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Oracle® Fusion Middleware Oracle Stream Analyticsのインストールと構成

12c (12.2.1.1)

E79350-01
 

 

Oracle® Fusion Middleware

Oracle Stream Analyticsのインストールと構成

12c (12.2.1.1)

E79350-01(原本部品番号:E72029-02)

2016年8月

このドキュメントでは、Oracle Stream Analytics (OSA)をインストールして構成する方法について説明します。

1.1 Oracle Stream Analyticsのインストールについて

このドキュメントでは、Oracle Stream Analytics 12c (12.2.1.1)の新しいOracleホームをインストールする方法について説明します。

Oracle Stream Analytics (OSA)をインストールした後、スタンドアロンのOSAドメインを構成できます。OSAのスタンドアロン・サーバー・ドメインにOracle WebLogic Serverは必要ないことに注意してください。詳細は、Oracle Stream Analyticsの管理のスタンドアロン・サーバー・ドメインを参照してください。オプションで、Apache Sparkのインストールと構成の説明に従って、Apache SparkをOSAインストールと統合できます。

以前のバージョンのOracle Event Processing (OSAの旧称)を使用している場合、OSA 12c (12.2.1.1)のランタイム・ソフトウェアへのアップグレードはないことに注意してください。Oracle Event Processing 11gのスタンドアロン・サーバー・ドメインを作成済の場合は、OSA 12c (12.2.1.1)の新しいOracleホームをインストールし、OSA 12c (12.2.1.1)の新しいスタンドアロン・サーバー・ドメインを構成する必要があります。

1.2 システム環境の確認のロードマップ

インストールおよび構成プロセスを開始する前に、システム環境を検証する必要があります。

次の表に、ご使用の環境がOSAをインストールして構成できるように適切に準備されていることを確認するための重要なタスクと確認項目を示します。

表1-1 システム環境の確認のロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証とシステム要件の確認。

インストールおよび構成について、ご使用のオペレーティング・システムが動作保証され適切に構成されることを確認します。

Oracle Fusion Middlewareインストールの計画の動作保証、システム要件および相互運用性の確認を参照してください。

適切なインストール・ユーザーの特定。

インストール・ユーザーが、ソフトウェアをインストールおよび構成するための適切な権限を持っていることを確認します。

Oracle Fusion Middlewareインストールの計画のインストール・ユーザーの選択を参照してください。

システム上のインストール・ディレクトリと構成ディレクトリの選択。

推奨ディレクトリ構造に従って、インストールおよび構成に必要なディレクトリが作成できることを確認します。

Oracle Fusion Middlewareインストールの計画のインストールおよび構成のためのディレクトリの理解を参照してください。

動作保証されたJDKのインストール。

配布のインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。

Oracle Fusion Middlewareインストールの計画のOracle Fusion MiddlewareインストールのJDK要件の理解を参照してください。

1.3 製品の配布の入手

Oracle Stream Analytics (OSA)の配布は、Oracle Technology Network (OTN)から入手可能です。

OSAを入手するには、次の手順を実行します。

  1. OTNのOSAインストーラ・ダウンロード・ページ(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/complex-event-processing/downloads/index.html)に移動します。

  2. 使用許諾条項に同意し、+推奨のインストール・プロセスを選択して、Oracle Stream Analyticsインストーラ(fmw_12.2.1.1.0_osa_Disk1_1of1.zip)のDownloadリンクを選択します。

  3. この.zipファイルの内容をシステムに抽出します。抽出されるファイルの1つはfmw_12.2.1.1.0_osa_generic.jarで、製品のインストーラの実行およびシステムへのソフトウェアのインストールに使用されます(Oracle Stream Analyticsのインストールを参照)。

