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Oracle® Site Guard管理者ガイド
リリース13.1.1.0
F11805-01
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5 Oracle Site Guard操作の実行

この章では、Oracle Site Guard操作計画を作成、実行および監視する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

5.1 概要

Oracle Site Guard操作計画には、障害時リカバリ・アクティビティで実行する必要のある手順が含まれます。操作計画では、手順の定義に加えて、手順のシリアルまたはパラレルの実行、エラー時の手順の無視または再試行などの概念もサポートされます。

図5-1は、Oracle Site Guard操作を管理するためのロードマップを示します。オプションとマークされている手順は、サイト・トポロジと操作計画でその構成が必要な場合に必要となります。ただし、ほとんどのエンタープライズ・デプロイメントは大規模なため、通常、図に示されているすべての構成手順が必要になります。

図5-1 Oracle Site Guard操作のワークフロー

図5-1については周囲のテキストで説明しています。

注意:


5.2 操作計画の管理

操作計画には、Oracle Site Guard操作の実行フローが含まれます。これは、一連の順序付けられたアクション(手順)で構成される、事前構成されたワークフローです。

Oracle Site Guard障害時リカバリ操作を実行する前に、その操作の計画を作成する必要があります。

次に示すような手順を、操作計画に含めることができます。

  • Oracle HTTP Serverの停止。

  • Oracle WebLogicドメインのノード・マネージャ、管理対象サーバーおよび管理サーバーの停止。

  • Oracle Data Guardを使用したデータベース・ロール・リバーサルの実行。

  • 操作計画シーケンス内の特定のポイントでのカスタム・ユーザー・スクリプトの実行。

Oracle Site Guardでは、サイト・トポロジとOracle Site Guard構成に基づいてデフォルト・バージョンの操作計画が作成されます。このデフォルトの操作計画を使用することも、構成に応じてカスタマイズすることもできます。

この項には次のトピックが含まれます:

5.2.1 操作計画の作成

操作計画を作成するには、次のいずれかの方法を使用します。

5.2.1.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した操作計画の作成

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して操作計画を作成するには、次の手順を実行します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、計画の作成先となるシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

    このサイトの「汎用システム」ページが表示されます。

  4. 「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順にクリックします。

    「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

  5. 「作成」をクリックします。

    「新規操作計画の作成」ダイアログが表示されます。

  6. 次の詳細を入力します。

    計画名: 計画の名前を入力します。

    「操作タイプ」: 次のオプションから操作タイプを選択します。

    • スイッチオーバー

    • フェイルオーバー

    • 起動

    • 停止

    • 検証用にオープン

    • スタンバイに戻す


    注意:

    • Oracle Site Guard操作タイプの詳細は、第2.4項「Oracle Site Guardのワークフロー」を参照してください。

    • ダイアログに表示されるオプションは、選択した操作タイプにより異なります。スイッチオーバーおよびフェイルオーバーの操作タイプの場合、計画用にスタンバイ・システムを選択する必要があります。起動と停止の操作タイプの場合、システム用の現在のロールを選択します。


    プライマリ・システム: このフィールドには、この計画の作成先となるシステムの名前が表示されます。このフィールドの値は変更できません。

    スタンバイ・システム: リストからスタンバイ・システムを選択します。このオプションが有効になるのは、「操作タイプ」フィールドで「スイッチオーバー」または「フェイルオーバー」を選択した場合のみです。

    現在のロール: 「プライマリ」または「スタンバイ」のいずれかを選択します。これは、この計画が適用されるシステムのロールです。計画は、システムがロールに割り当てられた場合のみ実行できます。このオプションが有効になるのは、「操作タイプ」フィールドで「起動」または「停止」を選択した場合のみです。

  7. 選択した操作タイプに応じて、スタンバイ・システムを構成します。

  8. 「保存」をクリックします。

5.2.1.2 EMCLIコマンドを使用した操作計画の作成

次のemcliコマンドをコマンドライン・インタフェースで実行して、新しい操作計画を作成します。

emcli create_operation_plan
         [-primary_system_name="name_of_primary_system"]
         [-standby_system_name="name_of_standby_system"]
         [-system_name="name_of_the_system"]
         [-operation="name_of_the_operation"]
         [-name="name_of_the_operation_plan"]
         [-role="role_associated_with_the_system"]
         [-like="name_of_the_operation_plan_from_which_the_steps_are_to_be_copied"
         

