プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Forms Servicesデプロイメント・ガイド
12c (12.2.1.1)
E77287-01
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

14 Forms診断エージェント

Forms診断エージェントまたはFormsメトリック・エージェントを使用すると、環境内で実行中のFormsアプリケーションに関するパフォーマンス関連の様々な情報を分析できます。このエージェントはメトリック・データ(DMSで使用可能なもの)に定期的にアクセスし、データベース表に移入します。このプロセスにより、履歴データとして収集されたデータにアクセスできるようになります。

Forms診断エージェントは、Oracle Forms 11g R2以降のみで動作します。このアプリケーションのデプロイメントはオプションです。このエージェント・アプリケーションは、データ収集の頻度の指定、さらにデータ収集の開始と停止の制御が可能な対話型インタフェースを備えています。これを行うには、次のタスクを実行します。

14.1 Oracle Forms 12cのインストールと構成

Forms診断エージェントはOracle Forms 12cでのみ動作するため、このバージョンをインストールして構成する必要があります。

Oracle Forms 11g R2のインストールと構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Forms and Reportsインストレーション・ガイド』を参照してください。

14.2 データベース・スキーマの設定

Forms診断エージェント用にDBスキーマを設定するには、データベース内にユーザーとスキーマを作成する必要があります。ユーザーは、独自のデータベース・インスタンスを選択できます。Formsまたは診断エージェントとともにインストールされる特殊なデータベースはありません。

データベース内のユーザーの作成

データベース内にユーザーを作成するには、次の手順を実行します。


注意:

データベース内にユーザーを作成する前に、指定するユーザー名が新しいものであり、既存のものではないことを確認します。(データベース内にユーザーを作成する際に使用される).sqlスクリプトによってユーザーが新しいユーザーで上書きされるためです。

  1. 次に示すとおり、sysdbaとしてデータベースにログインします。

    sqlplus sys/<sys-password>@<DB> as sysdba

  2. 次のスクリプトを実行します。

    @ORACLE_HOME/forms/forms_create_diagnostics_user.sql

  3. ユーザーは、ユーザーIDおよびパスワードを入力する必要があります。

    これにより、ユーザーが作成されます。

データベース内のスキーマの作成

データベース内にスキーマを作成するには、次の手順を実行します。


注意:

データベース内にスキーマを作成する前に、指定するユーザー名が新しいものであり、既存のものではないことを確認します。(データベース内にスキーマを作成する際に使用される).sqlスクリプトによってスキーマが新しいスキーマで上書きされるためです。

  1. 前述の手順で作成したユーザーとして、データベースにログインします。

    sqlplus <user>/<password>@<DB>

  2. 次のスクリプトを実行します。

    @ORACLE_HOME/forms/forms_create_diagnostics_schema.sql

  3. これにより、スキーマが作成されます。

14.3 WebLogicでのデータ・ソースの設定

Forms診断エージェントで使用するデータベースを設定した後で、Weblogicコンソールを使用してデータ・ソースを設定する必要があります。これを実行する手順を次に示します。

  1. WebLogicコンソールにログインします。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、「サービス」を選択し、「データ・ソース」にナビゲートします。

    「チェンジ・センター」ウィンドウで、ロックして編集をクリックして変更を行います。

  3. 「JDBCデータ・ソースのサマリー」ページで、「構成」をクリックします。

    「データ・ソース」表で、「新規」をクリックし、リストから「汎用データ・ソース」を選択します。

  4. 次のパラメータに値を入力します。

    JDBCデータ・ソースの名前

    ユーザーは任意の名前を入力できます。

    JNDI名

    oracle/forms/agentDS

    データベースのタイプ

    前述の手順でユーザーおよびスキーマの作成に使用したデータベースのタイプを選択します。

    「次へ」をクリックします。「新しいJDBCデータ・ソースの作成」ページが表示されます。

  5. 選択したデータベースのタイプに使用可能なドライバのリストから、「データベース・ドライバ」を選択します。「次へ」をクリックします。

  6. 次のパラメータに値を入力します。

    データベース名

    ホスト名

    ポート

    データベース・ユーザー名

    前述の手順で、データベースにユーザーを作成したときに使用したユーザー名を入力します。

    パスワード

    前述の手順で、データベースにユーザーを作成したときに使用したパスワードを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  7. 次のページで、左上にある「構成のテスト」をクリックし、データベースが正しく構成されたかどうかをチェックします。

