5 既知の問題
警告:
Oracle Linux 7は現在延長サポート中です。詳細は、Oracle Linux拡張サポートおよびOracleオープン・ソース・サポート・ポリシーを参照してください。
できるだけ早くアプリケーションとデータをOracle Linux 8またはOracle Linux 9に移行してください。
この章では、Oracle Linux 7.5の既知の問題について説明します。
使用中のカーネル固有の問題が他にも存在する可能性があります。デフォルトのUEK R4U6を使用している場合は、Unbreakable Enterprise Kernel: リリース・ノートfor Unbreakable Enterprise Kernelリリース4更新6 (4.1.12-112)を参照してください。別のUEKリリースまたは更新を使用している場合は、Unbreakable Enterprise Kernelドキュメントで該当するカーネル・バージョンに適したリリース・ノートを参照してください
インストールとアップグレードの問題
インストール中に次の問題が発生する可能性があります。
iSCSIディスクへのインストール
iSCSIディスクにインストールする場合は、ブート・コマンドラインにip=ibft
またはrd.iscsi.ibft=1
のいずれかを追加し、インストール・ターゲットとして少なくとも1つのMBRまたはGPT形式のディスクを指定してください。そうしない場合、エラー・メッセージ「有効なブート・ローダーのターゲット・デバイスが見つかりませんでした」
が表示され、インストールが失敗します。(バグID 22076589)
HP 3PAR TPVVへのインストール
HP 3PARストレージ・アレイにThin Persistenceライセンスを適用していない場合は、インストールで、シン・プロビジョニングされた仮想ボリューム(TPVV)にファイル・システムを作成できません。このライセンスは、ストレージの再利用のための低レベルSCSI UNMAPコマンドをサポートするために必要です。適切なライセンスがない場合の回避策は、TPVVのかわりにフル・プロビジョニングされた仮想ボリューム(FPVV)を使用することです。(バグID 22140852)
Aura7 NVMeデバイスへのインストール
ターゲット・デバイスが2つのブロック・デバイスを備えたAura7 NVMeアドイン・カードである場合、インストールは失敗します。カードには2つの独立したNVMeコントローラとデバイスがありますが、同じWWIDが割り当てられています。マルチパス・デバイス・マッパーは、2つのブロック・デバイスを同じWWIDにマップするため、インストールを妨げる不正なマルチパス構成になります。
この問題を回避するには、インストーラのブート引数nompath
を使用して、インストールのブート時にマルチパスを無効にします。インストール後、/etc/multipath.conf
を編集してシステム上のマルチパス構成のNVMeブロック・デバイスをブロックリストに登録するか、デバイス・マッパー・マルチパスを完全に無効にします。マルチパスの構成の詳細は、Oracle Linux 7: 管理者ガイドを参照してください。(バグID 27638939)
パッケージの競合
OracleがULNまたはOracle Linux yumサーバー経由で配布しているOracle Linux 7用パッケージの既知のパッケージ競合を次に示します。
oracle-ofed-release
パッケージのインストール時のrdma-core
とinfiniband-diags
このリリースでは、rdma-core
パッケージとinfiniband-diags
パッケージの間に競合が存在します。
競合が発生するのは、oracle-ofed-release
パッケージのインストール時に、RPMが競合を検知してRDMAのかわりにrdma-core-*
パッケージをインストールしようとするためで、その結果、依存関係に関連するその他のエラーが発生します。
競合を回避するには、OFEDパッケージのインストールまたはアップグレードの実行時にyumの‐‐exclude=rdma-core*
オプションを使用し、yum-plugin-priorities
パッケージをOracle Linux yumサーバーにあるyumのol7_optional_latest
リポジトリからインストールします。詳細は、「OracleでサポートされているOFEDパッケージ」を参照してください。(バグID 26309256)
dovecot-devel.i686
とdovecot-devel.x86_64
ULNのol7_x86_64_optional_latest
チャネルのdovecot-devel.i686
とdovecot-devel.x86_64
パッケージは競合します。両方のパッケージをインストールしようとすると、トランザクション・チェック・エラーが発生します。
Transaction check error: file /usr/include/dovecot/config.h conflicts between attempted installs of dovecot-devel-1:2.2.10-7.el7.i686 and dovecot-devel-1:2.2.10-7.el7.x86_64
指定されたファイル間にはビットサイズの差があります。同じシステムに一度にインストールできるのは、いずれか1つのパッケージのみです。(バグID 25057633)