1.4 Oracle Stream Analyticsのインストール

この項では、OSAソフトウェアのインストール方法およびOracleホーム・ディレクトリの作成方法を説明します。

1.4.1 インストール・プログラムの起動

インストールを実行する前に、JDKおよび必要なソフトウェアを確認する必要があります。

インストール・プログラムを起動する手順は次のとおりです。

  1. ホスト・システムにログインします。
  2. コマンド行からjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムに存在することを確認します。このドキュメントの公開時点では、12c (12.2.1.1)で動作保証されたJDKは1.8.0_77でした。詳細は、Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成ページで、適切な動作保証に関するドキュメントを参照してください。
  3. すべての前提条件ソフトウェアがインストールされていることを確認します。
  4. インストール・プログラムがダウンロードされたディレクトリに移動します。
  5. システムのJDKディレクトリからjava実行可能ファイルを実行して、インストール・プログラムを起動します。
    • UNIXオペレーティング・システムの場合: /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_77/bin/java —jar fmw_12.2.1.1.0_osa_generic.jar

    • Windowsオペレーティング・システムの場合: インストール・アイコンをダブルクリックするか、コマンド・プロンプトでC:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_77\bin\java -jar fmw_12.2.1.1.0_osa_generic.jarを入力します

    これらの例にあるJDKの場所は、ご使用のシステムの実際のJDKの場所に読み替えてください。

注意:

インストーラ画面を起動せずに、保存済の応答ファイルを使用してインストーラをサイレント・モードで起動することもできます。サイレント・インストールまたはコマンド・ライン・インストールの詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』の「サイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用」を参照してください。

インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。各インストール・プログラム画面の詳細は、次のトピックを参照してください。

1.4.2 インストール画面のナビゲート

インストーラにより、情報を確認または入力する一連の画面が表示されます。

次の表に、インストーラ画面が表示される順序を示します。インストール画面に関して詳細なヘルプが必要な場合は、インストーラの「ヘルプ」をクリックします。

表1-2 Oracle Stream Analyticsのインストール画面

画面 説明

インストール・インベントリの設定

UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、この画面が開きます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名には、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。

中央インベントリの詳細は、Oracle Universal InstallerによるソフトウェアのインストールのOracle中央インベントリの理解を参照してください。

Windowsオペレーティング・システムでは、この画面は表示されません。

ようこそ

製品のインストーラの紹介画面です。

自動更新

この画面で、My Oracle Supportアカウントを使用して、重要なセキュリティ更新を含む最新のソフトウェア更新を検索します。

インストール場所

この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。OSAはスタンドアロン製品として設計されているため、OSAを既存のOracleホームにインストールすることはできません。新しいOracleホームを作成する必要があります。

Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareインストールの計画のインストールおよび構成のディレクトリの理解を参照してください。

インストール・タイプ

Stream AnalyticsまたはStream Analytics (サンプルを含む)を選択します。オプションを切り替えて、インストール・タイプの下のリストでインストールされる項目を確認します。

前提条件チェック

この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。

警告またはエラー・メッセージがある場合は、システム環境の確認のロードマップに示したいずれかのドキュメントを参照してください。

インストール・サマリー

この画面を使用して、選択したインストール・オプションを確認します。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。レスポンス・ファイルは、今後、サイレント・インストールを実行する場合に使用できます。

サイレント・インストールやコマンド行インストールの詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールのサイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用を参照してください。

「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況

インストールの進行状況を表示します。

進捗バーが100%完了になったら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次」をクリックしてサマリーを確認します。

インストール完了

サマリー情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。

1.4.3 インストールの確認

インストールの完了後、一連のタスクを実行して、成功したことを確認します。

1.4.3.1 インストール・ログ・ファイルの確認

インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、インストーラに何も問題が発生しなかったことを確認します。

デフォルトでは、インストーラによって、Oracle_Inventory_Location/logsディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはOracle_Inventory_Location\logsディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)にログ・ファイルが書き込まれます。

ログ・ファイルとその場所の詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』のインストール・ログ・ファイルに関する項を参照してください。

