インストール後のOracle Clusterwareバイナリの変更

インストール後にOracle Clusterware構成の変更が必要になった場合は、グリッド・ホームをロック解除する必要があります。Gridホームのロック解除については、この情報を確認します。

たとえば、個別パッチを適用する場合や、Oracle Exadata構成を変更して、デフォルトのUDPを使用するかわりにインターコネクト上でRDS経由のIPCトラフィックを実行する場合は、Gridホームのロック解除が必要になります。

警告:

実行可能ファイルを再リンクする前に、Oracleホーム・ディレクトリで実行されている、再リンク対象の実行可能ファイルをすべて停止する必要があります。また、Oracle共有ライブラリにリンクされているアプリケーションも停止してください。

次の手順に従って、ホームをロック解除します。

  1. ディレクトリをパスGrid_home/crs/installに変更し(Grid_homeはGridホームのパス)、コマンドrootcrs.sh -unlockを使用してGridホームをロック解除します。たとえば、Gridホームが/u01/app/12.2.0/gridの場合、次のコマンドを入力します。

    # cd /u01/app/12.2.0/grid/crs/install
    # rootcrs.sh -unlock
    
  2. ユーザーをOracle Grid Infrastructureソフトウェア所有者に変更し、コマンド構文make -f Grid_home/rdbms/lib/ins_rdbms.mk targetを使用してバイナリを再リンクします(ここで、Grid_homeはGridホーム、targetは再リンクするバイナリです)。たとえば、Gridユーザーがgrid$ORACLE_HOMEがGridホームに設定されている場合に、インターコネクト・プロトコルをUDPからIPCに更新するには、次のコマンドを入力します。

    # su grid
    $ make -f $ORACLE_HOME/rdbms/lib/ins_rdbms.mk ipc_rds ioracle

    注意:

    バイナリを再リンクする場合、グリッド・インストール所有者に変更して、コマンドGrid_home/bin/relinkを実行することも可能です。

  3. 次のようにして、Gridホームを再度ロックし、クラスタを再起動します。

    # rootcrs.sh -lock
    # crsctl start crs

    各クラスタ・メンバー・ノードで、手順1から3を繰り返します。

注意:

Gridホームのディレクトリは削除しないでください。たとえば、Grid_home/OPatchディレクトリを削除しないでください。このディレクトリを削除すると、グリッド・インフラストラクチャ・インストール所有者はOPatchを使用してGridホームにパッチを適用できず、OPatchによって「checkdirエラー: Grid_home/OPatchを作成できません」というエラー・メッセージが表示されます。