レートベースの給与ベース・タイプの概要
Oracle Fusion Cloud Global Payrollのレート・エンジン上に作成された新しいレートベースの給与ベース・タイプを使用して、個人給与を保守できるようになりました。
レートベースの給与ベースのアーキテクチャ
新しい給与ベース・タイプでは、周期や通貨などの独自の特性を持つ個別のレート・コンポーネントを保守できます。
- エレメント・レートには、ユーザー入力または固定の係数または金額を設定できます。
- 昇格等級ラダー・ベースのレート定義では、昇格等級ラダーに定義された等級レートまたはステップ・レートからレート値が導出されます。
- 導出レートは、他のレートを加算または減算するか、他のレートに係数を乗算して計算されます。
- 基準別の値レートでは、基準に基づいてレート値を特定できます。
各レート・コンポーネントは、総合給与に加算または減算することも、完全に独立させることもできます。
レート定義の様々なカテゴリを使用するレート・ベースの給与ベース・タイプ
順序列によって、給与変更ページにコンポーネントが表示される順序が決まります。
レートを使用する給与ベースが設定された個人の給与詳細の簡単な例を次に示します。
- 基本給、入力可能
- 住宅手当は基本給の50%として計算
- 等級ベースの手当は、IC1の場合は$100、IC2の場合は$200、その他の等級の場合は$10として計算
- 総合給与は前述のコンポーネントの合計として計算
レートベースの給与ベースを使用した給与の変更トランザクション
この機能では、給与オファーとまったく同じ方法で柔軟に給与を保守することで、運用コストを削減できます。
有効化のステップ
- 適切な給与エレメントを作成します。
- 基準ごとに適切な値定義を作成します。
- 適切なレート定義を作成します。
- 適切な給与ベースを作成します。
- レートベースの給与ベースを適切な就業者給与に関連付けます。
ヒントと考慮事項
- 周期や通貨など、給与ベースの特定の属性は、総合給与のレート定義に添付されたエレメントに基づいて導出されます。
- エレメント・レート・コンポーネントには、給与提示で給与ベースを初めて使用するときに適用されるデフォルト値を設定できます。
- 1つのエレメントは1つのレートのみにリンクし、1つのレートは1つの給与ベースのみにリンクしてください。そうしないと、ある給与ベースから別の給与ベースに個人が移動したときに問題が発生する可能性があります。
- CMP_ASG_SALARY_RATE_COMPTS_Vデータベース・ビューには、レートベースの給与値の詳細が保持されます。
- 「給与履歴」処理を使用して、レートベースの給与ベース・タイプの給与を表示または管理することはできません。また、レート・ベースの給与タイプが設定された個人を他のタイプの給与ベースに移動することはできません。
- 「基準別の値」のレート定義を使用するための、提供されているデータベース・アイテムの特別なセットを使用して、従業員の採用といったフローの提示データを検出します。これらのデータベース・アイテムを「基準別の値」の定義で使用する際には、フローの提示属性でレート値を計算できます。
データベース・アイテムの特別なセット
属性名 |
データベース・アイテム名 |
コメント |
等級 |
PER_ASG_GRADE_NAME |
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ビジネス・ユニット |
PER_ASG_BUSINESS_UNIT_ID |
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PER_ASG_BUSINESS_UNIT_NAME |
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事業所 |
PER_ASG_LOCATION_NAME |
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雇用主 |
PER_ASG_ORG_LEGAL_EMPLOYER_NAME |
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部門 |
PER_ASG_ORG_DEPARTMENT_NAME |
|
就業者カテゴリ |
PER_ASG_EMPLOYEE_CATEGORY |
|
PER_ASG_EMPLOYEE_CATEGORY_MEANING |
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PER_ASG_EMPLOYMENT_CATEGORY |
||
PER_ASG_EMPLOYMENT_CATEGORY_MEANING |
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ロール |
