価格モデルおよび価格契約の動的属性ベース・マトリックス価格設定

Oracle CPQ 24Bでは、実行時の価格の計算にカスタム動的マトリックスを使用できるように、製品に対する属性ベース・マトリックス価格設定が導入されました。Oracle CPQ 24Cでは、価格モデル・レベルで同様の表ベースの価格設定を定義できるようになりました。属性ベースのマトリックス価格設定および関連する価格設定マトリックス・テンプレートを使用して、価格設定エンジンが実行時の価格を計算するための基準として、カスタム動的マトリックスの使用を必須にするように価格設定を定義できるため、データ表およびカスタムBMLが不要になりました。

  • 属性ベースのマトリックス価格設定は、「価格表」、「割引リスト」および「値入れリスト」タイプの価格モデルおよび価格契約で使用できます。

  • 事前定義済の列を使用して、必要な条件の基準を指定し、単一または複数の製品に対して条件付き価格設定を定義できます。

  • 詳細は、価格設定マトリクス・テンプレートを参照してください。

価格設定マトリックス・テンプレート - 価格モデルと価格契約の関係

次の画像は、価格モデルまたは価格契約の価格設定マトリックス・テンプレートのフィールドと動的マトリックス価格設定の関係を示しています。

  1. 価格設定マトリックス・テンプレートを定義した後、関連する価格モデルまたは価格契約に対して、そのテンプレートを「動的価格設定」タイプとして追加できます。

  2. 価格設定マトリックス・テンプレートの「入力列」に、価格モデルまたは価格契約の単一または複数の製品に対して必要な条件付き価格設定の基準を指定するフィールドを定義します。

  3. 価格設定マトリックス・テンプレートの「出力列」に、価格設定エンジンからの出力として返され、見積明細に書き込まれる価格設定フィールドを定義します。価格設定マトリックス・グリッドの各行項目に対して、価格設定値が定義されます。Oracle CPQ 24Cでは、単一単価(定価)に出力値が制限されています。ただし、ブロック価格設定が必要な場合は、「ブロック・サイズ」および「ブロック価格」属性を、価格設定マトリックス・テンプレートの「出力列」として追加できます。

価格設定マトリックス・テンプレート - 価格モデルと価格契約の関係

「価格モデル」および「価格契約」リスト・ページで「動的マトリックス価格設定」列を有効にすると、該当する価格モデルまたは価格契約に関連付けられた価格設定マトリックス・テンプレートが表示されます。

「動的マトリックス価格設定」列

マトリックス価格設定データのエクスポート、インポートおよび移行

Oracle CPQ 24Cには、エクスポート、インポートおよびステータスのUIが導入されており、お客様がExcel (.CSV)ファイルを使用して、CPQの外部で価格モデルおよび価格契約マトリックスの価格設定データを保守できるようになりました。詳細は、「有効化のステップ」の「マトリックス価格設定データのエクスポートおよびインポート」を参照してください。

動的マトリックス価格設定がある価格モデルを移行することもできます。関連付けられた価格設定マトリックス・テンプレートは、該当する価格モデルの依存関係として指定されます。

ノート: 価格契約は移行できませんが、一括サービスを使用してサイト間で移動できます。

CPQ価格設定エンジンでは、CPQ価格モデルおよび価格契約の価格設定に、ルール・ベース(ルールおよびモデル条件)と表ベースの宣言的なアプローチの両方が提供されるようになりました。この機能により、複雑な多次元の価格参照を実行するためにカスタム・データ表およびBMLスクリプトを必要とするのではなく、価格設定エンジンでネイティブに価格設定できるようになりました。

有効化のステップ

価格モデルまたは価格契約への動的属性ベース・マトリックス価格設定の追加

次のステップを実行して、価格モデルまたは価格契約の動的マトリックス価格設定を作成します。

  1. 「管理」ページにナビゲートします。

  2. 「製品」セクションの「価格設定ポータル」をクリックします。

  3. 「価格モデル」または「価格契約」カードを(状況に応じて)クリックします。

  4. 該当する価格モデルまたは価格契約を選択します。

ノート:

  • 価格モデルまたは契約は、製品価格と料金、または価格設定マトリックスのどちらかで定義する必要があります。

  • 既存の料金がすべて同じ属性ベースの料金テンプレートに基づいている場合以外は、動的属性ベースの価格設定を、既存の手数料がある価格モデルまたは価格契約に追加できません。

  • 新しい価格モデルまたは価格契約を追加するには、「CPQ管理者オンライン・ヘルプ」 > 「価格設定」 > 「価格設定ポータル」 > 「価格モデル」または「価格契約」を(状況に応じて)参照してください。

  1. 「基本詳細」セクションで「編集」をクリックします。

  2. 「詳細」セクションを展開します。

  3. 「動的マトリックス価格設定」ドロップダウンから、該当する価格設定マトリックス・テンプレートを選択します。

  4. 「保存」または「更新」をクリックします。

  5. 「価格設定データ」セクションの「表ビュー」アイコンをクリックします。

  6. 「処理」ドロップダウンから「編集」を選択します。

  7. 次のいずれかのオプションを実行します:

