3 DIVAnet のインストール

インストールする前に

  • DIVAnet は分散型アプリケーションであり、複数のシステムにインストールされることがよくあります。DIVAnet のインストール先となるシステムおよびサーバーと、インストールする特定の DIVAnet サービスについて理解するには、第2章を参照してください。

  • DIVAnet に接続された各 DIVArchive サイトでは、DIVArchive 7.3.1 以降が実行されている必要があります。

  • DIVAnet は、64 ビット Windows プラットフォームまたは 64 ビット Oracle Linux プラットフォーム (リリース 7 以降) にインストールできます。DIVAnet は、DIVArchive と同じホームディレクトリ、またはそれ独自のディレクトリのいずれかにインストールできます。

  • Windows マシンの場合、DIVAnet インストーラは管理者権限を必要とします。Linux マシンの場合、DIVAnet インストーラは diva という名前のユーザーを必要とします。

  • デフォルトでは、DIVAnet インストーラは、DIVAnet サービスファイル、DIVAnetUI、互換性のある 64 ビット Java 8 Java Runtime Environment (JRE) のインストールを処理します。DIVAnet はインストールされた JRE を実行用に使用します。DIVAnet データベースのインストールには、Oracle Database 11g リリース 2 以降と、DIVAnet システムに直接インストールされた Oracle SQLPlus (Oracle 11 以降のクライアントソフトウェア) が必要です。

  • DIVAnet を再インストールする場合は、DIVAnet コンポーネントが実行中でないことを確認します。

DIVAnet ソフトウェアのインストール

DIVAnet は Windows または Oracle Linux 7 オペレーティングシステムのいずれかにインストールできます。以降のサブセクションで、各プラットフォームへのインストールについて説明します。

DIVAnet Windows のインストール

DIVAnet を Windows 環境にインストールするには、次の手順を使用します。

  1. 管理者権限を持つアカウントを使用して、DIVAnet インストーラの実行可能ファイル DIVAnet_V2.1.version.exe を起動します。

  2. 目的のコンポーネントを選択し、「Next」をクリックします。

    • ターゲットディレクトリにまだインストールしたことがない場合は、「Java」を選択します。

    • DIVAnet ユーザーインタフェースをインストールするだけの場合は、「DIVAnet Services」の選択を解除します。

  3. ターゲットのインストールディレクトリを指定します。これは DIVAnet ホームディレクトリになります。次に、「Install」をクリックします。

    注記:

    DIVArchive インストールディレクトリを DIVAnet ホームディレクトリとして使用できます。ただし、DIVAnet をそれ独自のディレクトリにインストールすることをお勧めします。

Oracle Linux DIVAnet のインストール

Linux で実行する場合は、diva というユーザーと divanetsvc というユーザーを作成する必要があります。divanetsvc ユーザーは、diva が所有するファイルの書き込み、読み取り、および実行権限を持っている必要があります。diva ユーザーは、Linux systemctl コマンドに対する sudo 権限を持っている必要があります。インストールは、diva ユーザー、admin ユーザー、または root として実行する必要があります。ソフトウェアをインストールする前に、diva ユーザーを作成する必要があります。インストールの前に、diva および divanetsvc ユーザーを作成するためのオプションがインストーラに表示されます。

DIVAnet を Linux 環境にインストールするには、次の手順を使用します。

  1. ターミナルセッションを開いて、DIVAnet リリースの親ディレクトリに移動します。

  2. DIVAnet インストールパッケージ (たとえば、DIVAnet-2.1-RELEASE.sh) をディレクトリ内に配置します。インストーラにより、DIVAnet をこの親ディレクトリの子サブディレクトリにインストールできるようになります。

  3. 次のコマンドを使用して、DIVAnet のインストールを開始します。

    sh ./DIVAnet-2.1-RELEASE.sh

  4. ソフトウェアをインストールする前に、前提条件である diva および divanetsvc Linux ユーザーを作成するためのオプションがインストーラに表示されます。ユーザーがインストールされ、適切な権限が割り当てられたあとで、DIVAnet ソフトウェアをインストールするためのオプションを選択します。

  5. DIVAnet をインストールするサブディレクトリの名前を入力するよう求められます。DIVAnet というデフォルトのサブディレクトリを使用するには Enter を押し、インストールディレクトリを作成するには、カスタムのサブディレクトリ名を指定してから、Enter を押します。

