6 DIVAnet の管理

この章では、DIVAnet の管理について説明します。

DIVAnetAdmin ユーティリティーの使用

DIVAnetAdmin は、DIVAnet を管理するためのオプションを備えた単純なコマンド行ツールです。このユーティリティーは、ClientAdapter および DbSync サービスが動作しているサーバーでのみ実行できます。

ユーティリティーを開始するには、コマンドウィンドウを開いて、DIVAnet ホームディレクトリから Program\divanet\bin サブディレクトリに移動します。次のコマンドを入力すると、ユーティリティーが開始されます。

DIVAnetAdmin.bat ClientAdapterWebUrl DbSyncWebUrl

注記:

URL の引数を指定しない場合は、ClientAdapter および DbSync サービスがローカルで実行されていると想定され、ClientAdapter および DbSync サービスのポートを入力するよう求められます。

表6-1 に、メニューシステムから選択できる DIVAnetAdmin オプションを示します。

表6-1 DIVAnetAdmin オプション

カテゴリ
オプション
説明

アセットデータベースの同期

List Synced Sites

アセット情報が同期されるサイトの一覧を生成します。各サイトの同期ステータスも表示されます。サイトが初期同期状態にある場合は、達成率も表示されます。

アセットデータベースの同期

Resync a Site

特定のサイトのすべてのオブジェクトレコードを DIVAnet データベースに再同期します。

注意: このオプションでは、(選択されたサイトの) DIVAnet データベース内のすべてのアセットレコードが再同期の前に削除されます。

アセットデータベースの同期

Resync an Object

特定のサイトにある特定のオブジェクトのオブジェクトレコードを更新します。削除されたものは同期しません。

API 接続

List API Connection

すべてのクライアント DIVAnet API 接続 (直接モードでの接続を含む) を一覧表示します。

API 接続

End API Connection

ID で識別される特定の API 接続を終了させるオプションを提供します。

ワークフロープロファイルのリロード

Reload Workflow Profiles

このオプションによってすべてのワークフロープロファイルがリロードされます。また、定義されているアクセス規則があれば、それもリロードされます。

アクセス規則が定義されている場合、このオプションには ChangeConfig 操作へのアクセス権が必要になります。

サイトパラメータ

Show Site Parameters

このオプションは、サイトへのキューに入っている要求数、(DIVAnet によって送信された) 各サイトで実行されている要求数、サイトと最後に通信した日付などの DIVA サイトパラメータ、およびスロットリングパラメータを表示します。

サイトパラメータ

Set Site Parameters

このオプションでは、ユーザーが DIVA スロットリングパラメータを設定できます。

  • SubmittedThrottleThreshold は、DIVA が (一部の要求の完了を) 待機する前にサイトに送信するべき要求の数を制御します。

  • TotalThrottleThreshold も同様ですが、DIVA サイトで実行されている要求の合計数に基づいています。DIVAnet では、DIVA 要求の合計数が (次の要求を送信する前に) この値を下回るまで待機します。

アクセス規則が定義されている場合、このオプションには ChangeConfig 操作へのアクセス権が必要になります。

実行時統計

Show Runtime Stats: ClientAdapter

このオプションは、ClientAdapter サービスに役立つ実行時統計を表示します。

実行時統計

Show Runtime Stats: DbSync

このオプションは、DbSync サービスに役立つ実行時統計を表示します。

ログレベル

Set Log Level: ClientAdapter

このオプションは ClientAdapter サービスのログレベルを一覧表示し、ログレベル (有効な値: ERROR、WARN、INFO、DEBUG、TRACE) を動的に変更するオプションを提供します。

ログレベル

Set Log Level: DbSync

このオプションは DbSync サービスのログレベルを一覧表示し、ログレベル (有効な値: ERROR、WARN、INFO、DEBUG、TRACE) を動的に変更するオプションを提供します。


DIVAnet では、次のタイプのログファイルを作成します。

  • トレースログ — DIVAnet ホームディレクトリ内の Program\log\divanet サブフォルダにあります。各 DIVAnet サービス (ManagerAdapter、DbSync、ClientAdapter) では、Program\log\divanet フォルダの下に独自のサブフォルダを作成し、そのサブディレクトリ内にログファイルを生成します。