注意:

[]は、オプションのパラメータであることを示します。

パラメータ 説明
-primary_system_name プライマリ・サイトに関連付けられるシステムの名前。このオプションは、スイッチオーバーまたはフェイルオーバーの操作に対して使用されます。
-standby_system_name スタンバイ・サイトに関連付けられるシステムの名前。このオプションは、スイッチオーバーまたはフェイルオーバーの操作に対して使用されます。
-system_name システムの名前。このオプションは、起動または停止の操作に対して使用されます。
-operation 操作の機能。例: switchoverfailoverstartstopopenforvalidationまたはreverttostandby
-name 操作計画の名前。
-role 操作(startまたはstop)を実行するときにシステムに関連付けられるロール。
-like 手順をコピーする操作計画の名前。このオプションを指定すると、システム名、操作およびロールが無視されます。

5.2.2 既存の計画を使用した新しい操作計画の作成

既存の計画をクローニング(コピー)して、新しい操作計画を作成および構成できます。これは、すべてのタイプの計画に適用されます。

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して計画をクローニングするには、次のようにします。

  1. Enterprise ManagerにEM_SG_ADMINISTRATORユーザーでログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」をクリックします。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 操作計画を作成するシステム名(汎用システム)を選択します。そのサイトの「汎用システム」ページが表示されます。

  4. 「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順にクリックします。

    「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

  5. 表から既存の操作計画を選択して、「類似作成」をクリックします。

  6. 新しい計画の名前を入力します。

  7. 「保存」をクリックします。

5.2.3 操作計画の編集および更新

次のタスクを実行して、操作計画を編集または更新できます。

  • 操作計画内の手順の順序を変更する。

  • 操作計画内の個々の手順を有効または無効にする。

  • 操作計画の実行時にOracle Site Guardによりエラーが検出された場合に、操作計画内の手順を停止するか続行するかを選択する。

  • 各手順について、シリアルにまたは複数の異なるホストでパラレルに実行するかをカスタマイズする。

  • 操作計画手順を特定の順序に順序付けるために実行グループをカスタマイズする。

  • 個々の操作手順のタイムアウトを変更する。

いつでも操作計画内の手順を変更し、更新した操作計画を任意のポイントで保存できます。

操作計画を編集または更新するには、次の方法のいずれかを使用します。

5.2.3.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した操作計画の編集と更新

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して操作計画を編集および更新するには、次の手順に従います。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、この計画の作成先となっているシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

    そのサイトの「汎用システム」ページが表示されます。

  4. システムのホームページで、「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順に選択します。

    「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

    構成済の操作計画が「操作計画」タブに一覧表示されます。

  5. 「計画名」列にリストされている既存の操作計画をクリックして選択します。

    選択した操作計画に関連付けられている手順が、「操作計画」表の下の「操作の詳細」表に一覧表示されます。表の各行は、操作計画の一部として実行される1つの手順を示します。

  6. 「表示」>「列」>「すべて表示」を選択して、「スクリプトID」、「実行グループ」、「タイムアウト(秒)」などの追加の列を含め、「操作計画」詳細表のすべての列を表示します。

  7. 「編集」をクリックして、操作計画内の手順を更新およびカスタマイズするためにオプションを有効にします。

  8. 「上に移動」(緑色の矢印)、「下に移動」(赤色の矢印)または「ステップの削除」を選択して、操作計画内の手順を順序付けます。

    また、「エラー・モード」「実行モード」または「実行モード」の各列から属性を選択します。

    操作計画手順は属するグループから移動できません。

  9. 実行グループを使用して操作グループ内の操作手順を順序付けるには、次のようにします。

    1. 操作グループの「実行モード」「パラレル」に設定します。

    2. 操作グループ内の各手順に対して「実行グループ」を選択します

    実行グループ内のすべての手順がパラレル実行されます。実行グループを共有するすべての手順は、前の実行グループのすべての手順の実行が終了するまで、実行を開始しません。