ipa-server-dns.x86_64
とfreeipa-server-dns
このリリースでは、ULNのol7_x86_64_latest
チャネルのipa-server-dns.x86_64
パッケージとfreeipa-server-dns
パッケージの間に競合が存在します。Oracle Linux 7.3以降、.x86_64
バージョンのipa-server-dns
パッケージは.noarch
パッケージに置き換わりました。
競合を回避するには、yum構成でipa-server-dns.*.x86_64
パッケージを除外します。パッケージを除外する方法の詳細は、Oracle Linux: Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。(バグID 25054687)
ipa-admintools.x86_64
とfreeipa-admintools
ipa-admintools.x86_64
パッケージとULNのol7_x86_64_latest
チャネルのfreeipa-admintools
パッケージの間には競合があります。Oracle Linux 7.3以降、.x86_64
バージョンのipa-admintools
パッケージは.noarch
パッケージに置き換わりました。
競合を回避するには、yum構成でipa-admintools.*.x86_64
パッケージを除外します。パッケージを除外する方法の詳細は、Oracle Linux: Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。(バグID 25054687)
rear.x86_64
とrear.noarch
Oracle Linux 7.3以降、ULNのol7_x86_64_latest
チャネルの.noarch
バージョンのrear
パッケージは、.x86_64
パッケージに置き換わりました。
競合を回避するには、yum構成でrear.*.noarch
パッケージを除外します。パッケージを除外する方法の詳細は、Oracle Linux: Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。(バグID 25054687)
PackageKit.i686
とPackageKit.x86_64
ULNのol7_x86_64_optional_latest
チャネルのPackageKit.i686
パッケージは、ol7_x86_64_u5_base
チャネルのPackageKit.x86_64
パッケージと競合します。両方のパッケージをインストールしようとすると、トランザクション・チェック・エラーが発生します。
Transaction check error: file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/__init__.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/__init__.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/backend.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/backend.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/enums.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/enums.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/filter.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/filter.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/misc.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/misc.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/package.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/package.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/progress.pyc from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64 file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/progress.pyo from install of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package PackageKit-version.el7.x86_64
同じシステムに一度にインストールできるのは、いずれか1つのパッケージのみです。競合を回避するには、yum構成でPackageKit.i686
パッケージを除外します。パッケージを除外する方法の詳細は、Oracle Linux: Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。
(バグID 24963661)