1.4.3.2 ディレクトリ構造のチェック

インストールの内容は、インストール中に選択したオプションによって異なります。

インストール後のディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。

1.4.3.3 Oracleホームの内容の表示

viewInventoryスクリプトを使用すると、Oracleホームの内容を表示することができます。

詳細は、Oracle Universal InstallerによるソフトウェアのインストールのOracleホームの内容の表示に関する項を参照してください。

1.5 Oracle Stream Analyticsドメインの構成

OSAのインストールにOracle Fusion Middleware Infrastructureは含まれないため、スタンドアロン・サーバー・ドメインのみがOSA用に作成されます。スタンドアロン・サーバー・ドメインの詳細は、Oracle Stream Analyticsの管理のスタンドアロン・サーバー・ドメインを参照してください。

スタンドアロン・ドメインの構成手順については、Oracle Stream Analyticsの管理のスタンドアロン・サーバー・ドメインの作成を参照してください。このドキュメントでは、ドメインの更新や、ドメインのサーバーの起動および停止を含む、OSAのその他の管理タスクについても説明しています。

1.6 Apache Sparkのインストールと構成

Apache Spark (Spark)は、速度、使いやすさおよび高度な分析に重点を置いて構築されたオープン・ソースのビッグ・データ処理フレームワークです。

SparkをOracleのContinuous Query Language (CQL)とともに使用して、コモディティ・クラスタ上の複雑なイベント処理アプリケーションをスケーリングできます。これは、Sparkによって大量のストリーミング・データを低コストで処理できることを意味します。

注意:

OSAは、クラスタ・モードのSparkデプロイメントのみをサポートします。
ここに示すインストール手順は、次を前提としています。
  • OSAOSA_HOMEにインストールされています。

    たとえば、OSA_HOME=/apps/oracle/middlewareです。

  • OSAアプリケーション・ドメインがOSA_DOMAINという名前で作成されています。

    たとえば、OSA_DOMAIN=OSA_HOME/user_projects/domains/osa/defaultserverです。

    OSAアプリケーション・ドメインを作成するときに、Sparkインストールに固有の手順はありません。
  • OSAでサポートされているいずれかのクラスタ・タイプ(Spark StandaloneやHadoop YARNなど)を使用してSparkクラスタが設定されています。サポートされているSparkバージョンのダウンロードおよびドキュメントへのリンクについては、Apache Spark統合の前提条件を参照してください。

準備ができたら、次の各項の情報を使用してSparkOSAと統合します。

1.6.1 Apache Spark統合の前提条件

SparkOSAとともに使用するには、サード・パーティのコンポーネントをインストールして構成する必要があります。

次の表に、Sparkクラスタ環境でOSAとともにSparkを使用するために必要なコンポーネントに関する情報を示します。これらの情報は、これらのコンポーネントのインストールと構成について説明するこの後の各トピックで参照します。

コンポーネント バージョン リンク
Apache Kafka 0.8.2.2 (Scala 2.10用) ダウンロード: http://kafka.apache.org/downloads.html

ドキュメント: http://kafka.apache.org/documentation.html

Hadoop YARN 2.6.X (推奨) ダウンロード: http://hadoop.apache.org/releases.html
Apache Spark

1.5.X - Prebuilt for Hadoop 2.6 (またはご使用のHadoopバージョン)

注意: 1.6.Xはサポートされていません

ダウンロード: http://spark.apache.org/downloads.html

ドキュメント: http://spark.apache.org/docs/1.5.1/

1.6.2 Apache Sparkのインストール

ご使用のOSAのバージョンでサポートされているSparkのバージョンをインストールします。

Sparkをインストールするには、次の手順を実行します。

注意

  • OSAは、クラスタ・モードのSparkデプロイメントのみをサポートします。

  • ご使用のOSAのバージョンでサポートされているSparkのバージョンをインストールします。12c (12.2.1.1)については、Apache Spark統合の前提条件を参照してください。

  • Hadoop Distributed File System (HDFS)およびYARNとともにSparkを使用する場合は、現在の環境と互換性のあるHadoopバージョン用にコンパイルされたSparkバージョンをインストールします。

  • Spark配布には、OSAに必要なSPARK_HOME/lib/spark-examples-X.X.X-hadoopY.Y.Y.jarも含まれている必要があります。

