重要な処理および考慮事項
アップグレード前の考慮事項
既知の機能の変更
Oracle CPQ 24Cにアップグレードする前に、既知の機能に加えた変更を確認し、その変更に応じて計画することをお薦めします。
Oracle CPQの機能 |
説明 |
パフォーマンス・ロギング |
Oracle CPQ 24Cには、次のパフォーマンス・ロギングの機能拡張が含まれています:
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価格設定 |
Oracle CPQ 24Cのコラボレーション見積では、ヘッダー・タイプ「価格設定」の属性値が変更されると、価格設定の更新のために価格設定エンジンがトリガーされます。 |
製品ワークベンチ |
Oracle CPQ 24Cでは、同じサービス製品が設定された標準品目を期間に基づいて価格設定するために、Oracle CPQ管理者の製品ワークベンチを使用しないでください。かわりに、24C更新でこのタイプの価格設定をするためには、価格設定ポータル(またはOracle Salesと統合されたサイトの製品ワークベンチ)を引き続き使用してください。今後のリリースで、この機能に対処して、この制限が訂正されます。これはBOM品目には該当しません。 |
BML |
Oracle CPQ 24B以降では、文字列を安全なプレーン・テキストとしてHTMLエスケープ(出力エンコーディング)する方法を提供するために、html() BML関数がサポートされています。これは、クロスサイト・スクリプティング(XSS)などのインジェクション攻撃に対して脆弱な可能性があるユーザー入力から発生したコンテンツに適用されます。詳細は、BML文字列関数を参照してください。 |
コマース属性 |
Oracle CPQ 24B以降では、コマース・レイアウトで参照されているコマース属性は削除できません。 |
統合 |
Oracle 24B以降のセキュリティ・ソフトウェアの更新の一環として、Webベースのブラウザは、Oracle CPQサーバーから外部サイトへのリダイレクトをブロックする場合があります。Webブラウザの変更は、Oracle CPQとOracle以外のソフトウェア(Salesforceなど)の統合に影響します。管理者は、My Oracle Supportにサービス・リクエスト(SR)を記録して、信頼できるドメインを許可されたパートナ・リストに追加し、統合接続を確保できます。 |
SalesforceコネクタのネイティブLightning UI |
すでに発表されているとおり、SalesforceのネイティブLightning UI (Lightningモードとも呼ばれる)は終了し、Salesforce管理パッケージではサポートされなくなりました。その結果、Oracle CPQ for Salesforce Connector Managed Package 8.8がリリースされ、サイト設定ページからLightningでの埋込みモードの使用設定が削除されました。埋込みモードが唯一のオプションとなり、ネイティブLightning UIをオンに切り替えることはできなくなりました。詳細は、Oracle CPQ for Salesforce Connectorのインストールおよび設定ガイドを参照してください。 |
Salesforce統合 - CRM OAuth使用可能 |
統合センターで1つ以上のSalesforce接続が有効で、「CRM OAuth使用可能」が「いいえ」に設定されている場合、ユーザーとSalesforce接続をペアにすることができません。Oracle CPQにエラー・メッセージが表示されます。 この問題を解決するには、Oracle CPQの「一般サイト・オプション」ページに移動し、「CRM OAuth使用可能」を「はい」に設定します。 |
Salesforce統合- PKCE使用可能 |
Salesforce Winter24でProof Key for Code Exchange (PKCE)を要求する機能が導入されました。これは、すべての新しい接続アプリケーションに対してデフォルトで有効になります。Oracle CPQはPKCEをサポートしていないため、PKCEが有効になっていると新しい接続の設定中にエラーが発生します。この問題を解決するには、「Connect App Setting」>「API (Enable OAuth Settings)」に移動し、「Require Proof Key for Code Exchange (PKCE) Extension for Supported Authorization Flows」設定の選択を解除して、「Save」をクリックします。 |
サポートされている機能への計画的な変更
Oracle CPQでは、アプリケーションを絶えず改善するために、製品の機能を定期的に評価し、改善された機能で置き換える必要がある古い機能を特定しています。古い機能をサポートすると、お客様に提供する価値に悪影響を及ぼします。このお知らせでは、提供された代替機能を把握して今後の更新に備えるための情報をCPQ管理者およびIT担当者に提供します。次の表に、廃止が計画されている機能、およびそれらが削除されるリリースのスケジュールを示します。
意味の説明
「非推奨」は、Oracle CPQの将来の更新で機能の削除が計画されていることを意味します(次の表の「サポート終了」列を参照)。この機能は、既存のユーザーに対してはその時点まで引き続き機能しますが、機能や文書は拡張されません。削除後は、その機能がサポートされなくなり、機能しなくなります。
