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レコード所有権モードについて

企業のビジネス要件によっては、所有者に特定のレコードタイプのレコードを割り当てる必要がない場合があります。かわりに、従業員が別の権限に移動した場合、またはビジネスモデルの変更によってセールスチームを再調整した場合に、レコードの所有権を再割当する必要がないようにレコードを編成する必要があります。Oracle CRM On Demandのリリース20からは、所有者をレコードに割り当てるのではなく、プライマリカスタムブックをレコードに関連付けることによって、このようなビジネス要件をサポートします。ユーザーがレコードのプライマリカスタムブックのメンバーである場合は、ユーザーの役割およびアクセスプロファイル設定で必要なアクセス権がユーザーに付与されているかぎり、そのレコードにアクセスしてレコードを使用できます。また、企業は、レコードに割当済み所有者または関連プライマリカスタムブックのいずれかを必要としないレコードタイプを設定できます。

Oracle CRM On Demandでは、ブックを使用するほとんどのレコードタイプに対して、次のモードのレコード所有権を設定できます。

  • ユーザーモード。ユーザーモードは、リリース19以前のOracle CRM On Demandのレコード所有権に似ています。レコードタイプがユーザーモードに設定された場合、そのレコードタイプの各レコードには所有者を割り当てる必要があります。レコードの詳細ページで[ブック]フィールドが使用可能な場合、[ブック]フィールドには、所有者に関連付けられたユーザーブックが表示されます。

    注:デフォルトでは、サービスリクエストレコードは所有者なしで存在でき、一部のレコードタイプ([ユーザー]、[製品]など)ではレコードに所有者を設定しません。この機能は、以前のリリースのOracle CRM On Demandから変更ありません。

  • ブックモード。レコードタイプがブックモードに設定されている場合は、そのレコードタイプのレコードに所有者を割り当てることはできません。かわりに、各レコードにはプライマリカスタムブックが必要です。ユーザーがレコードのプライマリブックのメンバーである場合は、ユーザーの役割およびアクセスプロファイル設定で必要なアクセス権がユーザーに付与されているかぎり、そのレコードにアクセスしてレコードを使用できます。ブックモードは、ブックをサポートしているレコードタイプでのみ使用できます。
  • 混合モード。混合モードは、ユーザーまたはブックモードとも呼ばれます。レコードタイプがこのモードに設定されている場合、そのレコードタイプのレコードは次のいずれかの方法で設定できます。
    • レコードは、割当済み所有者または関連プライマリカスタムブックのいずれかが設定されていなくても存在できます。ユーザーがこのようなレコードにアクセスするには、チームメンバーシップ、またはレコードに関連付けられたブックのメンバーシップを使用します。また、役割管理ウィザードのステップ2でユーザーの役割に対して[すべてのレコードを読み取り可能]チェックボックスがオンに設定されているユーザーは、レコードにアクセスできます。
    • レコードに所有者を割り当てることができます。
    • レコードにプライマリカスタムブックを関連付けることができます。

      注:レコードに割当済み所有者と関連プライマリカスタムブックの両方は設定できません。

      混合モードは、ブックをサポートしているレコードタイプでのみ使用できます。

注: [サンプルトランザクション]レコードタイプに対しては、すべてのサンプルトランザクションが特定のユーザーの在庫期間に関連している必要があるので、ユーザーモードのレコード所有権を使用する必要があります。[サンプルトランザクション]レコードタイプに対しては、ブックモードまたは混合モードを設定しないでください。

レコードタイプに対して設定した所有権モードに関係なく、ユーザーは、追加のブックをレコードに割り当てたり、追加のユーザーをレコードにリンクすることができます(レコードタイプでチームをサポートしている場合)。ユーザーがレコードに割り当てられたブックのメンバーである場合は、ユーザーの役割およびアクセスプロファイル設定で必要なアクセス権がユーザーに付与されているかぎり、そのレコードにアクセスしてレコードを使用できます。