    実行モードが「シリアル」の場合、実行グループは適用されません。手順は常に、リストされた順序で順次実行されます。

  10. 計画内の手順のタイムアウトを変更するには、その手順の新しいタイムアウト値を入力します。

  11. 保存をクリックして計画を更新します。

5.2.3.2 EMCLIコマンドを使用した操作計画の編集と更新

操作計画を編集または更新するには、コマンドライン・インタフェースで次のemcliコマンドを実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、構成済の操作計画のリストを取得します。

    emcli get_operation_plans
            [-name="name_of_the_operation_plan"] 
            [-operation="type_of_operation"] 
            [-system_name="name_of_the_system"] 
            [-primary_system_name="name_of_the_primary_system"] 
            [-standby_system_name="name_of_the_standby_system"]
    

    注意:

    []は、オプションのパラメータであることを示します。

    パラメータ 説明
    -name 操作計画の名前。
    -operation 操作の名前。例: switchoverfailoverstartstopopenforvalidationまたはreverttostandby

    これは、オプションのパラメータです。このパラメータを指定しない場合、すべての操作計画が一覧表示されます。

    -system_name 操作計画で使用するシステムの名前。この値を指定した場合、-primary_system_nameおよび-standby_system_nameの値を指定する必要はありません。
    -primary_system_name 操作計画で使用するプライマリ・システムの名前。値-system_nameのかわりに、このパラメータの値を指定できます。フィルタ処理を向上させるために-standby_system_nameパラメータを使用することもできます。
    -standby_system_name 操作計画で使用するスタンバイ・システムの名前。-system_nameの値のかわりに、このパラメータの値を指定できます。フィルタ処理を向上するために-primary_system_nameパラメータを追加で使用することもできます。

  2. 次のコマンドを実行して、更新する操作計画の詳細を取得します。

    emcli get_operation_plan_details
          -name="name_of_the_operation_plan"
    
    パラメータ 説明
    -name 操作計画の名前。

  3. 次のコマンドを実行して、計画を更新します。

    emcli update_operation_plan
            -plan_name="name of the plan"
            -step_number="plan step number to update"
            -target_host="name of the target host"
            -target_name="name of the target"
            [-error_mode="the error mode"]
            [-enabled="flag specifying whether the step should be enabled"]
            [-execution_mode="execution mode"]
            [-execution_group="when execution_mode is parallel, then targets sharing the same execution group will execute in parallel"]
            [-timeout="timeout in seconds"]
            [-move="direction in which to move step"]
            [-delete "flag specifying whether step should be deleted"]
    

    注意:

    []は、オプションのパラメータであることを示します。

    パラメータ 説明
    -plan_name 操作計画の名前。
    -step_number 更新する必要がある手順の番号。
    -target_host システムの名前。このターゲット・ホストに関連するすべての手順を更新します。
    -target_name データベース・ターゲット名。
    -error_mode 操作の機能。例:stopまたはcontinue
    -enabled trueまたはfalseを入力します。
    -execution_mode 実行モード。例: SerialまたはParallelParallelに設定すると、同じ実行グループを共有するターゲットがパラレル実行されます。
    -execution_group 実行グループ(1からnまでの値。nはバケット内のターゲット数です)
    -timeout 手順の実行のタイムアウト(秒)。値は1から86400 (24時間)までである必要があります。
    -move UpまたはDownを指定して順序を変更します。
    -delete 手順を削除するかどうか。trueまたはfalseを入力します。

5.2.3.3 EMCLIコマンドを使用した操作計画のタグの追加と削除

次に示すように、タグ(英数字の識別子文字列)を操作計画に割り当てたり、すでに操作計画に割り当てられているタグを削除できます。

  1. 既存の操作計画に1つ以上のタグを割り当てるには、コマンドライン・インタフェースで次のemcliコマンドを実行します。

    emcli add_operation_plan_tags 
             -name="name_of_the_operation_plan"
             -tags="names_of_tags separated by ;"
    
