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Oracle® Site Guard管理者ガイド
リリース13.1.1.0
F11805-01
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1 Oracle Site Guardの概要

この章では、障害時リカバリ・ソリューションとしてOracle Site Guardを使用する利点と、以前のリリースの新機能について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 Oracle Site Guardについて

Oracle Site Guardは障害時リカバリ・ソリューションで、管理者は、サイトの完全なスイッチオーバーやフェイルオーバーを自動化できるようになります。

Oracle Site Guardは、Oracle Fusion Middleware、Oracle Fusion ApplicationsおよびOracleデータベースの調整されたフェイルオーバーを編成します。また、拡張して、別のデータ・センターのソフトウェア・コンポーネントを組み込むことも可能です。

Oracle Site Guardは、プライマリ環境とスタンバイ環境を同期し、ミッション・クリティカルなデータを保護する基礎となるレプリケーション・メカニズムと統合できます。Oracleデータベース用のOracle Data GuardやOracle Sun ZFSのサポートが組み込まれています。また、Oracle Site Guardは、他のストレージ・レプリケーション・テクノロジをサポートすることも可能です。

1.2 Oracle Site Guardのメリット

Oracle Site Guardには次のような利点があります。

障害時リカバリ時間の最小化

Oracle Site Guardはサイト・レベルで動作するので、アプリケーション、ミドルウェアおよびデータベースなどの個々のサイト・コンポーネントに対して面倒な障害時リカバリを手動で実行する必要がなくなります。本番サイト全体のトラフィックは、単一の操作でスタンバイ・サイトにリダイレクトできます。

ヒューマン・エラーの削減

障害時リカバリは、多くの緻密で相互依存するプロシージャの複雑な編成を伴います。Oracle Site Guardでは、これらのプロシージャが自動化および順序付けされるので、人手の介在を必要としない、高速でシームレスな障害時リカバリ操作をサイト全体で実現できます。

柔軟かつカスタマイズ可能

Oracle Site Guardは、障害時リカバリ計画をカスタマイズおよびチューニングできるため、あらゆるエンタープライズ・デプロイメントでの使用に適用しています。Oracle Site Guardには、操作をカスタマイズし、エラーを処理するためのメカニズムが用意されています。

特別なスキルが不要

Oracle Site Guardのオペレータと管理者には、データベース、アプリケーションおよびストレージ・レプリケーションなどの領域での特別な知識またはドメインの専門知識は不要です。Oracle Site Guardを使用することにより、本番サイトに影響を与えることなく、障害時リカバリの準備状況を継続して監視できます。

1.3 このガイドで説明する新機能

次の各項では、Oracle Site Guardのこのリリースと前のリリースで導入された主な機能をリストします。

1.3.1 リリース13.1.1.0.0の新機能とは

Oracle Site Guardリリース13.1.1.0では、次の新機能を使用できます。

スタンバイ・サイトの検証

障害時リカバリ・イベントに備えてサイトを検証してテストするために、スタンバイ・サイトを完全に機能するサイトに変換します。障害時リカバリ計画および手順に対する信頼性が増します。

実行グループの作成

実行グループを作成して、操作計画でターゲットを処理する順序をカスタマイズします。実行グループには、グループ内でパラレルに処理されるターゲットが含まれます。この機能を使用して、障害時リカバリ計画のパラレルおよびシリアルな側面を編成します。

操作計画の手順レベルのタイムアウトのカスタマイズ

DR環境の必要性に基づいて、操作計画の各手順のタイムアウトをカスタマイズします。

データベース障害時リカバリの拡張機能

  • データベースのスイッチオーバーおよびフェイルオーバーのData Guardレベルでの診断トレースを有効にします

  • Data Guardレベルでのデータベースの即時フェイルオーバーを構成します

  • 警告を無視してデータベースのフェイルオーバーを強制します

マルチテナント・データベースのサポート

エンタープライズ内のマルチテナント・データベースを保護します。

ZFS障害時リカバリの拡張機能

プライベート・インタフェースではなくZFSパブリックまたはシングルトン・インタフェースを使用するように、ZFS障害時リカバリを構成します。ZFSクラスタリングを利用して、よりレジリエンスの高い障害時リカバリ計画を提供します。

ZFSレプリケーション・ラグの検出と分析

ZFSレプリケーション・ラグを分析します。バンドルされているスクリプトを使用して、障害時リカバリ計画の実行前および実行中にZFSレプリケーション構成のラグを分析します。

操作計画へのタグの割当て

操作計画に1つ以上のタグを割り当て、これらのタグの組合せを使用して操作計画をフィルタ処理して表示します。この機能を使用して、操作計画を検索、編成およびカタログ化します。

データベースおよびストレージの障害時リカバリ・ステージのカスタマイズ

計画のどのステージでもデータベースまたはストレージの障害時リカバリ・アクションを実行するように、サイト・ガード操作計画をカスタマイズします。

NetApp MetroClusterストレージ・デプロイメントのサポート

詳細は、https://support.oracle.comでOracle Site Guard Feature For NetApp MetroClusterのMOSノート(ドキュメントID 1964220)を参照してください。

1.3.2 リリース12.1.0.7.0の新機能とは

Oracle Site Guardリリース12.1.0.7.0では、次の新機能を使用できます。

事前チェックのカスタマイズ

独自のカスタム事前チェック・スクリプトを追加して、Oracle Site Guardで実行される事前チェックおよびヘルス・チェックを拡張します。この機能を使用して、操作計画に先行する事前チェックおよびヘルス・チェックをカスタマイズおよび改善します。

Oracle Enterprise Managerのソフトウェア・ライブラリへのユーザー・スクリプトの追加

独自のスクリプトをOracle Enterprise Managerのソフトウェア・ライブラリに追加し、Oracle Site Guardワークフローで使用します。これはOracle Site Guardの機能を活用して実行時にスクリプトを自動的にデプロイするため、実行する必要があるホストでスクリプトを手動で事前にデプロイする必要がなくなります。

スクリプト実行用のカスタム資格証明の構成

構成されたスクリプトを実行するための代替セットの資格証明を構成します。これにより、スクリプト・ホストに構成された資格証明と異なる資格証明を使用してスクリプトを実行できます。

スクリプトへのパラメータとしての資格証明の指定

構成されたスクリプトのパラメータとして1つ以上の資格証明を指定します。これにより、スクリプトで追加の認証機能を実行する必要がある場合に構成されたスクリプトに安全に資格証明を渡すことができます。

フェイルオーバー操作中のプライマリ・サイトの停止

Oracle Site Guardを構成して、フェイルオーバー操作中にオプションでプライマリ・サイトを停止します。Oracle Site Guardは、スタンバイ・サイトのフェイルオーバー前にベスト・エフォート原則に基づいてプライマリ・サイト・コンポーネントの停止を試行します。

操作計画のクローニング

「類似作成」機能を使用して、既存の計画をクローニングして新しい操作計画を作成します。特に新しい操作計画が既存の計画またはスクリプトと非常に似ている場合、これによって構成中の時間が削減されます。

構成されたスクリプトのクローニング

「類似作成」機能を使用して、既存のスクリプト構成をクローニングして新しいスクリプトを構成します。特に新しいスクリプト構成が既存のスクリプト構成と非常に似ている場合、これによって構成中の時間が削減されます。

Oracle Fusion Middleware 12cのサポート

Oracle Site Guardを使用して、Oracle Fusion Middleware 12cデプロイメントを保護します。

Oracle Database 12cのサポート

Oracle Site Guardを使用して、Oracle Database 12cデプロイメントを保護します。