このトピックでは、コストと工数、カスタム・ユーザー・フィールド、日付、所要期間、フロート、進捗、ベースライン、比較データ、および差異の集計情報が、P6 Professionalでどのように計算されて表示されるかを説明します。
コストと工数: P6 Professionalは、集計の各アクティビティの値を加算することによって、計画コストや計画数量などの総コストや工数データ・アイテムの総数を計算します。
カスタム・ユーザー・フィールド: P6 Professionalは、タイプに応じてユーザー・フィールドを集計します。たとえば、開始日を表すアイテムは最も早い開始日を表示し、終了日を表すアイテムは最も遅い終了日を表示します。数値ユーザー・フィールドは、集計されるアクティビティの合計値です。
日付: 最早日を表示する場合、P6 Professionalは、最も早い最早(または実績)開始日と最も遅い最早(または実績)終了日を表示します。これは、最遅日と目標最早/最遅日についても同じです。
所要期間: P6 Professionalは、計画所要期間と残所要期間の値を集計します。進捗のないアクティビティの場合、計画所要期間と残所要期間は、最も早い開始日と最も遅い終了日の間の作業期間数です。集計アクティビティに実績開始日がある場合、実績開始日から最も遅い終了日までが、計画所要期間として計算されます。この場合、最も早い最早開始日から最も遅い最早終了日までが、残所要期間として計算されます。
集計アクティビティが進捗率100の場合、P6 Professionalは、実績開始日と実績終了日の差として計画所要期間を計算し、残所要期間はゼロになります。
実績所要期間を表示する場合、データは以下のように計算されます。
最も早い実績開始日-計算日(実績終了日がないアクティビティの場合)
最も早い実績開始日-最も遅い実績終了日(集計されるすべてのアクティビティに実績終了日がなければならない)
フロート: 集計されたデータの総フロートの基準を開始日、終了日、または最もクリティカルな日付にすることができます。このオプションは、「全般」タブの「上級スケジュール計算オプション」ダイアログ・ボックス(「ツール」、「スケジュール計算」、「オプション」を選択)の「総フロート計算」フィールドで設定します。開始日をフロートの基準にし、すべてのアクティビティが同じカレンダに割り当てられている場合、総フロートは、作業期間中の最も早い最遅開始日と最も早い最早開始日の差になります。終了日をフロートの基準にする場合、P6 Professionalでは、最も遅い最遅終了日と最も遅い最早終了日から総フロートが計算されます。最もクリティカルなフロートは、各集計グループの詳細アクティビティ内で最も少ない総フロートです。
すべてのアクティビティが同じカレンダに割り当てられていない場合、P6 Professionalでは、既定のグローバル・カレンダに基づいて総フロートが定義されます。
進捗: 進捗率の最も簡単な計算は、所要期間を使用して、アクティビティが完了するまでの残存時間数と計画所要期間を比較する方法です。この場合、P6 Professionalは、各集計グループに対して以下の比率を使用します。
[(集計現行計画所要期間-集計残所要期間)÷集計現行計画所要期間]*100
ベースライン・データ、比較データ、差異: ベースライン、比較、差異の各データ・アイテムは、日付または所要期間データ・アイテムとして分類します。P6 Professionalによる日付と所要期間の集計方法については、このトピックで前述の「日付」と「所要期間」のセクションを参照してください。
グループ(集計)バンドの工数および所要期間の計算に使用されるカレンダ
グループ・バンドの所要期間と工数の値は、既定のグローバル・カレンダ、既定のプロジェクト・カレンダ、リソース・カレンダ、またはアクティビティ・カレンダで定義される期間稼働時間の設定を使用して以下のように計算されます。
ライブ(詳細)データの場合:
「アクティビティ」ウィンドウ
- 1つのプロジェクトが開いている状態で、グループの全アクティビティが同じカレンダを使用する場合、ロールアップされた所要期間と工数の値は、そのカレンダを使用して計算されます。すべてのアクティビティで同じカレンダを使用しない場合、ロールアップされた所要期間と工数の値は、プロジェクトの既定のカレンダを使用して計算されます。
- 複数のプロジェクトが開いている状態で、グループの全アクティビティが同じカレンダを使用する場合、ロールアップされた所要期間と工数の値は、そのカレンダを使用して計算されます。ただし、すべてのアクティビティで同じカレンダを使用しない場合、値は以下のように計算されます。
- グループ・バンド下の全アクティビティが同じプロジェクト内にある場合、ロールアップされた所要期間と工数の値は、プロジェクトの既定のカレンダを使用して計算されます。