    パラメータ 説明
    -name 操作計画の名前。
    -tags 操作計画に追加するタグのセミコロン区切りリスト。カンマ(,)は無効な文字です。

  2. 既存の操作計画に割り当てられた1つ以上のタグを削除するには、コマンドライン・インタフェースで次のemcliコマンドを実行します。

    emcli delete_operation_plan_tags 
             -name="name_of_the_operation_plan"
             -tags="names_of_tags separated by ;"
             -all
    
    パラメータ 説明
    -name 操作計画の名前。
    -tags 操作計画に追加するタグのセミコロン区切りリスト。カンマ(,)は無効な文字です。
    -all 操作計画のすべてのタグを削除しました。オプション。このフラグは、tags引数に渡されるすべての値をオーバーライドします。

5.2.4 操作計画の削除

操作計画を削除するには、次のいずれかの方法を使用します。

5.2.4.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した操作計画の削除

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して操作計画を削除するには、次の手順に従います。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、この計画の作成先となっているシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

    そのサイトの「汎用システム」ページが表示されます。

  4. システムのホームページで、「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順に選択します。

    「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

    構成済の操作計画が「操作計画」タブに一覧表示されます。

  5. 「計画名」列にリストされている既存の操作計画をクリックして選択します。

  6. 「削除」をクリックして、選択した操作計画を削除します。

    確認を求めるポップアップ・ウィンドウが表示されます。「はい」をクリックして、アクションを確認します。

5.2.4.2 コマンドライン・インタフェースを使用した操作計画の削除

1つの操作計画を削除するには、コマンドライン・インタフェースで次のemcliコマンドを実行します。

emcli delete_operation_plan 
         –name="name_of_the_operation_plan" 
パラメータ 説明
-name 操作計画の名前。

5.3 事前チェックの実行

Oracle Site Guardでは、操作の実行前に、デフォルトで事前チェック・ユーティリティが実行されます。また、任意のOracle Site Guard操作を実行する前に、事前チェック・ユーティリティを個別に実行することもできます。

Oracle Site Guardでは、次の事前チェックが実行されます。

  • 操作の対象となるすべてのホストのエージェント・ステータスを確認します。

  • 操作計画の作成後に、新規のターゲットが汎用システムに追加されているかどうかをチェックします。

  • 操作計画の対象となるすべてのターゲットが、Enterprise Managerリポジトリに存在しているかどうかを確認します。

  • 操作計画の作成後に、ターゲットが汎用システムから移動または削除されている場合はこれを検出します。

  • ストレージ・ロール・リバーサルを実行します。

  • データベースがロール・リバーサル(スイッチオーバー/フェイルオーバー操作)の準備ができているかを確定するために、Oracle Data Guard Broker事前チェックを実行します。

  • データベース・ロールのチェックを実行します。

  • データベース・ラグ(適用およびトランスポート)のチェックを実行します。

  • ZFSストレージ・アプライアンスのチェックを実行し、ロール変更の準備状況をアサートします。

事前チェック・ユーティリティを実行するには、次のいずれかの方法を使用します。

5.3.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した事前チェック・ユーティリティの実行

Enterprise Manager Cloud Controlを使用して事前チェック・ユーティリティを実行するには、次の手順を実行します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Manager Cloudコンソールにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、事前チェックの実行先となるシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

  4. 「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順にクリックします。「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

  5. リストから操作計画名をクリックして操作計画を選択します。

  6. 「事前チェックの実行」をクリックします。

    ダイアログ・ボックスが表示されます。「はい」をクリックして、アクションを確認します。

事前チェックの進行状況と結果を追跡するには、ページの上部の「確認」ペインの「ここをクリックしてください」リンクをクリックするか、または「エンタープライズ」「プロビジョニングとパッチ適用」「プロシージャ・アクティビティ」の順に移動します。