レポート

[取引先]および[担当者]レコードタイプの場合は、レコードとそのレコードのプライマリブック間の関係に基づいて、リアルタイムのレポートおよび履歴レポートを作成できます。レポートおよびレコード所有権モードの詳細は、「分析のレコードの表示について」を参照してください。

レコード所有権モードは、[レポート]ホームページのブックセレクタでブックを選択するときに適用されるデータ表示ルールに影響を与えません。レポートにおけるブックのデータ表示ルールの詳細は、「ブック構造の設計について」を参照してください。

レコード所有権モードをサポートしているレコードタイプ

レコード所有権モードは、次の例外を除いて、カスタムブックをサポートするレコードタイプでサポートされています。

  • 割当
  • 資金
  • 在庫監査レポート
  • 在庫期間
  • メッセージプラン
  • スマートコール
  • 解決策

カスタムブックをサポートする他のすべてのレコードタイプは、ユーザーモード、ブックモードまたは混合モードに設定できます。ブックをサポートする各種レコードタイプには、所有権モードを組み合せて使用できます。たとえば、[担当者]レコードタイプはブックモードに、[取引先]レコードタイプはユーザーモードに設定できます。レコードタイプのレコード所有権モードはいつでも変更できます。レコードタイプのレコード所有権モードを設定するには、次の表に示すように、レコードタイプの[所有者]フィールドと[ブック]フィールドが必須か必須でないかを設定します。

注:レコードタイプのページレイアウトは、レコード所有権モードに対して正しく設定されている必要があります。詳細は、「レコード所有権モードのフィールドセットアップおよびページレイアウトについて」を参照してください。

レコード所有権モード

[所有者]フィールドの[必須]設定

[ブック]フィールドの[必須]設定

その他の設定の詳細

コメント

ユーザーモード

はい

いいえ

なし

レコードレイアウトに[ブック]フィールドを表示する場合、そのフィールドは読み取り専用で、レコードの割当済み所有者であるユーザーのユーザーブックの名前が表示されます。

ブックモード

いいえ

はい

(オプション)[所有者]フィールドを読み取り専用に設定します。

レコードレイアウトに[所有者]フィールドを表示する場合、そのフィールドは空白である必要があります。

[ブック]フィールドはピックリストフィールドで、企業に対して設定したカスタムブックのリストが表示されます。

混合モード

いいえ

いいえ

なし

レコードの[ブック]フィールドでカスタムブックを選択すると、[所有者]フィールドは空白になります。

[所有者]フィールドでユーザーを選択すると、[ブック]フィールドには所有者のユーザーブックの名前が自動的に設定されます。

デフォルトのレコード所有権モード

リリース19以前のOracle CRM On Demandで作成された既存の企業の場合、デフォルトのレコード所有権モードはユーザーモードですが、例外として、[サービスリクエスト]レコードタイプはデフォルトで混合モードに設定されます。新しい企業の場合は、混合モードが、レコード所有権モードをサポートするレコードタイプに対するデフォルトのレコード所有権モードです。

[所有者]および[ブック]フィールドのデフォルト値

ユーザーが新規のレコードページを開くと、[所有者]および[ブック]フィールドの値は、次のように表示されます。

  • レコードタイプがユーザーモードに設定されている場合は、[所有者]フィールドには現在のユーザーのエイリアスが自動的に挿入されます。[ブック]フィールド(存在する場合)には、現在のユーザーのユーザーブック名が自動的に挿入されます。
  • レコードタイプが混合モードに設定されている場合は、[所有者]フィールドおよび[ブック]フィールドのいずれにも値は挿入されません。

    注: ユーザーがカレンダーを使用して作成したアポイントは、レコード所有権モードの通常の動作に対する例外です。ユーザーがカレンダーを使用してアポイントを作成すると、[所有者]フィールドには、レコード所有権モードには関係なく現在のユーザーの名前が挿入されます。

