Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス 12c (12.2.1.1.0) E77303-02 |
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この章では、Oracle Traffic Directorに関連する一般的な構文、使用モード、WLST (WebLogic Scripting Tool)コマンド、共通オプション、変数、セキュリティおよびエラー・メッセージの概要について説明します。
このガイドでは、リリース12.2.1.1.0のOracle Traffic Directorを構成および管理するためにサポートされているカスタムWLSTコマンドをすべて定義します。リリース12.2.1以降、Oracle Traffic Directorの管理は共通管理モデル(CAM)上で構築されます。CAMでは、Oracle HTTP ServerやOracle Traffic Directorなどのシステム・コンポーネントがWebLogicドメインに組み込まれます。リリース11gと比べると、Oracle Traffic Director管理サーバーがなくなりました。CAMでは、Oracle WebLogicをインストールし、Oracle WebLogicドメインを作成し、Oracle WebLogic管理サーバーを使用してOracle Traffic Directorを管理する必要があります。
Oracle Traffic Directorでは、Oracle Traffic Directorの構成およびインスタンスを管理するために使用される構成MBeanを介してすべての構成タスクが公開されます。カスタムWLSTコマンドは、これらのMBeanと相互作用するラッパーです。
Oracle Traffic Director 12.2.1.1.0のコマンドライン・インタフェースは、WLST (Weblogic Scripting Tool)です。WLSTスクリプティング環境は、Javaプラットフォーム用のPython言語の実装であるJythonに基づいています。このツールは、オンラインとオフラインの両方で使用できます。WLSTと様々なオンライン・コマンドおよびオフライン・コマンドの詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』を参照してください。Oracle Traffic Directorには、WLSTを使用して実行できるカスタムWLSTコマンドが同梱されています。
注意: Oracle Traffic Directorには、Oracle Traffic Directorコマンドに必要な環境およびライブラリを初期化するwlst.sh ラッパー<oracle_home>/otd/common/bin/wlst.sh が同梱されています。Oracle Traffic Directorのカスタム・コマンドはすべて、このwlst.sh からのみ実行できます。 |
次の技術を使用して、Oracle Traffic Directorのカスタム・コマンドを呼び出すことができます。これらのモードでのWLSTの使用に関する詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWebLogic Scripting Toolの使用に関する項を参照してください。
対話モードでは、WLSTスクリプト・シェルは、WebLogic Serverのインスタンスとの永続的な接続を維持します。Oracle Traffic Directorコマンドを入力し、コマンドライン・プロンプトでレスポンスを表示できます。
# Launch wlst.sh <oracle_home>/otd/common/bin/wlst.sh # Connect to WLS admin server > connect('weblogic', 'welcome1',"t3://localhost:7001") # Execute an OTD command - list existing configurations > otd_listConfigurations() ['origin-server-1', 'test', 'origin-server-2', 'origin-server-3'] # Execute another command - get http properties of configuration 'test' > props={'configuration': 'test'} > ret = otd_getHttpProperties(props) > print ret {'ecid': 'true', 'unchunk-timeout': '60', 'discard-misquoted-cookies': 'true', 'max-request-headers': '64', 'favicon': 'true', 'request-body-timeout': '-1', 'request-header-buffer-size': '8192', 'etag': 'true', 'max-unchunk-size': '8192', 'io-timeout': '30', 'body-buffer-size': '1024', 'output-buffer-size': '8192', 'websocket-strict-upgrade': 'false', 'strict-request-headers': 'false', 'request-header-timeout': '30', 'server-header': None}
スクリプトは、シェル・スクリプトと同様に、対話型入力を必要とすることなくWLSTコマンドのシーケンスを呼び出します。スクリプトは、.py
ファイル拡張子の付いたテキスト・ファイルにWLSTコマンドを格納します。
組込みモードでは、Javaコード内でWLSTインタプリタをインスタンス化し、それを使用してWLSTコマンドおよびスクリプトを実行できます。組込みモードでOracle Traffic Directorコマンドを実行するには、次のように、環境を拡張してOracle Traffic Directorコマンドおよびライブラリを含める必要があります。