PER_EXT_PER_ROLE_ABSTRACT_ROLE |
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PER_EXT_PER_ROLE_DATA_ROLE |
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PER_EXT_PER_ROLE_JOB_ROLE |
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PER_EXT_PER_ROLE_NAME |
||
勤続期間(年功) |
PER_ASG_REL_LENGTH_OF_SERVICE |
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PER_ASG_REL_ADJUSTED_SVC_DATE |
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雇用主レベル年功日 |
PER_ASG_REL_ADJUSTED_SVC_DATE。 |
雇用主の年功日(関係年功日)を返します。 |
企業年功起算日 |
PAYROLL_INTERFACE_ORIGINAL_DATE_OF_HIRE |
雇用主に関係なく、最初の元の採用日を返します。 |
雇用主レベル採用日 |
PER_ASG_REL_ORIGINAL_DATE_OF_HIRE |
関係元の採用日を返します。 |
企業採用日 |
PER_PERSON_ENTERPRISE_HIRE_DATE |
最早関係開始日を返します。これは、雇用主に関係のない最初の採用日です。 |
子扶養家族数 |
PER_PER_CONTACT_DEPEN_CHILD_COUNT |
|
PER_PER_CONTACT_DEPEN_CHILD_COUNT_LOC |
||
子供の年齢 |
PER_PER_DEPENDENT_UNDER_AGE. |
特定の年齢未満の子供。子は、「子」連絡先タイプおよび法定扶養家族オプションの選択内容によって定義されています。 |
PER_PER_DEPENDENT_AGE_BETWEEN。 |
定義された2つの年齢の間の子。子は、「子」連絡先タイプおよび法定扶養家族オプションの選択内容によって定義されています。 |
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抽出連絡先タイプ |
PER_EXT_CONT_CONTACT_TYPE |
|
抽出連絡先国名 |
PER_EXT_CONT_COUNTRY_NAME |
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アサイメント番号 |
PER_ASG_ASSIGNMENT_NUMBER |
|
アサイメントID |
PER_ASG_ASSIGNMENT_ID |
|
アサイメント開始日 |
PER_ASG_EFFECTIVE_START_DATE |
|
採用日 |
PER_PERSON_ENTERPRISE_HIRE_DATE |
|
ジョブ |
PER_ASG_JOB_ID |
|
PER_ASG_JOB_NAME |
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ジョブ・コード |
PER_ASG_JOB_CODE |
|
ジョブ・ファミリ |
PER_JOB_FAMILY_ID |
|
PER_JOB_FAMILY_NAME |
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ビジネス・ユニット |
PER_ASG_BUSINESS_UNIT_ID |
|
PER_ASG_BUSINESS_UNIT_NAME |
||
事業所 |
PER_ASG_LOCATION_ID |
|
PER_ASG_LOCATION_NAME |
||
部門 |
PER_ASG_DEPARTMENT_ID |
|
PER_ASG_ORG_DEPARTMENT_NAME |
||
法的エンティティ |
PER_ASG_LEGAL_ENTITY_ID |
|
雇用主 |
PER_ASG_ORG_LEGAL_EMPLOYER_NAME |
|
標準勤務時間数 |
PER_ASG_NORMAL_HOURS |
|
アサイメント・カテゴリ |
PER_ASG_EMPLOYEE_CATEGORY |
|
PER_ASG_EMPLOYMENT_CATEGORY |
||
雇用主 |
PER_ASG_ORG_LEGAL_EMPLOYER_NAME |
|
アサイメント・フレックス |
PER_ASG_DF |
付加フレックスフィールド。 |
等級フレックス |
PER_GRADES_DF |
付加フレックスフィールド。 |
等級コード |
PER_ASG_GRADE_CODE |
|
等級 |
PER_ASG_GRADE_ID |