プロシージャ・アクティビティを監視する方法の詳細は、第5.6項「Oracle Site Guard操作の監視」を参照してください。

5.3.2 コマンドライン・インタフェースを使用した事前チェック・ユーティリティの実行

EMCLIコマンドを使用してOracle Site Guard事前チェック・ユーティリティを実行するには、次のコマンドを実行します。

emcli run_prechecks
       -operation_plan="operation_plan_name"
       [-database_lag_checks="true"|"false"] 

注意:

[]は、オプションのパラメータであることを示します。

パラメータ 説明
-operation_plan 操作計画の名前を入力します。
-database_lag_checks すべてのData Guard構成済データベースに対し、事前チェックの一部としてデータベース・ラグ・チェックを実行します。このパラメータはオプションです。

デフォルト値はtrueです。


5.4 ヘルス・チェックのスケジュールおよび停止

操作計画用にヘルス・チェックをスケジュールするには、次の方法のいずれかを使用します。

5.4.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用したヘルス・チェックのスケジュール

Enterprise Manager Cloud Controlを使用してヘルス・チェックをスケジュールするには、次の手順を実行します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Manager Cloudコンソールにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、事前チェックの実行先となるシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

  4. 「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順にクリックします。「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

  5. リストから操作計画名をクリックして操作計画を選択します。

  6. 「ヘルス・チェックのスケジュール」をクリックします。

    操作計画に対するヘルス・チェックのスケジュールダイアログ・ボックスが表示されます。

    ヘルス・チェックのスケジュールを構成します。

  7. 「保存」をクリックします。

各ヘルス・チェックの結果を確認するには、「エンタープライズ」「プロビジョニングとパッチ適用」「プロシージャ・アクティビティ」の順に移動します。

プロシージャ・アクティビティを監視する方法の詳細は、第5.6項「Oracle Site Guard操作の監視」を参照してください。

5.4.2 EMCLIを使用したヘルス・チェックのスケジュール

Enterprise Managerジョブ・システムでは、スケジュールされた時間に猶予期間を加えた期間内に実行を開始できない場合、ジョブ・ステータスを「スキップ」に設定します。デフォルトでは、ヘルス・チェック・ジョブは無期限の猶予期間でスケジュールされます。

EMCLIを使用してヘルス・チェックをスケジュールするには、コマンドライン・インタフェースで次のコマンドを実行します。

emcli schedule_siteguard_health_checks
        -operation_plan={name of the operation plan}
        -schedule=                                    
           {                                          
             start_time:yyyy/MM/dd HH:mm;             
             [tz:{java timezone ID};]                 
             [frequency:interval/weekly/monthly/yearly;]   
             [repeat:tx;]                                  
             [end_time:yyyy/MM/dd HH:mm;]                  
             [grace_period:xxx;]                           
           }

注意:

[]は、オプションのパラメータであることを示します。

パラメータ 説明
-operation_plan 操作計画の名前を入力します。
-schedule ヘルス・チェックのスケジュール。次のパラメータに値を入力します。

