B.2 oclumon dumpnodeview
oclumon dumpnodeview
コマンドを使用して、ノード・ビューの形式でシステム監視サービスからログ情報を表示します。
使用上の注意
ノード・ビューは、ある時点でのノードについてクラスタ状態モニターによって収集されたすべてのメトリックの集合です。クラスタ状態モニターは、すべてのノードで5秒ごとにメトリックの収集を試行します。一部のメトリックは静的ですが、その他のメトリックは動的です。
詳細な出力を表示する場合、ノード・ビューは次の8つのビューで構成されています。
-
SYSTEM: CPU数、CPU使用率、メモリー使用量などのシステム・メトリックをリストします。
-
TOP CONSUMERS: 消費する上位のプロセスを次の形式でリストします。
metric_name: 'process_name(process_identifier) utilization'
-
CPUS: 各CPUの統計情報をリストします。
-
PROCESSES: PID、名前、スレッド数、メモリー使用量、ファイル記述子の数などのプロセス・メトリックをリストします。
-
DEVICES: ディスクの読取り速度および書込み速度、キューの長さ、I/O当たりの待機時間などのデバイス・メトリックをリストします。
-
NICS: ネットワークの受信速度および送信速度、有効バンド幅、エラー率などのネットワーク・インタフェース・カードのメトリックをリストします。
-
FILESYSTEMS: 合計領域、使用済領域、使用可能な領域などのファイル・システムのメトリックをリストします。
-
PROTOCOL ERRORS: プロトコル・エラーをリストします。
SYSTEMビューおよびTOP CONSUMERSビューのみを含むサマリー・レポートを生成します。
構文
oclumon dumpnodeview [-allnodes | -n node1 ...] [-last duration | -s timestamp -e timestamp] [-i interval] [-v | [-system][-process][-procag][-device][-filesystem][-nic][-protoerr][-cpu][-topconsumer]] [-format format type] [-dir directory [-append]]
パラメータ
表B-2 oclumon dumpnodeviewコマンドのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
クラスタ内のすべてのノードのノード・ビューをダンプするには、このオプションを使用します。 |
|
ノード・ビューをダンプする1つのノード(または、空白区切りのリストで複数のノード)を指定します。 |
|
最後のメトリックを取得する時間(二重引用符( 次に例を示します。
|
|
二重引用符( 次に例を示します。
注意: 範囲を得るには、これらの2つのオプションの両方を指定します。 |
|
収集間隔を5秒ごとに指定します。 |
|
ノード・ビューの詳細出力を表示します。 |
|
ノード・ビューの指定した各部分をダンプします。 |
|
出力形式を指定します。 "format type"は デフォルトの形式はほとんどの場合tabularで、1行のみのノード・ビュー部分の場合はlegacyになります。 |
|
指定したディレクトリのファイルにノード・ビューをダンプします。
たとえば、コマンド このコマンドを2回実行すると、前の実行でダンプされたデータが上書きされます。 このコマンドを |
|
ノード・ビューのプロセスを、次のカテゴリごとに集計して出力します。
|
|
|
使用上の注意
-
特定の環境では、このコマンドによってリプレイされる前にデータがしばらくの間遅延します。
たとえば、
crsctl stop cluster -all
コマンドによってデータが遅延する可能性があります。crsctl start cluster -all
を実行した後で、oclumon dumpnodeview
によって期間中に収集されたデータが表示されるまでに数分間かかることがあります。 -
デフォルトでは、ノード・ビューが連続的にダンプされます。連続的な表示を停止するには、LinuxおよびMicrosoft Windowsでは[Ctrl]+[C]を使用します。
-
ノード・ビューのダンプを取得するには、ローカル・システム監視サービス(
osysmond
)およびクラスタ・ログ出力サービス(ologgerd
)の両方が実行されている必要があります。 -
oclumon dumpnodeview
コマンドでは、CPUコアの127のCPUのみが表示され、リストのCPUがランダムに省略されます。
メトリックの説明
この項では、次の表にリストされた、ノード・ビューを構成する7つの各ビューのメトリックについて説明します。
表B-3 oclumon dumpnodeview SYSTEMビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
物理CPUの数 |
|
論理演算ユニットの数 |
|
CPUのハイパースレッディングが有効(Y)または無効(N) |
|
CPUベンダーの名前 |
|
現在のサンプル間隔内での処理装置ごとの平均CPU使用率(%)。 |
|
現在のサンプル間隔内で、実行キューで待機中のプロセスの数 |
|
RAMの空き容量(KB) |
|
使用可能なRAMの合計容量(KB) |
|
ファイル・バッファに使用される物理RAMの量にキャッシュ・メモリーとして使用される物理RAMの量を加えたもの(KB) Windowsシステムでは、ファイル・システム・キャッシュによって現在使用されているバイト数です。 注意: このメトリックは、Solarisでは使用できません。 |
|
スワップ・メモリーの空き容量(KB) |
|
物理スワップ・メモリーの合計容量(KB) |
|
