Oracle HSM ファイルシステムは正しく構成されていれば、日常的な管理者による介入はほとんど必要ありません。ただし、各システムに異常がないかどうかをモニターする必要はあります。一般に、可用性と利用率の 2 点についてモニターします。
可用性は概念的に単純であるため、簡単にモニターできます。ホストシステム、ネットワークインタフェース、ファイルシステム、ストレージサブシステムなどの主要なコンポーネントが使用不可になると、中心的な機能が突然失われたり、低下したりし、管理インタフェースおよびログに警告が表示されます。
利用率の算出は難しく、ユーザー側での判断がより多く必要になります。使用率が高くなり過ぎると、ストレージメディアなどのリソースが不足することで、システムが通常通りに機能しているにもかかわらず、アーカイブプロセスが停止し、事実上コンポーネントの故障と同じ状態になる可能性があります。ある組織では差し迫ったトラブルの前兆となる利用率レベルが、別の組織では何年間もトラブルなしで操作できるレベルと完全に一致する場合もあります。したがって、利用率をモニターする際には、傾向と比率を認識することが重要となります。利用率が 1 年あたり 1% 増加する場合は、リソースが 80% 使用されていても問題ありませんが、毎週の増加率が 1% を超える場合は危機的な状況です。
Oracle HSM には、次の 3 つのモニタリングインタフェースが備わっています。
作業スタイルや習慣に応じて、それぞれの長所があります。
Oracle HSM Manager は、管理者がファイルシステム操作のあらゆる点についてモニターおよび制御できるブラウザベースのグラフィカルユーザーインタフェースです。Oracle HSM Manager のブラウザインタフェースページは、3 つのセクションに分割されています。
バナー
ナビゲーションツリー
コンテンツペイン
バナーには、アプリケーションの名前とステータス情報 (ブラウザインタフェースでデータが最後に更新された時間など)、現在ログインしているユーザーの名前と役割、Oracle HSM Manager ソフトウェアをホストしている管理ステーションの名前、および未確認の障害の現在の数とタイプが表示されます。
インタフェースの左側にあるナビゲーションツリーには、サーバーメニューおよび使用可能な表示の階層一覧が表示されます。ナビゲーションツリー内のリンクをクリックすると、対応する表示がコンテンツペインに表示されます。
ナビゲーションツリーの「モニタリング」ノードは、主要なモニタリングリソースです。モニター対象のファイルシステムおよび装置上で検出されたすべての障害を一覧表示およびソートできます。自動電子メール警告を構成できます。現在実行中のすべてのジョブを一覧表示できます。「モニタリング」ノードには、モニタリングダッシュボードへのリンク、問題を警告するポップアップウィンドウ、次の関心分野に関するサマリー情報へのクイックリンクも含まれています。
デーモン
ファイルシステム
アーカイブメディアの利用率
テープライブラリ
ライブラリドライブ
ロード要求保留中のボリューム
使用不可のボリューム
アーカイブコピーキュー
ステージングキュー
ナビゲーションツリーの「メトリック」および「レポート」ノードでは、包括的な範囲のステータスおよび利用率レポート、および「システムの詳細」へのリンクが提供されます。「システム詳細」ページを使用すると、Oracle HSM の構成をすばやく確認したり、ログおよびトレースファイルにすばやく便利にアクセスしたりできます。
Oracle HSM Manager の使用については、包括的なヘルプシステムで詳細に説明されています。
samu
samu
オペレータユーティリティーは、コマンド行から起動するテキストベースで、メニュー駆動型の構成および管理用インタフェースです。Oracle HSM デバイス、ファイルシステムアクティビティー、およびエラーメッセージをモニターするための便利で、簡単な方法です。
samu
ユーティリティーには、UNIX vi
エディタと似ている点がいくつかあります。同様の制御キーシーケンスを使用して、表示の選択、表示オプションの設定、表示内および表示間のナビゲーション、コマンドの入力、表示のリフレッシュ、およびユーティリティーの終了を行います。各表示ウィンドウの最終行には、エラーメッセージが表示されます。エラーが発生しなければ、表示は自動的にリフレッシュされます。エラーが発生した場合は、オペレータが追加アクションを取るまで表示が停止します。必要に応じて、あとで参照するために、表示ウィンドウのスナップショットを取得できます。
h
コマンドは、すべてのキーボードショートカット、コマンド、およびパラメータを一覧表示したヘルプ画面を開きます。追加情報については、samu
のマニュアルページおよび Oracle HSM お客様向けドキュメントライブラリ (http://docs.oracle.com/en/storage/#sw
) の『Oracle Hierarchical Storage Manager and StorageTek QFS samu コマンドリファレンス』も参照できます。
samu
による一般的なモニタリングは、次のように表示されます。
Archiver status samu 5.4 12:24:10 Mar 19 2014 sam-archiverd: Waiting for resources sam-arfind: samma1 mounted at /samma1 Files waiting to start 0 schedule 70,524 archiving 0 Monitoring file system activity. sam-arfind: DISKVOL1 mounted at /diskvols/DISKVOL1 Files waiting to start 0 schedule 0 archiving 0 Monitoring file system activity. samu on samqfshost1
Oracle HSM ソフトウェアでは、包括的なロギングおよびトレース (構成されている場合) が実行されます。そのため、特に問題が発生したときに、次のファイルをモニターすることがあります。
/var/adm/messages
/var/adm/sam-log
/var/opt/SUNWsamfs/trace/
(デーモンおよびプロセスのトレースファイルを保持)
/var/opt/SUNWsamfs/devlog/
(/etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイルに構成されているデバイスデバイスのログを保持)
/var/opt/SUNWsamfs/archiver.log
/var/opt/SUNWsamfs/stager.log
/var/opt/SUNWsamfs/recycler.log
ファイルシステムに固有の追加アーカイブログ (構成されている場合)。
ロギングおよびトレースの構成の詳細は、Oracle HSM お客様向けドキュメントライブラリ (http://docs.oracle.com/en/storage/#sw
) の『Oracle Hierarchical Storage Manager and StorageTek QFS インストールおよび構成ガイド』を参照してください。