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分散アプリケーションのサポートに必要なネットワーク機能を構成するには、表12‑1の構成ファイルに次のエントリを含めます。
表12‑1 分散アプリケーション用のネットワークの構成 MODEL (必須) MP。このパラメータを指定すると、他のネットワーク・パラメータが有効になります。これは、ネットワーク接続されたマシン用のパラメータです。1台のマシンによる構成では、マルチプロセッサ・マシンの場合でもSHMを使用します。 OPTIONS (必須) LAN (ローカル・エリア・ネットワーク)を指定すると、同一マシン上のプロセッサ間ではなく、異なるマシン間で通信が行われます。 MAXNETGROUPS (オプション) 定義できるNETGROUPSの数の制限を指定します。デフォルトは8で、上限値は8192です。 2台のマシン間でメッセージを交換する場合に、メッセージのエンコードが必要かどうかを指定します。TYPEパラメータは、定義される各マシンで使用されるデータ表現を指定します。データ表現が異なるマシン間でメッセージを送受信する場合は、送信メッセージをエンコードしてから送信し、受信時にデコードします。メッセージを交換するすべてのマシンで同じタイプのデータ表現が使用される場合は、このパラメータを設定する必要はありません。このパラメータは、異なるタイプが使用されるマシンの場合にのみ設定する必要があります。たとえば、9台のSPARCマシンと1台のHPマシンがある場合は、HPマシンにのみTYPE=stringを指定する必要があります。SPARCマシンは、デフォルトのNULL文字列により、同じタイプであると見なされます。 圧縮のしきい値、つまり、リモートやローカルの宛先に送信するメッセージのうち、圧縮の対象とするメッセージの最小値をバイト数で指定します。remoteおよびlocalに指定できる値は、0からMAXLONGまでの数値です。CMPLIMITに1つだけ値を指定すると、指定した値はremote引数と見なされ、ローカルの宛先に送信されるメッセージは圧縮されません。たとえば、CMPLIMIT=1024と設定すると、リモートの宛先への、1024バイトより大きいメッセージは圧縮されます。 リモート・サービスのLOADの値に、アプリケーション固有の数値を追加します。結果は、リクエストをローカルで処理するか、またはリモート・マシンに送信するかを決定するために使用されます。NETLOADの値が大きいほど、リモート・マシンに送信されるトラフィックは少なくなります。 NETGROUPS (オプション) NETGROUP (必須) NETWORK (オプション) LMID (必須) 指定したマシンを、MACHINESセクション内のエントリの1つにマッピングします。 このLMIDのBRIDGEプロセスに対するリスニング用アドレスを指定します。このネットワーク・アドレスを指定する有効な形式は4つあります。詳細は、UBBCONFIG(5)のNETWORKセクションを参照してください。
• 送信側では、BRIDGEにより、メッセージがdestination_machineに送信されます。これは、メッセージを仮想回線に書き込み、オペレーティング・システムにその送信処理を委託することにより実現されます。保留メッセージのコピーは、オペレーティング・システム側で保持されます。ただし、ネットワーク・エラーが発生すると、保留メッセージは失われます。
• 受信側では、BRIDGEプロセスが、特定のネットワーク・アドレスで受信メッセージをリスニングします。
• 複数のアドレスでリスニングできるため、BRIDGEで高い可用性が実現されます。
• パラレル・データ回線上で同時にデータを送信することにより、従来のネットワークでの制限が解消され、BRIDGEでより高いスループットを実現できます。
• パラレル・データ回線を構成している場合は、最初の送信先である回線がビジー状態であっても、メッセージの送信は必ずしも失敗しません。トラフィックは、ネットワーク・グループ番号(NETGRPNO)が最も大きい回線に流れるように、システム側でスケジューリングされます。この回線がビジー状態の場合、トラフィックは次の回線、つまりネットワーク・グループ番号が2番目に大きい回線に自動的にスケジューリングされます。すべての回線がビジー状態の場合は、回線が使用可能になるまでデータはキューに入れられます。図12‑1に、あるマシンから別のマシンへのデータの流れを示します。この図は、マシンAとマシンBで構成される例に基づいています。まず、BRIDGEは、両方のマシンに共通のネットワーク・グループであるMAGENTA_GROUP、GREEN_GROUPおよびDEFAULTNETを識別します。優先度が同じネットワーク・グループ(NETPRIOパラメータの値が同じグループ)には、データは並列に流れます。優先度が異なるネットワーク・グループは、フェイルオーバー用です。図12‑1 BRIDGE上のデータの流れデータは使用可能な回線のうち、優先度が最も高い回線を流れます。すべてのネットワーク・グループに同じ優先度が与えられている場合、データはすべてのネットワークに同時に送信されます。現在優先されているすべての回線で障害が発生すると、データは次に優先度が高い回線に送信されます。このプロセスをフェイルオーバーと呼びます。フェイルオーバーが発生すると、失敗した接続は定期的に再試行されます。優先度の高いネットワーク接続が再確立されると、フェイルバックが発生し、優先度の低い接続にはデータがスケジューリングされなくなります。優先度が低い接続は、規則的な方法で切断されます。