Oracle CPQの機能 |
非推奨の発表 |
サポート終了と削除 |
説明 |
WebMethods接続方式 |
24B | 24D |
リアルタイム統合のためのWebMethods接続方式が非推奨になります。現在WebMethods接続を使用している場合、管理者はHTTP POST続後方式への移行を計画することをお薦めします。この機能は、Oracle CPQ 24Dで終了して削除されます。 |
カスタムJavaScriptおよびCSS
Oracle CPQではカスタマイズしたJavaScriptの使用は公認または保証されていませんが、Oracle CPQを拡張しているお客様を確認しております。カスタマイズがOracle CPQプラットフォームの新機能と競合したり、データが破損または失われたり、メンテナンスやサポートが困難になったりする場合があります。また、ブラウザをまたぐサポートの検証やアップグレードごとにテストが必要になったり、パフォーマンスが低下したりする可能性があります。関連するリスクを考慮したうえで、JavaScriptカスタマイズの利点を適切に評価してください。
文書オブジェクト・モデル(DOM)構造または特定の要素、クラスまたはIDを操作するのではなく、CPQJS APIを使用することをお薦めします。
文書オブジェクト・モデル(DOM)の構造または特定の要素、クラスまたはIDを使用するカスタムJavaScriptを追加した場合、このカスタマイズには徹底的なテストに加え、場合によってはリファクタリングが必要になります。
Oracle CPQ 23A以降では、JET v12.1.0がサポートされています。次の点に注意してください。
- Select Oneコンポーネント(<oj-select-one>)が非推奨になり、Select Single (<oj-select-single>)で置き換えられました。この変更の影響を受けるのは、「お気に入りリスト」および「詳細」ページ、コマース分析グラフおよび単一選択メニュー(SSM)です。
- データ表のセル・タグ(<td>)がある標準JET表では、IDプロパティの構文が更新されてヘッダー・プロパティが削除されています。次に例を示します:
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JET v12.1.0の構文: <td class="oj-table-data-cell oj-form-control-inherit" id="mandatoryModels-table:48_0">Recommended Model 1</td>
- JET v10.0.0の構文: <td class="oj-table-data-cell oj-form-control-inherit" id="mandatoryModels-table:modelName_48" headers="mandatoryModels-table:modelName">Recommended Model 1</td>
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- 構成配列セットの読取り専用セルについては、.oj-table-data-cell.oj -hoverスタイルがbackground-color: #f2f2f3;からlinear-gradiant (rbg(242, 242, 243), rgb(242, 242, 243))に更新されました。
- 単純リストUIおよび構成BOMのパネルの列選択を変更する際にオプション・リストを表示するには、列の上にカーソルを置く必要があります。この変更は、推奨品目リスト、資産リスト、パフォーマンス・ログおよび適格ルールに影響します。
- データ表で、表のセルをクリックすると、表のセルの現在の値が選択されます(表のセルのすべての内容が強調表示されます)。入力を開始すると、新しく入力した内容で、強調表示された内容が置き換えられます。
- コマース・レイアウト・エディタでは、該当するフィールドが表示されなくなった後もツールチップは表示されたままになります。
- 必須属性のエラー・メッセージ・テキストが「値の入力」から「値の選択」に変更されています。
-
営業ユーザーが日付属性を編集する際には、日付ピッカー・ツールが自動的に開きません。値を入力するか、日付ピッカー・アイコンをクリックして値を選択する必要があります。モバイル・デバイスでは、日付ピッカー・アイコンを選択して値を選択する必要があります。
重要: JETウィジェットCSSは、「.oj」で始まるクラスを持つ要素に適用されます。Oracle JETでは、これをネームスペースとして予約しています。「.oj」を含むカスタマイズされた要素はすべて、確認、テスト、およびリファクタする必要があります。将来の問題を回避するために、今後はカスタマイズした要素に「.oj」を含めないでください。
Oracle CPQ 22Cでは、jQueryが3.6.0にアップグレードされました。以前のバージョンのjQueryを使用しているお客様は、アップグレードして、お客様のJavaScriptのカスタマイズをテストする必要があります。
詳細は、次のリソースを参照してください。
- Oracle CPQ管理オンライン・ヘルプ→スタイルおよびテンプレート→JET UIのJavaScriptカスタマイズ
- Oracle CPQ JETの構成およびトランザクションUI: 既存のJavaScriptカスタマイズのリファクタリング(ドキュメントID 2490016.1)