Javaクラスパスを拡張して<oracle_home>/otd/lib/admin.jar
を含めます。
<oracle_home>/otd/common/wlst
を指し示すようweblogic.wlstHome
Javaシステム・プロパティを設定します。
例: -Dweblogic.wlstHome=<oracle_home>/otd/common/wlst
Oracle Traffic Directorコマンドを呼び出すためのJavaプログラムを作成します。
package oracle.otd.wlst; import weblogic.management.scripting.utils.WLSTInterpreter; import org.python.util.InteractiveInterpreter; public class WLSTClient { public static void main(String[] args) { InteractiveInterpreter interpreter = new WLSTInterpreter(); interpreter.exec("connect('weblogic', 'weblogic1','t3://localhost:1894')"); interpreter.exec("print otd_listConfigurations()"); } }
リリース12.2.1以降、WLSTは、リリース11gのOracle Traffic Directorのtadm
コマンドラインと同等です。リリース11gとは異なり、コマンドはスタンドアロン・モードではなくスクリプト・モードでのみ実行できます。コマンドはWLSTのカスタム・コマンド機能として解釈され、ハイフンでつながれず、otd_MixedCaseCommandNameというパターンに従います。たとえば、リリース11gのcreate-config
コマンドはリリース12.2.1ではotd_createConfiguration
になります。リリース12.2.1では演算子がありません。オプションはすべて、名前/値のペアとしてPythonディクショナリ内のコマンドに渡されます。
次のOracle Traffic Director WLSTコマンドは、Oracle Traffic Directorインスタンス/管理サーバーが構成されているホスト上で直接オフライン・モードで実行できます。
次のコマンドは、Oracle Traffic Directorドメイン・テンプレートを使用してドメインを作成および拡張した後に管理サーバー上でOracle Traffic Directorの構成およびインスタンスを作成および削除できるオフライン・プロビジョニングに対して使用できます。これらのコマンドは、管理サーバーが実行されていることを必要としませんが、管理サーバーが存在するホスト上で直接実行する必要があります。
これらはオフライン・コマンドであるため、変更を適用するためにアクティブ化を実行する必要はありません。これらのコマンドではconfig-store
が直接操作され、変更は管理サーバーが再起動されないかぎり編集セッションに適用されないため、これらのコマンドの実行中はオープンの編集セッションがないことを確認してください。
注意: 前述のコマンドは、readDomain を使用してドメインが読み取られるまではオフライン・モードで呼び出すことはできません。変更を適用するには、コマンドの後にupdateDomain を使用してドメインを更新するようにしてください。 |
OTDのカスタムWLSTコマンドはすべて、関数の引数として渡されるオプション(存在する場合)とともにjython関数として実装されます。
特に指示がないかぎり、コマンドは、実行中のサーバーへの接続が必要であるオンラインでのみ実行できます。オフラインとして指定されている場合、コマンドは、Oracle Traffic Directorインスタンスを構成するホスト上で直接実行できます。
コマンドでは、引数を使用しないか、pythonディクショナリを引数として使用します。プロパティはすべて、pythonディクショナリ内のコマンドに名前/値のペアとして渡されますが、この場合、名前と値は両方とも文字列です。
特に指示がないかぎり、すべてのゲッター・コマンド(otd_getX
)では名前(文字列)/値(文字列)のペアとしてのプロパティとともにpythonディクショナリが返され、セッター・コマンド(otd_setX
)および作成/削除ではいずれの値も返されませんが、リスト・メソッド(otd_listX
)では名前(文字列)/値(文字列)のペアのpythonディクショナリのリストが返されます
この項には、Oracle® Fusion Middlewareで使用されるWLSTコマンドの機能リストが含まれます。この項を使用して、Oracle® Fusion Middlewareの機能的な役割に基づいて特定のコマンドを検索できます
同じ場所に配置されたドメインまたはスタンドアロン・ドメインをプロビジョニングするためのコマンド。
仮想サーバーの構成およびプロパティを管理するためのコマンド。
サーバー・プール管理のコマンド。
リスナーを管理するためのコマンド。
SSLを管理するためのコマンド。
次に、サーバーによってサポートされている暗号を示します。
SSL_RSA_WITH_RC4_128_SHA
SSL_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_RC4_128_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_RC4_128_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
TLS_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA256
TLS_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
TLS_ECDHE_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
ルール管理のコマンド。
Webアプリケーション・ファイアウォール(WAF)管理のコマンド。
次に、フェイルオーバー管理コマンドを示します。