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Oracle Enterprise Pack for Eclipse Oracle Mobile Application Framework (OEPE Edition)でのモバイル・アプリケーションの開発
リリース2.2.1
E72511-01
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3 MAFアプリケーションのコンテンツの構成

この章では、MAFアプリケーション・エディタとMAF機能エディタを使用してモバイル・アプリケーションのSpringboardおよびナビゲーション・バーの表示動作を定義し、アプリケーション機能を埋め込むことでコンテンツを指定する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 モバイル・アプリケーションの定義の概要

モバイル・アプリケーションには1つ以上のビュー・コントローラタイプのプロジェクトを含めることができます。これらにはそれぞれ、maf-feature.xmlファイル内の一連の機能が記述されています。第2章「MAFアプリケーション開発のスタート・ガイド」で説明したように、MAFは、モバイル・アプリケーションそのものに対してmaf-application.xml構成ファイルを、アプリケーションのコンテンツ定義用にmaf-feature.xmlファイルを提供しています。これらのファイルは手動で変更することもできますが、MAFでは、これらのファイルを宣言的にビルドできるようにする2つのエディタを提供しています。

  • MAFアプリケーション・エディタは、maf-application.xmlファイルを編集するための宣言的なインタフェースを提供します。

  • モバイル機能エディタは、maf-feature.xmlファイルを編集するための宣言的なインタフェースを提供します。

3.1.1 MAFアプリケーション・エディタについて

MAFアプリケーション・エディタでは、maf-application.xmlファイルを構成して、表示名と一意のアプリケーションID (名前の競合を防ぐ)を指定し、アプリケーションのSpringboard (スマートフォンのホームページに相当)に表示するアプリケーション機能を選択することで、モバイル・アプリケーションの基本構成を設定できます。さらに、このエディタでは、モバイル・アプリケーションのユーザー・プリファレンス・ページも作成できます。エディタについては、第2.2項「MAFアプリケーションの作成」を参照してください。

図3-1 モバイル・アプリケーションのSpringboardに表示されるアプリケーション機能

この図は周囲のテキストで説明しています

これらの要素は、MAFアプリケーション・エディタを使用して宣言的に変更するか(図3-2を参照)、XMLエディタまたはソース・エディタを使用して手動で変更できます。これらのアプローチは、いずれも同じように使用できます。

図3-2 maf-application.xmlファイルのMAFアプリケーション・エディタ

この図は周囲のテキストで説明しています

3.1.2 モバイル機能エディタについて

MAF機能エディタでは、アプリケーションに機能を追加できます。このエディタを使用して機能を作成し、その特性(ID、名前、説明、ベンダー情報、バージョン、ライフサイクル・イベント・リスナー、セキュリティ、ナビゲーションおよびspringboard用のイメージ)を指定します。

3.2 Oracle MAFパースペクティブの使用

Eclipseのパースペクティブとは、特定のタイプの開発に適した特定のレイアウトで配置されるビューのコレクションです。MAFには、MAFアプリケーションを開発する際に使用する必要がある独自のパースペクティブがあります。それによって、このマニュアルの他の場所で説明するメニューおよびツールバーのオプションへのアクセスが可能になります。

Oracle MAFパースペクティブを変更するには:

  1. IDEで、「ウィンドウ」「パースペクティブを開く」「その他」をクリックします。

    または、この図は周囲のテキストで説明していますをクリックします。

  2. パースペクティブを開くダイアログ・ボックスで、「Oracle MAF」を選択します。「OK」をクリックします。

3.3 MAFアプリケーションの表示プロパティの設定

MAFアプリケーション・エディタの「アプリケーション」ページ(図3-3を参照)では、モバイル・アプリケーションに名前を付けたり、Springboardやナビゲーション・バーでのモバイル・アプリケーションの表示を制御できます。ここでは、名前、アプリケーションID、モバイル・アプリケーションの表示方法も設定します。また、ベンダーやバージョン情報を入力したり、ライフサイクル・イベント・リスナーを選択または作成することもできます。

始める前に:

「MAFアプリケーション・エディタ」(図3-3に示すようにプロジェクト・エクスプローラ・パネル内のアセンブリ・プロジェクトのMAFノードにある)をダブルクリックして、MAFアプリケーション・エディタを開きます。

図3-3 プロジェクト・エクスプローラでのMAFアプリケーション・エディタの選択

この図は周囲のテキストで説明しています

モバイル・アプリケーションの基本情報を設定するには:

  1. 「アウトライン」でアプリケーションの名前を選択して、「アプリケーション」ページを選択します。


    注意:

