Oracle Database Applianceでは、構成、ライフサイクル管理およびシステム管理を実行するために、3種類のツールを使用できます。
Oracle Database Appliance X6-2は、ロールベースのコマンドライン・インタフェースを使用します。ODACLIコマンドを使用してライフサイクル管理タスクを実行し、ODAADMCLIコマンドを使用してストレージおよびハードウェアの監視のメンテナンスを実行します。Oracle Databasesの管理に関連する多くのタスクは、Oracle Database Applianceのデータベースでも必要です。Oracle Databaseに共通のタスクは、Oracle Databaseのドキュメント・ライブラリに記載されています。ただし、タスクを単純化するために、Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースを使用します。ODACLIおよびODAADMCLIユーティリティは、SYSデータベース管理者ロールとオペレーティング・システム・スーパーユーザー(rootユーザー)の機能を結合します。管理タスクは、常にコマンドライン・ユーティリティを使用して実行します。
次の種類のコマンドを使用できます。
構成: アプライアンスの初期デプロイメントの一環として構成コマンドを使用し、CPUコアを構成します。
ライフサイクル管理: odacliを使用して、アプライアンスのデータベースおよびシステムの管理タスクを実行します。
管理タスク: odaadmcliを使用して、ハードウェアの管理タスクを実行します。
次の構成タスクを実行できます。
アプライアンスの最初のネットワークの構成
Oracle Database Applianceシングル・インスタンス・ソフトウェア・バンドルの正しい場所への解凍およびコピー
システムのCPUコア数の設定
ODACLIコマンドを使用して、次のアプライアンス・ライフサイクル・タスクを実行できます。
アプライアンスの作成および詳細表示
データベースの作成、リスト表示、詳細表示および削除
Oracle Databaseホームの作成、リスト表示、詳細表示および削除
ネットワークの作成、リスト表示および詳細表示
ジョブのリストおよび詳細の表示
ODAADMCLIコマンドを使用して、次のアプライアンス・メンテナンス・タスクを実行できます。
ストレージ、ディスク、ディスクグループおよびコントローラの表示
ディスクおよびNVM Express (NVMe)に対するストレージ診断の表示
ディスクの検索
サーバー、メモリー、プロセッサ、電源、冷却装置およびネットワークの詳細の表示
Oracle Appliance Managerとハードウェアのバージョンによっては、ODACLIコマンドの一部を使用できない場合があります。Oracle Appliance ManagerおよびハードウェアのバージョンでサポートされているODACLIコマンドを確認するには、ODACLIのヘルプ・コマンド: odacli -hを実行します。
ODACLIコマンドの場所およびパスの構成
Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェースは、次のディレクトリにあります。
/opt/oracle/dcs/bin/odacli
パス/opt/oracle/oda/bin/odacliのodacliコマンドを検索するには、PATH変数が定義されるようにOracle Database Applianceサーバーでrootユーザー・アカウントを構成します。
ODACLIの構文
Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェースのコマンドおよびパラメータでは大文字と小文字を区別しません。
odacliコマンドでは次のコマンド構文を使用します。
odacli command [options]
commandは、アプライアンスに対して実行するアクションです。たとえば、list-networks、create-appliance、describe-jobsがあります。
optionsは、ODACLIコマンドのオプション部分です。オプションは、オブジェクトに対して実行されるODACLIコマンドの使用を拡張する1つ以上のオプションで構成されます。オプションには、オブジェクトに対して実行するアクションに関する追加の情報が指定されます。オプション名の前にはダッシュが付きます。オプションによっては、遂行するアクションを実行するために、コマンドにオブジェクトの名前を必要とするものがあります。ヘルプ・オプション(-h)は、ほぼすべてのコマンドで使用可能なオプションです。-hオプションを指定すると、実行するコマンドに関する追加情報を取得できます。
例9-1 ODACLIの構文
# odacli create-database -h
Usage: create-database [options]
Options:
--adminpassword, -m Password for SYS,SYSTEM and PDB Admin
--cdb, -c Create Container Database Default: false
--dbclass, -cl Database Class OLTP/DSS/IMDB Default: OLTP
--dbconsole, -co Enable Database Console Default: false
--dbhomeid, -dh Database Home ID (Use Existing DB Home)
--dbname, -n Database Name
--dbshape, -s Database Shape{odb1,odb2,odb3 etc.} Default: odb1
--dbstorage, -r Database Storage {ACFS|ASM} Default: ACFS
--dbtype, -y Database Type {SI|RAC} Default: SI
--help, -h get help Default: false
--instanceonly, -io Create Instance Only (For Standby)Default: false
--json, -j json output Default: false
--pdbadmin, -d Pluggable Database Admin User Default: pdbadmin
--pdbname, -p Pluggable Database Name Default: pdb1
--targetnode, -g Node Number (for single-instance databases) Default: 0
--version, -v Database Version Default: 12.1.0.2
Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェースのヘルプ
Oracle Database Applianceで使用可能なすべてのコマンドの使用方法の情報を表示するには、-hコマンドを実行します。例を次に示します。
odacli -h
特定のコマンドについて詳細なヘルプを表示するには、odacli command -hコマンドまたはodacliadm command -hを実行します。例を次に示します。
odacli describe-dbhome -h