  • Sparkは、クラスタ内の各ノードとともに、OSAドメインが実行されているノードにもインストールする必要があります。

  • SPARK_HOMEは、OSAノードを含む各ノードで同じ値である必要があります。同じネットワーク・ドライブを各ノードの同じ場所にマウントするのが適切です。

1.6.3 OSA-Spark統合コンポーネントのインストール

OSA-Spark統合コンポーネントは、アプリケーション・デプロイメントを実装するため、OSA固有のランタイム環境とともにOracleのContinuous Query Language (CQL)サポートをSparkフレームワークに追加します。

このコンポーネントは、OSAサーバーのインストール時に単一のJAR (OSA_HOME/oep/spark/lib/spark-osa.jar)として提供されます。

このJARファイルは、すべてのワーカー・ノードとともに、OSAノードにもコピーする必要があります。このファイルは、原則としてSparkインストール(SPARK_HOME/lib/spark-osa.jar)にコピーします。

1.6.4 Kafkaのインストール

OSA-Spark環境でデータを送受信するには、Apache Kafkaが必要です。

Kafkaは、OSA-Spark探査との間でデータを送受信できる唯一の外部システムです。2つの探査(1つはSparkで実行され、もう1つはSparkまたはOSAで実行される)をチェーンする場合、その唯一の方法は、Kafkaのターゲットとストリームを明示的に作成してこれらの探査を接続することです。さらに、KafkaはOSA-Spark探査から探査エディタの「ライブ出力ストリーム」にデータをプッシュするためにも使用されます。これは、osa.propertiesファイルのosa.kafkaプロパティを使用して構成されます(Kafka設定を参照)。

Kafkaをインストールするには、次の手順を実行します。

注意:

  • OSAが認識する必要があるのは、Kafkaのエンドポイント(brokerのアドレスやzookeeperのアドレスなど)のみです。

  • OSAは、短期間のKafkaトピックを使用してSpark内のアプリケーションと通信します。OSAでこれらのトピックを明示的に削除できるようにするため、Kafkaのインストール時にサーバー構成ファイルKAFKA_HOME/config/server.properties (KAFKA_HOMEはKafkaインストール・フォルダ)に次の行を追加することを検討してください。
    delete.topic.enable=true

1.6.5 Spark用のOSAドメインの構成

OSA-Spark統合では、1つ以上の構成ファイルの設定を利用します。

Spark用にOSAドメインを構成するには、次の手順を実行します。

  1. OSAサーバー(OSAドメイン)を停止します。

  2. ドメイン内にSpark構成フォルダ(OSA_DOMAIN/config/spark)を作成します。

  3. Spark構成フォルダ内にOSA構成ファイル(OSA_DOMAIN/config/spark/osa.properties)を作成します。

  4. 環境に従ってOSA構成ファイルを編集します(osa.propertiesファイルの構成を参照)。

  5. Spark構成フォルダ内に、環境に必要な追加の構成ファイルを作成します。これには、Hadoop Distributed File System (HDFS)およびYARNに固有のファイル(yarn-site.xmlcore-site.xmlhdfs-site.xmlなど)が含まれる可能性があります。詳細は、ご使用のクラスタのドキュメントを参照してください。

    これらのファイルは、OSAでクラスタにファイルをデプロイするために必要です。OSAに必要なのは、クライアント側の設定(名前ノードのURL、リソース・マネージャのURL、タイムアウト、資格証明設定など)のみです。サーバー側の完全なYARN/Hadoop構成をコピーしないでください。

  6. 環境に従って追加の構成ファイルの内容を編集します。

  7. OSAドメインを起動します。

  8. 次のURLでOSAアプリケーションにアクセスします。

    • Spark用のOSA: http://host:port/sxspark

    • OSA: http://host:port/sx

    デフォルトのインストール・パラメータをそのまま使用する場合、URLは次のようになります。
    • Spark用のOSA: http://localhost:9002/sxspark

    • OSA: http://localhost:9002/sx

注意:

OSAストリーミング・アプリケーションをデプロイするたびに、構成フォルダの内容が圧縮され、Sparkクラスタに送信されます。このようにして、クラスタの実行中はOSAストリーミング・アプリケーションで同じ構成を使用できます。