- start_time: ヘルス・チェックの開始時刻。

- tz: タイムゾーンID。このパラメータはオプションです。

- frequency: ヘルス・チェックの実行頻度(once/interval/weekly/monthly/yearly)。このパラメータはオプションです。

頻度をintervalに設定した場合、パラメータrepeatの値を指定する必要があります。

頻度をweeklyまたはmonthlyに設定した場合、曜日を指定する必要があります。

頻度をyearlyに設定した場合は、月と日を指定する必要があります。

- repeat: ヘルス・チェックを繰り返す頻度。この値は、頻度をintervalに設定した場合のみ必要です。

- days: 日のリスト(カンマ区切り)。この値は、頻度をweeklymonthlyまたはyearlyに設定した場合に必要です。

頻度をweeklyに設定した場合、有効な値の範囲は、1から7です。

頻度をmonthlyまたはyearlyに設定した場合は、有効な値の範囲は1から30です。

- months: 月のリスト(カンマ区切り)。この値は、頻度をyearlyに設定した場合のみ必要で、有効な値の範囲は1から12です。

- end_time: ヘルス・チェックの実行を終了する時刻。このパラメータはオプションです。

- grace_period: 猶予期間(分)。このパラメータはオプションです。

次に例を示します。

Examples: 
start_time:2014/06/10 15:45
start_time:2014/10/29 2:00;frequency:interval;repeat:1d
start_time:2014/08/10 01:00;frequency:interval;repeat:1w
start_time:2014/08/10 01:00;frequency:weekly;days:6,7;grace_period:60;tz:America/New_York
-notify 設定されている場合、ヘルス・チェック・レポートがメールで送信されます。
-email 通知に使用する電子メール・アドレス。この電子メール・アドレスは、現在のユーザーの構成された電子メール・アドレスである必要があります。

猶予期間とは、スケジュールされたジョブを開始する際に最大許容遅延を定義する期間です(すべてのヘルス・チェックがジョブとしてスケジュールされます)。

ヘルス・チェックの初期遅延(猶予期間)を構成する場合、猶予期間を正しく計算してください。

5.4.3 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用したヘルス・チェックの停止

Enterprise Manager Cloud Controlを使用してスケジュール済のヘルス・チェックを停止するには、次のようにします。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Manager Cloudコンソールにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、事前チェックの実行先となるシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

  4. 「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順にクリックします。「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

  5. リストから操作計画名をクリックして操作計画を選択します。この操作計画にヘルス・チェックがすでにスケジュールされている必要があります。

  6. 「ヘルス・チェックの停止」ボタンをクリックします。

  7. 確認ダイアログで「はい」をクリックします。

5.4.4 EMCLIを使用したヘルス・チェックの停止

EMCLIを使用してヘルス・チェックを停止するには、コマンドライン・インタフェースで次のコマンドを実行します。

emcli stop_siteguard_health_checks
        -operation_plan={name of the operation plan}
パラメータ 説明
-operaton_plan 操作計画の名前。

5.5 Oracle Site Guard操作計画の実行

操作計画を起動するには、次のいずれかの方法を使用します。

5.5.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用したOracle Site Guard操作計画の実行

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して操作計画を実行するには、次のタスクを完了します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を使用してEnterprise Managerにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. 「システム」ページで、計画の実行先となっているシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

  4. 「汎用システム」ページで、「汎用システム」「サイト・ガード」「操作」の順にクリックします。

    「サイト・ガード操作」ページが表示されます。

  5. リストから操作計画を選択します。

  6. 「操作の実行」をクリックします。

    ダイアログ・ボックスが表示されます。

    操作計画を実行する前に事前チェックを実行するには、「事前チェックの実行」チェック・ボックスを選択します(デフォルトで選択されています)。

  7. 「はい」をクリックして、アクションを確認します。

操作の進行状況と結果を追跡するには、ページの上部の「確認」ペインの「ここをクリックしてください」リンクをクリックするか、または「エンタープライズ」「プロビジョニングとパッチ適用」「プロシージャ・アクティビティ」の順に移動します。

プロシージャ・アクティビティを監視する方法の詳細は、第5.6項「Oracle Site Guard操作の監視」を参照してください。

5.5.2 EMCLIコマンドを使用したOracle Site Guard操作計画の実行

操作計画を実行するには、コマンドライン・インタフェースで次のEMCLIコマンドを実行します。

emcli submit_operation_plan
         -name="name_of_operation_plan"
         [-run_prechecks="true | false"]
         [-stop_primary="flag_specifying_whether_primary_site_to_be_stopped_during_failover"]
         [-database_lag_checks="true"|"false"]

注意:

[]は、オプションのパラメータであることを示します。

パラメータ 説明
-name 操作計画の名前。
-run_prechecks run_prechecks値(trueまたはfalse)。

デフォルトでは、このパラメータの値はtrueです。

値をfalseに設定した場合、事前チェックは実行されません。

-stop_primary フェイルオーバー操作中にプライマリ・サイトのターゲットを停止するかどうか。trueまたはfalseの値を設定します。
-database_lag_checks すべてのData Guard構成済データベースに対し、事前チェックの一部としてデータベース・ラグ・チェックを実行します。このパラメータはオプションです。

