以前のリリースからのOracle Grid Infrastructureのアップグレード

以前のリリースからOracle Grid Infrastructure (Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management)をアップグレードするには、この手順を実行します。

アップグレード中に、求められている操作やアップグレード時に指定する必要がある入力内容について疑問がある場合にはいつでも、インストーラ・ページの「ヘルプ」ボタンをクリックします。
アップグレードを開始する前に、ネットワーク情報、記憶域情報およびオペレーティング・システムのユーザーとグループを使用できるようにして、rootスクリプトを実行する準備を行う必要があります。
  1. gridユーザーとして、Oracle Grid Infrastructureのイメージ・ファイルをダウンロードし、そのファイルをGridホームに展開します。

    次に例を示します。

    mkdir -p /u01/app/12.2.0/grid
    chown grid:oinstall /u01/app/12.2.0/grid
    cd /u01/app/12.2.0/grid
    unzip -q download_location/grid_home.zip

    download_location/grid_home.zipは、ダウンロードされたOracle Grid Infrastructureイメージ・ファイルのパスです。

    注意:

    • このイメージ・ソフトウェアは、Gridホームを配置するディレクトリに展開する必要があります。

    • Oracle Grid Infrastructureのイメージ・ファイルをダウンロードし、ローカル・ノードにのみコピーします。アップグレード中に、ソフトウェアはクラスタの他のすべてのノードにコピーおよびインストールされます。

  2. 次のコマンドを実行して、Oracle Grid Infrastructureウィザードを起動します。
     Grid_home/gridSetup.sh
  3. 次の構成オプションを選択します。
    • Oracle Grid Infrastructureのアップグレード: このオプションは、Oracle Grid Infrastructure (Oracle ClusterwareおよびOracle ASM)をアップグレードする場合に選択します。

    注意:

    必ずOracle Clusterwareの方が新しいリリースである必要があるため、Oracle Clusterwareより新しいリリースにOracle ASMをアップグレードすることはできません。
  4. ノード選択ページで、すべてのノードを選択します。
  5. 指示どおりに、インストール・オプションを選択します。rootスクリプトの自動化を構成して、アップグレード中にrootupgrade.shスクリプトが自動的に実行されるようにすることをお薦めします。
  6. rootスクリプトを自動的に、または手動で実行します。
    • rootスクリプトを自動的に実行する場合:

      rootスクリプトの自動化を構成した場合は、以前のリリースを実行しているノードから新しいリリースにサービスを再配置するために、バッチ間で一時停止を使用します。

    • rootスクリプトを手動で実行する場合

      rootスクリプトの自動化を構成していない場合は、プロンプトに従って、アップグレードするクラスタ内の各ノードでrootupgrade.shスクリプトを実行します。

    rootスクリプトを手動で実行する場合は、最初にローカル・ノードでスクリプトを実行します。このスクリプトは、前のリリースのインストール環境を停止し、新しいOracle Clusterwareリリースに置き換えて、新しいOracle Clusterwareのインストールを開始します。スクリプトが正常に完了したら、最後のノードとして選択した1つを除いて、すべてのノード上で並行してスクリプトを実行できます。最後のノードを除いたすべてのノード上でスクリプトが正常に実行されたら、最後のノード上でスクリプトを実行します。12.1のOracle Flex Clusterからアップグレードする場合は、リーフ・ノードで実行する前にすべてのハブ・ノードでrootupgrade.sh スクリプトを実行することをお薦めします。
  7. Oracle Grid Infrastructureホームは、以前のOracle ClusterwareホームおよびOracle ASMホームとは異なる場所にあるため、Oracle ClusterwareホームおよびOracle ASMホームにあるユーティリティ、ライブラリなどのファイルを使用するスクリプトまたはアプリケーションを更新します。
  8. 「Oracle Enterprise Manager Cloud Controlのターゲット・パラメータの更新」の説明に従って、Oracle Enterprise Managerターゲット・パラメータを更新します。

注意:

  • アップグレードの最後に、Oracle Cluster Registry (OCR)のバックアップ場所を前のリリースのOracle Clusterwareホーム(CRSホーム)に手動で設定していた場合は、新しいOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に変更する必要があります。OCRのバックアップ場所を手動で設定しなかった場合は、アップグレード中にバックアップ場所が変更されます。

  • Oracle Clusterwareのアップグレードはアウトオブプレース・アップグレードなので、前のリリースのOracle Clusterwareホームを現在のリリースのOCRのバックアップ場所にすることはできません。以前のOracle Clusterwareホーム内のバックアップは削除できます。

  • アップグレードするクラスタにOCR、OCRバックアップ、Oracle ASMパスワード、Oracle ASMパスワード・ファイルのバックアップ、グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)を格納する単一のディスク・グループがある場合は、別のディスク・グループを作成するか、既存の異なるディスク・グループを使用して、OCRバックアップ、GIMRおよびOracle ASMパスワード・ファイルのバックをそのディスク・グループに格納することをお薦めします。

関連項目:

ディスク・グループを作成するコマンドの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。