sssd-common.i686
とsssd-common.x86_64
sssd-common.i686
パッケージは、ULNのol7_x86_64_optional_base
チャネルのsssd-common.x86_64
パッケージと競合します。両方のパッケージをインストールしようとすると、次のようなトランザクション・チェック・エラーが発生します。
Transaction check error: file /usr/share/systemtap/tapset/sssd.stp conflicts between attempted installs of sssd-common-1.14.0-14.el7.i686 and sssd-common-1.14.0-14.el7.x86_64
どのような場合でも同じシステムには、これらのパッケージのいずれか1つのみをインストールできます。競合を回避するには、yum構成でsssd-common.i686
パッケージを除外します。パッケージを除外する方法の詳細は、Oracle Linux: Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。(バグID 24963661)
ファイル・システムのバグ
Oracle Linux 7.5に関連するファイル・システム関連の問題を次に示します。
btrfs
: 送信操作により大規模な重複排除済ファイル上でソフトロックアップが発生する
大規模な重複排除済ファイル上でbtrfs send
を使用すると、ソフトロックアップまたはメモリー不足の問題が発生します。この問題は、すべて1つのエクステントを指す複数のファイル・エクステントが含まれる大規模な重複排除済ファイルをbtrfs send
操作で処理できないために発生しますが、それは、このようなタイプのファイル構造がbtrfs send
操作で深刻なメモリー不足を引き起こすからです。
この問題が発生しないようにするには、メモリー搭載量が4GB未満のシステムではbtrfs send
を使用しないでください。(バグID 25306023)
btrfs
、ext4
およびxfs
: 凍結および凍結解除操作が複数のスレッドで実行される場合のカーネル・パニック
サポートされているファイル・システムの複数のスレッドで実行される凍結操作および凍結解除操作により、システムが停止し、カーネル・パニックが発生する場合があります。この問題は、実際に凍結される前に凍結解除操作がトリガーされると発生する競合状態の結果です。結果のロック解除操作は存在しないロックの書込み操作を試行し、カーネル・パニックが発生します。(バグID 25321899)
btrfs
: qgroup
の予約領域がリークする
割当てグループ(qgroups
)が領域を予約する方法によって、リークの問題が発生する可能性があります。これらのリークの一部は、ダーティな範囲への再書込みによって引き起こされ、「pwrite64: Disk quota exceeded」エラーになります。(バグID 22483655)
btrfs
: サブボリューム間でファイルをクローニングした後の排他参照カウントが正しくない
2つのサブボリューム間でファイルをクローニングした後の排他参照カウントは正しくありません。この問題は、割当てグループと、一部のコードの実装方法に関連しています。(バグID 22456419)
btrfs
: 割当て再スキャンまたは無効化中のアンマウント時のカーネル・ウップス
割当て再スキャンをトリガーする操作またはマウントされたファイル・システムの割当てを無効化する操作により、ファイル・システムをアンマウントしようとするとカーネル・ウップス・メッセージが表示されます。この問題により、システムがハングする場合があります。(バグID 22377928)
btrfs
: qgroup
アカウンティングを使用している共有エクステント削除時のカーネル・ウップス
割当てグループ(qgroup
)アカウンティングが使用されている共有エクステントを削除すると、カーネル・ウップス・メッセージが表示される可能性があります。この問題は、遅延参照の追加時にレコードが見つからないことが原因で、後方参照を実行中に不正確な結果が取得された場合に発生します。(バグID 21554517)
ext4
: 負のi_size
を使用してファイルに追加した後、アンマウントでシステムが停止する
ファイル・システムで負のi_size
を使用してinodeをロードすることは無効ですが、負のi_size
を使用してファイルを作成し、そのファイルに追加することは可能です。ただし、これにより、ライトバックの基礎となるルーチンで整数オーバーフローが発生し、カーネルがロックされます。(バグID 25565527)
ext4
: iノード・サイズの動的拡張時に停止が発生する
iノードのi_extra_size
フィールドを使用している場合、iノード・サイズの動的拡張時にext4
ファイル・システムで停止が発生します。(バグID 25718971)
ext4
: 破損した孤立iノード・リストを処理する場合にシステムが停止する
孤立iノード・リストが破損している場合、iノードを繰り返し処理するとシステムが停止する可能性があります。たとえば、孤立iノード・リストにブート・ローダーiノードの参照が含まれる場合、ext4_iget()
は、システムを停止する可能性がある処理ループが発生する不正なiノードを戻します。(バグID 24433290)
xfs
: XFSを使用してファイル・システムがフォーマットされd_type