    DIVAnet インストールプロセスが開始され、すべてのファイルとフォルダが指定されたターゲットディレクトリ内に抽出されます。

次のセクションでは、インストールを完了するために必要になることがある追加の手順について説明します。詳細については、第2章を参照してください。

DIVAnet データベースの作成

DIVAnet データベースを作成するには、最初に DIVAnet テーブルを作成し、次に DIVArchive サイトを構成します。

テーブルの作成

この手順では、実行中の Oracle サーバー上に存在することになる DIVAnet データベーステーブルを作成します。この手順は、DIVAnet の完全インストール (第2章を参照) を行う場合にのみ必要です。

DIVAnet データベーススキーマの作成

SQL 作成スクリプトを実行するには、DIVAnet をインストールするシステムに SQLPlus (Oracle 11 g 以降のクライアントソフトウェア) がインストールされている必要があります。sqlplus ユーティリティーへのパスがシステム上の PATH 環境変数に指定されていることを確認してください。

  1. コマンド行ウィンドウまたはターミナルシェルを開きます。ディレクトリを DIVAnet ホームディレクトリ (DIVAnet がインストールされているディレクトリ) に変更します。

  2. ディレクトリを Program/Database/divanet/Install に変更します。

  3. 次のコマンドを実行します。

    Windows:

    create_divanet_user.bat {syspassword} {username} {userpassword} {oracle_tns_name}

    Linux:

    create_divanet_user.sh {syspassword} {username} {userpassword} {oracle_tns_name}

    前のコマンドで、syspassword は Oracle システムパスワード、username は DIVAnet テーブルを含む Oracle ユーザー名/スキーマ名、oracle_tns_name はインストールに使用する DIVAnet データベース用の Oracle TNS 名です。データベース用の TNS 名が定義されていない場合、次のセクションを参照して TNS 名をリアルタイムで作成できます。

DIVAnet データベーススキーマの削除

DIVAnet データベーススキーマを削除するには、次の手順を実行します。

注意:

これにより、DIVAnet データベース内のすべてのデータが削除されます。
  1. ディレクトリを Program/Database/divanet/Install に変更します。

  2. 次のコマンドを実行します。

    Windows:

    delete_divanet_user.bat syspassword username oracle_conn_string
    

    Linux:

    delete_divanet_user.sh syspassword username oracle_conn_string
    

    前のコマンドで、syspassword は Oracle システムパスワード、username は DIVAnet テーブルを含む Oracle ユーザー名またはスキーマ名、oracle_conn_string はインストールに使用する DIVAnet データベース用の Oracle TNS 名または Oracle 接続文字列 (次のセクションを参照) です。データベース用の TNS 名が定義されていない場合、次のセクションを参照して、スクリプトの追加および削除で使用するための Oracle 接続文字列を作成できます。

Oracle 接続文字列

データベース用の TNS 名が定義されていない場合、Oracle 接続文字列を指定できます。この文字列の形式は次のとおりです。

netaddress:port/remote_servicename

ここでは:

  • netaddress: データベースが実行されるネットワークアドレス

  • port: クライアントが接続可能なポート

  • remote_servicename: Oracle リモートサービス名。これはローカルで使用されるサービス名とは異なります。DIVA Oracle データベースインストールパッケージのデフォルトは lib5.world です。完全な接続文字列の例は 183.34.34.67:1521/lib5.world です。

サイトの追加

DIVAnet テーブルが作成されたあと、DIVAnet データベース内の DIVA サイトを構成する必要があります。次のように addSites スクリプトを実行して、データベース内のサイトを構成します。

  1. DIVAnet のホームディレクトリに変更してから、Program/divanet/bin サブフォルダに移動します。

  2. addSites スクリプトを実行します。

    Windows: addSites.bat

    Linux: addSites.sh

    このスクリプトは、ユーザーがサイト名レコードを追加し、サイト名、場所、およびコメントを構成する作業を、順を追って案内します。サイトへのネットワーク接続は、ClientAdapter 構成ファイル内に構成されます (第4章を参照してください)。物理的な場所、またはサイトの機能のいずれかがわかりやすく、それを反映するサイト名を作成してください。

    注記:

    この手順で指定するサイト名は、ローカルとリモートの両方の DIVAnet サービスを構成するときに使用されます。addSites スクリプトを実行する前に、目的のサイト名に一貫性があり一致していることを確認してください。コマンドの実行中に間違えた場合は、addSites スクリプト内からサイトを論理的に削除できます。サイト名がデータベース内に追加されたら、DIVAnet のインストールを続行できます。

DIVAnet 構成ファイルの構成

構成する必要がある DIVAnet サービスを判別するには、第2章を参照し、各サービスを構成する方法を詳しく確認するには、第4章を参照します。

DIVAnet ホームディレクトリの下の Program/conf/divanet/templates サブディレクトリには、構成する必要がある各 DIVAnet サービスのためのテンプレート構成ファイルがあります。各テンプレートファイルには .ini 拡張子が付いています。各ファイルを取得し、親ディレクトリ (この場合は Program/conf/divanet) にコピーする必要があります。各ファイルをコピーするとき、.ini 拡張子を削除するようにしてください。

.ini ファイルの上部に、使用可能なパラメータのドキュメントがあります。DIVAnet サイトごとに、ManagerAdapterConfig.xml を構成します。DIVAnet の完全インストールの場合、ClientAdapterConfig.xml ファイルと DBSyncConfig.xml ファイルも構成する必要があります。

パラメータの多くはデフォルト値のままにしてもかまいません。Program/conf/divanet/wrapper フォルダ内の構成ファイルは何も変更する必要がありません。divaEnv.conf ファイルにオプションで情報を追加できます (詳細については、「構成ファイルへのスクリプト変数の追加」を参照してください)。

注記:

このドキュメントを読んでもデフォルトから変更するべきパラメータが不明な場合は、Oracle Support にお問い合わせください。

DIVAnet サービスのインストールと起動

インストールして構成する必要があるサービスを確認するには、第2章を参照してください。

構成ファイルが正しく設定されたあと、DIVAnet サービスをインストールして起動します。すべてのサービスを各 DIVAnet サイトにインストールするには、次の各ステップを実行します。

DIVAnet Windows サービスのインストール

DIVAnet サービスを Windows 環境にインストールするには、次の手順を使用します。

  1. DIVAnet ホームディレクトリ (DIVAnet がインストールされている場所) に変更します。

  2. Program/divanet/bin フォルダに移動します。

  3. インストールされるサービスのラッパー構成ファイルを指定して、InstallDivanetService.bat スクリプトを実行します。たとえば、ManagerAdapter サービス (DIVAnet に接続する Manager が実行されるすべてのサイトに必要) をインストールするには、次のコマンドを実行します。

    InstallDivanetService.bat ../../conf/divanet/wrapper/ManagerAdapterWrapper.conf
    
    • ClientAdapter サービスの場合、同じコマンドと同じパスを使用しますが、ファイル名を ClientAdapterWrapper.conf に置き換えます。

    • DbSync サービスの場合、ファイル名 DBSyncWrapper.conf を使用します。

  4. Windows の「サービス」ウィンドウには、次の DIVAnet サービスが 1 つ以上表示されます。

    • Divanet ManagerAdapter

    • Divanet ClientAdapter

    • Divanet DbSync

    サービスは任意の順序で起動できますが、DbSync サービスおよび ManagerAdapter サービスの両方が開始されたあと、データベース同期プロセスが自動的に開始されることに注意してください。ClientAdapter サービスを開始して、新しい DIVAnet 接続と API 処理が実行できるようにしてください。

DIVAnet Linux サービスのインストール

DIVAnet サービスを Linux 環境にインストールするには、次の手順を使用します。

  1. ターミナルセッションを開いて、Program/divanet/bin ディレクトリに移動します。

  2. divanetservice スクリプトを実行して、目的のサービス (DbSync、ClientAdapter、または ManagerAdapter) をインストールします。たとえば、ClientAdapter をインストールするには、次のコマンドを入力します。

    ./divanetservice install ClientAdapter

DIVAnet Linux サービスの管理

Linux DIVAnet サービスの作成後は、次のコマンドを使用して管理します。

表3-1 Linux DIVAnet サービス

操作
コマンド

すべてのサービスの一覧表示

./divanetservice list

サービスの起動

./divanetservice start service_name

サービスの停止

./divanetservice stop service_name

サービスの再起動

./divanetservice restart service_name

サービスのインストール

./divanetservice install service_name

サービスのアンインストール

./divanetservice uninstall service_name


service_name パラメータは、DbSyncClientAdapter、または ManagerAdapter にできます。DIVAnet サービスは、標準 Linux システム V systemctl コマンド構文を使用して管理することもできます。Linux コマンドプロンプトで man systemctl と入力すると、systemctl コマンドの詳細を確認できます。