デフォルト値はtrueです。


5.6 Oracle Site Guard操作の監視

操作アクティビティを監視するには、次のいずれかの方法を使用します。

5.6.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用した操作計画の監視

この項には次のトピックが含まれます:

5.6.1.1 操作アクティビティの表示

実行のために発行された操作アクティビティを監視するには、次の手順を完了します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を使用してEnterprise Managerにログインします。

  2. 「エンタープライズ」メニューで、「プロビジョニングとパッチ適用」「プロシージャ・アクティビティ」を順にクリックします。「プロビジョニング」ページが表示されます。

  3. または、次のようにサイトの操作アクティビティ・ページに移動します。

    • 「システム」ページで、操作計画が実行された対象のシステムの名前(「汎用システム」)をクリックします。

    • 「汎用システム」、「サイト・ガード」、「操作」の順にクリックします

    • 「操作アクティビティ」タブをクリックします。

  4. 「プロシージャ・アクティビティ」表で、監視する操作のアクティビティの名前をクリックします。

    その操作の「プロシージャ・アクティビティ」ページが表示されます。図5-2を参照してください。

    図5-2 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールでの操作アクティビティの表示

    周囲のテキストで図5-2を説明しています。
  5. 最上位手順の隣のドロップダウン記号をクリックして、サブ手順を表示します。アクティビティの手順が階層として表示されます。図5-3を参照してください。

    図5-3 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールでの操作アクティビティの手順の階層表示

    周囲のテキストで図5-3を説明しています。

5.6.1.2 操作の一時停止、再開または停止

進行中の操作を一時停止し、後で再開できます。再開する必要のない操作を停止することもできます。次の手順に従います。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を使用してEnterprise Managerにログインします。

  2. 「エンタープライズ」メニューで、「プロビジョニングとパッチ適用」「プロシージャ・アクティビティ」を順にクリックします。「プロビジョニング」ページが表示されます。

  3. 「プロシージャ・アクティビティ」表で、監視する操作の名前をクリックします。

    その操作の「プロシージャ・アクティビティ」ページが表示されます。

  4. ページの右側にある「プロシージャ・アクション」をクリックします。

  5. ドロップダウン・メニューからアクションをクリックします。図5-4を参照してください。

    図5-4 操作の一時停止、再開または停止

    図5-4については周囲のテキストで説明しています。

5.6.2 EMCLIを使用した操作計画の監視

EMCLIを使用して操作計画のステータスを監視するには、コマンドライン・インタフェースで次の手順を完了します。

  1. 次のコマンドを実行して、プロシージャのリストを取得します。

    emcli get_instances 
           [-type={procedure type}]
           [-format=name:]
           [-script]
           [-noheader]
    

    注意:

    []は、オプションのパラメータであることを示します。

    パラメータ 説明
    -type プロシージャ・タイプ。このパラメータはオプションです。
    -format インスタンスのリストの出力形式。prettyscriptまたはcsvを指定します。このパラメータはオプションで、デフォルト値はprettyです。
    -script 出力形式がスクリプトであるかどうか。このパラメータはオプションです。
    -noheader 列ヘッダーを表示しません。このパラメータはオプションです。

  2. emcli get_instancesコマンドで表示される操作一覧で、操作のGUIDを書き留めます。

  3. 操作のステータスを取得します。

    emcli get_instance_status -instance="GUID"
    

5.7 実行エラーの管理

Oracle Site Guardでは、Enterprise Manager Cloud Controlデプロイメント・プロシージャ・フレームワークを使用して、リモート・ホストでの障害時リカバリ操作が編成されます。フレームワークでは、エラー・モードを介してエラー管理が行われます。

操作計画の実行時に検出されたエラーは、様々な方法で管理されます。Oracle Site Guardには、個々の手順でエラー・モードを定義するオプションが用意されており、手順を有効化または無効化することもできます。たとえば、操作手順が「エラー時に停止」のエラー・モードに関連付けられている場合、操作はその手順の実行中にOracle Site Guardにより停止させられます。