ヒュージの合計サイズ(KB) 注意: このメトリックは、SolarisまたはMicrosoft Windowsシステムでは使用できません。 |
|
ヒュージ・ページの空きサイズ(KB) 注意: このメトリックは、SolarisまたはMicrosoft Windowsシステムでは使用できません。 |
|
ヒュージ・ページの最小ユニット・サイズ 注意: このメトリックは、SolarisまたはMicrosoft Windowsシステムでは使用できません。 |
|
現在のサンプル間隔内での平均の合計ディスク読取り速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均の合計ディスク書込み速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均のディスクI/O操作速度(I/O操作/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均スワップ・イン率(KB/秒) 注意: このメトリックは、Microsoft Windowsシステムでは使用できません。 |
|
現在のサンプル間隔内での平均スワップ・アウト率(KB/秒) 注意: このメトリックは、Microsoft Windowsシステムでは使用できません。 |
|
現在のサンプル間隔内での平均ページ・イン率(ページ/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均ページ・アウト率(ページ/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均の合計ネットワーク受信速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均の合計ネットワーク送信速度(KB/秒) |
|
プロセス数 |
|
CPUで現在実行中のプロセス数 |
|
リアルタイム・プロセスの数 |
|
CPUで現在実行中のリアルタイム・プロセス数 |
|
オープン・ファイル記述子の数 または Microsoft Windows上のオープンしているハンドルの数 |
|
ファイル記述子の数に対するシステム制限 注意: このメトリックは、SolarisまたはMicrosoft Windowsシステムでは使用できません。 |
|
ディスク数 |
|
ネットワーク・インタフェース・カードの数 |
|
現在のサンプル間隔内での平均の合計ネットワーク・エラー率(エラー/秒) |
表B-4 oclumon dumpnodeview PROCESSESビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
実行可能なプロセスの名前 |
|
オペレーティング・システムによって割り当てられたプロセス識別子 |
|
このプロセスのファイル記述子の数に対する制限 注意: このメトリックは、Microsoft Windows、AIXおよびHP-UXシステムでは使用できません。 |
|
プロセスのCPU使用率(%) 注意: 使用率の最大値は、処理装置の数の100倍です。 |
|
プロセスのプライベート・メモリー使用量(KB) |
|
プロセスの共有メモリー使用量(KB) 注意: このメトリックは、Microsoft Windows、SolarisおよびAIXシステムでは使用できません。 |
|
プログラムのワーキング・セット(KB) 注意: このメトリックは、Microsoft Windowsでのみ使用可能です。 |
|
このプロセスでオープンしているファイル記述子の数 または Microsoft Windows上のこのプロセスでオープンしているハンドルの数 |
|
このプロセスで作成されたスレッドの数 |
|
プロセス優先度 |
|
プロセスの正常値 注意: このメトリックは、Microsoft Windowsシステムには適用されません。 |
|
プロセスの状態 注意: このメトリックは、Microsoft Windowsシステムには適用されません。 |
表B-5 oclumon dumpnodeview DEVICESビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
現在のサンプル間隔内での平均のディスク読取り速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均のディスク書込み速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均のディスクI/O操作速度(I/O操作/秒) |
|
現在のサンプル間隔内で |
|
現在のサンプル間隔内でのI/O当たりの平均待機時間(ミリ秒) |
|
適用可能な場合は、デバイスの使用目的を示します。可能な値は次のとおりです。
|
表B-6 oclumon dumpnodeview NICSビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
現在のサンプル間隔内での平均のネットワーク受信速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均のネットワーク送信速度(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均の有効バンド幅(KB/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均エラー率(エラー/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均の受信パケット率(パケット/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均の発信パケット率(パケット/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での受信パケットの平均エラー率(エラー/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での発信パケットの平均エラー率(エラー/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での受信パケットの平均ドロップ率(パケット/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での発信パケットの平均ドロップ率(パケット/秒) |