  • ラッパーサービスログ — これらのログは、Windows サービスの起動と停止に関連したメッセージを出力します。このサービスが正しく開始されているかどうかをここで確認できます。これらのログは、DIVAnet ホームディレクトリ内の Program\log\divanet サブフォルダにあります。Wrapper.conf ファイルと似たような名前が付けられますが、.log ファイル名拡張子が付きます (例: ManagerAdapterWrapper.log)。

  • GUI ログ — DIVAnetUI で発生するエラーは、サーバー側ではなくクライアントコンピュータに表示されます。これらのログは Program\log\divanet\gui サブフォルダにあります。

DIVAnet では、1 時間以上が経過したログを zip ファイルにまとめ、レビュー用に 2 日分のログを保持します。

要求の処理とキューイング

このセクションでは、要求のキューイングと処理について説明します。

DIVAnet 要求のキューイング

DIVAnet は、ダウンストリームの DIVArchive システムが要求キューで処理できるよりも多くの要求を受け入れられます。DIVAnet では、<GlobalDivanetRequestLimit> パラメータを使用して、キューに入れたり、内部で実行したりできる最大要求数 (デフォルトは 5000) を強制します。この制限に達すると、DIVAnet は要求を拒否し始めます。DIVAnet ClientAdapter サービスは各サイトのキューを管理します。要求をサイトにゆっくりと送り込むように DIVAnet を構成することも、一度にすべての要求をサイトに送信するように DIVAnet を構成することもできます (後者の場合、DIVArchive によって要求はキューに入れられる可能性が高くなる)。

要求が DIVArchive システムのキューに入っているときに DIVA システムを再起動すると、実行中のすべての要求が終了します。DIVAnet の動作は異なります。DIVAnet は各要求をデータベースに保存します。ClientAdapter サービスが再起動されると、DIVAnet は保留中および実行中の要求を読み取って、再開します。ただし、この方法ですべての要求が再開されるわけではありません。たとえば、サービスの再開後に削除要求が再発行されることはありません。起動時に要求を回復する必要がない場合は、ClientAdapter <AbortAllOnStartup> パラメータを設定することで、キューに入っているすべての要求を起動時に終了できます。

DIVAnet 要求のスロットリング

デフォルトでは、いずれかの要求が停止して完了待ちになるまでに、DIVAnet は 100 件の要求を送信します。この制限を制御するパラメータは <SubmittedThrottleThreshold> であり、サイトごとに ClientAdapter で構成可能です。これは、DIVAnetAdmin ユーティリティーを使って実行時に変更することもできます。DIVAnet ではさらに、DIVArchive サイトで実行されている要求の総数に基づいて要求を調整できます (<TotalThrottleThreshold> パラメータを使用)。どちらかのパラメータを -1 に設定して、実行するべきスロットリングがないことを指定できます。また、この値を 0 に設定して、DIVArchive に送信するべき要求がキューに入っていないことを指定することもできます。状況によっては、これが役立つ場合があります。

DIVAnet 要求が特定のサイトのキューに数秒以上入れられている場合は、DIVAnetUI によって、その要求のキュー内での待機順位が表示されます。別の要求が最初のものよりも高い優先度でキューに入れられると、その要求のキュー内での待機順位が上がる可能性が高くなります。要求が失敗して再試行された場合、その要求は再度キューに入れられます (ただし、長い間システム内に置かれていたため優先度が上がります)。

DIVAnet 要求の再試行

一部の要求は DIVAnet 内で自動的に再試行できます。再試行できる要求は、コピー、復元、ファイルの部分復元、および削除です。復元要求とファイルの部分復元要求は構成可能な回数だけ再試行でき、コピー要求と削除要求は構成可能な時間間隔で再試行されます。再試行はワークフロープロファイルごとに指定でき、ClientAdapter を再起動しないで実行時に変更できます (詳細は、「ワークフロープロファイルの構成」を参照)。

サイトがダウンし、要求がそのサイトのキューに入れられた場合、DIVAnet はサイトが運用可能になるまで、<SiteDownRequeueWaitMins> 分間待機します。その構成された時間が経過し、再試行が構成されている場合、DIVAnet はその要求の再試行を場合によっては別のサイトで試みます。再試行が構成されていない場合、その要求は終了します。