その手順を再試行し、操作を続行するには、次の手順を完了します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を使用してEnterprise Managerにログインします。

  2. 「エンタープライズ」メニューで、「プロビジョニングとパッチ適用」「プロシージャ・アクティビティ」を順にクリックします。「プロビジョニング」ページが表示されます。

  3. 「プロシージャ・アクティビティ」表で、変更する操作の名前をクリックします。

    その操作の「プロシージャ・アクティビティ」ページが表示されます。

  4. 最上位手順の隣のドロップダウン記号をクリックして、サブ手順を表示します。アクティビティの手順が階層として表示されます。手順の階層で、エラーが検出された手順にたどり着くまでドロップダウン記号をクリックします。

    図5-5を参照してください。

    図5-5 ステータスの詳細

    図5-5については周囲のテキストで説明しています。
  5. 手順を選択し、「アクション」をクリックします。ドロップダウン・メニューが表示されます。

  6. ドロップダウン・メニューから、このエラーを管理するためにOracle Site Guardで実行するアクションをクリックします。

    • エラーを無視し、計画の他の手順を続行するには、「無視」をクリックします。

    • 手順を再実行するには、「再試行」をクリックします。

    • この手順のパラメータを更新して手順を再実行するには、「更新と再試行」をクリックします。


    注意:


5.8 サイト・ロールの手動リバース

Oracle Site Guardを使用して障害時ワークフローまたはワークフローの分離した部分をテストしている場合、サイト・ロールを手動で再構成してプライマリ・サイトとして明示的にサイトを指定する必要がある状況が発生する可能性があります。プライマリ・サイトとしてサイトを指定するか、サイト・ロールを手動で再構成する場合、他のサイトがスタンバイ・サイトとして自動的に指定されます。

サイト・ロールを手動で再構成するには、次の方法のいずれかを使用します。

5.8.1 Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用したサイト・ロールの手動リバース

Enterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用してサイト・ロールを手動で再構成するには、次の手順を実行します。

  1. EM_SG_ADMINISTRATORロール権限を持つユーザーとしてEnterprise Manager Cloudコンソールにログインします。

  2. 「ターゲット」メニューから、「システム」を選択します。

    「システム」ページが表示されます。

  3. プライマリ・サイトとして指定するシステム(汎用システム)の名前をクリックします。

    サイトの「汎用システム」ページが表示されます。

  4. システムのホームページで、「汎用システム」メニューから「サイト・ガード」「構成」の順にクリックします。

    「サイト・ガード構成」ページが表示されます。

  5. プライマリとして設定」をクリックします。

5.8.2 EMCLIを使用したサイト・ロールの手動リバース

プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトのロールを手動でリバースするには、コマンドライン・インタフェースで次のEMCLIコマンドを実行します。


注意:

Enterprise Managerコマンドライン・インタフェースへのログインの詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』を参照してください。

emcli update_siteguard_configuration
         -primary_system_name="primary_system_name"
         -standby_system_name="standby_system_name"
         [-reverse_role="flag_specifying_whether_system_roles_to_be_reversed"]
         [-role="new role for the standby site"]

注意:

[]は、オプションのパラメータであることを示します。

パラメータ 説明
-primary_system_name 現在プライマリ・サイトであり、新しいスタンバイ・サイトとして指定する必要があるシステムの名前。
-standby_system_name 現在スタンバイ・サイトであり、新しいプライマリ・サイトとして指定する必要があるシステムの名前。
-reverse_role プライマリ・システムとスタンバイ・システムの間でロールをリバースします。オプション。指定した場合、1つのスタンバイ・システムのみを-standby_system_nameパラメータで指定できます。
-role サイトの新しいロール。オプション。Primary、Standby、ValidateStandbyのいずれかです。オプションのフラグ。
  • Primary - プライマリとスタンバイのロールがスワップされます。

  • Standby - スタンバイ・サイトのロールがValidateStandbyからStandbyに変更されます。

  • ValidateStandby - スタンバイ・サイトのロールがStandbyからValidateStandbyに変更されます。