グリッド・ネーミング・サービスのクラスタ構成例

グリッド・ネーミング・サービスの構成を理解するには、この例を確認します。

GNSを使用する場合は、GNSのVIPアドレスに静的IPアドレスを指定し、サブドメインをDNSで構成して、静的なGNSのIPアドレスにそのサブドメインの解決を委任する必要があります。

クラスタにノードが追加されると、組織のDHCPサーバーによって、これらのノードに動的にアドレスが提供されます。これらのアドレスは自動的にGNSに登録され、GNSによってサブドメイン内で、GNSに登録されたクラスタ・ノード・アドレスの解決が行われます。

アドレスの割当てと構成はGNSによって自動的に行われるため、これ以上の構成は必要ありません。Oracle Clusterwareによって、クラスタに対してノードが追加または削除されるときに、動的なネットワーク構成が行われます。参考までに例を示します。

IPv6ネットワークでは、IPv6自動構成機能によってIPアドレスが割り当てられるため、DHCPサーバーは必要ありません。

2ノードのクラスタで、GNSのVIPが定義されている場合、インストール後に次のような構成を2ノードのクラスタに対して行いますが、クラスタ名はmycluster、GNSの親ドメインはgns.example.com、サブドメインはcluster01.example.comです(IPアドレスの192.0.2の部分はクラスタのパブリックIPアドレスのサブドメインを表し、192.168はプライベートIPアドレス・サブドメインを表します)。

表4-1 グリッド・ネーミング・サービスのクラスタ構成例

アイデンティティ ホーム・ノード ホスト・ノード 指定された名前 タイプ アドレス アドレスの割当て方法 解決方法

GNS VIP

なし

Oracle Clusterwareにより選択

mycluster-gns-vip.example.com

仮想

192.0.2.1

ネットワーク管理者が固定

DNS

ノード1パブリック

ノード1

node1

node1

パブリック

192.0.2.101

固定

GNS

ノード1 VIP

ノード1

Oracle Clusterwareにより選択

node1-vip

仮想

192.0.2.104

DHCP

GNS

ノード1プライベート

ノード1

node1

node1-priv

プライベート

192.168.0.1

固定またはDHCP

GNS

ノード2パブリック

ノード2

node2

node2

パブリック

192.0.2.102

固定

GNS

ノード2 VIP

ノード2

Oracle Clusterwareにより選択

node2-vip

仮想

192.0.2.105

DHCP

GNS

ノード2プライベート

ノード2

node2

node2-priv

プライベート

192.168.0.2

固定またはDHCP

GNS

SCAN VIP 1

なし

Oracle Clusterwareにより選択

mycluster-scan.mycluster.cluster01.example.com

仮想

192.0.2.201

DHCP

GNS

SCAN VIP 2

なし

Oracle Clusterwareにより選択

mycluster-scan.mycluster.cluster01.example.com

仮想

192.0.2.202

DHCP

GNS

SCAN VIP 3

なし

Oracle Clusterwareにより選択

mycluster-scan.mycluster.cluster01.example.com

仮想

192.0.2.203

DHCP

GNS