1 概要

このセクションでは、T10000A/B/C テープドライブの概要を説明し、テープドライブのセキュリティーの一般原則について説明します。このセキュリティーガイドでは、T10000A、T10000B、および T10000C テープドライブを対象にしています。

製品の概要

エンタープライズテープドライブの T10000A/B/C ファミリーは、ファイバーチャネルプロトコルによるオープンシステム SCSI にも、FICON プロトコルによるメインフレームにも接続できます。T10000 テープドライブは、ホストとの間でデータを送受信し、リムーバブル磁気メディア上にデータを保存します。T10000 ファミリーのテープドライブは、主に、高いデューティーサイクルと信頼性を要求する企業のお客様向けに、高い信頼性、大容量のバックアップ、アーカイブ、およびデータ処理機能を提供することを目的としています。ファミリーの各製品は、オプションのデータ暗号化を用意しています。お客様には暗号化機能を有効にするオプションがあります。すべての製品は最小の Federal Information Processing Standard (FIPS 140-2 レベル 1) を満たしています。各テープドライブ製品は、容量とネイティブテープ速度が拡張されています。さらに、これまでにデータ管理機能も追加されています。次に、世代間の容量とパフォーマンスの移行を説明します。

T10000A

500G バイトの容量と 120M バイト/秒のネイティブテープ速度

T10000B

1T バイトの容量と 120M バイト/秒のネイティブテープ速度

T10000C

5T バイトの容量と 240M バイト/秒のネイティブテープ速度

セキュリティー

すべてのテープドライブ製品は、制御されたハードウェア環境内で使用するように設計され、ドキュメント化されています。テープドライブは常に制御されたデータセンター内に置き、一般にテープライブラリの内部に置きます。場合によってはお客様はラックマウントバージョンを使用しますが、これはまれです。制御されたデータセンターもお客様の独自のセキュリティーポリシーによって保護されているファイアウォール内に置きます。これにより、最高の機能を提供し、一般的なインターネットとテープドライブを操作する内部エンティティーのどちらの危険からも保護します。

一般的なセキュリティー原則

すべての製品をセキュアに使うために、次の原則が重要になります。

ソフトウェアを最新に維持する

優れたセキュリティー実践の原則の 1 つは、すべてのソフトウェアバージョンとパッチを最新に維持することです。このドキュメントでは、次のソフトウェアレベルを想定しています。


T10000A 1.48.112
T10000B 1.48.212
T10000C 1.53.316 (2012 年 9 月にリリース)
T10000C 1.57.308 (2013 年 4 月にリリース)

ネットワークアクセスを制限する

テープドライブは、データセンターのファイアウォールの背後に置いてください。ファイアウォールにより、これらのシステムへのアクセスが、既知のネットワークルートに確実に制限され、必要に応じて監視および制限することができます。代わりとして、ファイアウォールルーターは複数の独立したファイアウォールに置き換わるものです。可能な場合、テープドライブに接続を許可されているホストを識別し、ほかのすべてのホストをブロックすることをお勧めします。

最新のセキュリティー情報を確認する

Oracle では、ソフトウェアおよびドキュメントを絶えず改善しています。リリースごとにこのドキュメントのリビジョンを確認してください。