HCM Redwoodアプリケーションのフィールド値のデフォルト設定および検証

人事管理(HCM)のRedwoodアプリケーションでは、ビジネス・ルールのさらに多くのページでオートコンプリート機能がサポートされるようになりました。Redwoodページのページ、リージョンおよびフィールドの定義済リストに対して、ビジネス・ルールにデフォルト設定および検証ルール(警告およびエラー)を記述することで、ユーザーのエクスペリエンスを強化できます:

  • グローバル人事管理
    • ジョブ
    • ポジション
  • 報酬
    • 給与の変更
  • タレント管理
    • タレント・レビューおよび後任管理

ノート: このリリースでは、前述のRedwoodページのみが新しくサポートされています。

用語集

Redwoodページの新しいオートコンプリート機能の使用を開始する前に、理解しておく必要がある用語を次に示します

  • オートコンプリート: フィールド値をデフォルト設定および検証する機能を示す一般的な用語。これは製品に依存しません。
  • オートコンプリートのルール: レスポンシブ・ページのフィールド値をデフォルト設定および検証するために使用されるHCMエクスペリエンス設計スタジオの機能。オートコンプリートのルールはオブジェクトベースです。
  • ビジネス・ルール: フィールド値のデフォルト設定や検証など、Redwoodページのパーソナライズに使用するVB Studioのエクスプレス・モードの機能(24Bの新機能)。ビジネス・ルールはページベースです。
  • 初期フィールド値およびフィールド値
    • 初期フィールド値: データベースに格納されているフィールド値。1つのトランザクションに対して初期フィールド値は変わりません。
      • リージョンで使用可能な場合は、同じ名前の階層の下にリストされます。
      • 初期フィールド値はページおよびリージョン固有です。たとえば、雇用詳細の変更および訂正プロセスでは、アサイメント属性には初期フィールド値を使用できますが、給与属性には使用できません。
    • フィールド値は、ページにキャッシュされた値で、ルールまたはユーザーによってすでに変更されている可能性があります。
    • 初期フィールド値とフィールド値は、条件とルールのロジックで使用できます。
    • 初期フィールド値とフィールド値は、オートコンプリートのルールの古い値と新しい値に対応しています。

条件のフィールド値(1)および初期フィールド値(2)

条件のフィールド値(1)および初期フィールド値(2)

たとえば、人事担当者が、従業員の勤務時間を40時間から20時間に減らしたとします。この場合、

  • 初期フィールド値は40です
  • フィールド値は20です

ビジネス・ルールの値のデフォルト設定および検証の例

通常は、次の場合にデフォルト設定および検証機能を使用できます:

  • ジョブ
    • デフォルト設定
      • 「フルタイムまたはパートタイム」フィールドの値を「パートタイム」にデフォルト設定します
      • 選択した管理レベルに基づいてジョブ・レベルをデフォルト設定します
    • 検証
      • ジョブ名に特殊文字が含まれていないことを検証します
      • 最初の3文字はアルファベット、最後の3文字は数字で、特殊文字が含まれていない6文字が職務コードに格納されていることを検証します。
  • ポジション
    • デフォルト設定
      • アサイメント・カテゴリをデフォルト設定します
      • ポジション付加フレックスフィールド(DFF)に基づいて事業所をデフォルト設定します
    • 検証
      • ポジション名にジョブ名および部門名が含まれていることを検証します
      • 標準勤務時間が375または40でないことを検証します
  • 給与の変更
    • デフォルト設定
      • ライン・マネージャが給与変更を提示するときに、従業員の雇用主に基づいて提示給与ベースをデフォルト設定します。
      • ライン・マネージャが給与変更を提示するときに、有効日を現在の日付に、次回の給与レビュー日を有効日の1年後にデフォルト設定します。
    • 検証
      • ユーザーが遡及給与変更を入力できないようにします
      • 給与の変更が月の初日に実行される必要があります
      • 給与額が最小値を超える必要があります
  • タレント・レビューおよび後任管理
    • デフォルト設定
      • 後任プランを公開プランにデフォルト設定します
      • 後任プランを追加する際にフレックスフィールドをデフォルト設定します
    • 検証
      • 後任プランの「候補者ランキング」フィールドを検証します
      • 「タレント・レビュー 会議ステータス」フィールドを検証します

