13 Oracle HSM 構成のバックアップ

Oracle Hierarchical Storage Manager and StorageTek QFS Software の構成が完了したら、構成ファイルおよび関連情報をバックアップして、投資を保護してください。次のタスクを実行します。

Oracle HSM 構成のバックアップ場所の作成

次のように進めます。

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. Oracle HSM 構成のバックアップコピーのストレージの場所を選択します。ファイルシステムのホストにマウントできる独立したファイルシステムを選択します。

  3. 選択したファイルシステムが、どの物理デバイスもアーカイブファイルシステムと共有しないようにしてください。

    保護対象のファイルシステムに回復ポイントファイルを格納しないでください。アーカイブファイルシステムもホストしている物理デバイス上にある論理デバイス (パーティションや LUN など) に回復ポイントファイルを格納しないでください。

  4. 選択したファイルシステムで、構成情報を保持するディレクトリを作成します。コマンド mkdir mount-point/path を使用します。ここで、mount-point は、選択した独立ファイルシステム用のマウントポイント、path は、選択したディレクトリのパスと名前です。

    この例では、独立ファイルシステム /zfs1 にディレクトリ /zfs1/sam_config を作成しました。

    root@solaris:~# mkdir /zfs1/sam_config
    
  5. 次に、samexplorer を実行し、レポートを安全に格納します

samexplorer の実行およびレポートの安全な格納

samexplorer は、Oracle HSM ソフトウェアとファイルシステムに関する包括的な構成とステータス情報を収集してレポートする診断ツールです。Oracle のサポートサービス担当者は、トラブルシューティング時にこの出力を使用します。そのため、Oracle HSM ソフトウェアとファイルシステムを構成または再構成するたびに samexplorer のベースラインレポートを作成することをお勧めします。

  1. ファイルシステムのメタデータサーバーホストに root としてログインします。

    この例では、ホスト名は samqfs1mds です。

    [samqfs1mds]root@solaris:~# 
    
  2. バックアップ構成情報が保持されているディレクトリに、samexplorer レポート用のサブディレクトリを作成します。コマンド mkdir mount-point/path を使用します。ここで、mount-point は、選択した独立ファイルシステム用のマウントポイント、path は、選択したディレクトリのパスと名前です。

    この例では、ディレクトリ /zfs1/sam_config/explorer を作成します。

    [samqfs1mds]root@solaris:~# mkdir /zfs1/sam_config/explorer
    [samqfs1mds]root@solaris:~# 
    
  3. 選択したディレクトリに、samexplorer レポートを作成します。コマンド samexplorer path/hostname.YYYYMMDD.hhmmz.tar.gz を使用します。ここで、path は選択したディレクトリへのパス、hostname は Oracle HSM ファイルシステムホストの名前、YYYYMMDD.hhmmz は日付とタイムスタンプです。

    デフォルトのファイル名は /tmp/SAMreport.hostname.YYYYMMDD.hhmmz.tar.gz です。

    この例では、ディレクトリ /zfs1/sam_config/explorer/ にファイル samhost1.20140130.1659MST.tar.gz を作成します (次のコマンドは 1 行で入力します。改行はバックスラッシュでエスケープされます)。

    [samqfs1mds]root@solaris:~# samexplorer \ 
    /zfs1/sam_config/explorer/samhost1.20140130.1659MST.tar.gz
     
         Report name:     /zfs1/sam_config/explorer/samhost1.20140130.1659MST.tar.gz
         Lines per file:  1000
         Output format:   tar.gz (default) Use -u for unarchived/uncompressed.
     
         Please wait.............................................
         Please wait.............................................
         Please wait......................................
     
         The following files should now be ftp'ed to your support provider
         as ftp type binary.
     
