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Oracle® Enterprise Manager Oracle Private Cloud Applianceのモニタリング
リリース13.1.0.1.0
F11804-01
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2 Oracle Private Cloud Applianceの検出

この章では、Enterprise Manager Cloud Control 13cからOracle Private Cloud Appliance (PCA)を検出する手順について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

2.1 Oracle PCAへの管理エージェントのインストール

Enterprise ManagerでOracle PCAを検出するには、まずPCAを準備し、管理エージェントをインストールする必要があります。次の手順を実行して、Oracle PCAを適切に構成します。

  1. PCA Rackの両方の管理ノードで、oracleユーザーのパスワードを既知のパスワードに変更します。

    # passwd oracle
    
  2. VIPとEnterprise ManagerパブリックIPが、両方の管理ノードの/etc/hostsファイルにあることを確認します。

    YOUR.VIP vip-host1.example.com vca1-vip-vip
    YOUR.EMIP  em-host1.example.com em01
    
  3. アクティブ管理ノードで、共有NFSディレクトリにエージェント・ディレクトリを作成します。

    # mkdir /nfs/shared_storage/oemagent
    # chown oracle !$
    # chgrp dba !$
    
  4. 次のコマンドを実行して、ファイアウォールでEnterprise Managerエージェント・ポートを開きます。ステップ5でエージェントをプッシュするときも、必ず同じポートを選択してください。

    # iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport <agent_port> -j ACCEPT
    # service iptables save
    # service iptables restart
    

    注意:

    デフォルトでは、Enterprise Managerのエージェント・ポート3872が、PCAソフトウェアによってあらかじめ設定されています。エージェントのプッシュに、このデフォルトEnterprise Managerエージェント・ポート3872を使用する場合、この手順は不要です。

  5. OMSから管理エージェントをプッシュします。Enterprise Manager Cloud Controlで、次の操作を実行します。

    1. 「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します。

    2. 「ターゲットの手動追加」ページの「ホスト・ターゲットの追加」エリアで、「ホストにエージェントをインストール」をクリックします。ホストの追加ウィザードが開きます。

    3. ホストとプラットフォームを追加します。このページで「追加」をクリックして、「手動」を選択します。「ホスト」フィールドにホスト名(完全修飾)を入力します。この名前は、エージェントをデプロイするPCAラックの完全修飾仮想IPホスト名である必要があります。「プラットフォーム」ドロップダウン・メニューから、「Linux x86-64」を選択します。図2-1に例を示します。

      図2-1 ホスト・ターゲットの追加: ホストとプラットフォーム

      図2-1については周囲のテキストで説明しています。

      注意:

      ターゲット・ホストのプラットフォームは、自動検出から受け取ったヒントとOMSホストのプラットフォームを含む要因の組合せに基づいてデフォルトが決まります。ただし、デフォルトは提案であり、次のステップに進む前に必ずプラットフォーム詳細をチェックしてください。

      プラットフォーム名に「エージェント・ソフトウェア使用不可」と追加されている場合は、Enterprise Managerの自己更新機能を使用して、そのプラットフォーム用のソフトウェアをダウンロードしてください。


      「次」をクリックします。

    4. 「インストールの詳細」ページ(図2-2)で、次の情報を入力します。

      インストールのベース・ディレクトリ: /nfs/shared_storage/oemagent

      インスタンス・ディレクトリ: /nfs/shared_storage/oemagent/agent_inst (この値は、「インストールのベース・ディレクトリ」に基づいて自動的に決定されます)

      名前付き資格証明: <agent_username>

      資格証明を追加するのが初めての場合は、追加アイコン( 名前付き資格証明の追加アイコン)が表示されます。エージェント・ユーザーの資格証明(oracleとそのパスワードなど)の入力を求めるダイアログ・ボックスで、このアイコンをクリックします。

      上のステップ1でパスワードを設定したoracleの名前付き資格証明を作成します。

      作成した資格証明と、すでにEnterprise Managerに追加されている他の資格証明を選択できるようになります。Enterprise Managerの既存インストールの場合、ユーザーはすでにOracle PCAの検出に必要な資格証明を選択できるようになっている可能性があります。