が有効になっている場合、Oracle Linux 7.4以降はUEK R3と互換性がない
Oracle Linux 7.4以降のOracle Linux 7インストーラを使用して作成されたすべてのxfs
ファイル・システムでは、d_type
のサポートが自動的に有効になります。これらのファイル・システムは、ftype=1
オプションを使用してフォーマットされます。UEK R3カーネルはこのオプションと互換性がないため、Oracle Linux 7.4以降のバージョンのインストーラを使用してインストールされたシステムでは起動しません。この問題は、UEK R3カーネルがftype=1
を指定して作成されたxfs
ファイル・システムをマウントできないために、デフォルトのファイル・システムのフォーマットが選択されている場合に発生します。
Oracle Linux 7の以前の更新でフォーマットされたディスクではftype=0
オプションが使用されるため、アップグレードに影響はありません。ただし、Oracle Linux 7.4以降でUEK R3を使用する場合、XFSを使用してディスクをフォーマットする際は、ftype=0
オプションを明示的に設定する必要があることに注意してください。
kickstartインストールの実行時にシステムでUEK R3を使用する場合は、フォーマットに別のファイル・システム・オプションを手動で指定できます。UEK R3で引き続きXFSを使用する場合は、kickstart構成で明示的にフォーマット・オプションをftype=0
に設定する必要があります。(バグID 26176688)
自動バグ報告ツール
Red Hat自動バグ報告ツール(ABRT)で提供される自動報告のデーモンおよび機能は、Oracle Linuxではサポートされていません
ABRTパッケージおよび関連ファイル(libreport
など)は、パッケージの依存関係を満たすためにディストリビューションに含まれており、ローカル・バグ・レポートの生成に使用できますが、これらのレポートを自動的にアップロードする機能はサポートされていません。技術的なサポートが必要な場合は、My Oracle Supportポータルまたは電話でOracleサポートに連絡してください。
libvirtdプロセスにより起動時に警告が表示される
Oracle Linux 7.4からアップグレードすると、libvirtd
プロセスにより、起動時に警告メッセージが表示されます。メッセージは次のようになります。
libvirtd ... warning : virQEMUCapsInit:1211 : Failed to get host CPU cache info libvirtd ... warning : virLXCDriverCapsInit:85 : Failed to get host CPU cache info
この警告は、フレッシュ・インストールでは発生しません。この警告は無視しても問題ありません。(バグID 27700583)
UEFIを使用したKVMゲストのスナップショットが失敗し、サポートされていない
KVMゲストがUEFIを使用している場合、KVMゲストのスナップショットを作成できません。古いバージョンのQEMUおよびlibvirtでは、ツールによって、エラーまたは警告なしでスナップショットを作成できますが、スナップショットが破損している可能性があります。これらのツールの最新バージョンでは、エラーによってスナップショットを作成できません。たとえば、次のようにします。
virsh> sudo snapshot-create-as OL7-seboot
error: Operation not supported: internal snapshots of a VM with pflash based firmware are not supported
(バグID 26826800)
LSI MegaRAID SAS ISCSIコントローラを使用するKVMゲストは7つの仮想ディスクに制限される
LSI MegaRAID SAS ISCSIコントローラを使用するOracle Linux 7 KVMゲストは、7個の仮想ディスクに制限されています。KVMゲストは最大8個のISCSI仮想ディスクを持つことができますが、LSI MegaRAID SASコントローラはISCSIイニシエータの最初のスロットを使用し、残りの7個のスロットは仮想ディスク用に残します。
この問題を回避するには、ISCSI仮想ディスクの作成時に、lsi
コントローラではなくmegasas
コントローラを使用します。たとえば、次の例で強調表示されているテキストで示すように、-device lsi
を-device megasas
に変更します。
# /usr/bin/qemu-system-x86_64 -machine accel=kvm -m 8192 -smp 8 \
-drive file=/path/OracleLinux-7.5-x86_64.qcow2,format=qcow2,if=none,id=disk \
-device ide-hd,bus=ide.0,unit=0,drive=disk,bootindex=0 -device lsi,id=lsi0 \
-drive file=/path/disk1.img,format=raw,if=none,id=drive_image1 \
-device scsi-hd,id=image1,drive=drive_image1,bus=lsi0.0 \
...