    「次へ」をクリックします。

  8. データ・ソースをデプロイするターゲットとして、「管理サーバー」を選択します。

    「終了」をクリックします。

  9. 「チェンジ・センター」ウィンドウで、「変更のアクティブ化」をクリックして変更を保存します。

    これでJDBCデータ・ソースの設定は終了です。

14.4 Forms診断エージェントのデプロイ

Weblogicでデータ・ソースを設定した後で、Weblogic管理サーバーにForms診断エージェントをデプロイする必要があります。このためには、Weblogicコンソールで次の手順を実行します。

  1. Weblogicコンソールにログインします。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、「デプロイメント」を選択します。

    「チェンジ・センター」ウィンドウで、ロックして編集をクリックして変更を行います。

  3. 「デプロイメントのサマリー」ページで、「インストール」をクリックします。

    「アプリケーション・インストール・アシスタント」ページが表示されます。

  4. .warファイルのパスを次のとおり入力します。

    ORACLE_HOME/forms/j2ee

    これは、formsagentapp.warファイルの場所です。

  5. formsagentapp.warファイルを選択します。「次へ」をクリックします。

    「ターゲット指定スタイルの選択」ページが表示されます。

  6. 「Install this deployment as an application」を選択します。

  7. Forms診断エージェントをデプロイするターゲットとして、「管理サーバー」を選択します。「次へ」をクリックします。

  8. オプション設定はデフォルト値のままにし、「終了」をクリックします。

    「チェンジ・センター」ウィンドウで、「変更のアクティブ化」をクリックして変更を保存します。Forms診断エージェントが、Weblogic管理サーバーに正常にデプロイされました。

    このアプリケーションを起動するには、デプロイされたアプリケーションのリストから「formsagentapp」を選択し、「起動」をクリックします。

14.5 データ収集の管理

このエージェント・アプリケーションでは、インタフェースを使用してデータ収集を管理できます。ユーザーは、データ収集の頻度を指定したり、データ収集の開始と停止を制御できます。このためには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLから、エージェント・コンソールにログインします。

    http://<host>:<admin port>/formsagent/AgentConsole.jsp

  2. ユーザーIDおよびパスワードを入力します。

    管理者権限を持つすべてのユーザーがこのコンソールにログインできます。

  3. データ収集の頻度に値を入力します。このパラメータは、連続する2つのデータ収集の間隔です。

    デフォルト値は10分です。最小値は1分にする必要があります。

  4. 「起動」をクリックします。

    Forms診断エージェントが実行中であることを示すメッセージが表示されます。エージェントによるメトリックの収集を停止する必要がある場合は、「停止」をクリックします。

14.6 エージェント・アプリケーションの使用

ユーザーがエージェント・アプリケーションにメトリックの収集を開始するよう指示すると、エージェントによってDMSからメトリックが収集され、データベース表に移入されます。ユーザーは、データベース表内のこの収集されたメトリックにアクセスできます。収集されたメトリックを使用する場合、ユーザーはフロントエンド・アプリケーションを作成して、これらのデータを読み取り、チャートやグラフなどを準備して環境内で実行中のFormsアプリケーションの履歴パフォーマンスを分析できます。

各表の主キーおよび外部キーを、次のそれぞれの表に示します。次に、Forms診断エージェントによるメトリック収集中に移入されるデータベース表を示します。

表14-1 ADMIN_SERVERデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

AGENT_ID

1

AGENT_IDは、ADMIN_SERVERデータベース表の主キーです。

エージェント・アプリケーションのID。1から始まる任意の整数

02

ADMIN_HOSTNAME

myhost.mydomain.com

管理サーバーがデプロイされたマシンの名前

03

ADMIN_PORT

7001

管理サーバーのポート


表14-2 AGENTデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

AGENT_STATUS

Running

エージェントのステータス

02

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

ステータスが記録される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

03

SEQUENCE_ID

205

エージェントのステータスが記録されるたびにエージェントによって作成されるID

04

FREQUENCY

40

連続する2つのデータ収集の間隔(分単位)