ヒント

  • OSA_HOME/oep/spark/config-templatesには、様々なシナリオで有効な構成テンプレートがあります。これらのファイルから始めて、ニーズにあわせてカスタマイズできます。

  • 様々なSpark構成を試みる場合は、OSAドメインの外部に複数の構成フォルダを設定し、一度にいずれかの構成フォルダを指すsymlinkとしてOSA_DOMAIN/config/sparkフォルダを設定できます。たとえば、OSA_DOMAIN/config/spark/apps/osa/config/yarn-cluster内のYARNベースのOSA構成を指すとともに、/apps/osa/config/spark-cluster内のSpark Standaloneクラスタ構成を指します。このようにして、構成を簡単に切り替えることができます。

1.6.6 osa.propertiesファイルの構成

osa.propertiesファイルは、OSA-Spark統合用の構成ファイルです。

構成プロパティを設定するには、次の各項を参照してください。

1.6.6.1 一般的なデプロイメント設定

osa.propertiesの一般的なデプロイメント設定では、Sparkクラスタのタイプと配布フォルダを定義します。

次の表に、osa.propertiesの一般的なデプロイメント設定の値を示します。
パラメータ 説明
osa.deploy.spark.master 必須。SparkクラスタのタイプとマスターURLを指定します。
Spark StandaloneまたはYARNクラスタで実行されているSpark用にOSAを構成できます。
  • Spark Standalone: このクラスタ・タイプは、URL内のspark://によって識別されます。重要: マスターのRESTインタフェースのURLを指定する必要があります。

    例: osa.deploy.spark.master=spark://spark.mycompany.com:6066

  • YARN: このクラスタ・タイプは、yarnという単語によって識別されます。マスターURLのかわりにyarnのみを入力します。重要: 構成フォルダ内にYARNおよびHDFS固有のクライアント構成ファイル(yarn-site.xmlcore-site.xmlhdfs-site.xml)も配置する必要があります。

    例: osa.deploy.spark.master=yarn

osa.deploy.spark.fileshare Spark Standaloneの場合に必須。YARNの場合は使用しません。OSAがアプリケーションの配布フォルダとして使用できる共有の場所を指定します。このフォルダは、同じパスのすべてのノードからアクセスできる必要があります。ネットワーク・ファイル・システム(NFS)またはHadoop Distributed File System (HDFS)のパスを指定できます。HDFSを使用する場合は、構成フォルダ内にクライアント構成ファイル(core-site.xmlhdfs-site.xml)を配置する必要があります。

例: hdfs://hdfs.mycompany.com/osa/spark-deployments

1.6.6.2 Kafka設定

osa.propertiesのKafka設定では、Kafkaのbrokerとzookeeperを定義します。

OSAは、Kafkaを介してSpark内で動作するストリーミング・アプリケーションとデータを交換します。このため、Kafkaサーバーがインストールされている場所を指定する必要があります。
次の表に、osa.propertiesのKafka設定の値を示します。
パラメータ 説明
osa.kafka.brokerlist 必須。Kafka brokerのカンマ区切りリスト(形式はhost:port)。

例: kafka.mycompany.com:9092

osa.kafka.zookeeper 必須。Kafka zookeeper (形式はhost:port)。

例: zk.mycompany.com:2181

1.6.6.3 JARファイル設定

osa.propertiesのJARファイル設定では、SparkアセンブリおよびサンプルJARファイルへのパスを定義します。

OSAでは、各ワーカー・ノードとOSAノードにSpark配布のspark-assemblyおよびspark-examplesパッケージをコピーする必要があります。各JARへのパスは、すべてのノードで同じである必要があります。さらに、spark-osaパッケージを各ノードにコピーする必要があります。
次の表に、osa.propertiesのJARファイル設定の値を示します。
パラメータ 説明
osa.jars.spark-assembly 必須。spark-assembly JARファイルへのパス。

例: /apps/spark/spark-1.5.1/lib/spark-assembly-1.5.0-hadoop2.6.0.jar
osa.jars.spark-examples 必須。spark-examples JARファイルへのパス。