  • レコードタイプがブックモードに設定されている場合は、次のように動作します。
    • 新規レコードの[所有者]フィールドは入力されません。
    • [ブック]フィールドは、現行ユーザーのユーザーレコードのレコードタイプに指定されたデフォルトブックに従って、次のようにデフォルト値が決まります。
      • レコードタイプのデフォルトブックとしてカスタムブックを指定した場合、新規レコードの[ブック]フィールドには、指定したデフォルトブック名が自動挿入されます。
      • レコードタイプのデフォルトブックを指定しなかった場合、あるいはユーザーブックまたは[全ブック]をレコードタイプのデフォルトブックとして指定した場合、新規レコードの[ブック]フィールドは入力されません。

        ユーザーに対するレコードタイプ別のデフォルトブックの設定の詳細は、「ユーザーに対するレコードタイプ別のデフォルトブックの設定」を参照してください。

注: ページレイアウトに[所有者]フィールドが必要で、レコードタイプが混合モードの場合は、ユーザーがそのページレイアウトを使用する新規レコードページを開くと、デフォルトで[所有者]フィールドが空白になります。レコード所有権モードのフィールドセットアップおよびページレイアウトの詳細は、「レコード所有権モードのフィールドセットアップおよびページレイアウトについて」を参照してください。

レコード所有権モードに関する考慮事項

レコードタイプのレコード所有権モードを設定するときは、次の点を考慮してください。

  • アサイメントマネージャ。割当マネージャは、ユーザーに対してのみレコードを再割当できます。レコードを再割当できるのは、レコードタイプがレコード所有権のユーザーモードまたは混合モードに設定されている場合のみです。割当マネージャが所有者にレコードを再割当する前に、レコードに割り当てられたプライマリカスタムブックがある場合、割当マネージャは、レコードからプライマリブックを削除します。割当マネージャは、レコードタイプがブックモードに設定されている場合、レコードを再割当できません。レコードタイプをブックモードに設定する場合は、そのレコードタイプに対するすべてのルールグループを無効にすることを強くお勧めします。割当ルールの詳細は、「割当ルールについて」を参照してください。
  • 他のアプリケーションとの連携。次のアプリケーションでは、レコードに所有者を設定する必要があります。アプリケーションで使用するレコードタイプがブックモードに設定されている場合、これらのアプリケーションは使用不可で、レコードタイプが混合モードに設定されている場合は、レコードに所有者を設定する必要があります。
    • Offline On Demand
    • Oracle Outlook Email Integration On Demand
    • Oracle Notes Email Integration On Demand
    • Oracle CRM On Demand Integration for Office
    • Oracle CRM On Demand Connected Mobile Sales
  • 所有権モードの変更後のレコード更新。レコードタイプのレコード所有権モードをユーザーモードに変更する場合は、そのタイプの全レコードに所有者を設定するように更新することを検討してください。そうしない場合、そのレコードタイプのレコードを次に更新するユーザーは、レコードの所有者を選択するように要求されます。同様に、レコードタイプのレコード所有権モードをブックモードに変更する場合は、そのタイプの全レコードに適切なプライマリカスタムブックを割り当てるように更新することを検討してください。そうしない場合、そのレコードタイプのレコードを次に更新するユーザーは、レコードのプライマリカスタムブックを選択するように要求されます。

レコードタイプのレコード所有権モードを変更する際の動作

企業がレコードタイプのレコード所有権モードを別のモードに変更すると、そのレコードタイプの新規レコードには、新しい所有権モードが適用されます。既存のレコードに対する動作は次のとおりです。

