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
PARAMS
collector_parameters
NonStopターゲット・システム上のCollectorパラメータを指定します。
注意:
ManagerがCollectorを動的に起動する場合は、Collectorポート(-p
引数)を指定しないでください。
NonStopプラットフォームのCollectorパラメータの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンス・ガイドfor HP NonStop (Guardian)を参照してください。
STREAMING | NOSTREAMING
TCP/IPストリーミングを制御します。
STREAMING
デフォルトで、非同期インターネット・ストリーミング・プロトコルを有効化します。STREAMING
モードでは、通常、送信者(プライマリExtractまたはデータ・ポンプ)がチェックポイントを行うか、書込み位置を決定する必要があるとき、レスポンスをリクエストするフラグがパケットに含まれていない場合は、受信者(Collector)は送信者にデータ・パケットの確認を送信しません。この方法では確認が省略されるため、ネットワークが中断した場合、送信者または受信者のプロセスは終了するため、STREAMING
を使用する場合、Managerパラメータ・ファイルでAUTORESTART
パラメータを使用して、ExtractおよびCollectorが終了した場合に再起動します。
NOSTREAMING
同期インターネット・プロトコルを有効化します。NOSTREAMING
モードでは、送信者は、パケットを送信し、受信者が確認するまで待機してから次のパケットを送信します。この方法は、ネットワークが中断した場合、送信者または受信者のプロセスをリカバリできるため、より信頼性があります。
受信者のプロセスのホスト・システムがストリーミングを使用するように構成されていない場合、Extractは自動的に同期プロトコルに戻ります。
ストリーミングによって、特に送信のレイテンシがすでに問題になっているネットワークではレイテンシが減少するため、無効化するようリクエストしないかぎり、デフォルトのSTREAMING
を保持してください。ストリーミングは、ExtractがReplicatと直接通信する初期ロード・タスクではサポートされていません。
TCPFLUSHBYTES
bytes
ネットワークを介して送信されるデータを収集するバッファのサイズ(バイト)を制御します。この値またはFLUSHSECS
パラメータの値に到達したときに、データがターゲットにフラッシュされます。
デフォルトは30,000バイトです。有効な値は1000から200000000(2億)バイトですが、少なくともTCPBUFSIZE
の値を設定する必要があります。
初期ロードExtractでは、このパラメータを使用しないでください。これは、オンラインExtractグループにのみ有効です。ターゲット・システムがNonStopの場合は、このパラメータを使用しないでください。
TIMEOUT
seconds
PASSIVE
モードで実行されているExtractがCollectorからの接続を待機する時間、および接続を終了する前にExtractがCollectorからのハートビート・シグナルを待機する時間を指定します。有効な値は1秒から1800秒(30分)までです。デフォルト値は300秒(5分)です。本番環境では、タイムアウト設定を非常に低くすることをお薦めしません。エラー・ログに、TCP/IPエラー10054 (既存の接続がリモート・ホストによって強制的にクローズされる)が発生したことを示す警告が記録されている場合、TIMEOUT
の値を増やす必要がある可能性があります。このエラーは、通常、TIMEOUT
の値を超えたときにExtract自体が終了した場合に発生します。
例
RMTHOSTOPTIONS ENCRYPT AES192, KEYNAME newyork, COMPRESS, COMPRESSTHRESHOLD 750, TCPBUFSIZE 100000, TCPFLUSHBYTES 300000, NOSTREAMING