- JavaScript Extension ToolkitおよびJET v12.1.0リリース・ノート
移行
「ソースからインポート」または「宛先に接続」を使用してコンテンツを移行する場合、両方のサイトで同じメジャー更新を使用する必要があります。コンテンツの移行は、同じメジャー更新内のマイナー更新間でのみ実行できます。
- 「メジャー更新」 = 更新24C
- 「マイナー更新」 = 更新24Cパッチ1
移行パッケージを使用する場合、19A以降のコンテンツを最新のサイト・バージョンにアップロードできます。
解決済の既知の問題
更新24Cで修正されたバグの詳細は、My Oracle SupportおよびOracle CPQ管理のオンライン・ヘルプでOracle CPQ 24C解決済の既知の問題に関するドキュメントを参照してください。
翻訳
Oracle CPQ 24Cでは、システム定義の一部のメッセージとコンポ―ネントに対し、文字列が一部削除され、別の文字列が加えられました。システム定義の文字列で独自の実装固有の翻訳を作成した場合、一部の文字列は表示されなくなります。その他の文字列は英語で表示されるようになります。新たに英語で表示される文字列は翻訳する必要があります。
これらの大半のメッセージとコンポーネントはOracle CPQの管理側にあります。ただし、更新インストールをデプロイする前に、エンド・ユーザーと管理ページの両方をレビューして、すべての文字列が指定の言語で表示されていることを確認する必要があります。
翻訳ステータス
Oracle CPQでは、シングルおよびマルチバイトの両方の文字セットの利用をサポートしています。ご利用のサイトで新しい言語を有効化するには、My Oracle Supportでサービス要求を発行してください。
次の言語については、プラットフォームとリファレンス・アプリケーションの両方で、Oracle CPQのユーザー・インタフェース上での翻訳を利用できます。
- 中国語(簡体字) [中国]
- 中国語(繁体字) [台湾]
- チェコ語[チェコ共和国]
- デンマーク語[デンマーク]
- オランダ語[オランダ]
- 英語
- フィンランド語[フィンランド]
- フランス語
- フランス語[カナダ]
- ドイツ語
- ハンガリー語[ハンガリー]
- イタリア語
- 日本語[日本]
- 韓国語[韓国]
- ノルウェー語(ボークモール語) [ノルウェー]
- ポーランド語[ポーランド]
- ポルトガル語[ブラジル]
- ルーマニア語[ルーマニア]
- ロシア語[ロシア]
- スペイン語(全世界)
- スウェーデン語[スウェーデン]
- トルコ語[トルコ]
アップグレード後の考慮事項
本番環境にアップグレードする前に、Oracle CPQ 24Cのすべてのテスト・インスタンスをアップグレードしてテストします。
お客様のアップグレード・テスト
スケジュールされた本番アップグレードの前に、非本番環境に適用された新しいバージョンをお客様が積極的にテストしてください。少なくとも、営業ユーザーが実行する一般的なアクションを使用して、トランザクションのライフサイクルをお客様がテストしてください。これらには、トランザクションの開始、新規構成、既存の構成の再構成、部品検索、割引、印刷、改訂および承認が含まれますが、これらに限定されません。統合ポイントもテストする必要があります。新機能を確認すると、集中的なテストが必要な領域が明らかになる場合があるため、新機能の確認をお薦めします。
環境に加えられたカスタマイズ(特にJavaScriptやサポート対象外の統合)もお客様がテストする必要があります。アップグレード後に発生する問題の原因で最も多いのは、カスタムJavaScriptです。カスタムJavaScriptおよびサポート対象外の統合は、Oracleサポートまたは開発部門ではサポートされません。特に、アップグレードによってDOMが変更される場合があるため、お客様のJavaScriptおよびCSSの使用に影響を与える可能性があります。
Oracle CPQではカスタマイズしたJavaScriptの使用は公認または保証されていませんが、クリティカルなユース・ケースをサポートするためにOracle CPQを拡張しているお客様を確認しております。JavaScript API (CPQJS)には、JET構成およびJETトランザクションUIの属性、処理およびその他の要素にアクセスするためのメソッドが含まれています。関連するリスクを考慮したうえで、JavaScriptカスタマイズの利点を適切に評価してください。カスタマイズがOracle CPQプラットフォームの新機能と競合したり、データが破損または失われたり、メンテナンスやサポートが困難になったりする場合があります。また、ブラウザをまたぐサポートの検証やアップグレードごとにテストが必要になったり、パフォーマンスが低下したりする可能性があります。
Oracle CPQでは、リリース・サイクルの一環として、広範なテストを実施しています。そのため、お客様のテスト計画では、構成属性の追加などの一般的なタスクではなく、お客様固有のユース・ケースを集中的にテストしてください。
早期テストおよびコホート・スケジュールの更新
24C更新コホートの早期テスト期間をお客様がご利用になることをお薦めします。そうすれば、1つ以上の本番前環境を更新し、カスタマイズとユース・ケースをテストして、必要な調整をするための時間を確保できます。次の表に、Oracle CPQ更新24Cのスケジュールの概要を示します。お客様が属する更新コホートがはっきりしない場合は、My Oracle Supportにサービス要求(SR)を送信してください。