- グループ・バンド下の全アクティビティが同じプロジェクトに属していない場合、ロールアップされた所要期間と工数の値は、既定のグローバル・カレンダを使用して計算されます。
「WBS」ウィンドウ
- WBS下の全アクティビティが同じカレンダを使用する場合、ロールアップされた所要期間の値はそのカレンダを使用して計算されます。すべてのアクティビティで同じカレンダを使用しない場合、ロールアップされた所要期間の値は、プロジェクトの既定のカレンダを使用して計算されます。
「プロジェクト」ウィンドウ
- プロジェクトが開いているときは、ロールアップされた所要期間の値はライブ・ロールアップ計算に基づいて計算されます。プロジェクトが閉じているときは、ロールアップされた所要期間の値は集計データに基づいて計算されます。ライブ・データに対するプロジェクトの所要期間の値を計算するには、通常、プロジェクトの既定カレンダが使用されます。ただし、グループ・バンド下のすべてのアクティビティが同じカレンダ(プロジェクトの既定カレンダとは異なるカレンダ)を使用している場合は、そのカレンダを使用して所要期間の値が計算されます。
「リソース割当」ウィンドウ(以下の情報は開示中のプロジェクトにのみ適用される)
- バンド下のすべてのリソース割当レコードが同じリソースに属する場合(リソース別にグループ化されている場合)、所要期間の値はそのリソースのカレンダを使用して計算されます。
- バンド下のリソース割当レコードが異なるリソースに属する場合(同じカレンダを使用するかどうかに関わらず)、所要期間の値は既定のグローバル・カレンダを使用して計算されます。
注意
- リソース割当の所要期間はタスク依存の場合はアクティビティのカレンダに基づき、リソース依存の場合はリソース・カレンダに基づくため、「リソース割当」ウィンドウには予測しない所要期間の値が表示される場合があります。次に、表示される所要期間の値の根拠を示します。
- リソースごとにグループ化され、すべてのタスクがリソース依存の場合、タスクとグループ・バンドのリソースの所要期間は同じ所要期間の値になります。
- リソースごとにグループ化され、すべてのタスクがタスク依存の場合、タスクとグループ・バンドのリソースの所要期間は、それぞれに割り当てられているカレンダに基づいてさまざまな所要期間の値が表示されます。たとえば、グループ・バンドの所要期間の値がグループ・バンドのリソース・カレンダに基づく12.0hで、関連付けられたタスク依存タスクの所要期間の値はタスク・カレンダに基づく10.0hであるとします。ただし、リソースとアクティビティがどちらも同じカレンダに割り当てられる場合、タスクとグループ・バンドの値は同じになります。
- リソースごとにグループ化され、すべてのタスクがリソース依存とタスク依存の組み合わせで構成される場合、タスクとグループ・バンドのリソースの所要期間は、それぞれに割り当てられているカレンダに基づいてさまざまな所要期間の値が表示されます。
「トラッキング」ウィンドウ
- プロジェクトが開いているときは、ロールアップされた所要期間の値はライブ・ロールアップ計算に基づいて計算されます。プロジェクトが閉じているときは、ロールアップされた所要期間の値は集計データに基づいて計算されます。ライブ・データに対するプロジェクトの所要期間の値を計算するには、通常、プロジェクトの既定カレンダが使用されます。ただし、グループ・バンド下のすべてのアクティビティが同じカレンダ(プロジェクトの既定カレンダとは異なるカレンダ)を使用している場合は、そのカレンダを使用して所要期間の値が計算されます。
集計データの場合:
- プロジェクト・レベルおよびWBSレベルの集計データの場合: グループ・バンド下の全アクティビティで同じカレンダを使用する場合、集計された所要期間と工数の値は、そのカレンダを使用して計算されます。全アクティビティで同じカレンダを使用しない場合、値は、プロジェクトの既定のカレンダを使用して計算されます。
- エンタープライズ・リソースとロールの集計の場合: 集計された所要期間と工数の値は、リソースのカレンダを使用して計算されます。
- EPSレベルの集計データの場合: EPS下の全プロジェクトが同じ既定のプロジェクト・カレンダに割り当てられる場合、集計された所要期間と工数の値は、そのカレンダを使用して計算されます。EPS下の全プロジェクトが同じ既定のカレンダに割り当てられていない場合、集計された所要期間と工数の値は、既定のグローバル・カレンダを使用して計算されます。
ヒント
- 階層構造バンドの場合、バンド直下の全アクティビティとその下の全バンドのカレンダを同じにする必要があります。同じにしない場合、既定のプロジェクトまたはグローバル・カレンダが使用されます。既定のプロジェクトとグローバル・カレンダのどちらを使用するかの判断は、上記の場合と同様です。