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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Directorの管理
12c (12.2.1.1.0)
E77306-01
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8 TCPプロキシの管理

トラフィック・トンネリングを行うためTCPプロキシはTCPリスナーを介してTCPリクエストを処理します。TCPプロキシには複数のTCPリスナーを関連付けることができますが、1つのTCPリスナーに関連付けることができるTCPプロキシは1つのみです。

この章では、TCPプロキシを作成、表示、変更および削除する方法を説明します。この章の内容は、次のとおりです。

8.1 TCPプロキシの作成

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、TCPプロキシを作成できます。


注意:


始める前に

TCPプロキシの作成を開始する前に、次の項目を決定します。

  • 一意のプロキシ名。プロキシを作成した後は名前を変更できないため、名前は慎重に選択してください。

  • リスナーに対する、IPアドレス(またはホスト名)とポート番号の一意の組合せ。

    同じIPアドレスと様々なポート番号の組合せ、または単一のポート番号と様々なIPアドレスの組合せを持つ複数のTCPリスナーを定義できます。次のIPアドレスとポート番号の組合せそれぞれが、一意のリスナーと見なされます。

    10.10.10.1:80
    10.10.10.1:81
    10.10.10.2:80
    10.10.10.2:81
    
  • TCPプロキシがリクエストを転送するオリジン・サーバー・プールの名前。オリジン・サーバー・プールの作成の詳細は、第5章「オリジン・サーバー・プールの管理」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したTCPプロキシの作成

Fusion Middleware Controlを使用してTCPプロキシを作成するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. TCPプロキシを作成する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「TCPプロキシ」を選択します。

  7. 「共通タスク」ペインで、「作成」をクリックします。

    新規TCPプロキシ・ウィザードが開始されます。

    図8-1 新規TCPプロキシ・ウィザード

    図8-1の説明が続きます
    「図8-1 新規TCPプロキシ・ウィザード」の説明

  8. 画面上のプロンプトに従い、前に決定済の詳細(プロキシ名、リスナー名、IPアドレス、ポートなど)を使用して、TCPプロキシの作成を完了します。


    注意:

    • TCPプロキシでFTPサポートを有効化する場合は、「FTPの有効化」オプションを選択します。
    • ポートのTCPトラフィックがT3SなどのSSLを介して行われるトラフィックである場合、新規TCPプロキシ・ウィザードの最初の画面で「SSL/TLS」チェック・ボックスを選択し、使用する証明書を選択します。詳細は、10.1.2項「リスナーのSSL/TLSの構成」を参照してください。


    プロキシが作成された後、新規TCPプロキシ・ウィザードの「結果」画面にプロキシの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。

  9. 結果画面で、「閉じる」をクリックします。

    • TCPプロキシ・ページに、作成したTCPプロキシの詳細が表示されます。

    • さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。3.3項「構成の変更のアクティブ化」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新した構成を即時にデプロイすることも、さらに変更を行って、その後でデプロイすることもできます。

WLSTを使用したTCPプロキシの作成

初期値のセットでTCPプロキシを作成するには、otd_createTcpProxyコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドでは、構成fooに、オリジン・サーバー・プールがtcp-origin-server-pool-1であるbarという名前のTCPプロキシが作成されます。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['tcp-proxy'] = 'bar'
props['origin-server-pool-name'] = 'tcp-origin-server-pool-1'
otd_createTcpProxy(props)

たとえば、次のコマンドでは、構成fooに、オリジン・サーバー・プールがtcp-origin-server-pool-1でプロトコルがftpであるbarという名前のTCPプロキシが作成されます。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['tcp-proxy'] = 'bar'
props['protocol'] = 'ftp'
props['origin-server-pool'] = 'tcp-origin-server-pool-1'
otd_createTcpProxy(props)

TCPプロキシのFTP構成がプロパティssl-terminationorigin-explicit-ftpsclient-explicit-ftpsをそれぞれ「false」、「true」、「true」として有効化されます。これらのプロパティは、otd_setTcpProxyPropertiesを使用して後で変更することができます。

otd_createTcpProxyの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

8.2 TCPプロキシのリストの表示

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、TCPプロキシのリストを表示できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したTCPプロキシのリストの表示

Fusion Middleware Controlを使用してTCPプロキシのリストを表示するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. TCPプロキシを表示する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「TCPプロキシ」を選択します。

