目次 前 次 PDF


Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP (IMS)のインストール

Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP (IMS)のインストール
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP (IMS)(以後TMA TCP for IMSと呼ぶ)のインストールを、次の基本的な作業に分けて説明します。
注意:
以前のリリースのeLink for Mainframe TCPをアップグレードする場合は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCPリリース・ノート』を参照してください。
インストールの準備
TMA TCP for IMSソフトウェアをインストールする前に、次の手順に従います。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCPリリース・ノート』の内容を確認します。
TMA TCP for IMSのインストール
TMA TCP for IMSをインストールするには、次の手順に従います。
手順1: z/OSデータセットの割当て
TMA TCP for IMSのソフトウェアCDのディレクトリ構造には、次の区分データセットが収容されています。
 
MSGCAT(順編成データセット)
1.
JCLサブディレクトリからJCLファイルINSTALLをFTPで転送します。
2.
インストール環境に合わせた高位修飾子(hlq1hlq2が、インストール環境に合わせるデータセット名の高位修飾子)を使用して、このジョブを実行して、データセットを割り当てます。
Tuxedo Mainframe Adapter for TCPファイルの配布を受け取るための次のデータセットが割り当てられます。
リスト4-1 z/OSデータセットの割当て
DSNAME: hlq1.hlq2.CONTROL
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: IMS sample definitions, sample configuration file
DSNAME: hlq1.hlq2.INCLUDE
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: C header file, COBOL copybooks
DSNAME: hlq1.hlq2.JCL
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: Sample LINK and execute JCL
DSNAME: hlq1.hlq2.MSGCAT
DSORG: PS
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 100
BLKSIZE: 32000 (or other valid blocksize)
SPACE: 2 tracks
Usage: Message text
DSNAME: hlq1.hlq2.OBJECT
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 3200
SPACE: 1 cylinder
Usage: Pre-linked object files
DSNAME: hlq1.hlq2.SOURCE
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 track
Usage: Sample IMS client and server transactions
 
 
次のランタイム・データセットも割り当てられます。
 
リスト4-2 ランタイム・データセットの割当て
DSNAME: hlq1.hlq2.LOAD
DSORG: PO
DIRBLKS: 10
RECFM: U
LRECL: 0
BLKSIZE: 6133 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 cylinder
Usage: Load library
DSNAME: hlq1.hlq2.CONFIG
DSORG: PS
RECFM: FB
LRECL: 80
BLKSIZE: 23440 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 track
Usage: Configuration File
DSNAME: hlq1.hlq2.MSGLOG
DSORG: PS
RECFM: VB
LRECL: 1028
BLKSIZE: 6144 (or other valid blocksize)
SPACE: 1 cylinder
Usage: Message Log
DSNAME: hlq1.hlq2.SVRLOG
DSORG: PS
RECFM: VB
LRECL: 32756
BLKSIZE: 32760 (Note: required blocksize)
SPACE: 1 cylinder
Usage: Server Response Log
 