    エディタでは、デフォルトで「アプリケーション」ページが開きます。

    図3-4は、「アプリケーション」ページの基本情報を定義する部分を示しています。

    図3-4 モバイル・アプリケーションの基本情報の設定

    この図は周囲のテキストで説明しています
  2. 「名前」フィールドに、アプリケーションの表示名を入力します。この属性はローカライズ可能です。詳細は、第7.1項「MAFアプリケーションのローカライズの概要」を参照してください。


    注意:

    MAFでは、このフィールドに入力した値をiOSアーカイブ(.ipaまたは.app)ファイルの名前として使用します。このファイルは、iOSデバイスまたはシミュレータにアプリケーションをデプロイすると作成されます。詳細は、第28.4.1項「iOSデプロイメント構成の作成方法」を参照してください。

  3. デフォルト値を使用するか、または「ID」フィールドに一意のIDを入力します。

    名前の競合を避けるため、AndroidとiOSでは、リバースパッケージ名が使用されます(例: com.company.application)。OEPEによって、アプリケーション名の前には、com.companyがリバース・パッケージとして付加されますが、この値は、一意であり、iOSとAndroidの両方のデバイスのIDガイドラインを順守しているかぎり、別の値で上書きできます。iOSアプリケーションについては、『iOS Team Administration Guide』 (http://developer.apple.com/library/iosのiOS Developer Libraryで入手可能)の「Creating and Configuring App IDs」を参照してください。Androidについては、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/guide/topics/manifest/manifest-intro.html)で入手可能な「The AndroidManifest.xml File」を参照してください。第28.3.1項「Androidデプロイメント構成の作成方法」および第28.4.1項「iOSデプロイメント構成の作成方法」で説明するデプロイメント・プロファイル内でこのIDを上書きできます。


    注意:

    Androidデバイスまたはエミュレータにアプリケーションが正しくデプロイされるようにするには、IDの先頭を数字やピリオドではなく、文字にする必要があります。たとえば、IDが925090のように(com.company.925090)完全に数値で構成されている場合、アプリケーションはデプロイできません。hello925090などの文字で始まるIDであれば(com.company.hello925090)、デプロイメントは正常に実行できます。

  4. 「説明」フィールドに、アプリケーションの目的を説明した、短いけれども詳細な要約を入力します。

  5. 「バージョン」フィールドに、バージョンを入力します。

  6. 「ベンダー」フィールドに、このアプリケーションを最初に作成したベンダーの名前を入力します。

  7. 「ライフサイクル・イベント・リスナー」フィールドの横にある「参照」をクリックして、「プロパティの編集」ダイアログ(図3-5を参照)を開き、イベントを起動、停止、アクティブ化、非アクティブ化するためのランタイム・コールを有効にするイベント・リスナーを登録します。イベント・リスナーの完全修飾クラス名を入力する必要があります。これはオプションのフィールドです。


    注意:

    ライフサイクル・イベント・リスナーのラベルにマウス・ポインタを置くと、リスナー・クラスを説明するツールチップが表示されます。

    図3-5 アプリケーション・イベント・リスナーの取得

    この図は周囲のテキストで説明しています

    デフォルトのアプリケーション・リスナー・クラスは、application.LifeCycleListenerImplです。MAFでは、デフォルトではこのクラスは登録されません。このクラスはJVMを起動するため、各モバイル・アプリケーションには適さない可能性があるからです。かわりに、「クラスの選択」ダイアログ(図3-5を参照)を使用して、手動でこのクラスを登録する必要があります。このダイアログを閉じると、OEPEにより、<adfmf:application>要素がlistener-class属性によって更新されます(listener-class属性を追加する次の例を参照)。


    注意:

    アプリケーション・ライフサイクル・リスナーは引き続き、アプリケーション・コントローラ・プロジェクト(デフォルトの場所)内に存在している必要があります。

    <adfmf:application xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
                       xmlns:adfmf="http://xmlns.oracle.com/adf/mf"
                       name="OracleMobileApplication"
                       id="com.company.OracleMobileApplication"
                       appControllerFolder="ApplicationController" 
                       listener-class="application.LifeCycleListenerImpl"
                       version="1.1"
                       vendor="Oracle">
       <adfmf:description>This is a mobile application</adfmf:description>
       <adfmf:featureReference id="feature1"/>
    </adfmf:application>
    

    詳細は、第11.1項「MAFアプリケーションでのライフサイクル・イベント・リスナーの使用について」を参照してください。