# /usr/bin/qemu-system-x86_64 -machine accel=kvm -m 8192 -smp 8 \
-drive file=/path/OracleLinux-7.5-x86_64.qcow2,format=qcow2,if=none,id=disk \
-device ide-hd,bus=ide.0,unit=0,drive=disk,bootindex=0 -device megasas,id=lsi0 \
-drive file=/path/disk1.img,format=raw,if=none,id=drive_image1 \
-device scsi-hd,id=image1,drive=drive_image1,bus=lsi0.0 \
...
(バグ27681238)
UEK R3でのcrashkernel=auto
設定
Kdump構成を簡単にするためにUEK R3のcrashkernel=auto
カーネル・パラメータを有効にした場合は、dmesg出力および/proc/cmdline
の両方にcrashkernel=NNNM@0M
と表示されます。この動作は実装で想定されます。@0M
はauto
設定を表します。crashkernel=auto
パラメータはXenではサポートされません。(バグID 17616874)
UEFIシステムでsosreportを実行すると、grub2-plugin-errors.txt
が生成される
UEFIシステムでsosreportコマンドを実行すると、エラーによりgrub2-plugin-errors.txt
ファイルが生成されます。この問題は、UEFIシステムでBIOSシステムと同じGRUBプラグインを使用していないことが原因で、sosreportコマンドがgrub.cfg
ファイルを見つけることができないために発生します。
この問題は、UEKリリースを実行しているUEFIシステムでも発生します。(バグID 26586473)
/boot
がbtrfs
サブボリューム上にある場合、カーネルのアップグレード時にgrubbyの致命的エラーが発生する
/boot
がbtrfs
サブボリュームでホストされている場合、GRUB 2ではinitramfs
およびvmlinuz
のパス名を正しく処理できません。この問題は、ユーザーが新しいカーネルを更新またはインストールする際と、grubbyがGRUB 2構成の更新を試行する際に発生します。Oracle Linux 7.5のフレッシュ・インストール実行時にRHCKまたはUEKカーネルをアップグレードする場合は、次のエラーが表示されます。
grubby fatal error: unable to find a suitable template
カーネルが更新された後にシステムを再起動すると、システムは古いカーネルに起動されます。
同様に、Oracle Linux 7.4からOracle Linux 7.5にアップグレードする際、/boot
がbtrfs
サブボリュームでホストされている場合は、アップグレードの完了後にシステムが古いOracle Linux 7.4カーネルに起動されます。
この問題を回避するには、カーネルがインストールまたはアップグレードされた直後に、grub2-mkconfigを使用して/etc/grub2/grub.cfg
ファイルを再生成します。次に例を示します。
sudo grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
次のように、生成された構成内のカーネル・メニュー・エントリのリストを取得します。
grep -P "submenu|^menuentry" /boot/grub2/grub.cfg | cut -d "'" -f2
リストからデフォルト・カーネルとして実行するカーネル・エントリを選択し、次のコマンドを使用してこのエントリをデフォルトに設定します。menu entry titleをリストで特定したカーネル・エントリのタイトルに置き換えます。
sudo grub2-set-default "menu entry title"
grub2-editenv listコマンドを使用して、saved_entry
が選択したカーネル・メニューのタイトルに更新されていることを確認できます。
再起動し、uname -aを使用して、正しいカーネルが現在実行中であることを確認します。
(バグID 22750169)
ヘブライ文字のLaTeXフォント
tex-fonts-hebrew
パッケージのインストールは、その前にすべてのtexlive*
パッケージをインストールしていないと失敗します。(バグID 19059949)
InfiniBandの問題
InfiniBandデバイスの使用時に発生する可能性のある問題を次に示します。
InfiniBand Adapter M3の無効なファームウェア・バージョンが原因でKdumpが失敗する場合がある
Oracle Dual Port QDR InfiniBand Adapter M3ファームウェア・バージョン2.31.5350がインストールされている場合、Oracle Linux 7.5でKdumpが失敗することがあります。