手順2: 配布ファイルのアンロード
TMA TCP for IMS製品は1枚のCD-ROM (Tuxedo Mainframe Adapter for TCP製品の他のメンバーも収録)に収録されて配布されます。TMA TCP for IMSの配布ファイルは、次のディレクトリ構造のいずれかの下にまとめられています。
このディレクトリ構造のうち、/cdromの部分は、ドライブがマウントされるディレクトリです。
このディレクトリ構造のうち、D:の部分はCD-ROMドライブです。
配布ファイルはCD-ROMに収録されているため、たいていの場合は、UNIXベースのシステムまたはPCベースのシステムを使用して、CD-ROM上のファイルにアクセスし、そのファイルをz/OSにファイル転送することになります。
各サブディレクトリの内容を、z/OSシステム上の該当する配布ライブラリに転送します。z/OSシステムへのファイル転送が可能なファイル転送プログラム(FTPなど)など、任意の処理機構を使用します。ファイル転送プログラムには次の機能が必要です。
IBM製のファイル転送プログラム(TCP/IP for z/OSの一部として配布されるFTP)は、これらの要件を両方とも満たします。
配布CD-ROMの各サブディレクトリ内のファイルはそれぞれ、関連付けられている宛先ライブラリのメンバーに対応します。たとえば、JCLサブディレクトリのファイルBEATCPIは、JCL配布ライブラリのメンバーBEATCPIに対応します。
注意:
CONTROLINCLUDEJCLおよびSOURCEサブディレクトリ内のすべてのファイルはテキスト・ファイルです。したがって、これらのファイルをCD-ROMからz/OS配布ライブラリの対応メンバーに転送するときには、テキスト(つまりASCII)・モードを指定するようにしてください。
MSGCATファイルとOBJECTサブディレクトリ内のすべてのファイルはバイナリ・ファイルです。これらのファイルをCD-ROMからz/OS配布ライブラリの対応メンバーに転送するときは、バイナリ(つまりイメージ)・モードを指定してください。
手順3: TMA TCP for IMSのリンクエディット
TMA TCP for IMSプログラムは事前リンク済のオブジェクト・ファイルとして配布されます。IBM社のTCP/IPとリンクには、LNKBEA34 JCLファイルを使用します。
必要に応じて、ユーザーのインストールに関する基準やネーミング・ルールに合うようにJCLを変更します。ジョブを実行する前に、次の項目を確認して必要な変更を行ってください。
1.
2.
LE/370のデータセット(たとえばSYS1.SCEELKED)、TCP/IP for z/OSのデータセット(たとえばSYS1.SEZACMTX)、IMS(たとえばIMSV5R1.RESLIB)というように、個別のインストールで使用する名前に合わせる必要があれば、製品のデータセットをその名前に変更します。
3.
ステップ1で割り当てたデータセットの名前(BEATCPI.DIST.OBJECT)に合わせる必要があれば、TMA TCP for IMSデータセットの名前をその名前に変更します。
4.
注意:
ジョブが正常に終了すると、リンクエディットのステップで0という戻りコードが戻され、実行可能ロード・モジュールが指定の宛先ロード・ライブラリに格納されます。ロード・モジュールの属性がAMODE=31RMODE=24になっていなければなりません。未解決の外部参照がなくなっていなければなりません。
TMA TCP for IMSとリンクするためのJCLのサンプル
リスト4-3は、配布オブジェクト・ファイルを実行可能ロード・モジュールにリンクするJCLです。
リスト4-3 配布オブジェクト・ファイルをリンクするためのJCLのサンプル
//JOBNAME JOB ETC.
//LKED EXEC PGM=HEWL,COND=(4,LT),
// REGION=2M,PARM='AMODE=31,MAP,XREF'
//SYSLIB DD DSNAME=SYS1.SCEELKED,DISP=SHR
// DD DSNAME=SYS1.SEZACMTX,DISP=SHR
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//SYSLMOD DD DISP=SHR,DSNAME=BEATCPI.DIST.LOAD
//SYSUT1 DD UNIT=VIO,SPACE=(TRK,(10,10))
//RESLIB DD DISP=SHR,DSN=IMSV5R1.RESLIB
//SYSLIN DD DISP=OLD,DSN=BEA.HLQ.OBJECT(PREBEA34)
// DD *
INCLUDE RESLIB(DFSLI000)
ENTRY CEESTART
NAME BEATCPI(R)
/*
//
 
手順4: MVSに対するTMA TCP for IMSの定義
IMS環境にTMA TCP for IMSを統合化するには、MVSにその内容を正しく定義する必要があります。
OTMAの定義
OTMAを使用してz/OS環境にTMA TCP for IMSを統合するには、プログラム・プロパティ表(PPT)にその内容を正しく定義する必要があります。リスト4-4は、Tuxedo Mainframe Adapter for TCP製品用のサンプルのプログラム・エントリです。また、プログラムをAPF認可ライブラリにもリンクする必要があります。
リスト4-4 プログラム・プロパティ表のサンプル
PPT PGMNAME(BEATCP34) /* PROGRAM NAME = BEATCP34 */
CANCEL /* PROGRAM CAN BE CANCELED */
KEY(7) /* PROTECT KEY ASSIGNED IS 7 */
SWAP /* PROGRAM IS SWAPPABLE */
NOPRIV /* PROGRAM IS NOT PRIVILEGED */
DSI /* REQUIRES DATA SET INTEGRITY */
PASS /* CANNOT BYPASS PASSWORD PROTECTION */
SYST /* PROGRAM IS A SYSTEM TASK */
AFF(NONE) /* NO CPU AFFINITY */
NOPREF /* NO PREFERRED STORAGE FRAMES */
 