    「TCPプロキシ」ページが表示されます。構成に定義されたTCPプロキシのリストが表示されます。

名前をクリックすると、プロキシのプロパティの詳細を表示できます。

WLSTを使用したTCPプロキシのリストの表示

TCPプロキシのリストを表示するには、次の例に示すように、otd_listTcpProxiesコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
otd_listTcpProxies(props)

tcp_proxy1
tcp_proxy2    

otd_getTcpProxyPropertiesコマンドを実行することで、TCPプロキシのプロパティの詳細を表示できます。

otd_listTcpProxiesおよびotd_getTcpProxyPropertiesコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

8.3 TCPプロキシの変更

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、TCPプロキシを変更できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したTCPプロキシの変更

Fusion Middleware Controlを使用してTCPプロキシを変更するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. TCPプロキシを変更する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「TCPプロキシ」を選択します。

    「TCPプロキシ」ページが表示されます。構成に定義されたTCPプロキシのリストが表示されます。

  7. 変更するTCPプロキシの名前をクリックします。

    「TCPプロキシ設定」ページが表示されます。このページで、次の処理が可能です。

    • TCPプロキシの有効化および無効化

    • オリジン・サーバー・プールおよびアイドル・タイムアウトの変更

    • TCPリスナーの追加および削除。TCPリスナーの作成の詳細は、9.1項「リスナーの作成」を参照してください。

    • アクティブおよびパッシブFTP接続のポート範囲を変更する。

    • クライアントのFTP設定を表示する。

      クライアントの明示的SSLが有効になっています。これは、クライアント接続に関するリクエストに対してSSLが有効化されていることを意味しています。関連付けられたすべてのTCPリスナーでSSLが有効になっている場合のみ、これを無効化できます。

    • サーバーのFTP設定を変更する。

      サーバーの明示的SSLが有効になっています。これは、オリジン・サーバー接続に関するリクエストに対してSSLが有効化されていることを意味しています。

      SSLがサーバー・プールで有効化されていないため、サーバーのFTP設定を変更することはできません。「編集」をクリックしてサーバー・プールの編集ページに移動し、SSLを有効化します。

  8. 変更するパラメータを指定します。

    画面上のヘルプおよびプロンプトがすべてのパラメータに提供されています。

    フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、ページの右上隅にある「OK」ボタンが有効になります。

    「取消」ボタンをクリックすることで、いつでも変更を破棄できます。

  9. 必要な変更を行った後、「OK」をクリックします。

    • 更新されたプロキシが保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。

WLSTを使用したTCPプロキシの変更

TCPプロキシのプロパティを変更するには、otd_setTcpProxyPropertiesコマンドを実行します。

  • たとえば、次のコマンドを実行すると、構成fooのプロキシbarのセッション・アイドル・タイムアウトが1200に変更されます。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['tcp-proxy'] = 'bar'
    props['session-idle-timeout'] = '1200'
    otd_setTcpProxyProperties(props)
    
  • たとえば、次のコマンドはプロパティ「ssl-termination」、「origin-explicit-ftps」、「client-explicit-ftps」をそれぞれ「false」、「true」、「true」としてTCPプロキシのFTP構成を有効化します。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['tcp-proxy'] = 'bar'
    props['client-explicit-ftps'] = 'true'
    otd_setTcpProxyProperties(props)
    

otd_setTcpProxyPropertiesコマンドを使用して設定または変更できるプロパティのリストは、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

8.4 TCPプロキシの削除

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、TCPプロキシを削除できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したTCPプロキシの削除

Fusion Middleware Controlを使用してTCPプロキシを削除するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. TCPプロキシを削除する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「TCPプロキシ」を選択します。

    「TCPプロキシ」ページが表示されます。構成に定義されたTCPプロキシのリストが表示されます。

  7. 削除するTCPプロキシの「削除」アイコンをクリックします。

    プロキシの削除を確認するプロンプトが表示されます。プロキシがリスナーに関連付けられている場合、プロンプトには、それらのリスナーの名前が表示されます。

  8. 削除を続行するには、「はい」をクリックします。

    「コンソール・メッセージ」ペインに、TCPプロキシが削除されたことを確認するメッセージが表示されます。

    さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。3.3項「構成の変更のアクティブ化」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新した構成を即時にデプロイすることも、さらに変更を行って、その後でデプロイすることもできます。

WLSTを使用したTCPプロキシの削除

TCPプロキシを削除するには、次の例に示すように、otd_deleteTcpProxyコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
props['tcp-proxy'] = 'bar'
otd_deleteTcpProxy(props)

otd_deleteTcpProxyの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。