ログの表示

DIVAnet アプリケーションでは主に次に示す 2 種類のログが生成されます。

  • トレースログProgram/log/divanet サブフォルダ内の DIVAnet ホームディレクトリ内に配置されます。各 DIVAnet サービス (ManagerAdapter、DbSync、ClientAdapter) は、Program/log/divanet フォルダの下に独自のサブフォルダを作成し、そのサブディレクトリ内にサービスのログファイルを生成します。

  • ラッパーサービスログ — アプリケーションが正しく開始したことを確認するためにこれらを最初に調査します。これらのログは、DIVAnet ホームディレクトリ内の Program/log/divanet サブフォルダにあります。これらには Wrapper.conf ファイルに似た名前が付けられますが、.log というファイル拡張子が付きます (例: ManagerAdapterWrapper.log)。

構成の確認

DIVAnet の構成でもっとも一般的なエラーはサイト名の指定のエラーです。DIVAnet ネットワーク内のすべての DIVA サイトでは、同じサイト名のセットが使用される必要があります。サイト名は、すべての構成ファイル内と DIVAnet データベース内で一貫性がある必要があります。LocalSitename パラメータが、すべてのサービス構成ファイルに正しく構成されている必要があります。

DIVArchive のソース/宛先も検査する必要があります。たとえば、デフォルトでサイト diva1ソース/宛先の名前がサイト diva2 のものと同じである場合、DIVAnet はこれらが物理的に同じソース/宛先を指しているものとみなします。2 つの異なる DIVArchive サイトで同じソース/宛先の名前が構成されている場合、DIVAnet はこれらのソース/宛先が同じ場所を参照するものと判断します。

DIVAnet データベースの同期

DbSync サービスが開始されると、ManagerAdapter サービスに連絡することによって、アーカイブ済みオブジェクト情報を同期しようとします。次に ManagerAdapter サービスは、接続先の DIVArchive サイトからアセット情報を取得します。したがって、同期を開始する準備ができた場合のみ DbSync サービスおよび ManagerAdapter サービスを起動する必要があります。

注記:

DbSync サービスを停止した場合、サービスを再起動すると、同期は中断した場所から再開されます。

DivanetAdmin コマンド行ツールはデータベース同期のステータスをサイトごとにモニターします。DIVAnet が特定サイトの初期同期を実行している場合は、その初期同期操作の完了率が表示されます。サイトが最新状態である場合、DivanetAdmin はサイトが同期されていることを示します。

DivanetAdmin はサイトを再同期するためにも使用できます。この操作には、以前同期されたすべてのアーカイブ済みオブジェクトレコードをサイトから削除し、オブジェクトレコードをソースから再同期する操作が含まれます。これは、ソース DIVA データベースが古いデータベースバックアップから予期せず復元された場合など、まれな状況でのみ使用します。

DIVAnet のアップグレード

新しいバージョンの DIVAnet へのアップグレードを試みる前に、既存の DIVAnet ホームディレクトリのバックアップを作成することをお勧めします。また、アップグレードを試みる前に、サーバーで実行中の DIVAnet サービスまたはプログラムを停止する必要もあります。DIVAnet ソフトウェアをアップグレードするには、次の手順を使用します。

  1. DIVAnet ソフトウェアのインストール」セクションの手順に従います。これにより、DIVAnet ホームディレクトリに最新の DIVAnet ソフトウェアがインストールされます。

  2. DIVAnet データベースを含むシステムをアップグレードする場合は、DIVAnet データベースのアップグレードユーティリティーを実行する必要があります。このユーティリティーを実行するには、ディレクトリを Program/divanet/bin に変更し、次のコマンドを実行します。

    Windows: upgradeDB.bat

    Linux: ./upgradeDB.sh

    このスクリプトは、DIVAnet データベースについての入力 (データベースのユーザー名と、データベースが存在する場所のネットワークアドレスを含む) を求めます。このユーティリティーにより、必要なデータベースオブジェクトが追加または変更されます。データベースがすでに最新のリリースにアップグレードされている場合、スクリプトは単純に成功を返します。