05

AGENT_ID

1

AGENT_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはADMIN_SERVERデータベース表内のAGENT_IDを参照しています。

エージェント・アプリケーションのID。1から始まる任意の整数


表14-3 FRM_DBデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_DB_ID

8769

FRM_DB_IDは、FRM_DBデータベース表の主キーです。

Formsアプリケーションで使用されるデータベースに割り当てられたID

02

DB_NAME

v11g

frmwebが接続されているデータベース。v11gに接続されている場合は、このフィールドにv11gと表示されます。frmwebがいずれのデータベースにも接続されていない場合、これはNULLになります。

03

TNS_ENTRY

(DESCRIPTION =

(ADDRESS_LIST =

(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sample.host.com)(PORT = 1521)))

(CONNECT_DATA =

(SERVICE_NAME = v11g)))

frmwebが接続されているデータベースのTNSエントリ

04

USER_NAME

scott

ログインしているデータベース・ユーザー


表14-4 FRM_DB_LOGINデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_DB_LOGIN_ID

345

FRM_DB_LOGIN_IDは、FRM_DB_LOGINデータベース表の主キーです。

表内の各行に割り当てられたID

02

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_RUNTIMEデータベース表内のFRM_RUNTIME_IDを参照しています。

03

FRM_DB_ID

1025

FRM_DB_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_DBデータベース表内のFRM_DB_IDを参照しています。

Formsアプリケーションで使用されるデータベースに割り当てられたID

04

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

表を更新するためのステータスが記録されメトリック・データが収集される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式


表14-5 FRM_RUNTIMEデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、FRM_RUNTIMEデータベース表の主キーです。

Formsプロセスを識別するID

02

WLS_APP_ID

5005

WLS_APP_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはWLS_APPデータベース表内のWLS_APP_IDを参照しています。

WLS_APP表内のFormsアプリケーションを判別します。

03

FRM_USER_ID

1310

FRM_USER_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_USERデータベース表内のFRM_USER_IDを参照しています。

Formsクライアントまたはクライアント・インスタンスに割り当てられたID

04

CONFIG_VALUE


formsweb.cfgからの構成セクション名

05

CONNECT_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

frmwebが起動される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

06

DISCONNECT_TIME

2009.07.23 at 18:15:43

frmwebが終了する日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

07

STARTING_FORM_NAME

emp

開始フォームの名前

08

PROCESS_ID

8020

中間層マシン上のfrmwebのプロセスId

09

FRM_STATUS

Running / Exited

frmwebのステータス

10

FRM_CPU_TIME_ON_EXIT

256

frmwebの終了時のCPU時間

11

FRM_PRIVATE_MEMORY_ON_EXIT

6385

終了時にFormsプロセスで使用されていたメモリー

12

FRM_EXIT_CODE




表14-6 FRM_TRACEデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_TRACE_ID

2679

FRM_TRACE_IDは、このデータベース表の主キーです。

FRM_TRACEデータベース表内の行に割り当てられたID

02

TRACE_FILE

forms_1055.trc

ftraceが有効化されている場合のトレース・ファイルの名前。ftraceが無効化されている場合はNULLになります。

03

TRACING

mytrace

アプリケーションによって選択されたトレース・グループの名前


表14-7 FRM_TRACE_USEデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_TRACE_USE_ID

1906

FRM_TRACE_USE_IDは、このデータベース表の主キーです。

データベース表内の行に割り当てられたID

02

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_RUNTIMEデータベース表内のFRM_RUNTIME_IDを参照しています。

Formsプロセスを識別するID

03

FRM_TRACE_ID

2679

FRM_TRACE_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_TRACEデータベース表内のFRM_TRACE_IDを参照しています。

データベース表内の行に割り当てられたID

04

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

表を更新するためのステータスが記録されメトリック・データが収集される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式