  • 価格設定マトリックスに新製品を追加するには、「追加」ドロップダウンから「料金の追加」を選択します。

  • 価格設定マトリックスの最後の製品に条件付き行項目を追加するには、「追加」ドロップダウンから「マトリックス行の追加」を選択します。

  • 価格設定マトリックスの既存の製品に条件付き行項目を追加するには、該当する製品明細品目の行の省略記号をクリックし、「マトリックス行の追加」を選択します。

  1. 列ごとに条件値を入力または選択します。

  2. 適用可能な価格設定を入力します。

品目の価格設定は、親の価格モデルのリスト・タイプおよび調整タイプ(割引リストと値入れリストの場合)によって決まります。たとえば、「品目値入れ%」は、「パーセント」調整タイプの親の「値入れリスト」タイプの価格モデルによって定義されます。ブロック価格設定を使用している実装では、「ブロック・サイズ」属性および「ブロック価格」属性も追加できます。

  1. 「保存」または「更新」をクリックします。

マトリックス価格設定データのエクスポートおよびインポート

Oracle CPQ 24Cでは、価格モデルおよび契約のマトリックスの価格設定をCPQの外部で作成し、Excel (.CSV)ファイルを使用して価格モデルまたは契約UIからこのデータを直接ロードする機能も提供されています。マトリックス価格設定データを変更するための推奨プロセスは、次のとおりです:

  1. 価格モデルまたは価格契約のマトリックス価格設定データのエクスポート

  2. マトリックス価格設定データExcelファイルの変更

  3. 価格モデルまたは価格契約のマトリックス価格設定データのインポート

価格モデルまたは価格契約のマトリックス価格設定データのエクスポート

価格設定マトリックスをエクスポートするには、次のステップを実行します。

  1. 「管理」ページにナビゲートします。

  2. 「製品」セクションの「価格設定ポータル」をクリックします。

  3. 「価格モデル」または「価格契約」カードを(状況に応じて)クリックします。

  4. 該当する価格モデルまたは価格契約を選択します。

  5. 「処理」ドロップダウンから「エクスポート」を選択します。

  6. エクスポートが完了したら、エクスポートされた価格設定マトリックス・ファイルをダウンロードします。

  • 「エクスポート・ステータス」ダイアログで、matrixGrid_<priceModelOrPriceAgreementVariableName>リンクをクリックします。

-- または -

  • 「処理」ドロップダウンから「インポート/エクスポート・ステータス」を選択し、該当するmatrixGrid_<priceModelOrPriceAgreementVariableName>リンクをクリックします。

マトリックス価格設定データExcelファイルの変更

Excelファイルを使用して価格設定マトリックス・グリッドを更新する場合は、最初の列に明細の処理を指定します。次の処理を使用できます:

  • ADD: 行/レコードがまだ存在しない場合は新規に追加します。すでに存在する場合は、エラーが表示されます。
  • MODIFY: 行/レコードの列データを変更または追加します。レコードが見つからない場合は、新しい行が作成されます。
  • DELETE: 行/レコードからすべての列データを削除します。
  • UPDATE: 行/レコードのすべての列データを変更します。レコードが見つからない場合、更新は失敗します。

価格モデルまたは価格契約の価格設定マトリックス・グリッドに対して、行項目を追加、変更または削除するには、次の手順を実行します。

  1. ダウンロードしたmatrixGrid_<priceModelOrPriceAgreementVariableName>.zipファイルを解凍します。

  2. matrixGrid_<priceModelOrPriceAgreementVariableName>.csvファイルを開きます。

  3. 行に必要なデータを入力します。最初の列は、目的の処理を指定するための列です。

たとえば、次のファイルは、dynamicPricing価格モデルの価格設定マトリックス・グリッドに6つの行項目を追加します。_matrix_<columnVariableName>は、関連付けられている価格設定マトリックス・テンプレートから取得されます。

価格設定マトリックスXLSの例

  1. 更新したmatrixGrid_<priceModelOrPriceAgreementVariableName>.csvファイルを保存して閉じます。

価格モデルまたは価格契約のマトリックス価格設定データのインポート

価格設定マトリックスをインポートするには、次のステップを実行します。

  1. 「管理」ページにナビゲートします。

  2. 「製品」セクションの「価格設定ポータル」をクリックします。

  3. 「価格モデル」または「価格契約」カードを(状況に応じて)クリックします。

  4. 該当する価格モデルまたは価格契約を選択します。

  5. 「処理」ドロップダウンから「インポート」を選択します。

  6. 更新した.csvまたは.zipファイルを「価格設定データのインポート」ドロワーにドロップまたはアップロードします。

  7. 「インポート」をクリックします。

ヒントと考慮事項

構成配列属性は、価格設定マトリックスではまだサポートされていません。