この問題が発生しないようにするには、Oracle Dual Port QDR InfiniBand Adapter M3のファームウェア・バージョンを2.31.5350以上に更新してください。(バグID 26351183)
InfiniBand CAポートを無効にすると警告が示される
ibwarn: [2696] _do_madrpc: recv failed: Connection timed out ibwarn: [2696] mad_rpc: _do_madrpc failed; dport (Lid 38) ibportstate: iberror: failed: smp set portinfo failedこれらの警告は無視してもかまいません。(バグID 16248314)
Intel QuickAssist Acceleration Technology
UEK R3では、暗号化機能をQuickAssistハードウェアにオフロードできるようにするQATドライバをサポートしていません。
systemd
にRemoveIPC=yes
が構成されている場合にデータベースのインストールおよび操作が失敗する
systemd
にRemoveIPC=yes
が構成されている場合に、非システム・ユーザーがログ・アウトすると、そのユーザーのプロセスのプロセス間通信(IPC)が終了されます。ラップトップ用のこの設定は、サーバー・システムではソフトウェアの問題を引き起こす場合があります。たとえば、ユーザーが、Oracle Databaseのoracle
のようなデータベース・ソフトウェア所有者である場合、この構成によってデータベースのインストールが失敗したり、データベース・サービスがクラッシュすることがあります。
Oracle Linux 7.5ではデフォルトで、systemd
によってIPCが終了しないように、/etc/systemd/logind.conf
でRemoveIPC=no
が構成されています。ただし、システムをOracle Linux 7.5に更新する前にこのファイルを変更した場合、更新によって新しいバージョンのファイルが/etc/systemd/logind.conf.rpmnew
としてインストールされ、/etc/systemd/logind.conf
でRemoveIPC=no
は設定されません。データベースのクラッシュを防ぐには、/etc/systemd/logind.conf
でRemoveIPC=no
を設定し、systemctl rebootを実行してシステムを再起動します。(バグID 22224874)
NFSでOracle Linux 7 LXCコンテナを作成できない
root
ファイル・システム(/container
)がNFS共有上でホストされている場合、Oracle Linux 7コンテナの作成に失敗します。この問題は、Oracle Linux 7リリース(更新4および5)のiputils
パッケージが、Linuxファイルの拡張属性[xattr(7)] security capabilities(7)
を使用するように構築されているために発生します。NFSプロトコルはこれらのファイル機能をサポートしていないため、iputils
パッケージがNFSファイル・システムにインストールされていない可能性があります。たとえば、Oracle Linux 7.4コンテナを作成しようとすると、iputils
パッケージのインストール中にインストールが失敗し、次のエラーが発生します。
Error unpacking rpm package iputils-20121221-7.el7.x86_64 error: unpacking of archive failed on file /usr/bin/ping: cpio: cap_set_file error: iputils-20121221-7.el7.x86_64: install failed
また、Oracle Linux 7.3コンテナの作成時にinitscripts
パッケージおよびsystemd
パッケージをインストールしようとすると、同様の問題が発生します。
この問題は、NFSv3とNFSv4の両方で発生します。
Oracle Linux 6コンテナは影響を受けません。(バグID 25024258)
Oracle VMおよびXenでのOracle Linux 7ゲストのサポート
Oracle Linux 7ゲストは、Oracle VMリリース3のハードウェア仮想化(HVM)と準仮想化ドライバによるハードウェア仮想化(PVHVM)の両方でサポートされています。Oracle VMまたはその他のXenベースのハイパーバイザ上の準仮想化ドメイン(PVM)内のOracle Linux 7ゲストはサポートされていません。
Oracle VMリリース2では、どのようなタイプのOracle Linux 7ゲストもサポートされていません。(バグID 18712168、18667813、18266964)