      権限委任設定: デフォルトのままにします。デフォルトでは、このフィールドは/usr/bin/sudo -u %RUNAS% %COMMAND%となっています。

      ポート: デフォルトでは、このフィールドは3872です。

      インストール前スクリプト: このフィールドは空白のままにします。

      インストール後スクリプト: このフィールドは空白のままにします。

      追加パラメータ: このフィールドは空白のままにします。

      図2-2 「ホスト・ターゲットの追加: インストールの詳細」

      図2-2については周囲のテキストで説明しています。

      フィールドの設定がすべて済んだら、「次」をクリックします。

    5. 「確認」ページで、ホスト情報の詳細を確認します。「エージェントのデプロイ」をクリックします。

  6. エラーが発生した場合は、リンク(両方の管理ノード)を作成します。

    # /nfs/shared_storage/oemagent to /u01/oemagent 
    # chown oracle /u01/oemagent
    # chgrp dba /u01/oemagent
    
    1. ステップ5を再実行し、インストール・ベース・ディレクトリを、修正された権限を持つリンクに設定します。

      インストールのベース・ディレクトリ: /u01/oemagent

  7. アクティブ・ノードで、権限エージェント・スクリプトを実行します。

    # cd /u01/oemagent -or- cd /nfs/shared_storage/oemagent
    #./agent_13.1.0.0.0/root.sh
    # /u01/app/oraInventory/orainstRoot.sh
    
  8. アクティブ管理ノードで、エージェント・ユーザー(oracleなど)に対して次のコマンドを実行し、emdプロパティAgentListenOnAllNICsfalseに設定します。

    <Agent_BASE_DIR>/agent_inst/bin/emctl setproperty agent -name "AgentListenOnAllNICs" -value "false"
    
  9. 次のエージェント・インストール・ファイルをパッシブ管理ノードにコピーします(この例では、ovcamn06r1がパッシブです)。

    # scp /etc/init.d/gcstartup root@ovcamn06r1:/etc/init.d/
    # rsync -og /etc/oragchomelist root@ovcamn06r1:/etc/oragchomelist
    # rsync -rog /u01/app/oraInventory/ root@ovcamn06r1:/u01/app/oraInventory/
    
  10. アクティブ管理ノードで、gc rc.dリンクをすべて削除します(起動時にエージェントを起動しない)。

    # for x in `find /etc/rc.*/rc* | grep gcstart`; do rm $x; done
    
  11. アクティブ管理ノードで、起動スクリプトからrootとして、またはエージェントのemctlコマンドからoracleとして、Enterprise Managerエージェントを再起動します。

    #  /etc/init.d/gcstartup stop
    #  /etc/init.d/gcstartup start
    

    または

    % /nfs/shared_storage/oemagent/agent_inst/bin/emctl stop agent
    % /nfs/shared_storage/oemagent/agent_inst/bin/emctl stop agent
    

2.2 Enterprise ManagerでのOracle PCAの検出

次に示す手順は、Enterprise Manager Cloud ControlでOracle Private Cloud Appliance (PCA)ターゲットを検出するための前提条件および指示です。

  1. 「設定」メニューから「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します(図2-3)。

    図2-3 「ターゲットの手動追加」メニュー

    周囲のテキストは図2-3に関する説明です。
  2. 「ターゲットの手動追加」ページ(図2-4)で、「ガイド付きプロセスを使用したターゲットの追加」をクリックします。

    図2-4 ターゲットの手動追加

    図2-4については周囲のテキストで説明しています。
  3. 「ガイド付きプロセスを使用した追加」ウィンドウで、「プライベート・クラウド・アプライアンス」を選択します。「追加」をクリックして(図2-5)、検出ウィザードを開始します。

    図2-5 「プライベート・クラウド・アプライアンス」を選択

    図2-5については周囲のテキストで説明しています。
  4. 「検出入力」ページ(図2-6)で、「モニタリング・エージェント」にホストの場所を入力する必要があります。