検証ルールとデフォルト設定ルールは相互に排他的ではなく、同じフィールドに両方を使用して、データ品質と一貫性を確保しながらユーザー・エクスペリエンスを向上できます。同様に、日付をデフォルト設定してフィールドを読取り専用にするなど、デフォルト設定ルールと、フィールドとリージョンの表示を制御するルールを組み合せることもできます。

ノート: 「主なリソース」の項のVB StudioおよびHCMのドキュメントを参照してください。

デフォルト設定および検証機能へのアクセス

次のセクションのビジネス・ルールで、2つの新機能を使用できます:

  • フィールド値をデフォルト設定する「フィールドとリージョンの構成」
  • フィールド値の検証

フィールド値のデフォルト設定および検証

フィールド値のデフォルト設定および検証

フィールドを使用した、条件やルール・ロジック、あるいはその両方のオーサリング

リージョンに対する初期フィールド値が有効な場合に、それらを含むフィールドをビジネス・ルールの様々な場所で使用できます:

  • 条件
  • ルール・ロジックを記述したり、フィールド値をデフォルト設定したり、その両方をする単純式または拡張式

ノート: 条件で使用できるフィールド、単純式および拡張式は、そのページで使用可能なフィールドおよび直接属性、およびリージョンおよびフィールド・セクションにリストされているフィールドに限定されています。

サポートされるフィールドと属性、およびサポートされないフィールドと属性

サポートされるフィールドと属性、およびサポートされないフィールドと属性

条件、単純式、拡張式およびJavaScript (JS)の使用

条件ビルダーを使用して単純なルールの作成から始めて、デフォルト設定や検証ルールをトリガーする時期を定義することをお薦めします。

単純式を使用して、別のフィールド値で値をデフォルト設定したり、値をフィールドに割り当てる前にデータを変換します。

次の場合は、拡張式を条件に使用します:

  • 条件で使用可能な演算子は、ルール・ロジックを記述するのに十分ではありません。
  • データを変換する必要があります。拡張式でのJSの使用は、サブ文字列や日などのデータ変換に厳密に制限されることに注意してください。

拡張可能フレックスフィールドの使用

「追加アサイメント情報」および「追加個人情報」のそれぞれのビジネス・ルール・ページに、すべてのコンテキスト・コードが表示されるわけではありません。すべてのコンテキスト・コードを表示するには、「拡張可能フレックスフィールドの管理」ページを使用して、EFFごとにリフレッシュしてオフラインでデプロイする必要があります。

「拡張可能フレックスフィールドの管理」ページ

「拡張可能フレックスフィールドの管理」ページ

サポートされるフィールドおよび実装ガイドライン(ページ別)

ジョブ

この表は、ジョブに対してサポートされている属性、例外および実装に関する推奨事項を示しています。

これは、「自分のクライアント・グループ」タブの「ジョブ」ページに適用されます。

  条件内 フィールド値のデフォルト設定 フィールド値の検証 実装ガイドライン
ジョブ: フローの追加、複製および更新  
  • ユーザー・ロール
  • フルタイムまたはパートタイム
  • マネージャ・レベル
  • レベル
  • 正社員または臨時
  • ジョブ付加フレックスフィールド
  • ジョブ・ファミリID
  • ジョブ名
  • ジョブ・コード
  • ジョブ機能コード
  • レベル
  • ジョブ付加フレックスフィールド
 