コホート |
更新の早期テスト |
本番前の更新 |
本番の更新 |
A |
7月5日および6日 |
8月2日および3日 |
8月16日および17日 |
B |
7月5日および6日 8月2日および3日 |
9月6日および7日 |
9月20日および21日 |
C |
8月2日および3日 9月6日および7日 |
10月4日および5日 |
10月18日および19日 |
Oracle CPQは、Oracle SaaSのコホート更新ポリシーおよびスケジュールに従います。四半期更新はスキップできません。更新スケジュールをビジネス・プランとプロジェクト・プランに統合する必要があります。お客様がMy Oracle SupportでSRを送信して、早期テストにオプトインする必要があります。早期テストに永続的にオプトインするように選択できますが、同じ早期テスト・サイトと実行ケイデンスを維持する必要があります。
お客様がMy Oracle SupportでSRを送信して、標準の本番スケジュールの本番環境とともにいくつかの本番前環境をアップグレードするように要求できます。四半期ごとにSRを送信する必要がないように、本番環境とともに同じサイトを永続的にアップグレードするように要求できます。
アップグレード後の問題
アップグレード後のお客様に問題が発生した場合は、アップグレードが非本番アップグレードか本番アップグレードかに応じて、2つの異なるプロセスがあります。
非本番アップグレード後の問題
- My Oracle Supportでサービス要求(SR)を登録します。
- サービス要求がカスタマ・サポートによって取得され、連絡先(POC)に割り当てられます。
- このサービス要求は、標準のカスタマ・サポート・サービス要求として扱われます。
ノート: 場合によっては、カスタマ・サポートのサービス要求をオープンせずにお客様の管理者が問題を解決できる場合があります。
本番アップグレード後の問題
- ほとんどの場合、本番アップグレードはスムーズに進行し、アップグレードが完了するとアップグレード・サービス要求がクローズされます。
- 非本番アップグレード後に特定されなかったクリティカルな問題が本番アップグレード後に発生した場合は、「重大度1」のサービス要求をお客様がオープンしてください。本番サイトのダウン、100%のユーザーの見積不可、またはその他売上に影響するビジネス上のクリティカルな問題は、アップグレード後のクリティカルな問題と見なされます。
- 「重大度1」のサービス要求が作成されると、オンコール・チームに通知されます。
- オンコール・チームのメンバーは、解決のためにサービス要求に対応します。
- オンコール・チームのメンバーは、必要に応じてアップグレード後検証を実行したOracleアップグレード・スペシャリストに連絡します。
ブラウザ・サポート
Oracle CPQは、Oracle Software Webブラウザ・サポート・ポリシーの基準を満たすすべてのブラウザ・バージョンをサポートしています。
サポートされているブラウザ・バージョンの使用時に問題が生じた場合は、My Oracle Supportでチケットをオープンして問題を解決してください。サポートされているブラウザの使用時に問題が生じた場合は、修正プログラムが配信されるまで認定ブラウザ・バージョンを使用してください。認定ブラウザは現在の市場シェアに基づいて選択され、現在のバージョンの標準機能で動作するように徹底的にテストされています。
認定ブラウザ
Windows
- Google Chrome 122.x
- Mozilla Firefox 125.x
- Microsoft Edge 124.x
モバイル・デバイス
- Apple iPad iOS 17.x、Safariブラウザ
- Apple iPhone iOS 17.x、Safariブラウザ
重要: 追加のJavaScript、代替CSS、または他のカスタム機能を使用してサイトが作成されている場合は、選択されたブラウザとの互換性の問題が存在する可能性があります。カスタマイズはアドオンの作業が必要な場合があります。利用できる回避策と細かい修正を判断するためには、My Oracle Supportに連絡してください。
Salesforce統合サポート
Oracleでは、Oracle CPQ Connector for Salesforceのバージョン8.xを公式にサポートしています。
研修
現在使用中のバージョンとこれからアップグレードするバージョンまでのすべてのバージョンの、すべての新機能、解決済の既知の問題、および機能的な既知の問題を確認するために、リリース・ドキュメントを参照してください。
Oracle CPQ 24Cで導入された新機能を理解するには、Oracle CPQ管理のオンライン・ヘルプを参照してください。その他のヘルプについては、My Oracle Supportを参照してください。
このソフトウェアでサポートされている、このドキュメントに明確に記載されていない情報については、Oracle CPQ 24Cの製品ヘルプを確認してください。
追加情報
Oracle CPQの詳細は、Oracle CPQドキュメントのサイトを参照してください。
免責事項
このドキュメントの詳細は、高度な情報提供の目的でのみ使用され、仕様としてまたはオンライン・ヘルプの代用として使用することを目的としていません。後続リリースにアップグレードする際に、コマース・プロセス、構成またはグローバル機能設定の再デプロイメントが必要な場合があります。統合XSLファイルまたはAPIの変更も必要な場合があります。