例: /apps/spark/spark-1.5.1/lib/spark-examples-1.5.0-hadoop2.6.0.jar
osa.jars.spark-osa 必須。各ノードに手動でコピーする必要があるspark-osa JARファイルへのパス。

例: /apps/spark/spark-1.5.1/lib/spark-osa.jar

1.6.6.4 ランタイム設定

osa.propertiesのランタイム設定では、デプロイされたOSAストリーミング・アプリケーションをチューニングします。

デプロイされたOSAストリーミング・アプリケーションを、クラスタ内の使用可能なリソースとOSAによって解決する問題の特性または性質に基づいてチューニングできます。
次の表に、osa.propertiesのランタイム設定の値を示します。
パラメータ デフォルト 説明
osa.runtime.executor.instances 1 オプション。ストリームを並列に処理するワーカーの数を指定します。この数は、必要なエグゼキュータのコア数に影響します。このパラメータ値は、デプロイされた各OSAアプリケーションに適用されます。
osa.runtime.batchDuration 1000ms オプション。ストリーミング・データ処理のバッチ間隔を指定します。

1.6.6.5 Spark設定

osa.propertiesのSpark設定では、クラスタ内にデプロイされたSparkアプリケーションのリソース使用量を定義します。

注意:

OSAは、osa.propertiesのSparkプロパティ設定がSparkクラスタでOSAストリーミング・アプリケーションを実行するのに不十分な場合は、この設定をオーバーライドします。
次の表に、OSA-Sparkのコンテキストで最も一般的に使用されるosa.propertiesのSpark設定の値を示します。デフォルト値より小さい値を設定すると、メモリー不足エラーが発生する可能性があります。Sparkプロパティ設定の詳細は、http://spark.apache.org/docs/1.5.1/configuration.htmlを参照してください。
パラメータ デフォルト(最小) 説明
spark.executor.memory 1800m オプション。エグゼキュータ・プロセス当たりの使用メモリー量。
spark.executor.cores 1 オプション。各エグゼキュータで使用するコア数。スタンドアロン・モードでワーカー上に十分な数のコアがある場合は、このパラメータを設定することにより、アプリケーションが同じワーカー上で複数のエグゼキュータを実行できます。それ以外の場合は、各ワーカー上でアプリケーションごとに1つのエグゼキュータのみが実行されます。
spark.driver.memory 1500m オプション。ドライバ・プロセスで使用するメモリー量。
spark.driver.cores 1 オプション。ドライバ・プロセスで使用するコア数(クラスタ・モードのみ)。

1.6.6.6 osa.propertiesファイルの例

osa.propertiesファイルの構成例を確認します。

osa.deploy.spark.master=spark://spark.mycompany.com:6066
osa.deploy.spark.fileshare=/osa-share/spark-deployments

osa.kafka.brokerlist=kbroker1.mycompany.com:9092,kbroker2.mycompany.com:9092
osa.kafka.zookeeper=zk.mycompany.com:2181

osa.jars.spark-assembly=/apps/spark/spark-1.5.1/lib/spark-assembly-1.5.0-hadoop2.6.0.jar
osa.jars.spark-examples=/apps/spark/spark-1.5.1/lib/spark-examples-1.5.0-hadoop2.6.0.jar
osa.jars.spark-osa=/apps/spark/spark-1.5.1/lib/spark-osa.jar

osa.runtime.executor.instances=1
osa.runtime.batchDuration=1000ms

spark.executor.cores=2
spark.executor.memory=3g
spark.driver.memory=2500m
この例は次のことを示しています。
  • Sparkがスタンドアロン・クラスタで実行され、各ノードの/osa-share/spark-deploymentsにマウントされたNFSファイル共有を介してOSAアプリケーションが配布されます。