    図2-6 プライベート・クラウド・アプライアンスの検出ウィザード: 検出入力

    図2-6については周囲のテキストで説明しています。

    「検索」アイコンをクリックすると、「検出エージェントの選択」ウィンドウがポップアップ表示されます。

    図2-7 検出エージェントの選択

    周囲のテキストは図2-7に関する説明です。

    使用可能リストからURLを選択します。URLを選択すると、「検出入力」ページの「管理エージェント」に必要な情報が自動的に入力されます。

    「次」をクリックします。

  5. 「検出の前提条件」ページ(図2-8)で、一連のチェックが自動的に実行されます。エラーが返される場合は、解決してから続行してください。

    図2-8 プライベート・クラウド・アプライアンスの検出ウィザード: 検出の前提条件

    周囲のテキストは図2-8に関する説明です。

    注意:

    前提条件チェックを再度実行するには、「リロード」をクリックします。

    「次」をクリックします。

    確認のポップアップ・ウィンドウ(図2-9)が表示され、検出されたターゲットの数が示されます。

    図2-9 「確認」ウィンドウ

    周囲のテキストは図2-9に関する説明です。

    「閉じる」をクリックして続行します。

  6. 「検出されたターゲット」ページ(図2-10)で、検出されたPCAラックに含めるターゲットを選択します。デフォルトでは、使用可能なターゲットがすべて選択されています。

    図2-10 プライベート・クラウド・アプライアンスの検出ウィザード: 検出されたターゲット

    周囲のテキストは図2-10に関する説明です。

    「次」をクリックします。

  7. 「モニタリング資格証明」ページで、Oracle PCAラックのコンポーネントごとに資格証明を設定する必要があります。資格証明が設定されていないコンポーネントは、ステータス・フラグが赤くなっています。

    コンポーネント・タイプごとに、「編集」アイコンをクリックします。「モニタリング資格証明」ポップアップ(図2-11)で、Oracle PCAラックの各コンポーネントのユーザー名とパスワードを入力します。

    図2-11 コンポーネントの「モニタリング資格証明」

    周囲のテキストは図2-11に関する説明です。

    注意:

    インフィニバンド・スイッチの場合は、「コミュニティ文字列」必須フィールド入力に「public」と入力します。

    資格証明の編集ダイアログですべてに同じ資格証明を使用を選択すると、同じタイプのすべてのターゲットに同じ資格証明を使用できます。図2-12は、「モニタリング資格証明」ページですべての資格証明が設定されている例です。

    図2-12 プライベート・クラウド・アプライアンスの検出ウィザード: モニタリング資格証明

    周囲のテキストは図2-12に関する説明です。

    「次」をクリックします。

  8. 「システム・レビュー」ページで「ターゲットの昇格」をクリックし、Oracle PCAラックのすべてのコンポーネントを昇格させます。いずれかのコンポーネントで昇格プロセスが失敗した場合は、「戻る」をクリックしてそのコンポーネントの入力を更新します。ポップアップ・ウィンドウが開き、進行状況が示されます。完了したら(図2-13)、「閉じる」をクリックします。