  • 新しいレコード所有権モードがユーザーモードの場合。所有権モードの変更後に初めてレコードを更新する際の動作は次のとおりです。
    • レコードにユーザーが所有者として割り当てられていない場合、レコードを更新するユーザーは、[所有者]フィールドでユーザーを選択する必要があります。
    • すでにレコードにプライマリカスタムブックが割り当てられている場合は、[ブック]フィールドからプライマリブックの名前がクリアされ、新しい所有者のユーザーブックの名前が[ブック]フィールドに表示されます。また、ブックがレコードから削除され、レコードの[詳細]ページの[ブック]セクションに表示されなくなります。
  • 新しいレコード所有権モードがブックモードの場合。所有権モードの変更後に初めてレコードを更新する際の動作は次のとおりです。
    • レコードにプライマリブックが関連付けられていない場合、レコードを更新するユーザーは、[ブック]フィールドでプライマリカスタムブックを選択する必要があります。
    • すでにレコードに所有者が割り当てられている場合の動作は次のとおりです。
      • レコードの[所有者]フィールドはクリアされます。
      • レコードタイプがチームをサポートしている場合は、レコードの前の所有者を除き、チームのすべてのメンバーがチームのメンバーとして残ります。この動作は、定義済みグループのメンバーであるチームメンバーの場合と同じです。つまり、レコードの前の所有者を除いて、グループのメンバー全員がチームのメンバーとして残ります。ただし、[取引先]レコードタイプはこのルールに対する例外になります。取引先の前の所有者が定義済みグループのメンバーである場合は、そのグループのすべてのメンバーがチームから削除されます。定義済みグループのメンバー以外のチームメンバーは、他のレコードタイプの場合と同様に、チームのメンバーとして残ります。

        注: 標準アプリケーションでは、ここで説明されているように、レコードの前の所有者はチームのメンバーとして保持されません。ただし、管理者がレコードタイプを構成して、レコードの前の所有者がレコードのチームのメンバーとして保持されるようにできます。チームのメンバーとして前の所有者を保持するためのレコードタイプの構成の詳細は、「共有レコードの前の所有権のカスタマイズ」を参照してください。

  • 新しいレコード所有権モードが混合モードの場合。所有権モードの変更後に初めてレコードを更新する際の動作は次のとおりです。レコードタイプが混合モードである間は、レコードが更新されるたびにこの動作が適用されます。
    • レコードを更新するユーザーは、所有者やプライマリブックを選択する必要はありません。
    • レコードを更新するユーザーは、レコードに対して所有者またはプライマリカスタムブックを選択できますが、両方は選択できません。
    • ユーザーがレコードに所有者を割り当てるときに、すでにプライマリカスタムブックがそのレコードに関連付けられている場合は、レコードの[ブック]フィールドがクリアされます。また、ブックがレコードから削除され、レコードの[詳細]ページの[ブック]セクションに表示されなくなります。
    • ユーザーがカスタムブックをレコードのプライマリブックとして関連付けるときに、すでにレコードに所有者が割り当てられている場合の動作は次のとおりです。
      • レコードの[所有者]フィールドはクリアされます。
      • レコードタイプがチームをサポートしている場合は、レコードの前の所有者を除き、チームのすべてのメンバーがチームのメンバーとして残ります。この動作は、定義済みグループのメンバーであるチームメンバーの場合と同じです。つまり、レコードの前の所有者を除いて、グループのメンバー全員がチームのメンバーとして残ります。ただし、[取引先]レコードタイプはこのルールに対する例外になります。取引先の前の所有者が定義済みグループのメンバーである場合は、そのグループのすべてのメンバーがレコードから削除されます。定義済みグループのメンバー以外のチームメンバーは、他のレコードタイプの場合と同様に、チームのメンバーとして残ります。

大量更新機能を使用してレコードを更新するときの動作

大量更新機能は特定のレコードタイプでのみサポートされており、ユーザーはこの機能を使用して、レコードのグループ内のフィールドをリストページから更新できます。ユーザーが大量更新機能を使用してレコードのグループを更新するときに、レコードの必須フィールドがnullの場合でも値の入力を要求されません。したがって、レコードタイプのレコード所有権モードが変更された後にユーザーがレコードのグループを更新するときは、新しいレコード所有権モードでレコードに所有者またはプライマリカスタムブックが必要な場合でも、ユーザーは更新するレコードに対して所有者またはプライマリカスタムブックを選択するように要求されません。


公開日 2016 年 10 月 Copyright © 2005, 2016, Oracle. All rights reserved. Legal Notices.