  • Kafkaがインストールおよび構成され、2つの専用brokerサーバーと独立したzookeeperサーバーが配置されます。

  • Spark 1.5.1が各ノードの/apps/spark/spark-1.5.1にインストールされます。

  • ランタイム・パラメータによって、並列処理を行わないこと(単一プロセッサ・インスタンス)が指定され、バッチ間隔が1秒に設定されます。

  • Spark固有のパラメータによって、spark.executor.cores=2 (デフォルトは1)、spark.executor.memory=3g (デフォルトは最小値の1500m)およびspark.driver.memory=2500m (デフォルトは最小値の1800m)が指定されます。

  • この構成では、HDFSやYARNを使用しないため、構成フォルダにコピーする必要がある構成ファイルはosa.propertiesファイルのみです。

1.7 ソフトウェアのアンインストール

この項の手順に従って製品のアンインストーラを起動し、ソフトウェアを削除します。

サイレント(コマンド・ライン)アンインストールを実行する場合は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』のサイレント・アンインストールのためのOracle Universal Installerの実行に関する項を参照してください。

1.7.1 アンインストール・プログラムの起動

UNIXまたはWindowsのいずれかでアンインストーラを起動できます。

アンインストーラを起動する手順は次のとおりです。

  • UNIXの場合

    ORACLE_HOME/oui/binディレクトリに移動し、次のコマンドを入力してください。

    ./deinstall.sh
    
  • Windowsの場合

    次のいずれかを実行します。

    • ファイル・マネージャ・ウィンドウを使用して、ORACLE_HOME\oui\binディレクトリに移動し、deinstall.cmdをダブルクリックします。

    • コマンド行で、ORACLE_HOME\oui\binに移動し、次のコマンドを入力します。

      deinstall.cmd
      
    • 「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」を選択してから「Oracle」「OracleHome」Oracle Softwareのアンインストールの順に選択します。

1.7.2 アンインストール画面のナビゲート

アンインストーラにより、ソフトウェアの削除を確認する一連の画面が表示されます。

表1-3に示したアンインストール画面のヘルプを見るには、画面上で「ヘルプ」をクリックします。

表1-3 アンインストール画面と説明

画面 説明

ようこそ

製品のアンインストーラの紹介画面です。

アンインストール・サマリー

この画面は、アンインストールしようとしているOracleホーム・ディレクトリとその内容を示しています。これが正しいディレクトリであることを確認してください。

これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。後でサイレント・アンインストールにおいてレスポンス・ファイルを使用できます。サイレント・アンインストールまたはコマンド・ライン・アンインストールの詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』のサイレント・アンインストールのためのOracle Universal Installerの実行に関する項を参照してください。

「アンインストール」 をクリックしてソフトウェアの削除を開始します。

アンインストールの進行状況

アンインストールの進捗状況を示します。

アンインストール完了

アンインストールが完了するとこの画面が表示されます。画面上の情報を確認し、「終了」をクリックしてアンインストーラを終了します。

1.7.3 Oracleホーム・ディレクトリの手動削除

ソフトウェアをアンインストールした後、アンインストーラで削除されなかったOracleホーム・ディレクトリとすべての既存のサブディレクトリを手動で削除する必要があります。

たとえば、Oracleホーム・ディレクトリがUNIXオペレーティング・システムで/home/Oracle/product/ORACLE_HOMEの場合、次のコマンドを入力します。

 cd /home/Oracle/product
 rm -rf ORACLE_HOME

Oracleホーム・ディレクトリがWindowsオペレーティングシステムでC:\Oracle\Product\ORACLE_HOMEの場合、ファイル・マネージャ・ウィンドウを使用してC:\Oracle\Productディレクトリに移動してから、ORACLE_HOMEフォルダを右クリックして「削除」を選択します。

1.7.4 Windowsオペレーティング・システム上のプログラム・ショートカットの削除

Windowsオペレーティング・システムの場合は、プログラムのショートカットも手動で削除する必要があります(アンインストーラでは削除されません)。

C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Oracle\ORACLE_HOME\Productディレクトリに移動します。Oracleホームにインストールされている製品が1つのみの場合は、ORACLE_HOMEディレクトリを削除してもかまいません。Oracleホームに複数の製品がインストールされている場合は、ORACLE_HOMEを削除する前に、すべての製品を削除する必要があります。


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