|
現在のサンプル間隔内での平均のユニキャスト・パケット受信率(パケット/秒) |
|
PUBLICまたはPRIVATE |
|
平均のマルチキャスト・パケット受信率(パケット/秒) |
|
このネットワーク・インタフェース・カードの推定待機時間(ミリ秒) |
表B-7 oclumon dumpnodeview FILESYSTEMSビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
領域の合計容量(KB) |
|
マウント・ポイント |
|
ファイル・システムのタイプ(ローカル・ファイル・システム、NFSまたはその他) |
|
使用済領域の量(KB) |
|
使用可能な領域の量(KB) |
|
使用済領域の割合(%) |
|
空きファイル・ノードの割合(%) 注意: このメトリックは、Microsoft Windowsシステムでは使用できません。 |
表B-8 oclumon dumpnodeview PROTOCOL ERRORSビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
データグラムのIPv4ヘッダー内のエラーのため破棄された入力データグラムの数 |
|
IPv4ヘッダーの宛先フィールド内のIPv4アドレスがこのエンティティで受信できる有効なアドレスではなかったため破棄された入力データグラムの数 |
|
正常に受信されたものの、不明またはサポートされていないプロトコルのため破棄された、ローカルにアドレス指定されたデータグラムの数 |
|
IPv4の再アセンブリ・アルゴリズムによって検出された障害の数 |
|
フラグメンテーション・エラーのため破棄されたIPv4データグラムの数 |
|
TCP接続が |
|
TCP接続が |
|
再送信されたTCPセグメントの合計数 |
|
宛先ポートにアプリケーションが存在しなかった受信済UDPデータグラムの合計数 |
|
宛先ポートにアプリケーションが存在しないこと以外の理由で配信できなかった受信済UDPデータグラムの数 |
表B-9 oclumon dumpnodeview CPUSビュー・メトリックの説明
メトリック | 説明 |
---|---|
|
仮想CPU |
|
システム領域でのCPUの使用量 |
|
ユーザー領域でのCPUの使用量 |
|
特定のCPUのNICの値 |
|
特定のCPUのCPU使用量 |
|
I/O操作へのCPU待機時間 |
例B-2 dumpnodeview -n
次の例では、過去12時間に収集された、node1
、node2
およびnode3
のノード・ビューをダンプします。
$ oclumon dumpnodeview -n node1 node2 node3 -last "12:00:00"
次の例では、過去15分間で30秒ごとに収集された、すべてのノードのノード・ビューを表示します。
$ oclumon dumpnodeview -allnodes -last "00:15:00" -i 30
例B-3 dumpnodeview –format csv
次の例では、オプション-format csv
を使用して、カンマ区切り値のファイル形式で内容を出力する方法を示しています。
# oclumon dumpnodeview –format csv
dumpnodeview: Node name not given. Querying for the local host
----------------------------------------
Node: node1 Clock: '2016-09-02 11.18.00-0700' SerialNo:310668
----------------------------------------
SYSTEM:
"#pcpus","#cores","#vcpus","cpuht","chipname","cpuusage[%]","cpusys[%]","cpuuser[%]",
"cpunice[%]","cpuiowait[%]","cpusteal[%]","cpuq","physmemfree[KB]","physmemtotal[KB]",
"mcache[KB]","swapfree[KB]","swaptotal[KB]","hugepagetotal","hugepagefree","hugepagesize",
"ior[KB/S]","iow[KB/S]","ios[#/S]","swpin[KB/S]","swpout[KB/S]","pgin[#/S]","pgout[#/S]",
"netr[KB/S]","netw[KB/S]","#procs","#procsoncpu","#procs_blocked","#rtprocs","#rtprocsoncpu",
"#fds","#sysfdlimit","#disks","#nics","loadavg1","loadavg5","loadavg15","#nicErrors"
2,12,24,Y,"Intel(R) Xeon(R) CPU X5670 @ 2.93GHz",68.66,5.40,63.26,0.00,0.00,0.00,0,820240,
73959636,61520568,4191424,4194300,0,0,
2048,143,525,64,0,0,0,279,600.888,437.070,951,24,0,58,N/A,33120,6815744,13,5,19.25,17.67,16.09,0
TOPCONSUMERS:
"topcpu","topprivmem","topshm","topfd","topthread"