    図2-13 ターゲット昇格の確認

    図2-13については前後の文で説明しています。

    図2-14は、すべてのコンポーネントで昇格が完了したところの例です。

    図2-14 プライベート・クラウド・アプライアンスの検出ウィザード: システム・レビュー

    図2-14については周囲のテキストで説明しています。

    「閉じる」をクリックします。

2.3 Oracle PCAアップグレード後のEnterprise Managerエージェントのリカバリ

Oracle PCAのアップグレード後にEnterprise Managerエージェントをリカバリするには、次の手順を実行します。

  1. oraInventoryエージェントを、NFS共有の場所にバックアップします。

    # cd /u01/app
    # tar -cvf EMagent_oraInventory.tar oraInventory
    # cp EMagent_oraInventory.tar /nfs/shared_storage
    
  2. Oracle PCAラックの更新後に、NFS共有場所からoraInventoryエージェントをコピーし、前のoraInventoryの場所でそのtarファイルを展開します。

    # cp /nfs/shared_storage/EMagent_oraInventory.tar /u01/app
    # tar -xvf EMagent_oraInventory.tar
    
  3. 両方の管理ノードで、「Oracle PCAへの管理エージェントのインストール」で作成したのと同じパスワードを、oracleにも使用します。

    # passwd oracle
    
  4. アクティブ管理ノードで、権限エージェント・スクリプトを実行します。

    # cd /u01/oemagent
    

    または

    # cd /nfs/shared_storage/oemagent
    
    #./agent_13.1.0.0.0/root.sh
    # /u01/app/oraInventory/orainstRoot.sh
    
  5. アクティブ管理ノードで、gc rc.dリンクをすべて削除します(つまり、起動時にエージェントを起動しない)。

    #  for x in `find /etc/rc.*/rc* | grep gcstart`; do  rm $x; done
    
  6. 次のエージェント・インストール・ファイルをパッシブ管理ノードにコピーします(この例では、ovcamn06r1がパッシブです)。

    # scp /etc/init.d/gcstartup root@ovcamn06r1:/etc/init.d/
    # rsync -og /etc/oragchomelist root@ovcamn06r1:/etc/oragchomelist
    # rsync -rog /u01/app/oraInventory/ root@ovcamn06r1:/u01/app/oraInventory
    
  7. エージェントのプッシュ中に選択した番号(「Oracle PCAへの管理エージェントのインストール」を参照。デフォルトは3872)のEnterprise Managerエージェント・ポートを、両方(アクティブとパッシブ)の管理ノードのファイアウォール設定に追加します。

    # iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport <agent_port> -j ACCEPT
    # service iptables save
    # service iptables start
    

    注意:

    デフォルトでは、Enterprise Managerのエージェント・ポート3872が、PCAソフトウェアによってあらかじめ設定されています。エージェントのプッシュに、このデフォルトEnterprise Managerエージェント・ポート3872を使用する場合、この手順は不要です。

  8. アクティブ管理ノードで、起動スクリプトからrootとして、またはエージェントのemctlコマンドからoracleとして、Enterprise Managerエージェントを再起動します。

    # /etc/init.d/gcstartup stop
    # /etc/init.d/gcstartup start
    

    または

    % /nfs/shared_storage/oemagent/agent_inst/bin/emctl stop agent
    % /nfs/shared_storage/oemagent/agent_inst/bin/emctl stop agent
    

2.4 Enterprise ManagerからのOracle PCAの削除

Enterprise ManagerモニタリングからOracle Private Cloud Appliance (PCA)ターゲットを削除するには、次の手順を実行します。


注意:

Enterprise ManagerモニタリングからOracle PCAターゲットを削除すると、モニタリングからすべてのPCAコンポーネントも同様に削除されます(たとえば、コンピュート・ノード、管理ノード、インフィニバンド・スイッチ、イーサネットおよびFabric Interconnectスイッチ、ストレージ・サーバーなど)。

  1. 「ターゲット」メニューから、「プライベート・クラウド・アプライアンス」項目を選択します(図2-15)。

    図2-15 「ターゲット」メニュー

    図2-15については周囲のテキストで説明しています。

    次に、「ターゲット」ページで「プライベート・クラウド・アプライアンス」項目を選択し、「削除」をクリックします。

  2. あるいは、PCAターゲット・ホームページからターゲットを削除することもできます。「プライベート・クラウド・アプライアンス」メニューをクリックし、「ターゲット設定」「ターゲットの削除」の順に選択します(図2-16)。

    図2-16 ターゲットの削除

    図2-16については周囲のテキストで説明しています。
  3. 確認ポップアップ・ウィンドウが表示されます(図2-17)。

    図2-17 PCAターゲット削除の確認

    図2-17については周囲のテキストで説明しています。

    「はい」をクリックして続行します。

  4. PCAターゲットが削除されると、「すべてのターゲット」ページがリロードされます。PCAターゲットとそのコンポーネントすべてが削除されたという確認メッセージが表示されます(図2-18)。

    図2-18 Oracle PCAターゲットを削除 - 「すべてのターゲット」ページ

    図2-18については周囲のテキストで説明しています。