高速ホーム・プロビジョニングを使用したOracle Grid Infrastructureのデプロイについて

高速ホーム・プロビジョニングは、Oracleホームのプロビジョニングとパッチ適用のためのソフトウェア・ライフサイクル管理方法です。高速ホーム・プロビジョニングを使用すると、データベースおよびクラスタの標準オペレーティング環境を一括デプロイできます。

高速ホーム・プロビジョニング(RHP)により、クラスタのインストールと、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseホームのプロビジョニング、パッチ適用およびアップグレードを行うことができます。サポートされているバージョンは、11.2、12.1および12.2です。アプリケーションおよびミドルウェアも高速ホーム・プロビジョニングを使用してプロビジョニングできます。高速ホーム・プロビジョニング・サーバーとして知られる単一のクラスタは、任意の数のノードにプロビジョニングできる、ゴールド・イメージという標準化されたイメージを格納および管理します。Oracleスタンドアロン・クラスタやOracleメンバー・クラスタ、およびOracleアプリケーション・クラスタなどのOracle Grid Infrastructureクラスタ構成をインストールできます。デプロイの後でも、クラスタおよびOracle RACデータベースを拡張および契約できます。

Oracle Grid Infrastructureは、OracleホームのテンプレートをOracleソフトウェア(データベース、ミドルウェアおよびアプリケーションなど)のイメージ(ゴールド・イメージと呼ばれます)として保存している単一のクラスタから、クラウド・コンピューティング環境のリモートの一連のノードにプロビジョニングできます。

高速ホーム・プロビジョニングではゴールド・イメージ・ソフトウェアをサイト固有の構成変更と分けることが可能な新しいファイル・システム機能を利用するため、ホーム・パスは更新後も変わりません。このホーム・パスの永続性機能はOracle Grid Infrastructure 12cリリース2 (12.2)で利用可能で、インプレースおよびアウトオブプレースのパッチ適用が備えるそれぞれのメリットを兼ね備えます。

注意:

高速ホーム・プロビジョニングでは、スタンドアロン・サーバー用Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Restartの単一インスタンス・データベースのプロビジョニング、パッチ適用およびアップグレードがサポートされます。

高速ホーム・プロビジョニング

高速ホーム・プロビジョニングを使用したOracleソフトウェアのデプロイには、次の利点があります。

  • デプロイされるソフトウェアのゴールド・イメージおよび系統の管理により、標準化および高レベルの自動化が可能になります。

  • 変更管理をサポートしています。標準化されたOracleホームで、管理者はホストされたOracleソフトウェアをより効果的に制御でき、変更管理をする場合に単一の場所からソフトウェアの一括デプロイメントおよびメンテナンスを簡単に管理できます。

  • パッチ適用やアップグレード時の停止時間を最小化したり、ロールバックを容易にしたり、大規模システムのプロビジョニングをより簡単に効率的に行うことができます。

  • 多数のデータベース・インスタンスに単一のOracleホームを使用できるため、ソフトウェア・イメージのパッチ適用累積時間を減らせます。

関連項目:

高速ホーム・プロビジョニングのサーバーおよびクライアントの設定、Oracle Grid InfrastructureホームおよびOracle Databaseホームのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのゴールド・イメージの作成および使用の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。