"java(25047) 225.44","java(24667) 1008360","ora_lms1_prod_1(28913) 4985464","polkit-gnome-au(20730) 1038","java(2734) 209"
例B-4 dumpnodeview –procag
次の例は、ノード・ビューを、DBBG (DBバックグラウンド)、DBFG (DBフォアグラウンド)、CLUST (クラスタ)およびOTHER (その他のプロセス)のカテゴリごとに集計して出力する方法を示しています。
# oclumon dumpnodeview –procag
----------------------------------------
Node: node1 Clock: '2016-09-02 11.14.15-0700' SerialNo:310623
----------------------------------------
PROCESS AGGREGATE:
cpuusage[%] privatemem[KB] maxshmem[KB] #threads #fd #processes category sid
0.62 45791348 4985200 187 10250 183 DBBG prod_1
0.52 29544192 3322648 191 10463 187 DBBG webdb_1
17.81 8451288 967924 22 511 22 DBFG webdb_1
75.94 34930368 1644492 64 1067 64 DBFG prod_1
3.42 3139208 120256 480 3556 25 CLUST
1.66 1989424 16568 1110 4040 471 OTHER
例B-5 ノード・ビューの出力
----------------------------------------
Node: rwsak10 Clock: '2016-05-08 02.11.25-0800' SerialNo:155631
----------------------------------------
SYSTEM:
#pcpus: 2 #vcpus: 24 cpuht: Y chipname: Intel(R) cpu: 1.23 cpuq: 0
physmemfree: 8889492 physmemtotal: 74369536 mcache: 55081824 swapfree: 18480404
swaptotal: 18480408 hugepagetotal: 0 hugepagefree: 0 hugepagesize: 2048 ior: 132
iow: 236 ios: 23 swpin: 0 swpout: 0 pgin: 131 pgout: 235 netr: 72.404
netw: 97.511 procs: 969 procsoncpu: 6 rtprocs: 62 rtprocsoncpu N/A #fds: 32640
#sysfdlimit: 6815744 #disks: 9 #nics: 5 nicErrors: 0
TOP CONSUMERS:
topcpu: 'osysmond.bin(30981) 2.40' topprivmem: 'oraagent.bin(14599) 682496'
topshm: 'ora_dbw2_oss_3(7049) 2156136' topfd: 'ocssd.bin(29986) 274'
topthread: 'java(32255) 53'
CPUS:
cpu18: sys-2.93 user-2.15 nice-0.0 usage-5.8 iowait-0.0 steal-0.0
.
.
.
PROCESSES:
name: 'osysmond.bin' pid: 30891 #procfdlimit: 65536 cpuusage: 2.40 privmem: 35808
shm: 81964 #fd: 119 #threads: 13 priority: -100 nice: 0 state: S
.
.
.
DEVICES:
sdi ior: 0.000 iow: 0.000 ios: 0 qlen: 0 wait: 0 type: SYS
sda1 ior: 0.000 iow: 61.495 ios: 629 qlen: 0 wait: 0 type: SYS
.
.
.
NICS:
lo netrr: 39.935 netwr: 39.935 neteff: 79.869 nicerrors: 0 pktsin: 25
pktsout: 25 errsin: 0 errsout: 0 indiscarded: 0 outdiscarded: 0
inunicast: 25 innonunicast: 0 type: PUBLIC
eth0 netrr: 1.412 netwr: 0.527 neteff: 1.939 nicerrors: 0 pktsin: 15
pktsout: 4 errsin: 0 errsout: 0 indiscarded: 0 outdiscarded: 0
inunicast: 15 innonunicast: 0 type: PUBLIC latency: <1
FILESYSTEMS:
mount: / type: rootfs total: 563657948 used: 78592012 available: 455971824
used%: 14 ifree%: 99 GRID_HOME
.
.
.
PROTOCOL ERRORS:
IPHdrErr: 0 IPAddrErr: 0 IPUnkProto: 0 IPReasFail: 0 IPFragFail: 0
TCPFailedConn: 5197 TCPEstRst: 717163 TCPRetraSeg: 592 UDPUnkPort: 103306
UDPRcvErr: 70