Oracle Linux 7 PVHVMゲストでssh
ターゲットへのKdumpが失敗する
Oracle VMリリース3.4.4で実行されているOracle Linux 7.5 PVHVMゲストでKdumpがssh
ターゲットに設定されている場合、Kdumpはゲスト・オペレーティング・システムへの接続に失敗します。この問題は、Oracle Linux 7.5ゲスト・オペレーティング・システムでkdump
サービスの起動に失敗したことが原因です。
この問題を回避するには、ゲスト仮想マシンで、オペレーティング・システムの起動後に次を使用してkdump
サービスを手動で起動します。
sudo kdumpctl start
(バグID 27654392)
Windows Hyper-V Server環境においてUEK R4カーネルを使用したOracle Linux 7ゲストでHyper-V関連サービスの起動に失敗する
Oracle Linux 7でUEK R4以前のリリースを実行している場合、Hyper-Vパッケージのバージョンが0-0.29.20160216git.el7
以降であると、hypervkvpd
およびhypervvssd
サービスを起動できません。
この問題を回避するには、UEK R4U5以降にアップグレードします。
(バグID 24745861)
Geneveネットワーク・ドライバのサポートがUEKリリースで提供されない
Oracle Linux 7.5に含まれているipおよびiprouteコマンドは、Geneve対応デバイスをサポートしています。このドライバ用モジュールはRHCKには付属していますが、UEK R4には含まれていません。Geneveデバイスを設定、追加または表示するコマンドは、RHCKで使用する場合にのみ機能します。(バグID 24652835)。
net_prio
制御グループがUEK R3でサポートされていない
ネットワーク優先度cgroupサブシステム(net_prio
)のUEK R3での使用は、現在はサポートされていません。UEK R3でモジュールを使用しようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されます。
modprobe: FATAL: Module netprio_cgroup not found mount: special device cgroup does not exist.
(バグID 18966564)
UEK R3でDHCPが構成されたインタフェースのデフォルト・ゲートウェイおよびルートをNetworkManager
が設定できない
Oracle Linux 7.4以降でUEK R3を実行している場合、NetworkManager
はDHCPが構成されたネットワーク・インタフェースにデフォルト・ゲートウェイおよびルートを設定できません。この結果、ネットワーク・インタフェースが正常に動作しない場合があります。
この問題を解決するには、DHCP用に構成されているインタフェースに対してNetworkManager
による制御を無効にします。
インタフェースに対してNetworkManager
を無効化するには、次の例に示したように、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-dev
でインタフェースのネットワーク・スクリプトを編集し、パラメータNM_CONTROLLED=no
を追加します。
echo "NM_CONTROLLED=no" >> /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eno4
(バグID 26268996)
NetworkManager
がUEK R4のDHCPで優先度の低いネットワークのIPv6アドレスに応答できない
Oracle Linux 7.5でUEK R4を実行している場合、NetworkManagerは、UEK R4のDHCPで優先度の低いネットワークにレスポンスを送信できません。優先度の高いネットワーク(リンクローカル、IPv6 fe80:/64
ルート)が優先度の低いネットワークよりも優先されます。この動作により、ネットワークに別の出力デバイスがある場合でも、DHCPv6サーバーが優先度の低いネットワーク上のDHCPクライアントにレスポンスを送信できない可能性があります。(バグID 27714775)
UEK R3でNetworkManager
がIPv6アドレスをインタフェースに追加できない
Oracle Linux 7.5にアップグレードした後、またはOracle Linux 7.4でUEK R3を実行している場合、NetworkManager
がIPv6用に構成されたネットワーク・インタフェースを起動できない場合があります。
次のようなメッセージがシステム・ログに記録されます。
<warn> platform-linux: do-add-ip6-address[2: fe80::210:e0ff:fe5f:920c]: failure 22 (Invalid argument) <warn> platform-linux: do-add-ip6-address[5: fd00:1:1:24::456]: failure 22 (Invalid argument)