注意: 複数のネットワーク・グループ(NETGROUPS)を構成する場合のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルでは説明していません。たとえば、マシンが、複数の物理ネットワークに参加しなければならない場合があります。各マシンのTCP/IPシンボリック・アドレスは、/etc/hostsファイルまたはDNS(ドメイン・ネーム・サービス)で識別する必要があります。
• DEFAULTNET (デフォルトのネットワークである企業WAN)
• MAGENTA_GROUP (LAN)
• BLUE_GROUP (LAN)
• GREEN_GROUP (メンバーのマシン間に、高速な光ファイバのポイント・ツー・ポイント・リンクを提供する専用LAN)すべてのマシンは、DEFAULTNET (企業WAN)に属します。さらに、各マシンはMAGENTA_GROUPまたはBLUE_GROUPに関連付けられます。MAGENTA_GROUPの一部のマシンはGREEN_GROUPにも属しています。図12‑2に、ネットワークにおけるグループの割当てを示します。図12‑2 ネットワーク・グループの例
• DEFAULTNET (企業WAN)
• MAGENTA_GROUP (LAN)
• GREEN_GROUP (LAN)
• DEFAULTNET (企業WAN)
• MAGENTA_GROUP (LAN)
• DEFAULTNET (企業WAN)
• BLUE_GROUP (LAN)ローカル・エリア・ネットワークはすべての場所間ではルーティングされないため、マシンD (BLUE_GROUP LAN内)は、共通の単一アドレス、つまり企業WANネットワーク・アドレスのみを使用してマシンA (GREEN_GROUP LAN内)と通信します。*NETGROUPS
DEFAULTNET NETGRPNO = 0 NETPRIO = 100 #default
BLUE_GROUP NETGRPNO = 9 NETPRIO = 200
MAGENTA_GROUP NETGRPNO = 125 NETPRIO = 200
GREEN_GROUP NETGRPNO = 13 NETPRIO = 300
*NETWORK
A NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//A_CORPORATE:5723”
A NETGROUP=MAGENTA_GROUP NADDR="//A_MAGENTA:5724"
A NETGROUP=GREEN_GROUP NADDR="//A_GREEN:5725"B NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//B_CORPORATE:5723"
B NETGROUP=MAGENTA_GROUP NADDR="//B_MAGENTA:5724"
B NETGROUP=GREEN_GROUP NADDR="//B_GREEN:5725"C NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//C_CORPORATE:5723"
C NETGROUP=MAGENTA_GROUP NADDR="//C_MAGENTA:5724"
D NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//D_CORPORATE:5723"
D NETGROUP=BLUE_GROUP NADDR="//D_BLUE:5726"
• 現在優先されているすべての回線で障害が発生すると、データは次に優先度が高い回線に送信されます。図12‑3に、First State Bankの管理者が使用可能なネットワーク・グループに優先度を割り当てる方法を示します。図12‑3 ネットワーク・グループへの優先度の割当て
• BLUE_GROUP=200
• DEFAULTNET=100
• GREEN_GROUP=300
• MAGENTA_GROUP=200デフォルトのネットワーク・グループに優先度を割り当てるには、他のグループと同じように、DEFAULTNETのNETPRIOバラメータを設定します。DEFAULTNETの優先度を指定しないと、以下の例に示すようにデフォルト値の100が使用されます。一方、複数のネットワーク・グループに対して、同じNETPRIOの値を割り当てることもできます。たとえば、First State Bankの構成ファイルで、MAGENTA_GROUPとGREEN_GROUPに同じネットワーク優先度(NETPRIO=200)を割り当てることができます。各ネットワーク・アドレス(NETWORK)は、デフォルトでDEFAULTNETネットワーク・グループに関連付けられます。このパラメータは、エントリ間の統一性を保ちたい場合、または定義されるネットワーク・アドレスを2つ目のネットワーク・グループに関連付けたい場合に、明示的に指定することができます。