インスタンスは、管理ノードまたは管理サーバーで実行中であり、クライアントからのリクエストを1つ以上のポートでリスニングしているOracle Traffic Directorサーバーを指します。
この章には次の項が含まれます:
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、Oracle Traffic Directorインスタンスを作成できます。
Oracle Traffic Directorインスタンスの作成の前提条件
インスタンスを作成できるようにするには、次の操作を完了しておく必要があります。
構成の定義(3.1項「構成の作成」を参照)。
Fusion Middleware Controlを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの作成
Fusion Middleware Controlを使用してOracle Traffic Directorインスタンスを作成するには、次を実行します。
1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってTraffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
インスタンスを作成する構成を選択します。
「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
「管理」→「インスタンス」を選択します。
「インスタンス」ページが表示されます。
「共通タスク」ペインで、「作成」をクリックします。
新規インスタンス・ウィザードが表示されます。
構成のインスタンスを作成する必要がある管理ノードに対応するチェック・ボックスを選択します。次に、「OK」をクリックします。
インスタンスの作成が正常に完了したことを確認するメッセージが表示されます。
作成したインスタンスを含む「インスタンス」ページが表示されます。
WLSTを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの作成
Oracle Traffic Directorインスタンスを1つ以上作成するには、otd_createInstance
コマンドを実行します。
たとえば、次のコマンドを実行すると、machine1
というマシンにfoo
という名前の構成のインスタンスが作成されます。
# Online props = {} props['configuration'] = 'foo' props['machine'] = 'machine1' otd_createInstance(props)
# Offline readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain') props = {} props['configuration'] = 'foo' props['machine'] = 'machine1' otd_createInstance(props) updateDomain() closeDomain()
注意: Windowsでは、どの時点であっても、OTDインスタンスを持つドメインは1つのみ許可されます。OTDインスタンスを持たないドメインであれば、複数が存在できます。 |
otd_createInstance
の詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。
オフライン・モードの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のオフライン・コマンドに関する項を参照してください。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、Oracle Traffic Directorインスタンスのリストを表示できます。
Fusion Middleware Controlを使用したOracle Traffic Directorインスタンスのリストの表示
Fusion Middleware Controlを使用してOracle Traffic Directorのリストを表示するには、次を実行します。
1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってTraffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
インスタンスを表示する構成を選択します。
「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
「管理」→「インスタンス」を選択します。
図4-1に示すように、構成のインスタンスを示す「インスタンス」ページが表示されます。
名前をクリックすると、インスタンスのプロパティを表示できます。
WLSTを使用したOracle Traffic Directorインスタンスのリストの表示
構成のOracle Traffic Directorインスタンスのリストを表示するには、次の例に示すように、otd_listInstances
コマンドを実行します。
# Online props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_listInstances(props)
# Offline readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain') props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_listInstances(props) closeDomain()
オフライン・モードの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のオフライン・コマンドに関する項を参照してください。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、Oracle Traffic Directorインスタンスを起動、停止および再起動できます。
Fusion Middleware Controlを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの起動、停止および再起動
Fusion Middleware Controlを使用してOracle Traffic Directorインスタンスを起動、停止または再起動するには、次を実行します。
1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってTraffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
インスタンスを起動、停止または再起動する構成を選択します。
「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
「管理」→「インスタンス」を選択します。
「インスタンス」ページが表示されます。
使用可能なインスタンスのリストを選択します。
起動、停止または再起動するインスタンスについて、必要に応じて、「インスタンスの起動」、「インスタンスの停止」または「インスタンスの再起動」ボタンをクリックします。
WLSTを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの起動、停止および再起動
1つの構成の1つ以上のOracle Traffic Directorインスタンスを起動、停止または再起動するには、start
、shutdown
またはsoftRestart
コマンドを実行します。
たとえば、次の3つのコマンドは、otd_foo_machine1
マシン上のインスタンスを起動、再起動および停止します。
start('otd_foo_machine1') shutdown('otd_foo_machine1') softRestart('otd_foo_machine1')
この項で説明したWLSTコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンドライン・リファレンス』を参照してください。
構成パラメータの中には、変更しても構成の変更を有効にするために実行中の構成のOracle Traffic Directorインスタンスを再起動する必要のないものもあります。Oracle Traffic Directorインスタンスを動的に再構成して、新しい構成を反映できます。
動的に再構成可能な構成の変更のみが反映されます。user、temp-path、log、thread-pool、pkcs11、stats、dns、dns-cache、ssl-session-cacheおよびaccess-log-bufferの各設定の変更は、再構成手順の完了後も同じままです。再構成の完了時に再起動を必要とする変更があった場合は、再起動が必要という例外がスローされます。
動的構成をサポートするパラメータのリストは、『Oracle Traffic Director構成ファイル・リファレンス』の動的再構成に関する項を参照してください。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、実行中の構成のインスタンスを動的に再構成できます。
Fusion Middleware Controlを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの再構成