手順5: TMA TCP for IMSの構成ファイルの作成
Oracle TMA TCP for IMSでは、構成を確立するために、初期化中に読み込まれ処理されるテキスト形式の構成ファイルが使用されます。任意のテキスト・エディタ(ISPFのエディタなど)を使用して構成ファイルを作成できます。CONFIGOT (CONTROL配布ライブラリのOTMAのサンプル)は、構成ファイルを作成する際のひな形として使用できるサンプルの構成ファイルで、ユーザー固有のインストール環境に合わせて変更できます。
完成した構成ファイルを「手順1: z/OSデータセットの割当て」の項で割り当てた構成データセットに格納します。構成ファイルは次の基本的なセクションで構成されます。
SYSTEM文の定義
注意:
構成ファイルの構文とパラメータ定義の詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP IMSユーザー・ガイド』を参照してください。
SYSTEM文の定義
SYSTEMパラメータによって、Oracle TMA TCP for IMSの運用環境が制御されます。TMA TCP for IMSはIMSメッセージ・キューを待機できないため、新しい処理対象(たとえばIMSのクライアント・リクエストやサーバー・レスポンス)がないかどうか調べるために、定期的にキューが確認(ポーリング)されます。IMSメッセージ・キューに処理対象があるかどうかのチェックを開始するまで、TMA TCP for IMSがアイドル状態でどのくらいスリープ(待機)するのかの時間を指定するために、SleepTimeパラメータを設定します。
ローカル・ゲートウェイの定義
リモート・システムからローカル(IMS)・ゲートウェイへのアクセスを定義するGATEWAY TYPE=LOCAL文を1つ以上指定する必要があります。この文には次の内容を指定します。
対応するIPアドレス、ポート番号、アカウントID(使用する場合)およびパスワード(使用する場合)がリモート・システムに正しく構成されていることを確認します。正しく構成されていない場合は、リモート・システムがこのゲートウェイに接続しようとしても、接続できません。
リモート・ゲートウェイの定義
GATEWAY TYPE=REMOTE文にはIMSゲートウェイからリモート・システムへのアクセスを定義します。それぞれのGATEWAY TYPE=REMOTE文に指定する具体的な内容は次のとおりです。
IPアドレス、ポート番号、アカウントIDおよびパスワードは、リモート・システムの構成と一致している必要があります。一致していない場合は、リモート・システムとの発信セッションを確立しようとしても確立できません。
リモート・サービスの定義
SERVICE TYPE=REMOTE文には、TMA TCP for IMSのアクセス先のリモート・サービスを定義します。それぞれの文に指定する内容は次のとおりです。
サービスを提供するリモート・システムは論理マシン識別子で識別されますが、この識別子は、GATEWAY TYPE=REMOTE文に指定されている論理マシン識別子と一致する必要があります。
注意:
同じ(ローカル・)サービス名に対して複数のSERVICE TYPE=REMOTE文を指定することも可能です。この場合は、それぞれの文に別々のリモートの論理マシン識別子を指定する必要があります。このようにすると、サービスを提供する複数のリモート・システムの間でTMA TCP for IMSが各サービスに対するリクエストを分散できるようになるため、負荷が分散されスループットが全体的に向上します。
ローカル・サービスおよびIMSホスト・システムの定義
SERVICE TYPE=LOCAL文には、ローカルのIMSホストが提供するローカル・サービスを定義します。それぞれの文が別々のローカルのIMSIDを指定するようにすれば、複数のSERVICE TYPE=LOCAL文を定義したり、複数の文で同じサービスを定義することもできます。それぞれの文に次の情報を指定する必要があります。
ローカル・サービス名は、IMSクライアント・トランザクションがサービスのリクエストに使用する名前です。リモート・サービス名は、リモート・システム上に定義されているとおりのサービス名です。
注意:
サービスを提供するIMSID (論理的なIMS ID)。
IMSIDは、IMSのシステム定義を一意に識別するためのシンボル名です。この名前は、HOST, TYPE=IMS文に指定した論理的なIMS ID (IMSID)と一致する必要があります。