ポジション

この表は、ポジションに対してサポートされている属性、例外および実装に関する推奨事項を示しています。

これは、「自分のクライアント・グループ」タブの「ポジション」ページに適用されます。

  条件内 フィールド値のデフォルト設定 フィールド値の検証 実装ガイドライン
ポジション: フローの追加、複製および更新  
  • ユーザー・ロール
  • BargainingUnitCode
  • 予算通貨コード
  • BudgetedPositionFlag
  • ビジネス・ユニットID
  • 部門ID
  • FullPartTime
  • HiringStatus
  • ジョブID
  • 事業所ID
  • OverlapAllowedFlag
  • ポジションDFF
  • PositionType
  • ProbationPeriod
  • ProbationPeriodUnitCode
  • 正社員または臨時
  • 求人テンプレートID
  • 組合ID
  • ActionReasonId
  • PositionName
  • PositionCode
  • JobName
  • DepartmentName
  • LocationName
  • PositionsDFF
  • RequisitionTemplateId
  • AssignmentCategory
  • FullPartTime
  • RegularTemporary
  • ステータス
  • BusinessUnitId
  • StandardWorkingHours
  • Type
  • WorkingHours
  • EffectiveStartDate
  • BargainingUnitId
  • CollectiveAgreementId
  • UnionId
  • HiringStatus
  • ParentPositionCustomField
  • FTE
  • コスト・センターID
  • ヘッドカウント
  • StartTime
  • OverlapAllowedFlag

在職者のアサイメント・データまたは労働協約データを参照するルールは、現在サポートされていません。

給与の変更

この表は、「給与の変更」に対してサポートされている属性、例外および実装に関する推奨事項を示しています。

これは、「自分のチーム」タブおよび「自分のクライアント・グループ」タブからアクセスするライン・マネージャの「給与の変更」ページおよび管理者の「給与の変更」ページにそれぞれ適用されます。

条件内 フィールド値のデフォルト設定 フィールド値の検証 実装ガイドライン

次のようなアサイメント属性

  • アサイメント・ステータス

  • 交渉団体

  • ビジネス・ユニット

  • 勤務時間周期

  • 時給または固定給

  • 雇用主

  • 次の給与開始日

  • 給与開始日

  • プライマリ雇用関係

  • 退職日

  • USジョブ情報超過勤務ステータス

  • 勤務時間

  • ジョブ

  • ジョブ・コード

  • ジョブ機能

  • ジョブ・ファミリ

  • ポジション

  • ポジション・コード

  • ポジション予算値

  • ポジション標準勤務時間

  • 等級ラダー

  • 等級

  • 等級コード

  • 部門

  • 部門コード

  • 事業所

  • FTE

追加アサイメント情報セグメント

  • 提示給与ベース
  • 給与額
  • 次回給与レビュー日
  • 提示給与ベース  
  • 給与額
  • 調整額
  • 調整率
  • 次回給与レビュー日
  • 拡張式を使用したレート・コンポーネント値
  • オートコンプリートのルールのエラー検証
  • 給与フィールドの初期フィールド値はサポートされていません
  • ユーザーが決定するタイプのみに対して、給与額をデフォルト設定できます

タレント・レビューおよび後任管理

この表は、「タレント・レビューおよび後任管理」に対してサポートされている属性、例外および実装に関する推奨事項を示しています。

これは、「自分のクライアント・グループ」タブのページに適用されます。

  条件内 フィールド値のデフォルト設定 フィールド値の検証 実装ガイドライン

後任プランの追加

ユーザー・ロール

SuccessionPlanCandidates

  • ランキング
  • 候補者の準備コード
  • 暫定後任者
  • CandidateStatusCode

SuccessionPlanOwners

  • enableAlert
  • OwnerTypeCode

talentSuccessionPlans

  • 非公開
  • ビジネス・ユニットID
  • DepartmentID
  • 等級ID
  • 在職者Person ID
  • ジョブID
  • PlanTypeCode
  • ポジションID
  • ステータス・コード
   

「フィールドおよびリージョンの構成」で、「値」プロパティを使用できるのは、デフォルト設定可能なフィールドのみです。

後任プランの編集

ユーザー・ロール

SuccessionPlanCandidates

  • ランキング
  • 候補者の準備コード
  • 暫定後任者
  • CandidateStatusCode

SuccessionPlanOwners

  • enableAlert
  • OwnerTypeCode

talentSuccessionPlans

  • 非公開
  • ビジネス・ユニットID
  • DepartmentID
  • 等級ID
  • 在職者Person ID
  • ジョブID
  • PlanTypeCode
  • ポジションID
  • ステータス・コード
   

