クラスタ時刻同期のためのネットワーク・タイム・プロトコルの設定
Oracleクラスタ時刻同期化またはネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)オプションのいずれかを時刻同期に使用します。
Oracle Clusterwareでは、すべてのクラスタ・ノードのタイムゾーンの環境変数を同一に設定する必要があります。インストール中、インストール・プロセスによって、Oracle Universal Installer (OUI)が実行されるノードのGridインストール所有者のタイムゾーン(TZ)環境変数設定が取得され、そのタイムゾーン値が、Oracle Clusterwareによって管理されるすべてのプロセスのデフォルトのTZ環境変数設定としてすべてのノードで使用されます。タイムゾーンのデフォルトは、データベース、Oracle ASMおよびその他の管理プロセスで使用されます。時間の同期には2つの方法があります。
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chronyd
またはntpd
などの、オペレーティング・システムで構成されたネットワーク・タイム・プロトコル(NTP) -
Oracleクラスタ時刻同期化サービス
Oracleクラスタ時刻同期化サービスは、クラスタ・サーバーからNTPサービスにアクセスできない組織のために設計されています。NTPを使用する場合は、Oracle Cluster時刻同期化デーモン(ctssd)は、オブザーバ・モードで起動します。NTPデーモンがない場合は、ctssdがアクティブ・モードで起動し、外部の時刻サーバーに接続しなくても、クラスタ・メンバー間の時刻が同期されます。
注意:
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Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのノードの時計が同じ時刻になっていることを確認することをお薦めします。
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デフォルトでは、Oracle Linux 7およびRed Hat Linux 7で使用可能になっているNTPサービスは
chronyd
で、Oracle Linux 6およびRed Hat Linux 6以前で使用可能になっているNTPサービスはntpd
です。
サーバー上にNTPデーモンがあっても時間サーバーの時刻と同期されるように構成できない場合に、クラスタ時刻同期化サービスを使用してクラスタ内で同期化サービスを提供する場合は、NTPを非アクティブにし、削除します。
ntpdサービスの非アクティブ化
NTPサービスを非アクティブ化するには、既存のntpd
サービスを停止し、初期化シーケンスでは無効化し、ntp.conf
ファイルを削除します。
Oracle Linux 6およびRed Hat Linux 6以前、およびAsianuxシステムで、次の手順を実行します。
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次のコマンドを
root
ユーザーとして実行します。# /sbin/service ntpd stop # chkconfig ntpd off # mv /etc/ntp.conf /etc/ntp.conf.org
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次のファイルを削除します。
/var/run/ntpd.pid
このファイルには、NTPデーモンの
pid
が保持されています。
NTPプロトコルがアクティブでないとインストーラによって判断されると、クラスタ時刻同期化サービスがアクティブ・モードでインストールされ、ノード間で時刻が同期されます。NTPが構成されていると判断された場合は、クラスタ時刻同期化サービスはオブザーバ・モードで起動され、クラスタ内でOracle Clusterwareによるアクティブな時刻同期化は行われません。
chronydサービスの非アクティブ化
chronyd
サービスを非アクティブ化するには、既存のchronyd
サービスを停止し、初期化シーケンスで無効化します。
Oracle Linux 7およびRed Hat Linux 7で、次の手順を実行します。
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次のコマンドを
root
ユーザーとして実行します。# systemctl stop chronyd # systemctl disable chronyd
インストール後のOracleクラスタ時刻同期化サービスの構成
インストール後にctssd
がアクティブになっていることを確認するには、グリッド・インストール所有者として次のコマンドを入力します。
$ crsctl check ctss