         /zfs1/sam_config/explorer/samhost1.20140130.1659MST.tar.gz
    
    [samqfs1mds]root@solaris:~# 
    
  4. ファイルシステムを大幅に再構成する際は必ず、この手順を繰り返してください。

  5. 次に、Oracle HSM 構成を手動でバックアップします

Oracle HSM 構成の手動バックアップ

samexplorer ユーティリティーは、完全な冗長性のために大部分の Oracle HSM 構成情報を収集しますが、主な構成作業のあとには次の手順を実行してください。

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    この例では、ホスト名は samqfs1mds です。

    [samqfs1mds]root@solaris:~# 
    
  2. バックアップ構成情報が保持されているディレクトリに、Oracle HSM 構成の手動バックアップコピー用のサブディレクトリを作成します。コマンド mkdir mount-point/path を使用します。ここで、mount-point は、選択した独立ファイルシステム用のマウントポイント、path は、選択したディレクトリのパスと名前です。

    次の例では、アーカイブファイルシステム /hsmqfs1 用の回復ポイントを構成します。そのため、ディレクトリ /zfs1/sam_config/samconfig を作成しました。

    [samqfs1mds]root@solaris:~# mkdir /zfs1/sam_config/samconfig
    [samqfs1mds]root@solaris:~# 
    
  3. 選択したディレクトリに、現在の Oracle HSM 構成用のサブディレクトリを作成します。コマンド mkdir mount-point/path/subdirectory を使用します。ここで mount-point は選択した独立ファイルシステム用のマウントポイント、path/subdirectory は選択したディレクトリのパスと名前です。

    この例では、日付を使用してサブディレクトリの名前を付けます。

    samqfs1mdsroot@solaris:~# mkdir /zfs1/sam_config/samconfig/20140127
    [samqfs1mds]root@solaris:~# 
    
  4. 構成ファイルを別のファイルシステムにコピーします。

    /etc/opt/SUNWsamfs/
         mcf
         archiver.cmd
         defaults.conf 
         diskvols.conf 
         hosts.family-set-name
         hosts.family-set-name.local
         preview.cmd
         recycler.cmd
         releaser.cmd
         rft.cmd
         samfs.cmd
         stager.cmd
         inquiry.conf
         samremote                  # SAM-Remote server configuration file
         family-set-name            # SAM-Remote client configuration file
         network-attached-library   # Parameters file
         scripts/*                  # Back up all locally modified files
    
  5. すべてのライブラリカタログデータ (ヒストリアンで保持されているデータを含む) をバックアップします。カタログごとに、コマンド /opt/SUNWsamfs/sbin/dump_cat -V catalog-file を使用します。ここで、catalog-file はカタログファイルのパスと名前です。出力を新しい場所にある dump-file にリダイレクトします。

    この例では、library1 のカタログデータを、NFS でマウントされた個別のファイルシステム zfs1 上のディレクトリにある library1cat.dump ファイルにダンプします (次のコマンドは 1 行で入力します。改行はバックスラッシュでエスケープされます)。

    samqfs1mdsroot@solaris:~# dump_cat -V /var/opt/SUNWsamfs/catalog/library1cat \ 
    > /zfs1/sam_config/20140513/catalogs/library1cat.dump
    
  6. Oracle HSM のインストールおよび構成中に変更したシステム構成ファイルをコピーします。これには、次が含まれる可能性があります。

    /etc/
         syslog.conf
         system
         vfstab
    /kernel/drv/
         sgen.conf
         samst.conf
         samrd.conf
         sd.conf
         ssd.conf
         st.conf
    /usr/kernel/drv/dst.conf
    
  7. Oracle HSM 構成の一部として作成したカスタムシェルスクリプトおよび crontab エントリを選択したサブディレクトリにコピーします。

    たとえば、回復ポイントの作成とログのローテーションを管理するために crontab エントリを作成した場合は、ここでコピーを保存します。

  8. 現在インストールされているソフトウェア (Oracle HSM、Solaris、Solaris Cluster (該当する場合) を含む) のリビジョンレベルを記録し、選択したサブディレクトリ内の readme ファイルに情報のコピーを保存します。

  9. 必要になったときにソフトウェアをすばやく復元できるように、選択したサブディレクトリに、ダウンロードした Oracle HSM、Solaris、および Solaris Cluster パッケージのコピーを保存します。

  10. ここで停止します。構成をバックアップして、ファイルシステムを使用する準備ができました。