ip addr addコマンドを使用して、IPv6アドレスをインタフェースに手動で追加できます。
この問題は、IPv6が静的に構成されているか、DHCP経由で動的に割り当てられているか、ステートレス・アドレス自動設定(SLAAC)を使用して構成されているかどうかに関係なく予期されます。
この問題を回避するには、IPv6を構成する必要があるインタフェースに対してNetworkManager
を無効化します。インタフェースに対してNetworkManager
を無効化するには、次の例に示したように、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-dev
でインタフェースのネットワーク・スクリプトを編集し、パラメータNM_CONTROLLED=no
を追加します。
echo "NM_CONTROLLED=no" >> /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eno4
(バグID 24848072)
ネットワーク接続アイコンに誤ったインタフェースの状態が示される
ネットワーク接続アイコンに、アクティブなネットワーク・インタフェースが切断されていると示される場合があります。この動作は、root
ユーザーで発生し、他のユーザーでは発生しません。ip linkやifconfigなどのコマンドライン・ユーティリティには正しい状態が示されます。(バグID 19060089)
電源ボタンがデフォルトでACPI Suspendに設定される
グラフィカル(GUI)コンソール・モードのOracle Linux 7では、デフォルトでハードウェアの電源ボタンがACPI "Sleep"ボタンと同等に扱われ、電源ボタンによりシステムが省電力のスリープ・モードに入ります。この動作は、Gnomeデスクトップ環境に固有です。
以前のバージョンのOracle Linuxでは、ハードウェアの電源ボタンでシステムのシャットダウンが開始されました。Oracle Linux 7で同様に動作させるには、/etc/dconf/db/local.d/01-shutdown-buttonという名前のファイルを作成し、次の内容を設定します。
[org/gnome/settings-daemon/plugins/power] button-power='shutdown'
次のコマンドを実行します。
sudo dconf update
新しい設定を有効にするには、デスクトップ環境からログアウトして、ログインしなおします。(バグID 25597898)
Cockpit Webインタフェースがサブスクリプション・ステータスの表示に失敗する
「サブスクリプション」メニュー・オプションをクリックしたときに、Cockpit Webインタフェースがサブスクリプション・ステータスの表示に失敗することがあります。次のようなエラーが返されます。
Couldn't get system subscription status. Please ensure subscription-manager is installed.
使用可能なsubscription-managerパッケージはありません。(バグID 26581257)
rdma-core
がインストールされているシステムをアップグレードすると、32ビットRDMAパッケージがインストールされる
rdma-core.noarch
パッケージがインストールされているOracle Linux 7.4より前のシステムからアップグレードする場合、32ビット・バージョンのパッケージおよび多くの依存関係も不必要にインストールされます。これは、パッケージの元のバージョンが廃止され、アップグレード中にパッケージがrdma-core.i686
とrdma-core.x86_64
の両方のバージョンのパッケージおよびそれらのパッケージの依存関係で置き換えられるためです。
この問題を回避するには、--exclude=\*.i686
オプションを指定してyum updateコマンドを実行します。
sudo yum update --exclude=\*.i686
(バグID 28217831)
libpcap
をアンインストールすると、多数のlibvirtパッケージが削除される可能性がある
libpcap
パッケージは、将来のテクノロジに対する機能を有効にするために更新されます。このパッケージをインストールしてからアンインストールしようとすると、依存関係が原因で多数のlibvirtパッケージもアンインストールされる可能性があります。libvirt
パッケージはlibvirt-daemon-driver-nwfiler
パッケージと依存関係があり、このパッケージはlibpcap
と依存関係があります。libpcap
を削除すると、パッケージのlibvirtファミリ全体が削除されます。(バグID 28582266)