「フィールドおよびリージョンの構成」で、「値」プロパティを使用できるのは、デフォルト設定可能なフィールドのみです。

タレント・レビュー構成

ユーザー・ロール

会議

  • ビジネス・リーダーIDダッシュボード・テンプレートID
  • 会議日付
  • 会議目的
  • 会議ステータス
  • 組織
  • 評点送信期限
  • タレント・レビュー会議
  • タレント・レビュー会議DFF

レビュー内容

  • データ妥当性コード
  • マトリックス・マネージャを含める
  • 質問リストID
  • ポテンシャル・アセスメントの使用
  • 前の評点開始日
  • 前の評点終了日

テンプレート

  • 名前
  • ダッシュボード・テンプレートID
  • CreatedBy
  • CreationDate
  • IncludeMatrixMgmt
  • IncludeSuccessionPlans
  • IncludeTalentPools
  • LastUpdateDate
  • LastUpdatedBy
  • OwnerId
  • PopulationSizeForESS
  • QuestionnaireId
  • TemplateStatusCodeInUse

ビジネス・リーダー・アサイメント

  • AssignmentId
  • PersonId
  • BusinessTitle
  • EffectiveLatestChange
  • BusinessUnitId
  • AssignmentType
  • UserPersonTypeId
  • ProposedUserPersonTypeId
  • PrimaryFlag
  • PrimaryAssignmentFlag
  • PrimaryWorkRelationshipFlag
  • PositionId
  • JobId
  • GradeId
  • DepartmentId
  • ReportingEstablishmentId
  • LocationId
  • FullPartTime
  • ManagerFlag
  • CreatedBy
  • CreationDate
  • LastUpdatedBy
  • LastUpdateDate
  • JobSetId
  • GradeSetId
  • LocationSetId
  • DepartmentSetId
  • assignmentsEFF
  • managers
   

「フィールドおよびリージョンの構成」で、「値」プロパティを使用できるのは、デフォルト設定可能なフィールドのみです。

これらの機能は次のように役立ちます。

  • ユーザー入力を検証することで、貴重なHRデータの品質と一貫性を確保します。
  • データ入力をデフォルト設定することで、ユーザー・エクスペリエンスを合理化し、タスクの実行時間を短縮します。
  • 新しいリリース更新を待つことなく、組織がHRコンプライアンスにすばやく対応できるようになります。

有効化のステップ

この機能を有効にするために何もする必要はありません。

ヒントと考慮事項

エクスプレス・モードでのレイアウトの編集

動的フォームおよび動的表

動的フォームおよび動的表

  • 動的フォームまたは動的表のレイアウトの編集機能はエクスプレス・モードではサポートされておらず、ビジネス・ルールの処理に影響する可能性があるため、使用しないでください。
  • 動的フォームおよび動的表のレイアウトの編集は、更新24D以降で無効になります。更新24Cより前のこの機能を使用してレイアウトに加えた変更は削除する必要があります。

エクスプレス・モードのルール・エディタ

コンテナ・レイアウト

コンテナ・レイアウト

  • パーソナライズするページのエクスプレス・モードでコンテナ・レイアウトが使用可能な場合は、ルール・エディタを使用する前に、Customer Connectフォーラムを使用して問合せを投稿し、ガイダンスを求めてください。

ビジネス・ルールのエクスプレス・モードの承認プロセス

  • 実装ガイドラインに従っているかぎり、ビジネス・ルールのルールの作成には、このリリースではオラクルの承認は必要ありません。
  • 後続のリリースで提供される機能が追加されると、オラクルがこの承認プロセスを見直す場合があります。

Redwoodページでトリガーされるオートコンプリート・ルールのルール

  • オートコンプリートのルールのエラーが設定されている既存オブジェクトの検証ルールは、前述のRedwoodページの「給与の変更」および「文書レコード」で引き続き機能します。既存のルールで、これを変更する必要はありません。
  • Redwoodページを有効にする場合は、このページの基礎となるビジネス・オブジェクトに基づいて作成された他のすべてのページのすべてのルールを無効にする必要があります。ビジネス・オブジェクトのルールを無効にすると、Redwoodページとレスポンシブ・ページの両方でオートコンプリートが無効になることに注意してください。
  • レスポンシブUIのオートコンプリート・ルールの承認プロセスは同じです。

主なリソース

エクスプレス・モードの開始方法に関する推奨トピックを次に示します。