OPCMおよびオプションのZS3ストレージ拡張ラックの換気と冷却の要件について学習します。
十分な換気を確保するために、ラックの正面および背面には常に適切なスペースを設けてください。 ラックを通過する空気の流れを妨害する可能性のある設備や物体でラックの前面または背面を塞がないようにしてください。 通常、ラックに搭載可能なサーバーおよび機器は、ラックの正面から冷たい空気を取り込んでラックの背面から温風を排出します。 前面から背面に向かう冷却方式のため、左側と右側の通気要件はありません。
ラックがコンポーネントで埋まっていない場合、空いているセクションはフィラー・パネルで覆います。 コンポーネント間に隙間があると、ラック内の通気および冷却に悪影響を及ぼす可能性があります。
相対湿度とは、結露しないで空気中に存在できる水蒸気の割合で、気温に反比例します。 湿度は、気温が上がれば下がり、気温が下がれば上がります。 たとえば、温度が摂氏24度(華氏75度)で相対湿度が45%の空気は、温度が摂氏18度(華氏64度)で相対湿度が65%になります。 さらに温度が下がると相対湿度は65%を超え、水滴が発生します。
通常、空調設備は、コンピュータ・ルーム全体の温度および湿度を正確にモニターまたは制御するものではありません。 一般的には、主要ユニットおよび室内のその他のユニットの複数の排気口に対応する個別ポイントがモニタリングされます。 床下換気を使用する場合は、湿度に特別な配慮が必要です。 床下換気では、排気口に近い各地点でモニタリングが行われます。 部屋全体の温度と湿度の分布にはむらがあります。
Oracle Public Cloud Machine (OPCM)システムは、自然対流の空気の流れの中に設置されたときに機能するよう設計されています。 次の要件を確認して、環境仕様を満たしてください。
サーバーを抜ける適切な空気の流れがあることを確認します。
サーバーに、正面から背面の放熱があることを確認します。 空気の吸込口がサーバーの正面にあり、空気の排出口が背面にあることを確認します。
換気のために、サーバーの正面に最低914mm (36インチ)、背面に最低914mm (36インチ)の空間があることを確認します。
冷気の吸込み用に、ラックの前には穴の開いたタイル(およそ400CFM/タイル)を使用してください。 ラックの前のタイルは、タイルからの冷気がラックに流れ込む形状であれば、どのように配置しても構いません。 冷風の流れが不十分であると、排気が再循環するためにサーバーの吸気口の温度が上昇する可能性があります。 次の数の床タイルを使用することをお薦めします。
OPCMモデル1080の場合は床タイル4枚。
OPCMモデル576の場合は床タイル3枚。
OPCMモデル288の場合は床タイル1枚。
次の図に、一般的なデータ・センターでのOPCMモデル1080の設置方法を示します。
図1-2 データ・センターでの多孔フロア・タイルの一般的な構成
次の表で、OPCMの冷却とエアフローの最大要件および標準要件を説明します。
表1-13 OPCMの冷却およびエアフロー要件
説明 | モデル288 | モデル576 | モデル1080 |
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最大冷却 | 26397 BTU/時、27849 kJ/時 | 45898 BTU/時、48422 kJ/時 | 80297 BTU/時、84714 kJ/時 |
標準冷却 | 18478 BTU/時、19494 kJ/時 | 32128 BTU/時、33896 kJ/時 | 56208 BTU/時、59300 kJ/時 |
最大エアフロー(前方から後方へ) | 1222 CFM | 2125 CFM | 3717 CFM |
標準エアフロー(前方から後方へ) | 855 CFM | 1487 CFM | 2602 CFM |
OPCM ZS3ストレージ拡張ラックを配置している場合は、次の表の冷却要件を確認してください。
表1-14 OPCM ZS3ストレージ拡張ラックの冷却要件
説明 | モデル268 | モデル536 |
---|---|---|
最大冷却 | 22759 BTU/時、24012 kJ/時 | 45518 BTU/時、48024 kJ/時 |
標準冷却 | 10834 BTU/時、11430 kJ/時 | 21668 BTU/時、22860 kJ/時 |