Fusion Middleware Controlを使用してOracle Traffic Directorインスタンスを再構成するには、次を実行します。
1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってTraffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
インスタンスを再構成する構成を選択します。
「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
「管理」→「インスタンス」を選択します。
「インスタンス」ページが表示されます。
使用可能なリストから「インスタンス」を選択します。
動的に更新するインスタンスの「再構成」ボタンをクリックします。
「コンソール・メッセージ」ペインにインスタンスが再構成されたことを確認するメッセージが表示されます。
WLSTを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの再構成
WLSTを使用して構成のインスタンスを再構成するには、次のようにsoftRestart
コマンドを実行します。
props = java.util.Properties() props.setProperty("MODE", "RECONFIG") softRestart('otd_foo_machine1', props=props)
詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成のインスタンスを削除できます。
Fusion Middleware Controlを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの削除
Fusion Middleware Controlを使用してOracle Traffic Directorインスタンスを削除するには、次を実行します。
1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってTraffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
インスタンスを削除する構成を選択します。
「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
「管理」→「インスタンス」を選択します。
「インスタンス」ページが表示されます。
使用可能なリストから「インスタンス」を選択します。
削除するインスタンスの「削除」ボタンをクリックします。
注意: フェイルオーバー・グループの一部であるインスタンスを削除するには、まずフェイルオーバー・グループからインスタンスを削除する必要があります。詳細は、14.2.2項「フェイルオーバー・グループの管理」を参照してください。 |
「コンソール・メッセージ」ペインに、インスタンスが削除されたことを確認するメッセージが表示されます。
WLSTを使用したOracle Traffic Directorインスタンスの削除
構成のOracle Traffic Directorインスタンスを削除するには、otd_deleteInstance
コマンドを実行します。
たとえば、次のコマンドは、構成のインスタンスを削除します。
# Online props = {} props['configuration'] = 'foo' props['instance'] = 'otd_foo_machine1' otd_deleteInstance(props)
# Offline readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain') props = {} props['configuration'] = 'foo' props['instance'] = 'otd_foo_machine1' otd_deleteInstance(props) updateDomain() closeDomain()
otd_deleteInstance
の詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。
オフライン・モードの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のオフライン・コマンドに関する項を参照してください。
管理者として、多数の構成およびインスタンスを管理する必要がある場合、各構成のインスタンスを個別に再起動および再構成するなどの反復的なタスクは単調な作業になりがちです。管理タスクを、定義した間隔、つまり特定の曜日、時間または日付で自動実行するようにイベントをスケジュールできます。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、イベントを作成および管理できます。
Fusion Middleware Controlを使用したイベントの管理
Fusion Middleware Controlを使用してイベントを管理するには、次を実行します。
1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
イベントをスケジュールする構成を選択します。
「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
「詳細構成」→「予定イベント」を選択します。
「予定イベント」ページが表示されます。
ページの「予定イベント」セクションにスクロール・ダウンします。
ここには、構成に現在スケジュールされているイベントがリストされます。
イベントを有効または無効にするには、「有効化/無効化」チェック・ボックスを選択します。
イベントを削除するには、「削除」アイコンをクリックします。
イベントを作成するには、「新規イベント」をクリックします。
「新規構成イベント」ダイアログ・ボックスが表示されます。
スケジュールを設定するイベントを選択し、イベントの実行間隔または時刻を指定し、「OK」をクリックします。
変更を確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。
さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。3.3項「構成の変更のアクティブ化」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新した構成を即時にデプロイすることも、さらに変更を行って、その後でデプロイすることもできます。
WLSTを使用したイベントの管理
イベントの作成
イベントを作成するには、次の例に示すように、otd_createEvent
コマンドを実行します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['event'] = 'event-1' props['command'] = 'bar' props['time'] = '12:00' otd_createEvent(props)
最初のコマンドは、コマンド「bar」を午後12時に実行するようにイベントをスケジュールします。
注意: スケジュールされたイベントを有効にするには、構成を再デプロイする必要があります。 |
イベントのリストの表示
スケジュールされているイベントのリストを表示するには、otd_listEvents
コマンドを実行します。
たとえば、構成のインスタンスにスケジュールされているイベントを表示するには、次のようにします。
props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_listEvents(props)
イベントの無効化
イベントを作成すると、それは自動的に有効になります。
イベントを無効にするには、「enabled」を「false」にした「otd_setEventProperties」コマンドを使用できます
イベントを無効にするには、enabled
プロパティを次にようにfalseに設定します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['event'] = 'bar' props['enabled'] = 'false' otd_setEventProperties(props)
イベントの有効化
イベントを有効にするには、「enabled」を「true」にした「otd_setEventProperties」コマンドを使用できます
イベントを有効にするには、enabled
プロパティを次にようにtrueに設定します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['event'] = 'event-1' props['enabled'] = 'true' otd_setEventProperties(props)
イベントの削除
イベントを削除するには、otd_deleteEvent
コマンドを実行します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['event'] = 'event-1' otd_deleteEvent(props)
この項で説明したWLSTコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンドライン・リファレンス』を参照してください。