|
PER_ASG_GRADE_NAME |
||
等級ラダー |
PER_ASG_GRADE_LADDER_PGM_ID |
|
等級ステップ |
PER_ASG_GRADE_STEP_ID |
|
PER_GRADE_STEP_NAME |
||
事業所フレックス |
PER_LOCATIONS_DF |
付加フレックスフィールド。 |
給与ベース |
CMP_ASSIGNMENT_SALARY_BASIS_NAME |
雇用セクションと給与セクションの両方が含まれるフローでのみ機能します。スタンドアロンの「給与の変更」フローでは機能しません |
処理 |
PER_ASG_ACTION_CODE |
|
事由 |
PER_ASG_ACTION_REASON_CODE |
ユーザー・エンティティおよびデータベース・アイテムの詳細
HCM抽出の作成時に、次のユーザー・エンティティを使用できます:
ベース・ユーザー・エンティティ名および名前 |
詳細 |
---|---|
ORA_CMP_ASSIGNMENT_SALARY_RATES_UE アサイメント給与レート・データ |
指定した日付のすべてのレート・ベースの給与コンポーネント。 |
ORA_CMP_ASSIGNMENT_SALARY_RATES_RGE_UE 日付範囲に対するアサイメント給与レート・データ |
指定した日付範囲内のすべてのレート・ベースの給与コンポーネント。 |
Formula関数
関数名 |
摘要 |
パラメータ |
---|---|---|
GET_SALARY_RATE_DATA |
アサイメントの特定のベース・レートに関するレート額を取得する機能。 |
|
設定に対する変更
レート・ベースの給与ベースを就業者に割り当てる際には、レート定義に次のような侵入的な変更を加えることはできません。
- 給与ベースのレートの追加または削除
- レート定義の終了日の設定
- 寄与レートの追加または削除または変更
かわりに次を実行してください
- 新しいレート・コンポーネント構成を設定して、他のレート定義または別の給与ベースを作成します。
- 変更日の時点で有効になる新しい給与ベースを就業者に割り当てます。
- 古い給与ベースが使用されないように非アクティブ化します。
制限事項
- 退職: 現在は、レート・ベースの給与が設定された就業者が退職すると、退職ルールに基づいて、対応するすべてのエレメント・エントリに終了日が設定されます。ただし、給与レコードには終了日が設定されません。この状況では、レート値が計算されません。給与に手動で終了日を設定する必要があります。
- レート・ベースの給与の別のタイプへの移行: 就業者にレート・ベースの給与ベースを設定した後は、ユーザーによる決定、増分コンポーネントまたは標準コンポーネントの給与ベースに給与を変更できません。アサイメントのすべてのレート・ベース給与を削除し、別のタイプの給与ベースを使用して別の給与を作成できます。
- HCMデータ・ローダーを使用した給与ベースの訂正: 就業者にレート・ベースの給与ベースを設定した後は、その就業者の給与を別の給与ベースで訂正できません。給与を削除し、新しい給与ベースを使用して給与を再度作成する必要があります。最新の給与のみを削除できます。
- HCMデータ・ローダーを使用した給与ベースの更新: 給与を別のレートベースの給与ベースで更新する場合、古い給与ベースのプライマリ・レートに属するエレメント・エントリには終了日が設定されません。HCMデータ・ローダーおよびエレメント・エントリ・オブジェクトを使用して、影響を受けるエレメント・エントリの終了日を更新してください。
- 遡及給与の挿入: 既存のレート・ベースの給与の間のレート・ベースの給与は、アプリケーションから作成できますが、HCMデータ・ローダーは使用できません。
- 雇用主の一括変更: 特定のシナリオでは、雇用主の一括変更中に、給与プロセスにより給与が異動先雇用主にコピーされます。レート・ベースの給与ベースには、エレメント・レートを含めることができます。一括変更プロセス中にエレメント・エントリもコピーするように選択すると、給与(payroll)プロセスでエレメント・エントリをコピーしようとするため、給与(salary)の作成でエラーが発生する場合があります。このシナリオを回避するために、一括変更プロセスの送信時に、レート・エレメントを除外するエレメント・グループを定義できます。これにより、給与(salary)プロセスではエレメント・エントリが確実にコピーされますが、給与(payroll)プロセスではコピーされません。
- オファーおよび処理待ち就業者フローの計算日: アサイメント有効開始日を使用して取得されて計算が実行されたデータです。これは、グローバルHRおよび他のセクションが次のフローで従う動作です: 提示開始日が先日付の場合、アサイメント有効開始日はオファー作成日と同じです。ただし、提示開始日が過去の場合、アサイメント有効開始日は提案開始日と同じです。