表14-8 FRM_USERデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_USER_ID

1310

FRM_USER_IDは、このデータベース表の主キーです。

Formsクライアントまたはクライアント・インスタンスに割り当てられたID

02

CLIENT_IP

255.255.255.255

ブラウザの起動元およびユーザーが中間層への接続に使用したクライアント・マシンのIPアドレス

03

SSO_USERID

fname.lname@myapp.com

ログインしたユーザーのシングル・サインオンID


表14-9 HISTORYデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_RUNTIMEデータベース表内のFRM_RUNTIME_IDを参照しています。

Formsプロセスを識別するID

02

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

スナップショットが実行される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

03

SEQUENCE_ID

205

エージェントのステータスが記録されるたびにエージェントによって作成されるID。

04

FRM_BYTES_SENT

400

これまでに、このプロセスでサーバーからクライアントに送信されたバイト数

05

FRM_BYTES_SENT_DELTA

37

エージェントで前回測定されてから、このプロセスでサーバーからクライアントに送信されたバイト数の差分

06

FRM_BYTES_RECEIVED

200

これまでに、このプロセスでクライアントからサーバーに送信されたバイト数

07

FRM_BYTES_RECEIVED_DELTA

23

エージェントで前回測定されてから、このプロセスでクライアントからサーバーに送信されたバイト数の差分

08

FRM_NETWORK_ROUND_TRIPS

30

これまでに、このプロセスでクライアントとサーバーとの間に発生したネットワーク・ラウンド・トリップ数

09

FRM_NETWORK_ROUND_TRIPS_DELTA

3

エージェントで前回測定されてから、このプロセスでクライアントとサーバーとの間に発生したネットワーク・ラウンドトリップ数の差分

10

FRM_CPU_TIME

230

これまでに、このプロセスでfrmwebにかかった合計処理時間

11

FRM_CPU_TIME_DELTA

47

エージェントで前回測定されてからの、FRM_CPU_TIMEの値の差分

12

FRM_PRIVATE_MEMORY

7998

スナップショットの取得時にFormsプロセスで使用されていたメモリー

13

ITERATION

50

データベース表にデータが収集された回数。


表14-10 WLS_APPデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

WLS_APP_ID

5005

WLS_APP_IDは、このデータベース表の主キーです。

WLS_APP表内のFormsアプリケーションを判別します。

02

SERVER_TYPE

MANAGED

サーバーのタイプ(MANAGED、ADMINなど)

03

SERVER_NAME

WLS_FORMS

サーバー名

04

DEPLOYED_APPLN_NAME

formsapp

Formsアプリケーション名

05

FORMS_HOSTNAME

host52.example.com

Formsランタイムが実行されている中間層マシン

06

INSTANCE_HOME_NAME

asinst_1

FormsランタイムがデプロイされているFMWインスタンス・ホームの名前

07

CLUSTER_NAME

cluster_xyz

Formsアプリケーションがデプロイされているクラスタの名前

08

AGENT_ID

1

AGENT_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはADMIN_SERVERデータベース表内のAGENT_IDを参照しています。

エージェント・アプリケーションのID。1から始まる任意の整数


14.7 エージェント・アプリケーションの制限

Forms診断エージェントには、そのデプロイメントおよび使用に関して制限があります。パラメータは次のとおりです。

  • Forms診断エージェント・アプリケーションのデプロイメントはオプションです。Formsアプリケーションに関してパフォーマンス関連の情報が必要な場合は、インストール後にForms診断エージェントを手動でデプロイする必要があります。

  • このエージェント・アプリケーションは、管理サーバーのみにデプロイする必要があります。このエージェント・アプリケーションによって、その管理サーバーのWLSドメインで実行中のすべてのFormsセッションに関する情報が収集されます。

  • エージェントがFormsアプリケーションに関する情報を収集するには、すべてのASインスタンス上でopmnが起動されて実行中である必要があります。

  • エージェントがメトリック・データ(DMSで使用可能なもの)にアクセスするには、DMSアプリケーションが起動されて実行中である必要があります。

  • スキーマは、任意の時点で1つのドメインでのみ機能するように設計されています。別々のドメインで実行されている複数のエージェントに対して、同じスキーマは使用できません。

  • データ収集の頻度に小さい値を設定しないでください。データ収集の頻度に小さい値を設定すると、本番環境が遅くなり、過剰で不要なデータ収集が行われます。