手順6: TMA TCP for IMSを実行するJCLの作成
Oracle TMA TCP for IMS製品を実行するためのJCLを作成する必要があります。次の項では、OTMAクライアントとして実行するためのJCLの作成手順について説明します。
OTMAクライアント用のJCL
製品をOTMAクライアントとして実行する場合、TMA TCP for IMSは、z/OS配下のアドレス空間で起動タスクまたは長時間の実行ジョブとして実行されます。JCL配布ライブラリのメンバーRUNOTMはTMA TCP for IMS実行用のサンプル・ジョブです。
ユーザーのOTMAインストール環境に合わせてJCLを変更する場合は、特に次の点に注意してください。
TMA TCP for IMSはC言語で記述されており、LE/370ランタイム環境へのアクセスが必要です。LE/370ランタイム・データセット用のSTEPLIBに、SYS1.SCEERUN and SYS1.SCEELKEDを含むDDカードを追加します。ユーザーのインストール環境に合うものであれば、どのようなデータセット名を使用してもかまいません。ユーザーのインストール環境に合うものであれば、どのようなデータセット名を使用してもかまいません。
異常が発生したときに備えて、SYSUDUMPCEEDUMPのどちらか一方または両方にDDカードを追加することもできます。異常終了(ABEND)が発生した場合には、LE/370がフォーマット済のダンプをCEEDUMPに書き込みます。
TPC/IPデータ・ファイル(TCPIP.V3R1.DATAなど、ただしインストール環境の基準に従う必要がある場合は変更可)を参照するSYSTCPD用のDDカードを追加します。このデータセットは、TMA TCP for IMSのアドレス空間でTCP/IPによって使用されます(IBM TCP/IPを使用する場合)。
以前にTMA TCP for IMSを実行したときのメッセージを残す場合は、MSGLOG DD文にDISP=MODを記述します。この場合、新しいメッセージはデータセットの末尾に追加されるため、それまでのメッセージは残ります。TMA TCP for IMSを新しく実行するたびにメッセージ・ログを上書きする場合は、MSGLOG DD文にDISP=OLD (またはDISP=SHR)を記述します。この場合、それまでのメッセージは残りません。
手順7: Oracle TMA TCP for IMSの起動
初めてTMA TCP for IMSを起動する場合は、その前に、IMSの定義が適切であることを確認してください。
TMA TCP for IMSを実行する際、JOBLIB/STEPLIBとJCLを使用する場合は、その連結がすべてAPF認証されていることを確認してください。
セキュリティにRACFを使用する場合は、IMSXCF.group.clientRACFFACILITYクラス・プロファイルを設定する必要があります。TMA TCP for IMSに応じたgroupの名前とclientの名前を構成できます。
「手順6 TMA TCP for IMSを実行するJCLの作成」の項で作成したJCLを実行して、TMA TCP for IMSを起動します。
この製品の運用の詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP IMSユーザー・ガイド』を参照してください。
手順8: インストールのテスト
TMA TCP for IMSを初めて起動するときには、システムを系統的にテストし、インストールと構成の妥当性を検証できるように、小規模で簡潔な構成を使用した、抑制された環境で起動する必要があります。この製品の使用に関する詳細は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP IMSユーザー・ガイドを参照してください。
配布ライブラリおよび実行可能ファイル
Tuxedo Mainframe Adapter for TCPのCD-ROMには次のライブラリと実行可能プログラムが収録されています。TMA TCP for IMSソフトウェアのインストールが終了したら、これらのライブラリとプログラムがシステムにインストールされていることを確認してください。
 

Copyright ©1994, 2017,Oracle and/or its affiliates. All rights reserved